GPSフランス大会 伝説級の大自爆大会の記録/救いはベテラン勢が光った女子

2024GPSフランス大会の大会ロゴ

フィギュアスケートファンの話題はとっくに今週末のNHK杯に移っていますが、凄い展開だったグランプリシリーズフランス大会の記憶も落ち着いてきましたので、遅まきながら男女シングルのみ記録しておきます。

「ベテラン」扱いされる年齢の選手が1・2フィニッシュした女子シングルにはカタルシスを感じたし、男子はあれはあれで長く語り継がれるであろう激レア展開だったので鑑賞記録を残しておくのも大事かなと(苦笑)。

私も今はあんまり思い出したくないけど、きっと将来折に触れ懐かしく思い出す日が来るはずです(苦笑)

2024GPSフランス大会リザルト

目次

女子シングル ベテラン女子の活躍

今季の女子シングルは、試合を離れていた選手の復帰&ベテラン選手の再起が続き、勢力図が少し変わるかも?な空気感が出てきているのを嬉しく思っています。

坂本花織選手はかなり好きなスケーターですが、独走状態になるよりは実力伯仲するライバル選手が複数いてほしいんですよね

住吉りをん選手

フランス大会3連続出場中の住吉りをん選手はフランス大会3連続銅メダル!

去年の大会では初めて4回転トゥループが認定されましたが、残念ながら今年の挑戦はアンダーローテーションでの両足着氷で得点は2.1点しか稼げず。でもそこから後は落ち着いた雰囲気で演技をまとめていったのには、すごく進化を感じました。

樋口新葉選手

気合の入った時の樋口新葉選手の闘気があふれ出た演技は結構好きなのですが、今季の樋口新葉選手がまとっている闘気は適量で、程よく力が抜けている印象を受けます。来季に向け徐々に調子を上げてけたらいいなと期待はしていましたが、まさか今季GPS2戦目でここまでの演技にたどり着くとは想像してなかったです。

1-2位でファイナル進出確定決めるのが彼女だとは嬉しい驚きでした。

アンバー・グレン選手

フリーはいつものアンバー・グレン選手っぽくなってしまいました。それでも後半になると得意ジャンプの2本目が抜けるor転倒がお約束みたいになっていたのが、抜けなし&転倒1に抑えただけでも前進じゃないでしょうか。彼女のキス&クライの喜びっぷりは豪快で好きなので、今後もこうやって笑顔のキスクラでいられる演技を続けて欲しいなぁ。

ファイナル女子は日本人だらけ…?

イザボー・レヴィト選手がフィンランド大会欠場になってしまったのでグランプリファイナル進出できそうな外国勢女子がほとんどいなくなってしまいました。可能性を残してるのはキム・チェヨン選手ぐらい?

日本女子が強いのはめでたいことですが、さすがにグランプリファイナル全日本状態はちょっと…と思うので、アンバー・グレン選手には2戦目頑張ってほしい。でも全米選手権良い調子で迎えるにはファイナル行くのがいいのかどうかは?です。

男子フリーの壮絶な試合展開の記録

ここからは悲鳴とため息の連続だった男子フリー約2時間の記録です。

前半G 何でYOUがこのグループに?

最初の4人

第一滑走は地元のフランソワ・ピトー選手から。トリプルアクセル両方痛いミスがあったけど、さんざんだったSPよりはまとめられました。演技後笑顔が出てホッ。観客もずっと応援モードで暖かかったのは良かったです。

ジュニアで活躍した選手がシニアですぐに活躍するのって稀なことなんだなと実感

昨季JGPSの関空リンクで見た時は貫禄すら感じたのが、シニア大会だとこれほどジュニアに見えてしまうとは

続いて登場した私のお気に入りであるカムデン・プルキネン選手。コロンビア大学卒業して金融系企業に就職したとは聞いていたけど、どうも五輪まで続けてくれるようで嬉しい。

「忙しかったのは学生時代からだし就職後も大丈夫か?」と期待してたのですが、SPフリーとも「まだ地盤工事中」って感じで…やはり仕事との両立は大変なのかなと思いました。ほぼほぼ在宅勤務らしいけど、始業前の早朝にリンクに通ってるらしいです。

会社勤めしながら今年も全日本への切符を勝ち取った大場雅さんも、小児科医やりながら最近の大会で4Tに再び挑んでるらしいヴァルター・ヴィルタネン先生も凄い

…っていう結論に達しました。

ニコライ・メモラ選手は昨日のSPとは別人でした。怪しいジャンプになっても謎軸できちんと降りてくる。一見ノーミスで終えることができたのは彼だけだったでしょうか。でもルッツ3本とも「!」だったりで点は伸びきらず。(それでもフリー2位ですが)

上記の演技後のインタビューが怖いです。足の距骨の骨折だけじゃなくて靭帯も2本切ってて、「こんなに早く治ったのは奇跡」だと。「だ、大丈夫なの本当に…」って気分になります。

あの高身長でクワド何本も跳ぶことが膝や足首に与える負担は尋常じゃないのでしょう。表現力今後もっと伸びそうな気がするだけに怪我無く地元五輪迎えてほしいです。

リュック・エコノミド選手はいつもの彼ってな感じでした。4Tを途中で回転緩めて3Tで降りてくるの器用だなといつも思います。

アダム・シャオ・イム・ファ選手 & ルーカス・ブリッチギー選手

アダム・シャオ・イム・ファ選手のフリーは「DUNE」。

最初の音のタイミングに合わせた4回転ルッツは決まるとめちゃくちゃ気持ちいいですね~。

しかしその後はダブルに抜けが複数とやはりまだ本調子ではない様子。それでも後半の4Tとトリプルアクセルはきっちり決めてきたので、合計スコアは246.58に。演技直後は「これなら表彰台には乗れるだろう」と思いました。まさかそれがてっぺんになるとはね…

ルーカス・ブリッチギー選手は4-3こそ決まったけど2つめの4Tで転倒してからはジャンプもスピンも大荒れ。かなりの遭難っぷりで見ててきつかったです。膝の怪我はまだまだなのでしょうか。彼は国内代表争いもあまりないし、無理せずゆっくり仕上げて行ってほしいです。

後半G 誰が一番崩れないか選手権

ミハイル・シャイドロフ選手&島田高志郎選手&トルガシェフ選手


ミハイル・シャイドロフ選手の3A-4Tと島田高志郎選手の「死の舞踏」については先日の投稿で語ったのでごく簡単に。

先日書かなかったことで言うと、ミハイル・シャイドロフ選手は定番クラシック曲「月光」からスローテンポでスネークインしてくるa-ha の暗めの「Take on Me」という謎な曲構成なんですよね。欧州の中堅選手ですか?と思うような曲編集ですけど、彼カザフスタンだから四大陸圏の人なんですよね、なんか不思議w

「マトリックス」をナマで見た2022たまアリワールドの頃には、彼がエキシビションで「カンフーパンダ」やったり、こんな謎編曲のプロやってくるスケーターだとは思ってもみませんでした…

島田高志郎選手は採点表を見るとスピン丁寧にレベル全部取ったのが地味に効いてるなって思いましたね。GPS初表彰式めでたい!

アンドリュー・トゥルガシェフ選手は今大会出場選手の中では安定していました。それでもSPではステップ中に転倒するし、フリーはスピンノーカンだし…って何かが抜けてるのが惜しい。

彼は欠場になったゴゴレフ選手の代わりに急遽NHK杯出場が確定!移動距離からいって米国に戻らずフランス⇒日本⇒米国?東向き移動って時差ぼけきつくて大変だと思いますがNHK杯頑張ってほしいです。

友野一希選手

股関節の不調のなかSPは何とかまとめきれた友野一希選手ですが、フリーはそうはいきませんでした。4回転2本にとどめたのは正解だったけれど両方転倒だったのは痛かったです。体調を考えると5位に踏みとどまれてよかったと思うべきかもしれません。

演技終了後、「こ、これは高志郎くん台乗り来る?」と思い始めました。この流れの中、次の2人が両方ともいい演技になるとは悪いけど思えなかったので…

実は友野選手、あと2.37点あれば銀メダルだったんですよね。というか彼にも他のトップクラス選手たちにもアダム選手を抑えてGPS大会優勝のチャンスがありました。なのに多くのスケーターが怪我を抱えていて、滅多にないチャンスをものにすることができなかったのは本当もったいなかったです。

アレクサンドル・セレフコ選手 & ボーヤン・ジン選手

この流れの中では、後続の二人がアダム選手のスコアを超えられるようには思えませんでした。アレクサンドル・セレフコ選手は今季序盤あまり調子はよくなかったし、ボーヤン・ジン選手はここ数年フリーをまとめることがあまりできていないし。

とはいえ二人ともジャンプでここまで大ミスが相次ぐとは…

セレフコ兄は冒頭4T転倒したのに安全策を取らず、後半4T跳んできました。単独ならともかく後半に4Tコンビで入れられるとは思えなかったので少々無謀な気はしました。4T転倒のみで他を丁寧にまとめてたら表彰台いけただろうに…と思いました。ユーロ2位持ってますからGPS銀や銅よりは、今後への挑戦を重視したんでしょうかね。

ボーヤン・ジン選手の4回転ルッツ転倒は悲しかったです。練習では綺麗に決まってることが多いのになぁ。4Tは降りたもののその後着氷乱れが続き…場内の拍手がなんだか物悲しかったです。SP1位は短い夢でした…。

でもモントリオールワールドSP落ちしたことを思うと、ここまで戻せてきてるんだから今後に期待したいです。プレカンに出てる彼を久々に見られて嬉しかったし。

でもフリーの曲は変えて欲しいな…ボストンワールドだからボストンの曲なの?

あまりにBGMっぽ過ぎる気が致します

自爆大会のむなしさ&大会間の落差

GPS大会は国内争い激しくない国の選手にとってはポイント稼ぎ&調整の場でしかないとはわかっています。とはいえ各カテゴリのキス&クライで「現状での会心の演技」をして喜ぶ選手たちを何人かは見たいんですよね…。

表彰式は笑顔一杯でしたけどね!

去年のスケカナ男子も「優勝者の点数低すぎ」って言われてたけど、今回の「246点台」はそれより12点も下回る驚きの優勝スコアでした。今年のスケアメ5位のデニス・ヴァシリエフス選手やスケカナ4位の山本草太選手の点数より低いスコアでの優勝

昨季の北京GPFやモントリオールワールドのように「フリーで会心の演技で大逆転!」という痛快さがあればまだよかったのですが…私がアダム選手の熱烈ファンだったとしても、この結果は素直に喜べない気がします。男子は音楽コンクール系でよくある「優勝者該当なし」みたいな大会だったように思います。

各大会でここまで差が出ちゃうと正直興ざめです

といってもより公平にするためのイイ解決案は思いつかないんですけどね…

最後はちょっと愚痴っぽくなってしまいました。でもこういうことも記録しておくと、いつか懐かしく読み返せる日が来るかも?と思います。それぐらいの規模の大自爆大会をナマで視聴できたのは、激レアな体験だったと言えるでしょう(苦笑)。

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