2025世界ジュニア選手権 男女SP 日本勢好調/0.00~0.01点を争う僅差勝負

2025年世界ジュニアフィギュアスケート選手権の大会ロゴ

ハンガリーで開催されている2025年世界ジュニアフィギュアスケート選手権。日本時間では水曜夜、男子シングルSPから始まりました。

世界ジュニアはゆるく見ておりまして男女シングルもフルには視聴しておらず、カップル競技は「さらあつ」しかチェックできておりません。

なので男女シングルのざっくりした感想と今後の見どころのみ軽くまとめてみました。

2025年世界ジュニアフィギュアスケート選手権リザルト

目次

まさかのISU公式配信ジオブロックなし?

水曜夜は、世界ジュニアのISU公式youtubeチャンネルでのライブ配信にジオブロックかかっておらず、男子公式配信が普通に見られてビックリ。一部地域のみとはいえフジ系列で後日男女シングルフリーの放送があるというのに。

「男子SPだけが設定ミスでたまたま見られただけかな?」と思っていたら、アイスダンスRD女子SPアイスダンスFDもyoutubeで視聴できました。

しかしその後、ISU公式チャンネルでは男子SPのみアーカイブ視聴が不可能になりました。他国VPNをかましても同様に視聴できませんし、「SME(ソニーミュージックエンターテインメント)のコンテンツが含まれているため…」とのおことわりが出るので音楽著作権を理由にアーカイブ配信ができないようです

※有料のFODプレミアムでは今も視聴できます 
 でも私実況ある方が好きなんですよね…

昨季の欧州フィギュアスケート選手権(ユーロ)でアイスダンスRD配信がアーカイブ視聴できなくなった時を思い出します。今回はある程度ライブ視聴できたからまだいいけど。

権利関係でひっかかった部分だけ無音にして再公開してほしいところですが、そんな手間暇かけることはしないかな…

でも、男子SPの最終グループはジュニア男子の試合だとは思えないほど好演技の連続だったので、あの動画が未来永劫一般視聴できなかったら勿体なさ過ぎます。

権利関係に問題がない上位選手の演技だけでも切り取って公式チャンネルに再掲してくれるといいなと思います。

男子SPの感想とフリーの展望

男子SPは前半グループは気になる選手だけつまみ食い視聴しながら追っかけ再生し、後半2グループはISU配信でライブ視聴しました。

感想は一言でいうと下記に尽きます。

ジュニアの中でも特に男子は出力不安定な選手が多くて、観客が頭を抱えることが多いはずなのに、最終グループのほとんどが実力を出し切った好演技!ニュージーランドのヤンハオ・リー選手だけトリプルアクセルの転倒がありましたが、その後はきっちりオールレベル4&全要素加点つきでまとめてきましたしね。

日本勢&前回王者のソ・ミンギュ選手

高橋星名選手はトリプルアクセルの着氷こそ乱れたけど、そこからあとは好演技。今季SPのThis is Me結構好きだったので、これで見納めか~と思いつつ見守りました。SP7位とあと一歩で最終グループ入り逃したのは惜しかったですが、3位との点差は約6点。十分メダルを狙える位置にいます。

中村俊介選手は今まで見た中でもっとも会心の演技でした!彼は実力があるのにどこか不安を漂わせているように見えることが多く、そういう時は大体何かミスが出てしまうのですが、今回は不安を感じさせなかったですね。何とかして表彰台に乗って来季シニアの試合枠を確保したいところです。

前回王者のソ・ミンギュ選手はJGPSデビューのシーズンから気になっている選手です。最初の年は宇野昌磨さんを想起させられることが多かったのですが、去年あたりからチャ・ジュンファン選手要素の方を強く感じるようになりました。

今季は国内でのゴタゴタがあって不調気味でしたが、さすがにジュニアワールドには合わせてきました。所作がジュニア離れしてるしスピンの加点もえぐい。フリップのエッジにアテンションすらつかなかったのはラッキーというかなんというか…フリーはどうなるでしょう?

中田璃士選手はルッツが苦手&ジュニアでは4回転をSPに入れられないことから、SPのコンビネーションジャンプが3回転トゥループー3回転トゥループ。他選手が軒並み3回転ルッツー3回転トゥループを跳んでくるなか若干不利ではあります。

でも後半にコンビネーションを入れる&質で勝負です。4回転跳び慣れ過ぎたせいか、ファーストジャンプの回転に余裕があり過ぎて一瞬ダブルに抜けたかのように見えてヒヤッとしちゃいました(苦笑)。

全日本の時よりも全体的に動きがよくなっていて、「これはいい点来そう!」と思ったらやっぱり来ました。この構成で86点台出せるってすごい。

SP2位ですが、1位のソ・ミンギュ選手とは0.64点差。PCSは40.54点と、ソ・ミンギュ選手のPCS39.78点を上回りました。中田璃士選手はフリーの予定構成の基礎点は高いですし、PCS評価でも上回れたのは大きいかも。

ドキドキするSP落ちライン

男子SP、最終グループの演技以外のもう一つの気になるポイントは「SP落ちライン」でした。

上位24名のみがフリー進出なのですが、ギリギリのラインに何と61.31点と小数点第2位までの同点者が並びまして。一時はそのうち一人だけがSP通過という状態になったのです。

「全く同じ点数なのに一人はフリーに進めて、一人はSP落ちと運命が分かれちゃったら気の毒過ぎるー!」

と、試合を見守る世界中のスケオタがやきもき

かつて全米選手権でジョニー・ウィアー選手とエヴァン・ライサチェック選手が全くの同点となったことがあるため、私は「総合得点で同点だった場合はフリー上位が優位」ってことは知っていました。

(全米ではフリー上位だったライサチェック選手が優勝)

しかしSPで同点になった場合はどうするのか知らず、どうなるのか?って思いましたよ。SPで全く同点だった場合はTES(技術点)が上位の方が上になるんですね。

結局、最終前グループに61.31点を下回る選手が出たため、同点だったもう一人の選手もSP通過となり、一同ホッとしましたよ。

下記がSP最終結果。「Q」が「予選通過」を意味する「qualified」の略。ギリギリ通過になった23&24位の選手の得点が全く同じです。

https://www.isuresults.com/results/season2425/wjc2025/SEG001.htm より

ちなみに25位でフリー進出を逃したフィンランドのマティアス・リンドフォース選手は今どき珍しい優雅&耽美系の衣裳を着こなせるスケーター。

所作も美しく、私はJGPS大阪大会でナマで演技を見て以来密かに応援してたのですが…

フリー見たかったです

21位の米国のパトリック・ブラックウェル選手も本当はもっと上位行ける実力の選手なんですけど、ミスが多くてあわやSP落ち?ってビビりました。ギリギリ行けてよかったです。

高難度技が売りの選手ってPCS低いこと多いから、SPでジャンプミスすると一気にフリー進めない可能性高まるのでハラハラさせられますね。

フリーへの期待

日本勢全員メダルを狙える位置にいます。去年銀メダルだった中田璃士選手は金しか目指してなさそうな印象を受けますが、果たしてどうなるか。

ジュニア男子でSPが神大会だとフリーが自爆大会になるっていう定説もあるらしいのですが、そうならないことを願います。

個人的にはカナダのアンソニー・パラディ選手のフリーが楽しみです。

去年&今年のカナダナショナルの時とか思い入れを熱く語ってます。

彼は昨季と同じプロを継続していますが、今季は彼比でジャンプが良くなってきているので、去年以上のパフォーマンスが見られるのではないかと。

ーと言いつつSPはトリプルフリップがシングルに抜けてしまって要素抜けという手痛い展開でしたが。でもジャンプ要素抜けでダブルアクセルの選手なのにPCSだけで見ると37.34と、全選手中4位なんですよね。

挑戦中だというトリプルアクセル跳んでくるかな?

トリプルアクセルが入るようになれば一気に躍進できそうな選手なんですけどね。

女子シングルSP

女子は気になる選手の演技だけ抜粋で昼に視聴しました。

日本女子全員最終グループへ!

SPは島田麻央選手1位、中井亜美選手3位、和田薫子選手5位と3名とも最終グループに入りましたね。

島田麻央選手の過去プロの中で最も私が気に入っている「Defying Gravity」、最高の滑りおさめでした。2位に7点以上の差をつけたので、フリーはトリプルアクセルも4回転トゥループも何のためらいもなく投入できそう

島田麻央選手とずっとジュニアのメダルを競ってきた韓国のシン・ジア選手。体型変化&拠点変更のためか伸び悩みが続いている様子。コンビネーションのセカンドが回転不足の転倒になって最終グループ入りを逃しました。でも得点はそれでも63.57点あり、3位の中井亜美選手との差は3点少々。十分メダルを狙える位置です。

女子も0.01差でのフリー進出争い

実は女子も0.01の点差でフリー進出とSP落ちの運命が別れました。53.44と53.43!
こんなギリギリで落ちるのは悔しいでしょうね。

https://www.isuresults.com/results/season2425/wjc2025/SEG003.htm より

そして米国のフェルテン選手、23位だったのか…超ギリギリで驚き。

フリーの見どころ

米国勢はエリス・リン・グレイシー選手が今季一番?の演技でSP4位でした。フェルテン選手にめちゃくちゃまくってもらわないことにはアメリカのジュニアワールド枠を3に戻せません

ただフェルテン選手は演技構成がとんでもないので(4回転サルコウとトリプルアクセル2本入れるんでしたっけ?)一気に順位を上げて来るかもしれません。二人の順位数合計が13で3枠だから少なくともフェルテン選手は一桁順位目指したいところですね。

実は韓国女子も来季3枠に戻すの厳し気なんですよね。SP7位&21位。2選手が順位を上げてもちょっとこれは厳しそう。それでもシン・ジア選手たちがフリーで挽回するところは見たいですね。

島田麻央選手の3連覇を見届ける以外にも、見どころは多そうです。

男女シングルフリーの配信予定

男女シングルのフリーのISU公式ライブ配信がSP同様視聴できるかどうかは現時点では謎。男女シングルのフリーはフジテレビ首都圏などで地上波放送されるので、海外VPNを利用しないと見られないかもしれません。

ただし現時点で男子フリー女子フリーもライブ配信予定画面の表示は日本からの接続でも見えています。

男子フリーは今日深夜に始まります。

※2/28 22:15 追記 競技実施中のペアSPもVPN無しで観られてます!ペアフリーの時間帯も追記しときました

※3/1 13:30 追記 やっぱり男子フリーはジオブロックかかりました。おそらく女子フリーもかかると思います。放送が予定されてないペアフリーについては見られるかもしれませんが、これもどうなるか?

男子フリー:2/28(金)深夜2:00~5:30

女子フリー:3/1(土)21:00~24:30

ペアフリー:3/1(土)深夜1:15~03:48 

女子は見やすい時間帯なんですけど男子きついな~。早起きできる自信がないので、情報シャットダウンして朝に疑似ナマ視聴かな?

ジュニア選手にとってはこれがシーズンしめくくりの試合。悔いのない演技ができるといいですね。

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