神戸のワールド記念ホールで開催されたFantasy on Ice(ファンタジー・オン・アイス)2024公演(以下FaOIと略)に行ってきました。
FaOIに行くのは実は初めて。
今夏の関西で開催されるアイスショーはFaOIだけだし、有名なショーだから一度は見ておきたいなと。今年はTHE ICEで坂本花織選手も三原舞依選手も友野一希選手もアダム・シャオ・イム・ファ選手も見れませんしね。それに何よりステファン・ランビエールさんとギヨーム・シゼロンさんのコラボプロが見た過ぎた(笑)。
まだ感想消化しきれてないんですが、印象強烈だった「Everlasting33」配信の感想も記憶が新しいうちに書いてしまいたいので急ぎ振り返ります!
ワールド記念ホールの想い出
ワールド記念ホールは私の想い出の地。10代の頃、初めてフィギュアスケートの演技を見たと思われるのがこの会場でした。下記の記事の最後の方に当時の想い出を書いてあります。
あのブライアン・オーサーコーチがスラリとしていて女性ファンにキャーキャー言われていた時代ですから(私もその一人w)、もんのすごい昔なのがお分かりいただけるでしょう(苦笑)。
正直当時の記憶はほとんどなくて、ブライアン・オーサー選手(当時)にどうやって声をかけて花を投げたらいいものか友人と相談しあっていたこと&投げた瞬間の記憶、ペアスケーター演技の迫力が凄かったことしかまともに覚えていません。(肝心の演技の記憶がほぼないw)
会場設備について覚えているのはリンクと客席の距離が近かったことと、できたばかりの新しいホールだったことぐらい。
その後私は一度もこのホールに行く機会がなく、今回がなんと39年ぶり?の訪問。見えてきたホールの外見は随分と老朽化が進んでいてちょっとビックリ。ということは私もかなり老朽化が進んでいるということね(苦笑)。
古いとはいえ、中の設備は綺麗に保たれていました。アリーナ席の方はトイレが使えないと聞いていましたが、トイレ待ち行列も製氷休憩時間終了前には解消してました。(私は休憩中はロビー内で軽食食べてましたが)天井の高い館内は照明が映えていいですね。
スケーター達の演技の感想あれこれ
会場内のリンクはショーサイズのため私が取ったスタンド席からは若干リンクが遠く感じましたが、スケーターが手前に来れば表情も確認できました。
FaOIは歴史あるショーですし放送で少し観たことはあり、ショーの雰囲気は画面を通して少しは知っています。出演ミュージシャンとスケーターの演技がうまくかみ合った時はすごくすてきなパフォーマンスになりますよね。
オープニングは石井竜也さんの「君がいるだけで」で軽やかに始まりました。おばちゃん世代には超絶懐かしい曲です。日本のポップスで海外スケーターが滑るのって未だに不思議な感じがしてしまいます。
初めてナマの滑りを見られた二人
実は私、今回ナマで滑りを見るのが初めてのスケーターが二人いました(アンサンブルキャストやフライングスケーターはのぞく)。一人はステファン・ランビエールさん。もう一人がハビエル・フェルナンデスさん。
特にステファン・ランビエールさんは「そろそろアイスショー引退?」と囁かれ出していて「早く観に行かないと永遠にナマの滑りを見られないままになってしまう」とここ数年焦っておりました。
やっと見られましたよ!
ソロプログラムは、映画「ザ・ホエール」のサントラ曲でした。
私が昔好きだった俳優ブレンダン・フレイザーさんが300kg近い肥満症の男性を熱演しアカデミー賞主演男優賞を獲った作品。良作だったようなので観に行こうかと思ったんですが、「死期の迫った男性が娘との絆を取り戻そうとする」というあまりに重く痛切な人間ドラマのようだったので敬遠しちゃったんですよね。
「ステファンがこの曲で演技するのなら映画観とけばよかった!」って大後悔ですわ。
ハビエル・フェルナンデスさんは、既に懐かしさを感じられるようになっている「ハビエルマン」でした。
何度見たか数えきれないぐらいの定番エキシプロですが、ナマで観るのは初めてなので感慨深いものがありましたね(笑)。
水かけ役は三原舞依選手でした。楽しそうにしてましたが、水のかけ方がエレガントでした(笑)
私の記憶が確かならば彼のソロプロはこれだけだったので、ちょっと残念でしたね。ラテン系プロ観たかった!
好きな現役選手たちのプログラムの数々
全演技感想書いているとキリがないので、男子シングルスケーターの個別感想をば。
友野一希選手
今日の公演前に意気込み動画が公式アカウントから出ていましたね。2年連続のFaOI出演です。
友野一希選手は、前半では一青窈さんの「他人の関係」でコラボ。昭和の名曲でいろんなところでカバーされてますが、一青窈さんが歌ってたのは知らなくて新鮮でした。
衣装は真っ赤なキラキラジャケット。そのジャケットはFaOIが用意したのか、それとも友野選手自身が今季エキシ用とかで用意したものなのかが気になりました。TOMONOレッドっぽく見えたんですよね。
後半は早々に登場、「昨季のショートプログラムを…」と場内アナウンスでいうもんだから「Undergroundキター!」と喜んだら2022-23シーズンの「Happy Jazz」でした(笑)。
そうか確かにまだ6月だから、「Underground」は「今季」のプロですね(苦笑)。いや「Happy Jazz」も大好きですけど、「Underground」めっちゃ好きなんでつい(苦笑)。
私が見た回(初日の夕方公演)では2つめジャンプがダブってしまったのですが、ラストのトリプルアクセルは華麗でした。
フィナーレでもてっきりアクセル行くものと思ったら助走が違っててアレ?と思ったら4回転サルコウめっちゃクリーンに下りて大歓声上がりました!
ショーに4回転必ずしも必要ないと思ってはいるんですが、見られるとやっぱり超嬉しいです。
チャ・ジュンファン選手
とにかく滑り&所作が美しいのです。群舞にいると本当に目を引く。しかし髪だけはかなり重そうに見えてカットしたくなりました(笑)。
でもFaOI公式アカウントでの挨拶動画を見るとそこまで重そうには見えず、似合ってるんですよね。私が単に彼の顔をもうちょっと見たかったせいでそう見えたんでしょうか(笑)。
前半は早々に登場して2022-23シーズンのエキシプロ「Golden Hours」。後半は家入レオさんの「ワルツ」でコラボ。
衣装は白のドレッシーなシャツに黒リボンタイ。背中の空気穴は発見できなかったので、FaOI側が用意した衣装でしょうか。あれが着こなせるスケーターは稀有でしょうね。イナバウアーにクリムキンイーグルに、滑りを堪能できる技連発で心洗われましたわ。
アダム・シャオ・イム・ファ選手
前半は今季フリー。モントリオールで凄い演技をナマで見ちゃったせいか、ジャンプがトリプルなのに最後まで落ち着かなかったです。(4Lz跳んだ回もあったようですが)狭いショーリンクで無理に4回転跳ぶ必要ないと思ってるはずなのに、アダムだと無意識に4回転を求めちゃうみたいです。
後半はゴッホをテーマにした新しいショープログラムだとアナウンスで紹介されていました。なぜか途中退出して衣装チェンジするというやや不思議プロですが、リショーさん色が強すぎる印象を受けてしまいました。
彼の演技自体はとても良かったんですけど、「振付師の自己主張」が強く感じ取れる系プロには私抵抗あるんですよ。
ブレイディー・テネル選手の「四季」にグレタ・トゥーンベリさんの演説を混ぜたプロ程の抵抗感はなかったですが、「もし選曲&振付がリショーさん主導だったら…」と思うとのめりこめずでした。
アダムの2022-23フリーの「…さんじゅう!」みたいな「意味不明な前衛プロ」は大好きなんですけどね。競技用プロもたぶんリショーさんなんだろうけど、意味不明系プロだといいなぁ。
フライング・オン・アイス&「引っ張り部隊」
フライングを現地で観るのをかなり楽しみにしていたんですが…あれ、人力で引っ張って吊り上げてたんですね!
今回現地鑑賞で最も驚いたことがコレです
私の席からは引っ張る人たち(全員見えなかったけど5人以上はいた)がよく見えたんです。「引っ張り部隊」の存在に気づいてからは、パフォーマーを視界の隅に入れつつ彼らの方に注目するという、本末転倒な見方をしてしまいました(苦笑)
演技に合わせて一斉にダッシュするスピード感&阿吽の呼吸感が凄かったです。あれだけ息のあったチームであれば、氷上演技をするパフォーマー二人だけでなく、彼らまるごと招へいする必要があるのですね。
前半公演の時の彼らの投稿ですが、引っ張り部隊がちらりと映っているので参考までに。
その他の演技について
デニス・ヴァシリエフス選手も家入レオさんと「未完成」でコラボを披露していました。ステファンの個人プロとお揃いか?と見まがう衣装(違いますけど)、ステファン風味満載の振り付けながらデニス風味もあって堪能できました。スケーティング&所作の美しさはさすがの一語。
※ステファンとお揃いか?と思った衣装のプロは新EXのプロです。曲は昔フィル・コリンズが歌ってた「夜の囁き(In the Air)」(2024/6/18追記)
でもフィナーレでギヨーム・シゼロンさんとペアで披露したベスティスクワットイーグルの印象があまりに強烈過ぎて、彼の個人演技の記憶が先ほどまで消えてました(苦笑)。
田中刑事さんは見る度に進化してるし、織田信成選手の「桃太郎」ナマで見られてトリプル跳びまくりがナマで見られたしで嬉しかったです。アーティストとのコラボも良かったですね。
パパシゼ&ライラルイスのアイスダンスチームには大満足だし、パパダキスさんとアンサンブルスケーター達のコラボもすごく良かった!(最初はギヨームさんがステファンと組んだコラボ披露としか聞いてなかったから、「パパダキスちゃんは1プロしか見られないの?」と当初不安だった私も安心w)。
坂本花織選手&三原舞依選手の神戸組も新プロ&コラボ両方見られて眼福でした。宮原知子さんも貫禄の演技。坂本ちゃんフィナーレで単独技披露してなかった気がするんだけど、練習でひじ怪我しちゃったからなんでしょうか?ちょっとそれだけ寂しかったです。
ステファン&ギヨームのコラボ
いや~拝めてよかったです。どうよかったか、書き残す言葉を持っていないのが残念。
スケーティングと身体表現の美しさを堪能する系。異なるスケーティングスタイルを持ちながら、深いところに共通点を持つ二人が交錯し、離れて行く。それをただひたすら見つめるプロです。眼福。大満足でした。
素晴らしい演技を終えた後、急いで退出していった二人。おそらくフィナーレ用衣装への着替えのためですね(苦笑)。
フィナーレ曲はリンク中央に出てきたステージ上で石井竜也さんが歌い上げる「浪漫飛行」でした。
フィナーレには二人ともかなり早く出てきてたんですが、衣装に早く着られる工夫がされてたんですかね?靴脱いで着替えてたらあのタイミングでは入ってこれないような…
ショーを観終えて
フィナーレ群舞後の一芸大会は和気あいあいとした雰囲気。締めを任されたのはステファン・ランビエールさん。
3-3跳びに行ったようでしたが、セカンド跳びに行けず。一瞬考えたような間があってそこからシーケンスで延々3トゥループ…たぶん6連続シーケンスで跳んでくれました。「うぉーまだ跳ぶか!」って場内かなり盛り上がりましたよ(笑)。
笑顔で手を振って最後に退場していくステファン・ランビエールさんを見られて私は満足でした(笑)
トリノ五輪前後の私のイチ推しはエフゲニー・プルシェンコさんでしたが、ステファン・ランビエールさんも大好きなスケーターさんでした。約20年越しでようやく彼の演技をナマで見られて感無量。
彼がプロスケーターとしても長く活躍し続けてくれていて、進化形態をナマで見られたことは本当に嬉しいことでした。本当、大好きだったのにナマで見られなかったスケーターが何人いることか…
後日放送を観るのを楽しみにしています。現地で味わったあの独特な空気感がどこまで映像で伝わってくるでしょうか?
前半の幕張・愛知公演は初回放送の録画失敗しちゃったのですが、幕張公演の再放送は録画できたので、神戸公演と合わせてまた視聴したいなと思っています。神戸公演の放送予定は下記の通りです。