NHK杯 女子&カップル競技の振り返り/フリーの雪辱をエキシで果たす三浦佳生選手を見て思い出したこと

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グランプリシリーズ大会4戦目のNHK杯フィギュア、先日は男子フリーとエキシビションの合間に挟まれた「北京五輪団体銀メダルイベント」の話しか書けなかったので、今日はエキシの話と男子シングル以外のカテゴリの話をまとめます。

まずは他カテゴリの試合から振り返ります。

グランプリシリーズ日本大会(NHK杯)リザルト

目次

女子フリー&カップル競技

女子フリー 忘れ難い青木祐奈選手のキス&クライ

私が女子フリーで最も印象的だったのは、青木祐奈選手のキス&クライでした。

3連ジャンプで危ないところはありましたが、何とかそこを乗り切って美しくまとめきった演技。演技終了直後の技術点は70点を超えていました。「合計スコアが200点を超えるのでは?」と期待した人は多かったでしょう、私もそうでした。

回転不足を複数取られそうだなとは思ったので、「下げるのは5~6点までにして~~~」と祈りながら見た得点表示。技術点はなんと58.25にまで減っていていました。

「こ、これは去年のNHK杯並みにグッサグサなのでは?」
と私の肝が冷えました

しかし合計順位が「1」と表示された瞬間、少し曇り気味だった彼女の表情が一転感極まり、涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。その姿を見て、技術点を見た時に感じたやるせなさは消えました。初めてのグランプリシリーズメダルを掴めて本当によかった。続けてくれてよかったと思えた瞬間でした。

…にしても採点表を見ると厳しさにクラクラしますね。ダブルアクセルとトリプルサルコウ以外すべてが回転不足…。

回転不足きっちり取るのは「正しい差別化」に必要だけど、暫定技術点からの下がり幅がここまで大きいとガックリ来ますね。加点がついてるジャンプでもスローで見て回転が足りないのなら減点はやむなしだけれど、12点も下がるのかって。

いちファンとしては、セカンドループやフリップへのコンビネーションに挑んでくれる選手は希少かつありがたい存在なので、そこは評価してほしいなって思ってしまう。…ってそんな評価基準はルールにはないんですけど(苦笑)。素人の愚痴を、ここでそっとぼやいておきます。

応援している選手たちの笑顔が見られれば、基本ファンは満足

千葉百音選手→坂本花織選手の痛快演技リレー

その後の千葉百音選手→坂本花織選手のクリーン演技リレーの流れは痛快でしたね。二人とも予想以上に点が出てビックリ。でも採点表見たらちゃんと引かれるところは引かれてました。つまり二人ともまだまだ得点ののびしろがある!

しかし坂本花織選手の得点、グランプリシリーズ序盤で出る得点じゃないですね(苦笑)。あのスピードと迫力&あの繋ぎであれだけ確実に技を決めれば高得点になるのも当然なんですが、この時点でここまでの高みにたどり着かれてしまうと、対抗できそうなシニア選手が今季はSPフリー完璧にそろえたアンバー・グレン選手ぐらいしかいなさそう

パトリック・チャン選手が無双してた時代みたいに、「確かに上手いから高得点出るのは納得だけど、ここまで得点差がつくと勝負を楽しむにはちょっと…」ってな感じで。滑りの美しさのタイプが異なる松生理乃選手や、他の高難度技持ちの選手が伸びてくると勝負の面でも面白くなるのですが。千葉・坂本両選手もまだまだ伸びそうなので、追いかける側も大変かも?と思いました。それぐらい強く、見事な演技でした。

坂本選手は祝・グランプリファイナル進出決定!千葉選手は激戦の中国杯でファイナル進出に挑戦です。

ペア りくりゅう組はファイナル進出&ゆなすみはフィンランド大会出場へ!

ペアのりくりゅう組はフリーではレベルの取りこぼしなどの小ミスが重なり、若手のメチョベル組に1位を譲りました。ペアスピンで溝にはまってしまうという珍しい体験をしたらしく、そのミスも笑って受け止めてましたね。

報道によるとスケアメの前後で木原龍一選手の腰に違和感があったらしく、怪我の再発を疑い練習を控えていたとか。幸い国内で受けた精密検査では骨には異常なしとのことで今後は練習が積めそうです。グランプリファイナルではまた一段レベルを上げた演技が見られるのでは?

ゆなすみこと長岡柚奈/森口澄士組はフリーではミスが出てしまい、総合7位となりました。しかし活躍ぶりを見てフィンランドの連盟から急遽次のGPSフィンランド大会への招待があったとのこと!

いや~私女子でルナ・ヘンドリックス選手とイザボー・レヴィト選手が二人も欠場となったのにちょっとがっかりしてたんですけど、この情報には上がりました!フィンランドではゆなすみの雄姿をナマで観てきます!

アイスダンス 日本2組無事GPSデビュー&チョック/ベイツ組のN杯初優勝

何度も書いてますが、GPS大会のアイスダンス前半グループに2組も日本のカップルがいるというのは新鮮でした。今後あずしんVSうたまさで競い合いつつ伸びて行ってほしいので、田中梓さんの肋骨が早く完治しますように。

NHK杯初優勝を遂げたチョック/ベイツ組のフリーは眼福でした。今季の衣装もチョックさんのデザインなんですよね?きっと。「モントリオールワールドで引退」って噂はなんだったんだーでも続けてくれて嬉しい!

エキシビション 日本カップル競技組のお披露目&フリーのリヴェンジ

私は普段はGPS大会のエキシビションは好きなスケーターや評判を呼んだ演技だけ後日チェックするんですが、今回は久々に全部ナマ視聴しました。

しかし大相撲期間中に総合テレビで全編生放送するためか、連盟の予算が厳しいのか理由はわかりませんが、例年は28組?ぐらい出ていたのが今年は20組だけ。整氷時間込みで2時間と、例年よりかなり短縮されていました。現地だとちょっと物足りなく感じそうですが、家で見るにはちょうどいいぐらいの時間だったかな。

ただ、そのせいで海外スケーターの出演が減ったのは残念でした。盛り上げ上手なマッテオ・リッツオ選手とか観たかったなぁ。(本人も新エキシ用意してくれてたらしいのに)

日本のカップル競技スケーターのエキシ世界初披露

結果的に日本人スケーターが占める率が上がり、日本人ファンからすると「日本のスケーターなら国内のアイスショーでいくらでも見られるのに…」と思う人は多いでしょう。

でも、海外ファンにとっては普段あまり目にすることができない、開催地の地元スケーターのエキシビション演技を見るチャンスでもあるんですよね。

うたまさの椅子プロゆなすみの筋トレプロも私は今季アイスショーで複数回観たことがありますが、世界には初お披露目。

総合テレビでも放送されてたので初見で度肝を抜かれた一般の方もいたらしく、WEB記事にされてました(笑)

フリーの雪辱をエキシで果たす

そして最も印象が強烈だったのは三浦佳生選手。二季前のフリー「美女と野獣」の衣装で登場してきたのには驚きました。

こ、これは、「フリーが悔し過ぎたからエキシでリヴェンジしてやる!」ってやつ?

昔プルシェンコ選手が同じような感じでエキシでガチ競技プロやってたような…記憶がおぼろげで自信ないですが

しかし、SPフリー連日で試合した翌日にあの暗い照明下でフリーをマジ構成やるってどうなのよ(苦笑)。ジュニア構成バージョンかと思ったらシニア構成4分間フルだし!ジャンプレイアウトそのままで4-3跳んでくるし!!!

後半4回転トゥループがすっぽ抜けた時に笑顔が見え、「そこまでムキになっているわけではないんだな」とちょっと安心しました

私は新聞記事で「足に痛みはない」と発言していたのを読んでたから「無理し過ぎないようホドホドにねw」と見守れたけれど、海外にはその情報は伝わってないから海外掲示板では阿鼻叫喚でしたよw 「キャーやめてーーーー!!!」「KAO ベイビー、自分を証明なんてしなくていいから、お願いだから足を大切にしてー!!!」って悲鳴が行き交ってました。

結果、エキシビションの観客の投票で選ぶ「ベストパフォーマンス」賞を獲得。そういえば去年は宇野昌磨選手がもらって「この日のためにたゆまぬ努力を重ねてきました」ってコメントして受けをとってましたね。同じような流れで今年は三浦佳生選手が受けをとっていて、ちょっと懐かしかったです。

NHK杯アンバサダーの暖かさ

今年になってから記者会見にスタイリストに衣装を用意させたり、選手のイメージに合わせたコラボ食品を会場で販売したり。「昌磨さんが現役の時にやってくれたらよかったのに…」と思うような企画が増えて羨ましく思っていた私。

でも、そういえば日本スケート連盟のInstagram情報発信が盛んになったのは昌磨さん現役時からだったよなーってNHK杯が始まってからようやく思い出しました。

去年NHK杯であの採点食らった後、アンバサダーの田中刑事さんの選手目線によりそった暖かいインタビューを受けてる宇野昌磨選手を見て当時ちょっと救われたよなぁ。そうか、もうあれから1年が経ったのか…。

田中刑事さん、今年は落ち込んでいる三浦佳生選手に寄り添ったインタビューをしていました。彼は囲み取材には答えていたようだし、当日の演技後にインタビューしてなかったのは敢えて聞かなかったのかな。エキシ前にこういうのを出してくれるとファンとしてはホッとするでしょうね。

静かに微笑む三浦佳生選手を見て、フリーで転倒しまくった2019フランス大会のエキシビションに昌磨さんが出てきたのを見て「よかった、今日は微笑んでる…」って思ったのをちょっと思い出しましたよ。

アンバサダーと解説兼任してた宮原知子さんの解説も、何かミスが起きそうになる度に「ハッ」と息を呑み込む音がするのが、選手に寄り添ってる感があって私は好きでした。本郷理華さんはテレビ観戦組が触れる機会は少なかったけど、会場解説きっと面白かったんでしょうね。ちょっと聞いてみたかったなぁ。

ここ数年フィギュアスケート業界で流行り?の「アンバサダー」制度、私は歓迎しています。アンバサダーのインタビューを受けていた昌磨さん、全日本ではインタビューする立場になるんだなと思うと、なんだか不思議な感じです。

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