8月21日から開催されていた2025年のジュニアグランプリシリーズ(JGPS)大会1戦目のラトビア大会(リガ大会)。日本からは中田璃士(りお)選手と森遼人選手、岡田芽衣、高木謡選手が出場しました。
今回は、男女シングル上位勢の結果速報だけでなく、男子シングルで「鬼滅の刃」や宇野昌磨選手の過去プロ曲など、「私がちょっと気になった選曲」の選手情報も交えてまとめました。

ジュニア以下の年齢スケーターの試合って、衣装や選曲がレジェンドスケーターへのリスペクト丸出しだったりで結構楽しかったりするんですよね
本人の好みじゃなくてコーチや保護者の好み丸出しってパターンもありますが(笑)
以下の記事では試合結果や演技内容詳細について触れております。まだ知りたくない方はご注意ください。
2025JGPSラトビア大会(リガ大会)リザルト
ISUのYouTube公式チャンネル リガ大会配信 再生リスト
ISUのYouTube公式チャンネル 動画一覧
※「投稿」ボタン横の検索ウィンドウ「 」にRiga 2025 とスケーター名の英語表記を入力して検索
ラトビア大会 日本勢の結果
JGPSラトビア大会(リガ2025)では中田璃士選手と岡田芽衣選手が優勝!
森遼人選手は次戦派遣への望みを残す4位と健闘しましたが、SP4位と表彰台圏内につけていた高木謡選手は残念ながらフリーで崩れてしまい総合7位と、当初の予定通りJGPS次戦に派遣されるかどうか少し厳しい状況になってしまいました。
高木謡選手はシニア移行するために今季国際大会で高得点を残しておきたいところだったのですが、だからこそプレッシャーが大きかったのかもしれません。

彼女のフリーは美しいし、もうJGPSで見られないのは勿体なさ過ぎるので「何とかならないものか…」と思ってしまいます
ISU配信 解説のマークさんは「サマーカップ2025」入念にリサーチ済み
ISU配信解説のマーク・ハンレッティさんは、森遼人選手のフリー演技後に「先日のキノシタのサマーカップではトリプルアクセル2本入れる構成で臨んだものの崩れてしまったが、この試合は1本に抑えて堅実な構成にしたのが功を奏した」と語っていました。
SPの時点で「サマーカップ2025」の結果をチェックしていることはわかっていたのですが、森遼人選手の構成までチェックしていたとは。「日本のジュニアカテゴリ選手までリサーチするプロ意識スゲー!」って思いましたね。
日本VPNを使ってJSPORTSオンデマンドの配信を見たのか、それとも採点表のみチェックしたのかまでは不明です。でも今回の「サマーカップ2025」リザルトの選手名は日本語表記しかなかったので、どちらにしてもハードル高いです。日本語の人名なんて機械翻訳かけたら誰が誰だかわけわかんなくなりますからね…頭が下がります


かくいう私も、JGPS出場予定の男女シングル選手のほとんどが「サマーカップ2025」に出ていたので、あの時見た演技との違いを楽しんでいます。
ちなみに現時点でJGPS派遣が発表されている日本選手のうち、岡田芽依選手・西野大翔選手以外の全員が「サマーカップ2025」に出場していました。

一度現地で今季の演技を見ていると、試合配信見るのにもちょっと気合が入って楽しいです
男子シングルフリー最終グループ
金曜土曜は外出が多かったので、私が配信をリアルタイムで視聴できたのは男子シングル最終グループのみでした。
森遼人選手とヤンハオ・リー選手の明暗
森遼人選手は前述のとおり、トリプルアクセル1本に抑える堅実な構成で手堅くまとめました。ここで結果を出しておかないと2戦目の派遣が期待できませんから、賢明な選択でしょう。4位なら次戦派遣してもらえるかな?
しかし森選手4位は嬉しいことだったのですが、ヤンハオ・リー選手(ニュージーランド)が総合5位になってしまったことは私的にはちょっとショックでした。

昨季ジュニアグランプリファイナル5位だったヤンハオ・リー選手は、滑り&所作が比較的好みなので、私が注目している選手のひとり
「名古屋のグランプリファイナルに来てほしい」と思っていたのですよ
しかし、初戦5位だと次戦優勝しない限りファイナル進出は厳しい。
しかも次戦は中田璃士選手と同じタイ大会(バンコク開催)。中田璃士選手がタイ大会で大崩れしない限りヤンハオ・リー選手が名古屋のジュニアグランプリファイナルに来ることはなさそうです…
ヤンハオ・リー選手、クランベリーカップでは回転不足「<」ながら着氷できていた4回転トゥループが抜けてしまいまして。
でもその時はまだ「ここからまとめれば表彰台行ける!」と思えたのですが、トリプルアクセルも乱れ、技術点暫定表示で2本目のトリプルフリップが「✕」なのを見て頭を抱えました。
私は演技中には気づいてなかったのですが、ルッツフリップ2本ずつの構成だったようなのに、セカンドジャンプでトリプルトゥループを2回跳んでいたんですよね。
クランベリーカップでは前半のセカンドはダブルにしてたんですけど、なぜか今回はトリプル2回跳んでて。最初抜けたことで焦っちゃったんですかね…。
「3回転以上のジャンプを2回跳ぶのは2種類まで」のルールに反したため、後半のトリプルフリップが0点になってしまったのは余りにも痛かったです。
グレイソン・ロング選手と「鬼滅の刃」と「コラントッテ」
総合2位に入ったグレイソン・ロング選手(カナダ)。フリーの曲は「鬼滅の刃」のサントラ曲でした。
カナダ男子にしては珍しくトリプルアクセルが安定してきていて、これはカナダのジュニア勢の中では一歩リードかも?アンソニー・パラディ選手にも続いてほしいところですが。
実はSPの時から気になってたんですが、彼コラントッテのネックレスをつけてるんですよね。
※埋め込みが表示されない場合はこちらから
Grayson LONG 🇨🇦 PB 78.65
— Golden Skate (@goldenskate) August 21, 2025
He delivered the best result of his career so far 💪🏻
“It felt very good. Until the very end, I didn’t notice that my nose was bleeding. Apparently, there was quite a lot of bloodon the ice, and I want to apologize to my fellow competitors,” he said with… pic.twitter.com/bIJYYbzoP5
フリーは付けてないんだな~と思っていたら、後でよ~く見たらフリーでもつけてました。これは中田璃士選手が配り歩いているのでしょうか(笑)
一段階抜けていた印象の中田璃士選手
中田璃士選手は先日の「サマーカップ2025」では4回転サルコウと4回転トゥループの2本の4回転を下りたもののトリプルアクセルでミスが続いたうえ後半まとめきれず、優勝を逃しました。
この時のインタビューで「4回転トゥループをもう1本跳ぶべきだった」と発言していたので、私は「4回転3本目行きやしないか」とヒヤヒヤしながら次を見守りましたが、3本目はトリプルアクセルで一安心。
ーしかしそれもつかの間、トリプルアクセルは回転が抜けてしまい、ダブルの両足着氷。その後のトリプルアクセル2本目はおそらく予定通りに回避。
演技後の解説によると事前公式練習ではジャンプの調子は思わしくなかったようですが、きちんと本番に合わせて来たと褒められていました。
※動画が読み込めない場合はリロードしてください
フリーの「グラディエーター」の振付はミーシャ・ジーさん。彼のエネルギーを存分に昇華させたいと選曲&振付したこのプログラム、今回の解説陣の評価は上々でしたね。有り余るエネルギーを徐々にコントロールできるようになってきていると、解説ではかなり褒められていました。
今思うと「サマーカップ2025」フリーで程よく暴走して優勝を逃したことが、コンビネーション余らせたりミスはあったりしつつも今回の構成を落ち着いてまとめられた要因に繋がっているようにも思いましたね。

解説陣も言及していましたが、島田麻央選手といい中田璃士選手といい、いい加減もうシニアカテゴリで見たい選手が今季もジュニア継続なのを見るのは毎回微妙な気分になります
シニア移行年齢の引き上げ自体には納得してるんですけどね…
なお今大会3位だったゲンリッヒ・ガルトゥング選手(ドイツ)は、4回転ルッツ2本という構成に度肝を抜かれたものの、昨季世界ジュニアで感じた「ジャンプ先行型」の印象は薄まらずでした。
もちろん年齢的にはまだこれからなので先を期待したいですが、トリプルアクセル1本のみ構成の森選手と総合点4.5点しか差がない現状からいって、9月の北京五輪代表最終予選でドイツ代表枠確保は厳しいかもーと思いました。
中田璃士選手インタビュー動画の謎(笑)
中田璃士選手は英語インタビュー動画も公開されてるんですが、英語のインタビューが終わった後黒画面が延々続くんですよ。
「なんだこりゃ?編集ミスったまま上げちゃったの?」と思ったら2分35秒あたりから唐突に日本語メッセージが始まります。
こんな編集だと気づかない日本のファン結構いそう…。
その他の男子注目演技
最終グループ以外の男子シングル選手フリーはアーカイブ視聴しました。
私が興味深かった選手の演技を4つだけ紹介しておきます。演技出だしの数十秒で見るかどうかを決めて飛ばし見してしまった選手も多いので、他にも面白エピソードはあったかもしれませんが。
期待のスイス選手のコーチはステファン・ランビエールさん
出だしの数十秒で「これは最後まで見るコース」と最も早く決断できたのは、総合8位だったイアン・ワイラー選手(スイス)。その後で「あ、ステファン・ランビエールさんがコーチについてる子じゃないか」と気づきました(笑)。
スピンきれいだし音楽表現の細かさや所作の美しさは私好みの路線で、かなり堪能しました。シニアで活躍するための課題はジャンプですね。
日本語上演版ミュージカル曲を使用するイスラエル選手
キリル・シェイコ選手(イスラエル)の演技で日本語の聞き覚えのある声が流れてきて「…?」と思って調べたら…
ミュージカル「モンテクリスト伯」内の歌曲・「ただそばにいる(I Will Be There)」でした。
海外スケーターがフィギュアスケートで使う日本語曲って大体アニメのサントラかゲーム音楽のBGMです。今回もグレイソン・ロング選手のフリーで「鬼滅の刃 無限城編第一章」が使われています。(※リンクから演技動画視聴できます)
しかし日本上演版ミュージカル音源を使用するとは非常に珍しいような?
それも日本製ミュージカルではなく(初演はドイツ)、日本語上演版をわざわざ選ぶのはなぜなんでしょう?石丸幹二さんの声が好みなのか、日本語の響きがエキゾチックに聞こえるのか、選曲の意図が知りたいって思いましたね。
ちなみに彼のフリーは11位、総合では14位でした。
宇野昌磨さんの「ダンシング・オン・マイ・オウン」使用のオーストリア選手
こちらはダニエル・ルイス選手(オーストリア)の演技。宇野昌磨さんが使っていた「Dancing On My Own」をほぼ同様の曲編集で演じています。(ピアノ曲「Your Last Kiss」もガッツリ使っています)
解説で「Shoma UNO」の言及があるかと思ったらなくて昌磨さんファンとしてはちょっぴり残念。五輪プロレベルじゃないとそうそう言及はしてくれないか~
※森選手のフリー演技時はアレクセイ・ヤグディン選手の「仮面の男」をしていました
<おまけ>思わず見返したくなった宇野昌磨さんの過去演技
おかげで懐かしくなって、宇野昌磨さんの「ダンシング・オン・マイ・オウン」の2020年チャレンジカップの演技と、ジュニア時代の2013JGPSラトビア大会(リガ)での演技動画を見ちゃいましたよ。おまけでつけておきます。
※動画が読み込めない場合はリロードしてください
2013-14シーズンの宇野昌磨さんはまだトリプルアクセル獲得に苦闘している時期。フリー冒頭で果敢に挑むも回転不足(<<)で転倒しています。それでも他で点を稼ぎ、フリー3位で総合3位でした。
当時のリザルトから採点表を見ると隔世の感があります。今はジュニアから4回転やトリプルアクセルを跳ぶ選手が複数いるのが当たり前で、側転やらニースライドやら何かと盛りだくさんになってきてるよなぁと思います。

この週末行われていた東京夏季フィギュアスケート競技大会2025の情報はこれからチェックします(今日の全大阪現地観戦は諸般の事情で断念)
次の週末はJGPSトルコ大会ですが、Friends On Ice観に行く予定なのでリアルタイムでは追えなさそうです