2024年グランプリシリーズ2戦目のカナダ大会(スケートカナダ)が終了しました。
昨夜は結局睡魔に負け、男子フリーは午前にディレイ視聴致しました。カップル競技動画は一部だけつまみ食いだけしましたが、まだ見終えることはできていません。
カナダ大会は「宇野昌磨選手の過去プロ使用曲の使用率」がやたら高かったせいで「宇野昌磨過去プロ映像巡りの旅」に出たくなった私。大会の配信動画を全部視聴し終える前に、先に男子シングルの感想を記録しておこうと思います。
男子フリーとアイスダンスの公式配信動画掲載してます。最後にアイスダンスの楽しい衣装話もちょこっと書いてます。
男子フリー カナダ勢の代表譲り合い
男子フリー公式配信動画
昨夜の男子フリーは下記から見られます。ゲスト解説はSPに引き続きケヴィン・レイノルズさん。
カナダ勢の代表譲り合いの結末
開始前、ロマン・サドフスキー選手のWDが発表されました。欠場理由は「医学的な理由」としか説明されておらず、体調の問題なのか怪我なのかは不明です。
公式練習前半では全くジャンプを跳ばず、ジャッキー・ウォンさんの練習リポートで異例の「No Jumps」報告が続いてたので怪我かもしれないとは思っていました。でもSP前最終練習?の時にはジャンプ跳んだんですよね。その時「クララが立った!」と言わんばかりに現地にいたファンが「ロマンがジャンプした!」と動画をSNSにあげていたのを見てちょっと安心してたんですけどね…
SP最下位スタートでは無理を重ねたところでPB更新&上位獲得は難しいだろうと判断したのかもしれません。
私が事前に注目してたポイントの一つに「カナダ男子の代表譲り合いが見られるか(見たくないけど)」がありましたが、欠場者が出るとは思ってませんでしたね…
ちなみにアレクサ・ラキッチ選手は大崩れまではせずに演技をまとめられて総合7位と健闘しましたが、SP5位スタートだったスティーブン・ゴゴレフ選手は着氷乱れが相次ぎ2転倒&1抜けで総合9位とランキングポイントも取れずじまい。
カナダ実況では「ゴゴレフ選手はフリーの出来次第では表彰台も狙える!」と煽られていただけに、なかなか辛い展開。後半の3Lo~3Aコンボが無茶でしたね…ルッツコンボらしきところでファーストジャンプで転倒しちゃったもんだから少しでもリカバリーをーと考えたんだろうけど、せめて2Aにしておけばラキッチ選手を上回れたかも。
女子はマデリーン・スキーザス選手が表彰台あと一歩のところまで頑張ったし、ペアはステデシ組とアイスダンスはパイポー組&ラジョラガ組が金銀メダルとカナダ勢大活躍だったのに。強かったカナダ男子はいずこへ…。
1)自爆率が低めだが経験値が少ないラキッチ選手
2)一定の実力&自爆率を保ち続けるチウ選手
3)ポテンシャルはかなり高いが自爆率もかなり高いサドフスキー選手&ゴゴレフ選手。
ーこの中から五輪の枠取りのかかるワールド派遣メンバーを1名選ぶとしたら、誰が正解でしょうか?
私がカナダの連盟の人だったらもう占いかなんかで決めたくなるかも(苦笑)。男子を何とかしないとカナダはミラノ五輪団体メダルはロシア不在のままでも厳しいかもしれません…
表彰台争い
チャ・ジュンファン選手
練習に出てきたチャ・ジュンファン選手、「ロコ」衣装のヒラヒラはリストラされずに残っていて安心しました(笑)。競技向きじゃないかもしれないけれど今季一番気に入っている衣装なので、頼むからこのままワールドまで行ってくれ!
本番演技ではルッツーループでセカンドループを跳びにいけず、コンボを一つ余らせるという小ミスはあったものの、4回転をサルコウ&トゥループ各1本ずつ入れてスピンステップオールレベル4でまとめてきました。これは後続の日本人二人の大きなプレッシャーになりそう…
でも去年のスケカナでの彼は怪我でさんざんな出来だったので、いい演技ができるとちょっと嬉しい。回転不足取られちゃうかな心配しましたが、ルッツのqと3A~2Aのファーストに「>」がついた程度ですみ、171.93。最初のトリプルアクセル、彼にしては助走が短くてちょっと驚きでした。動きが濃密で既に結構好きなプロです。
実はジュンファン選手、SPもスピンステップオールレベル4なんですよね。今季認定厳しいと言われてるけれど、その中で揃えられてるのはさすがだなと思いましたわ。
山本草太選手
山本草太選手の練習でのジャンプの調子は決して良くはないようでしたが、まぁ悪くもない感じ。ジュンファン選手もそうでしたが、滑りのいい選手に狭いリンクを与えるの勘弁して!って思います。
GPS大会はともかくチャンピオンシップ大会はホッケーサイズリンク辞めてほしいなぁって昔から思ってます。ワールドが2年連続ホッケーサイズリンクなのは何とかならんかったんですかね。
昌磨さんのラスト試合は正規サイズリンクで見たかったな…
若干持ちこたえた感のあるジャンプはありましたが、基本クリーンに決めて行き、後半4Tに挑んだ時は「おお!」って驚きました。「4回転は3種目投入はせず2種3本」って聞いてたけど、「勝負の構成」にはしてたんだ!って。前半で2種2本しか跳んでないのに、彼が後半で4回転入れてくるとは全然思ってなかった私です(苦笑)。
残念ながら後半4Tはダウングレードでの転倒になってしまいましたが、その後の演技に響いた印象はなく、世界観は最後まで保たれていた感じ。解説も彼の「観客を掴む力」についてコメントしていましたし、転倒こそあったけれど、いい演技だったのでは?と私は思いました。
ファンの方に定評がある #山本草太 選手の横顔。SPでは思うように撮れませんでしたがフリーではこれだと思うものが撮れて最初に送りました。転倒もあり結果は4位と残念でしたが、この横顔をもう一度見たいと思える演技でした。https://t.co/Fm6Xz5iVXH#SotaYamamoto #SkateCanada #スケカナ pic.twitter.com/VNcB3cNhAf
— 猪飼健史 (@Kenji_Ikaiphoto) October 28, 2024
しかし得点は伸びず164.84。後半4Tだけでなく少し詰まり気味だった4回転サルコウもアンダーローテーションを取られたのが痛かった。スピンもレベル3が二つ。今大会ではつなぎの薄さが厳しく見られててPCSが今一つ伸びてない。総合257.00でジュンファン選手の260.31にあと一息及ばず、あと一息のところにあった表彰台を逃してしまいました。去年スケカナで優勝した時よりいい演技だったのになぁ…
佐藤駿選手
続いて登場した佐藤駿選手。練習ではジャンプ全体的に苦戦していて、現地報道陣には「大丈夫か」と心配する人たちもいましたが「佐藤駿選手は練習でジャンプ苦戦してても本番になると打って変わって決めて来ることが多い」ということは徐々と知れ渡りつつあるようです。配信では「ジャンプだいぶ苦戦してたけど、本番では大丈夫なんじゃね?」的な扱いをされていました(苦笑)。
#フィギュアスケート GPシリーズの #スケートカナダ。
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) October 27, 2024
男子SP2位の #佐藤駿選手 はフリー164・64点で、合計261・16点をあげ2位となりました。#スケカナ
男子フリーの写真特集https://t.co/qM132R5PUs
撮影 @Kenji_Ikaiphoto pic.twitter.com/22PsbbuyLT
私も徐々に慣れてきたのか、「本番ではやってくれるのでは」と落ち着いた気持ちでいました。
でも、今季順調そうだった4回転ルッツ転倒することもあるのですね…クソ難しいジャンプなんだから当たり前か。その後に飛んだ4回転フリップは難なく入りました。(「!」がついただけ)
今季「更に表現が進化したな」と思っていたのですが、このフリーの演技はジャンプに集中していたせいなのかあっさりめな印象でした。転倒の影響で音楽と振りがズレてた?のかもしれません。後半のトリプルアクセル転倒には驚き。「2転倒だと表彰台落ちもありうる?」と不安になりました。
キス&クライに座った佐藤駿選手も不安がありありとわかる表情。フリーはルッツフリップ入りの4回転3種4本構成ながら2転倒が響き164.64。しかしSPの貯金が功を奏し、総合点は261.16でジュンファン選手を0.85ポイント上回りました。
暫定1位表示にホッとして両手で顔を覆う様子がコーチとシンクロしたのが笑みを誘いましたね。
Me for most of this weekend #SCI24 pic.twitter.com/rIiafeMPqp
— Jackie Wong (@rockerskating) October 27, 2024
イリヤ・マリニン選手
表彰台候補選手にノーミスレベルの演技がなかったので、イリヤ・マリニン選手は余程のことが無い限り優勝確定。こちらものんびり視聴できます。
冒頭の4回転フリップはあっさり決まり(でも「q」ついててちょっと驚き)、スケアメでダブルに抜けてしまったループが今回はトリプルになってステップアウト。結果的に4回転3本構成になりました。
それでも後半に4T-3T、3F~3Aって高得点コンビ連続で入れてるので一人だけ技術点ブッチギリ状態。何よりジュンファン選手同様スピンステップレベル4で揃えてるのが強いですね。ここからまだまだ2段階ぐらい難度上げられそうなのが空恐ろしい。
One week, two Grand Prix titles 😤
— Skate Canada / Patinage Canada (@SkateCanada) October 27, 2024
American phenom Ilia Malinin takes the men's 🥇 at #SCI24!
Men's final results / Résultats masculins
🥇 -Ilia Malinin🇺🇸
🥈 -Shun Sato🇯🇵
🥉 -Junhwan Cha🇰🇷 pic.twitter.com/2kvNno1SgA
マリニン選手は最速でグランプリファイナル出場を決めましたが、ファイナルでは構成どこまで上げてくるかが次の見どころですね。去年は北京グランプリファイナルで初めてSPに4回転アクセルを導入したんでした。毎回違う変態コンビネーションジャンプ跳んでくれるので、次の構成が全く読めません(苦笑)。
#フィギュアスケート GPシリーズの #スケートカナダ。 男子SP2位の #佐藤駿選手 はフリー164・64点で、合計261・16点をあげ2位となりました。#スケカナ
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) October 27, 2024
男子フリーの写真特集→https://t.co/qM132R5PUs…
撮影@Kenji_Ikaiphoto pic.twitter.com/RWAEFW1GoC
宇野昌磨メモリアルとしてのスケカナ
さて、ここからは宇野昌磨ファンの目線で語ります。
この大会、事前にわかっていた以上に宇野昌磨さんの過去プロ使用曲で滑るスケーターが多くて驚きました!
特に男子シングルフリーは宇野昌磨ファンでもない一般スケートファンからも「この試合宇野くんが使ってた曲多くね?」って反応をあちこちで目にしましたね。
ジャブはSP佐藤駿選手の「ラベンダー」
男子シングルSPでは佐藤駿選手が「ラベンダーの咲く庭で」を使っています。見終わった後はまた昔の昌磨さん「ラベンダー」を観に行く旅に出ました。
結局毎回2017ヘルシンキワールドの「ラベンダー」を見ることが多いんですが、今回は佐藤駿選手の衣装にちょっと近いロステレコム杯のラベンダーを見ましたよ。(!)
佐藤駿選手のラベンダー衣装も、肩回りのデザイン凝ってて割と好きです。
佐藤駿選手版「ラベンダー」もいいなと思ってますが、見たくなっちゃうんですよ懐かしいラベンダーも!
町田樹選手版、浅田真央選手版までさかのぼってる人もいるかも(笑)
スティーブン・ゴゴレフ選手の「Timelapse」
今大会で期待する成績が残せなかったスティーブン・ゴゴレフ選手がフリーの真ん中に使っていた曲が「Timelapse」でした。
実はこのフリーは昨季からの持ち越しで、宇野昌磨さんに影響されてこの曲を使ったわけではありません。
昨季、「Timelapse/鏡の中の鏡」の選曲についてあれこれ考察をしたときのこぼれ話として「スティーブン・ゴゴレフ選手と曲がかぶってる」という話をnoteに書いてます
去年も見ていたプログラムということもあって、私の心の動揺は全くなし。というかゴゴレフ選手の「やはり」と言う乱れにやきもきして昌磨さんの演技のことは微塵も思い出さなかったです(苦笑)。
ジェイソン・ブラウン選手版「鏡の中の鏡」
中でも私が一番覚悟をしていたのがジェイソン・ブラウン選手の「鏡の中の鏡」でした。見るのにいかに覚悟がいるか、以前語り倒してます。
しかし覚悟の割には、心がざわざわすることなくあっさりと観られました。ジェイソン選手のトリプルアクセルが不調で私が心配モードになってしまったために曲の表現に浸り切れなかったせいでしょう。
「この曲で魅せられるのは、ジェイソンのようにエッジで聞き苦しい音を立てないごく限られたスケーターだけだ」と実況で語られていたのにはぶんぶん頷きました。
彼が来春の世界選手権に行くことができて、会場で完璧な演技をされたら複雑な気持ちに襲われるかもしれません。私はそれを見たいのか見たくないのかよくわからない気持ちです。「見たい」の割合が勝ってはいるので、ジェイソン選手にはアクセルの調子を回復させて全米選手権に挑んでほしいところです。
リトヴィンツェフ選手が飛び回る「Fall on Me」
後半グループ第1滑走のウラジーミル・リトヴィンツェフ選手の「くるみ割り人形」プロは編曲が「変曲」だとの噂を聞いていたので見るのを楽しみにしていました(苦笑)。
確かに「何でそんな繋ぎ方したの…?」という謎編曲。
その最後に使われていたのが今夏の「Friends on Ice(フレンズオンアイス)」で昌磨さん&ステファンコーチコンビで滑った「Fall on Me」英語版でした。あぁ、確かに「くるみ割り人形と秘密の王国」のBGMではあるけど、ここにこの曲が含まれてるとは思いもしなかったです(笑)。
「くるみ割り人形」テイストな衣装に身を包んだリトヴィンツェフ選手があのメロディアスな曲に合わせて激しく飛び回る系の振付のため、感傷的な気分には全く襲われず。見終わった後に昌磨さんたちのコラボを見たいという気にもならずでした(苦笑)。曲もマーチ風のアレンジ版でしたし。
彼、NHK杯に来るんですね。さいたまワールドでナマで滑りを見た時に「スケーティング意外といいな」って思った記憶のある選手なんです。あのプロも複数回観ればあの編曲が癖になるのかも(笑)
Vladimir Litvintsev 🇦🇿 scored 143.97 points in his skate to The Nutcracker (Epic Version)
— Golden Skate (@goldenskate) October 27, 2024
At NHK, I want to do two clean run throughs, and like the previous idea here, get in the top three.
His coach, Vitali Novikov said Vladimir was very tired this weekend due to the long… pic.twitter.com/oZ1khEzG29
ジュンファンの「ロコ」⇒アイスダンスの「アイラッビュ」
チジュンファン選手の「ロコ」は2016-17シーズンの昌磨さんの鮮烈なフリー演技をうっすら思い出しつつも、ジュンファン版「ロコ」を堪能。試合動画を全部見終わったら昌磨さんの「ロコ」演技動画巡りもしないとな~と思ってたら、思わぬおまけがありました(笑)。
アイスダンスFD第1グループ第1滑走で登場したホリー・ハリス/ジェイソン・チャン組(オーストラリア)が「エブエブ(映画 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)」の「月の光」を使ってたんですよ!2023-24シーズンの昌磨さんのSPの曲です。
JLB(ジャン=リュック・ベイカー)さん振付らしいです。(今季彼は複数のプロの振付を担当しています)
ハリス/チャン組の演技は14:50あたりからです。ゲスト解説はケイトリン・ウィーバーさんです。
冒頭、いつあの「アイラッビュ」が聞こえてくるか身構えていたのですが、メロディアスな月の光のままずっと進行。「この演技はこのまま『月の光』の優雅な編曲バージョンで終わるのか?」と思ったところで「アイラッビュ」が美しくインサートされます。
昌磨さんのSP冒頭のあの不思議なインパクトはない、非常に優雅な編集だったので普通に演技に最後まで見入りました。
でも、この後見返す動画リストにエブエブも加えておこうーという気分にはなりました。(エブエブはどの大会も良かったからどれを見返すか悩むけどワールド版ですかね…)
<おまけ>パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組の楽しい衣装話
その後アイスダンスの動画もつまみ食い程度に視聴したのですが…スケカナ5連覇を果たしたパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組についての余談だけ。(パイポー組フリーの演技開始は上記動画の1:50:11あたりから)
RDもたいがい凄いインパクトの衣装でした。胸元の「LIFEGUARD」がステキですw ブライアン・ジュベール選手(当時)の007衣装依頼の大ヒット作かも(笑)。
Beach vibes on ice! 🏖️🌊 Gilles/Poirier brought the party to the Rhythm Dance at ISU Grand Prix Skate Canada, taking the lead with their electrifying performance! Canada’s reigning World silver medalists were followed closely by teammates Lajoie/Lagha and France’s… pic.twitter.com/K5nIHDcthk
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) October 26, 2024
しかしFDの衣装には絶句。
あれインスタとかXとかで演技写真見ただけの人には全貌がわかんないじゃないですか!?油断させすぎですよ。
Gilles/Poirier dazzle Halifax, tangoing to their fifth Skate Canada International crown! 🏆✨ The World silver medalists brought the house down with breathtaking performances, capturing the audience and closing out the event with style and grace. 💃🕺 Canada’s favorite duo truly… pic.twitter.com/hRo6OrGQHT
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) October 27, 2024
昨季のFDの「嵐が丘」同様のシックな衣装に見えただけに、まさかあんな衣装構造になっているとは…気になって演技に全く集中できなかったです(苦笑)あのデザインの方がリフトに都合よかったりするんですかね?
演技のこと全然書かなくて申し訳ないけど、衣装のインパクトが演技の記憶をかなりかき消してしまっているのが本音です(苦笑)。
私、彼らが出場するフィンランド大会現地観戦予定なんで、アレをナマで見る前に見慣れておかないといけませんね
あの衣装、現地で見たらどんなインパクトがあるんだろう…「注目すべきとこはそこじゃないだろう!」って自分でも思いますが、気になるもんは気になりますw