グランプリシリーズ3戦目のフランス大会と西日本選手権が今週末行われます。観客撮影の公式練習動画や怪我や靴が壊れた情報とかも出回って、試合開始間近な空気バリバリ。
当初GPSの試合の見どころをまとめるのは初戦だけのつもりだったのですが、1&2戦目の試合展開が思いのほか面白かったおかげで勢いがついてまして、3戦目もまとめちゃいます(笑)。
2024GPSフランス大会リザルト
どのカテゴリがライブで見やすい時間帯か
今大会もテレビ地上波放送は関東地区のみ深夜~早朝帯。
ライブ視聴したい場合、テレビ朝日の配信を購入する(特典映像見たい人&会場音声のみを好む人におすすめ)か、VPNサービスを使ってISU公式等の海外配信で見るか(多数の試合を経済的に観たい人におすすめ)の2択です。
現地で午後イチスタートの女子はSPフリーとも見やすい時間帯です。エキシビションもまぁまぁいい時間帯ですね。それ以外は私にはちょいときついな~アイスダンスRDと男子フリーなら見れるかも?
日程 | 開始予定時刻(日本時間) | カテゴリ |
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11/1(金)~2(土) | 22:00~23:29 | 女子SP |
00:00~01:18 | アイスダンスRD | |
01:45~03:14 | 男子SP | |
03:45~04:50 | ペアSP | |
11/2(土)~3(日) | 21:30~23:17 | 女子フリー |
23:40~25:27 | 男子フリー | |
01:50~03:21 | アイスダンスFD | |
03:40~04:57 | ペアフリー ※終了後、全カテゴリの表彰式 | |
11/3(日) | 22:30~25:00 | エキシビション |
「DUNE 砂の惑星」大集合
先週末のスケートカナダは「宇野昌磨 過去使用曲メモリアル」かのような展開でした。
今週末のフランス大会は…「DUNE大集合」と言えるかもしれません。
今季は映画「DUNE/デューン砂の惑星」のサントラ音源を使用するスケーターがやたらと多いのですが、フランス大会では3名が集結。樋口新葉選手とミハイル・シャイドロフ選手がSPで、アダム・シャオ・イム・ファ選手がフリーで滑ります。
今大会に出場しない選手では、女子シングルのニーナ・ペトロキナ選手(エストニア)がフリーで、スケアメ3位だったスマディク組ことオリヴィア・スマート/ティム・ディーク組がFDで使用しています。私が把握しきれていないだけで、他にもいるかもしれません。
スマディク組の衣装は、自らの衣装デザインを自分で行うマディソン・チョック姐さんがデザインしたもので映画の世界観がよく出ています。オリヴィア・スマート選手は先日の演技後に「マディは将来衣装デザインで生きていくべきよ!!!」と熱弁していました(笑)
アダム・シャオ・イム・ファ選手とミハイル・シャイドロフ選手はどちらも黒ベース衣装で、これまた「砂の惑星」らしいデザインです。樋口選手も黒をベースにグリーンを加えてはいるもののニュアンスの近い衣装なので3人並んでるのを見たいとこですが、そんなタイミングはなさそうですね(苦笑)。
演技は原作の小説や映画を知らずとも楽しめますが、スケールのでかいあのSF古典名作小説の世界観を知っておくと一層楽しめるかと思います。
私は小説は未読ですが、1作目も2作目も映画館で鑑賞してます。1984年版の「DUNE」も映画館で観てます。あの世界観大好きなのでDUNE祭は歓迎しております(笑)。
「風の谷のナウシカ」の世界観に影響を与えたと思われるのが「DUNE」原作です。ナウシカとかスターウォーズとか好きな人はハマりやすいかもしれません。
試してみるなら、使用曲が実際に聞ける新シリーズ映画の1作目を見るのがベストかと思います。
Amazon Prime Video 「DUNE 砂の惑星(字幕版)」(レンタルは407円~)
Amazon Prime Video 「DUNE 砂の惑星(吹替版)」(レンタルは407円~)
作曲家のハンス・ジマーさんの曲は雄大でフィギュアスケート向きなのか、彼が曲を手掛けるSF映画「インターステラー」も今季複数名が使用しています。毎年誰かが使ってる「グラディエーター」も彼の作曲だし、それ以外の映画音楽も多数使われてまして、今季使用曲リスト内のハンス・ジマー率高すぎです(笑)。
男子シングル
アダム・シャオ・イム・ファ選手のGPS初戦
アダム・シャオ・イム・ファ選手は怪我で序盤戦の試合をキャンセルしていましたが、先日のニース杯で初お目見え。本調子にはまだまだですが、他トップ選手と遜色ない程度ーというか十分優勝を狙えるレベルに戻してきています。
ニース杯のリンク、トラブルがあって氷に不具合がある部分に赤いコーンが立てられていたのですが、彼はそのゾーンも全く意に介さず滑り抜けてました(笑)
水たまりができてる試合やショーは何度も体験してるけど、リンクにコーン立てたままで試合やるのを見たのは初めてでした
フリーは4回転3本構成とまだおとなしめ。冒頭のルッツで転倒していましたし、これから徐々にピークに近づけて構成を馴染ませていく初期段階にある感じでしたので他選手にも勝機はありそう。でも「彼にしてはおとなしめ」なだけなんで、一段落とした構成でそこそこまとめてたきたら軽く優勝しちゃいそうです。
夏の怪我のこと、靴トラブルのこと、DUNE滑るスケーターが多いことなどを下記のインタビューでがっつり答えてました。(彼は良く試合直前に靴壊れますよね…)興味ある方は全文表示して翻訳かけてみてください。
Adam Siao Him Fa 🇫🇷
— Golden Skate (@goldenskate) October 31, 2024
“I feel really good to be here. I watched all the competitions in September and was really excited to finally get started myself in Nice.
Due to my right ankle injury I had to stop skating for 6 weeks this summer.
I am back now, not on 💯 yet. But I have… pic.twitter.com/1MIWpQtlfe
島田高志郎選手&友野一希選手
島田高志郎選手は樋口新葉選手同様、早くもGPS2戦目。
スケアメでは残念ながら出遅れてしまったので、来季につなげるためにも今大会はミスを最小限に抑えてパーソナルベストスコアを更新し、年末の全日本選手権に備えたいところです。
ただ、スケアメ後体調不良の時期があったそうで…何とかうまく行きますように。フリー「死の舞踏」ではステファンコーチと相談したうえ、敢えて冒頭で4Lz投入を試みるかも?とのこと。詳しくは下のポストにて。
Koshiro Shimada 🇯🇵
— Golden Skate (@goldenskate) October 31, 2024
“The time since Skate America was a bit hard because I was a bit sick.. But I was able to keep a strong mind and now I am physically healthy again. I am very much looking forward to attack here and compete together with my best friend Kazuki Tomono.
Stèphane… pic.twitter.com/iGJooHSWL5
友野一希選手はGPS初戦がこの大会。
二戦目のフィンランド大会がトップ選手が多く集まる激戦区なので、この大会ではできれば2位以上、少なくとも表彰台には乗っておきたいところ。あのアフリカンなSPをうまく滑り切った時、ジャッジにどのような評価がされるのか。
表彰台に乗るには、序盤戦ではまとめきれていないフリーをどこまで仕上げられるかが肝ですね。
#フィギュアスケート の近畿選手権は28日、男子SPが行われ、 #友野一希 が88・76点をマークして首位発進しました。
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) September 28, 2024
写真特集 https://t.co/Zc746lPcCJ pic.twitter.com/jeUzr6rO6x
フリー用新衣装が今回初お目見えとなるのも楽しみです
…とか呑気に書いてたら、3週間前に股関節を痛めていてあまりジャンプの練習ができていないとの報道が出てきてビックリ!
長いキャリアの中でも怪我の少なかった選手だから意外感があります。(大きな怪我が無かっただけで、本当は色々あるんでしょうけど)
「GPSでは来季に繋げられるのに十分なスコアを出して、勝負は全日本で」って方向に切り替えざるを得ないかもーって覚悟だけ決めておきます。体調万全じゃない時の方が集中しやすく意外とうまく行くって事例もあるので、日本男子二人ともそうなるといいなぁ。
こんな風に笑顔で試合を終えてほしいです。
“I am excited to compete here with my best friend Kazuki Tomono 🇯🇵!” – Koshiro Shimada 🇯🇵 🤩#GPFigure pic.twitter.com/c7P8OwJmDb
— Golden Skate (@goldenskate) October 31, 2024
表彰台争いに絡みそうな選手達
フリー4回転3種を4回構成ができるミハイル・シャイドロフ選手(カザフスタン)は序盤の仕上がりも上々のよう。アダム選手が本調子を取り戻していないので彼が優勝ってことも充分ありうる感じ。大崩れが少ない印象の選手ですが、2大会連続で若干厳しめだった回転認定が今大会どうなるかに左右されるかもしれません。
ルーカス・ブリッチギー選手(スイス)もポテンシャルが高いですが、スロースターター気味なのでどこまで仕上げられているかがナゾ。昨季ワールドでまさかの最終グループ入りを果たしたニコライ・メモラ選手(イタリア)も怪我からの回復がどの程度なのかがナゾ。更にナゾなのが序盤戦一つも試合に出ていないボーヤン・ジン選手(中国)。
私的には好みの滑りをするカムデン・プルキネン選手(米国)やアレクサンドル・セレフコ選手(エストニア)にも表彰台争いに絡んできてほしいところなんですが、彼らの場合初戦でそれはないかな~?とやや諦めモード。
フィンランド大会で彼らをナマで見るための予習だと思って見守ることにします
色々事情を抱えてる選手が多くて、まとめられそうな気がするのがシャイドロフ選手ぐらいしかおらず、荒れた大会になるかも?
…そんな予感は外れますように
女子シングル
表彰台争い
昨季ワールド銀メダルのキム・チェヨン選手(韓国)と、序盤戦でトリプルアクセルが決まりまくっていたアンバー・グレン選手(米国)が優勝候補筆頭でしょうか。
そこにスケアメで勢いづいた樋口新葉選手と、序盤戦で200点を超えるスコアを出したサラ・エバーハード選手(米国)がどう絡めるか。米国の注目株として注目されていたエリス・リン=グレイシー選手はプレッシャーも大きかったのかメダルは獲れなかったけれど彼女はどうなるでしょうね。
ニーナ・ピンザローネ選手(ベルギー)はスケアメでは4位でしたが、カナダ大会だったら表彰台に上がれていた得点でしたのでこちらも充分台乗りあり。GPS初戦になるアナスタシヤ・グバノワ選手選手も同様台乗りできる力はある。
リヴィア・カイザー選手(スイス)や住吉りをん選手、三原舞依選手はポテンシャルは高いけど、他の候補よりも課題が多めの印象。住吉りをん選手は3位以上ならフランス大会3回連続表彰台になります。
五輪代表を狙うなら来季GPS2枠確保はしておきたいところだから、日本女子は良いシーズンベストスコアをきっちり取ってくることが最優先。その結果として表彰台がついてきたらベストですよね。
来年はジュニアから中井亜美選手も上がって来るし、五輪プレシーズンに引退するトップクラス選手はそうそういない。GPS表彰台が狙えるクラスの選手がうじゃうじゃいるというのに出場枠が足りません…
日本男子&女子は正直メダルより、来季のGPS出場枠を左右するシーズンベストスコアがどうなるかが気になります
樋口選手のファイナル出場は?
スケアメ優勝なので、表彰台だとかなりの確率でファイナル進出。4位でも可能性ありって感じですね。スケアメの得点的には5位だと厳しくなりそう。
Skate America Champion Wakaba Higuchi 🇯🇵 shows her emotions about going into her second Grand Prix of the season! 💪🏻🇫🇷 #GPFigure pic.twitter.com/UpQQ9H6uZ9
— Golden Skate (@goldenskate) October 31, 2024
ただ、ファイナルに行くことが本当にいいことなのかどうかというのは永遠の課題。ファイナル⇒全日本のスケジュールってやっぱきつそうだし。今年はフランスだから去年の北京に比べて時差も大きいですしね。
実は樋口新葉選手、グランプリファイナルには平昌五輪シーズンの2017年しか出てないんですよね。スケアメ初優勝にも驚いたけどファイナル出場が1回しかなかったのか!というのも驚き。エテリ門下ロシア女子が席捲してた時代に戦って来たらこうなるのね…今季ファイナル進出できたら、7年ぶり2回目の出場です。
それはそれでドラマチックな展開なので、ファイナルで彼女を見たい気はします
前回優勝した時点で「樋口新葉ここにあり」を国内外に示せたので、前回と遜色ない演技を見せられれば今季は十分でしょうけど欲は出ますね
カップル競技&西日本選手権も…
アイスダンスのロパブリ組のように2戦目でGPF出場をかけた選手もいるし、ペアのコンマチ組のカルメンまだ見てないしでカップル競技もチェックしたいところですが、同日程開催の西日本選手権も気になります。
織田信成選手はさすがに今回は全日本に進めるでしょうが、他の選手たちがどうなるか。フランス大会の合間にちょこちょこ追いかける形になりそうです。