GPSフランス大会まとめ中編/「フルシゼ」参入で動くアイスダンス新勢力図 ジャッジの評価は?

GPSフランス大会の大会ロゴ

2025年のフィギュアスケートグランプリシリーズ(GPS)第1戦フランス大会(フランスグランプリ/フランス杯)、今回は「アイスダンス」について振り返ります。

午前中には男子シングルまで書き終えて、10/21公開の宇野昌磨さんのNumberインタビュー動画(約50分)を早く見たかったのですが、思いのほか長くなってしまったため分割することにしました。男子シングルの振り返りは本日中に公開予定です。

ちなみにNumberインタビュー&「Ice Brave2」練習動画を視聴したい方は、NumberPREMIERを月額99円で初月購入できるのは10/22(水)17時まで。気になる方は登録だけでもお早めに。

2025GPSフランス大会リザルト

目次

欧州の強豪が集まった試合

「なんでこんなに欧州のアイスダンス強豪をこの大会に集めたのか?」と疑問にすら感じる大会でしたが、なかなかヒリヒリする展開になりました。

適度なヒリヒリ感は試合を面白くすることが多いですが、今回のは見ていてきつかったです

それでは、私が試合前に注目していたポイントを振り返っていきます。
(前回の投稿、デビスモとスマディクを取り違えるというわけのわからない誤記をしていたのを修正済みです)

英「フィアギブ」VS伊「ギニャファブ」の行方

「格付け」逆転は確定事項になったのか?

「フィアギブ」または「ライラルイス」ことライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組(イギリス)と、「ギニャファブ」または「シャルマル」ことシャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ組(イタリア)の闘いは今大会の注目ポイントの一つでした。

以前は「ギニャファブ」>「フィアギブ」評価が定着していたのが、2季前あたりからときどき逆転することが出て、ついに昨季ワールドでは「フィアギブ」が3位で表彰台に上がり、「ギニャファブ」が4位に

それでも実力は「ギニャファブ」との声も大きく、去年はプログラム評価も点数に大きく影響していたと思うので、今季の評価はまた変わってくるかも?と私は思っていました。

まさかの「ギニャファブ」RD5位発進

今季のRDのテーマは1990年代音楽で、「フィアギブ」が得意そうな路線。「ギニャファブ」のRDはアップテンポ系でどうもしっくり来ていない印象を受けたので、RDは「フィアギブ」が上回るだろうとは思っていました。

※埋め込みが表示されない場合はリロードまたはこちら

しかし、「ギニャファブ」が「アリサウ」ことアリソン・リード/サウリウス・アンブルレヴィチウス組どころか「デビスモ」ことダイアナ・デイビス/グレブ・スモルキン組より下の順位になる「まさか」の事態に。

2025ボストンワールドフリー採点後も冷静な反応を見せていたマルコ・ファブリ選手ですら、採点に対して憮然とした表情を見せていたのが辛かったです。

「ギニャファブ」はFDでの追い上げ及ばず4位

FDは「ギニャファブ」の得意路線系プログラムでした。「これは順位を上げるだろう」と思われましたが、スコアは思ったほど伸びず。

結局、総合では「アリサウ」が銅メダルで「ギニャファブ」が4位になりました。私は「ギニャファブ」は表彰台には上がるだろうと思っていたので、この結果には驚きました。

大きく割れた「ギニャファブ」のジャッジ評価

このようなある意味「番狂わせ」が起きた最大の理由は、「ギニャファブ」のジャッジ評価が割れたためです。

採点データ集積で知られるSkatingScoresのデータがわかりやすいので紹介しておきます。最初の投稿の2枚目の表画像がわかりやすいですが、ジャッジ間の点数格差は「ギニャファブ」が最大です。

「アリサウ」に2位評価を与えたジャッジはおらず、3位&4位評価が大半を占めました。「ギニャファブ」に対してモナコ・アメリカのジャッジは2位評価ですが、ジョージア・ブルガリア・イギリス・リトアニアが5位評価をつけました。

「ギニャファブ」を5位評価にした国のほとんどは、アイスダンス上位のカップルを擁する欧州国。「陰謀論」めいた声がファンの間から出て来るのも少しは理解できます。

昨季「ギニャファブ」はユーロで優勝したもののワールドで「下り調子」な印象がついてしまったため、「下げやすい対象」とみなされたのかも?

ーと観客が考えても不思議ではありません

目立つミスはなかったが…

「ギニャファブ」はミスをしてレベルを落としたわけではありません。

採点表を見ると、むしろFDでブッチギリ1位だった「フルシゼ」ことロランス・フルニエ・ボードリー/ギヨーム・シゼロン組の方がレベルを落としています。でも、加点が圧倒的に違う。(実際「フルシゼ」の演技は圧巻でした)

自信をもって終えた演技に出た採点結果がショックだったのか、「ギニャファブ」はRDもFDもミックスゾーンでの取材を拒否しました。
※演技後ミックスゾーンに行くのは義務付けられているのだが、姿を見せず

メダル候補としての評価を高めた「フィアギブ」

「フィアギブ」の今季プロは、どちらも彼ららしさを存分に発揮したプログラムでした。特にFDで赤のタータンチェック衣装でポップな「蛍の光」に合わせて踊りまくる姿はキュートさが炸裂しており、本領発揮という感じで輝いていました。

ジャッジはほぼ2位評価で固まっています。彼らに対しては「踊り過ぎだよ滑りなさいよw」と思うときもありますが、滑りの技術が目立って劣るとまでは思えません。

昨季の活躍で上位固定された印象はありましたが、今大会でそれが更に強まった気がします。

NHK杯で二組が再度戦う

実は大阪NHK杯、この2組がエントリーしているんですよね…「何で2組を2戦ともぶつけたよISU!」と言う気分になります。

今後のGPS結果にもよりますが、「ギニャファブ」がグランプリファイナル(GPF)に行くには「フィアギブ」を上回って優勝が必要になりそうです。楽しみというよりも、なんだか怖くなってきました。

トップアイスダンサー同士の新結成組「フルシゼ」の初GPS

変更したRD初披露

「フルシゼ」はシーズン開始後にRDの曲変更を迫られる苦しい事態に追い込まれました。(詳細は下記の投稿参照)

新しいRDの曲はマドンナ

以前披露していたデペッシュ・モードのプログラムの方がクールで私好みですが、このプログラムの方がロランス・フルニエ・ボードリー選手のアスレチックな感じが生かせるように思います。以前のRDは『パパシゼの焼き直し』という批判もありましたしね。
(「パパシゼ」は「フルシゼ」結成前のガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン組の愛称です)

ただ、ギヨーム・シゼロン選手がニースライド中に姿勢を崩したのが転倒扱いとなり、一挙に6~7点を失ってRDは3位発進。

圧巻のFD

しかしFDはただただ圧巻でした。

「パパシゼ」っぽいという声は多かったです。確かに衣装は「パパシゼ」感強いし、こういう芸術的な系統プロをやると似ているように感じるけれど、「パパシゼ」とは違う個性があるようにも思いました。

というかロランス・フルニエ・ボードリー選手ってここまで上手かったっけ!?
って思いました

一度国内大会での演技動画を見ていたのですが、その時よりもぐっと仕上がっていた感じ。

彼らの次戦はGPS最終戦のフィンランド大会。1カ月以上先ですので、それまでにもまだまだ進化しそうに思えました。

今後のトップ争いに注目!

ワールド3連覇中の「チョックベイツ」ことマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組の五輪金メダルも危ういかも?と思わせる演技でした。ミラノ五輪前哨戦となる名古屋GPFはかなり熱くなりそうです。

「チョックベイツ」は今週末のGPS中国杯が今季初戦。今季プロの評価が気になります。

男子シングルについてはまた改めて~

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