グランプリシリーズ6戦目中国大会(中国杯/CoC/カップオブチャイナ)が終了し、グランプリファイナル出場メンバーが確定しました。
全カテゴリの出場メンバー(補欠含む)とそれぞれのポイント&総合得点はこちらで確認できます。
アイスダンス&ペアは予想通り、女子男子も「出場確率が高い」と予想されていたメンバーが順当に駒を進める結果となりました。しかしながら、最も混戦を極めた女子の闘いは熱かった!
女子シングルで26ポイント(1-3位or2-2位)を得ないとファイナルに進めなかったのは、フィギュアスケート専門記者のジャッキー・ウォンさんによると、2006-2007シーズン以来史上2度目のことだそうです。
ということで、まずは「史上最高レベルに白熱したファイナル代表争い」が繰り広げられた女子シングルの振り返りのみ先にまとめます。
キミー・レポンド選手
キミー・レポンド選手が多少の乱れはありつつもきっちりまとめてきて、196点台のハイスコアを出しました。他の大会だったら表彰台、後続のファイナル候補の選手達にしっかりプレッシャー与えてきました。
今季のユーロ女王は彼女が取るかもしれませんね。
Kimmy Repond 🇨🇭128,20 / 195,91
— Golden Skate (@goldenskate) November 23, 2024
“I feel really good, I'm really happy with how I did today, but I know I can do bit better. I did a little mistake on the lutz and I don’t know what went wrong with the spin, but I am still pretty happy with how I did here.”#GPFigure #GPCOC… pic.twitter.com/Imd5gqMGTA
渡辺倫果選手
渡辺倫果選手のタンゴ、トリプルアクセル決まった時は「おおおお」って盛り上がりました。ここぞというところで決めるのは本当格好いい。
https://t.co/asnddfp4je pic.twitter.com/MNXX5lfNNU
— Jackie Wong (@rockerskating) November 23, 2024
しかし後半までスタミナが持たなかったのか、2転倒になってしまい残念。特にループの転倒はものすごく痛そうでした。2転倒のわりには点が結構出たのはトリプルアクセルの威力?(qはついちゃいましたけどね)2点等の割にPCS下がり具合が少なく済んだ印象です。
残念ながらファイナル進出は逃しましたが、総合得点ではキム・チェヨン選手を上回り第一補欠になりました。
キム・チェヨン選手
キム・チェヨン選手は昨季のモントリオールワールドのフリーの時のような感情OFFったマシーン状態で、次々に技を仕留めていきました。中盤のトリプルルッツ着氷が若干荒くてセカンドがつけられなかった直後に一瞬人間味が垣間見えた気がしましたが、次のフリップに冷静にセカンドつけてリカバリーし、その後は淡々とスピンステップをレベル4で揃えてきます。
私の心の琴線を震わせるような演技ではないけれど、「ここまでマシーン化できるって凄いな」と毎度感心します。イヤミではなく、純粋に「なんかスゲー」と思わせる人外な雰囲気は彼女の強い個性だと思っています。毎回マシーン化できるわけでもないから、あれは努力のたまものだと思いますし。
ファイナルは逃してしまったけれど、ここで勝負強さをアピール出来たのは良かったのでは。ファイナル補欠2位です。
Chaeyeon Kim 🇰🇷 139,20 / 208,47
— Golden Skate (@goldenskate) November 23, 2024
“I was a bit nervous in the morning today. I am happy that I managed to do triple lutz – triple toe combination later in the program.
Before this competition Yuna Kim came to my practices and watched my short and free programs. I was very happy… pic.twitter.com/cqnZQWm7eo
住吉りをん選手
チェヨン選手のほぼパーフェクトな演技の後に登場した住吉りをん選手。プレッシャー感じてないといいけどな…と思ったのですがやはり心理的影響があったのでしょうか?
4回転トゥループを回避したのにトリプルルッツで着氷が乱れ、ループでは転倒。ファイナル出場には優勝が原則必要でしたので、その夢は逃げていってしまいました。
しかし、これまでの住吉りをん選手ならひとたびジャンプミスが出るとプログラム全体が崩れがちだったところ、「転倒なんてありましたっけ?」と言わんばかりに他の部分に影響が出なくなったのがすごい進化だと思います。ミスもありつつ2戦とも総合200点超えてるのって凄いですよね?
これだけ実力ある選手が未だにシニアチャンピオンシップ大会に出ていないという。(青木選手や松生選手もそうなので、日本の国内争いは恐ろしい…)
「今年こそ」と彼女も考えているでしょうから、今年こそ全日本頑張ってほしいですね。ファイナル補欠3位に入りました。
アンバー・グレン選手
いやあもう…一番心配だったぶん、一番興奮して見ることができました!
まさかアンバー・グレン選手のトリプルアクセル入りのクリーンなフリー演技を見られる日が来るなんて!!
「今年のアンバーはひと味違う」という印象でしたが、正直まだ信じ切れてなかった(苦笑)。トリプルアクセルを如何に美しく決めても「でも後半のルッツやループでまた崩れちゃうんじゃ…」とつい斜に構えてしまっていた心の奥の自分が、彼女がジャンプを決める度に粉砕されていって心地よかったです。彼女のメンタルトレーナーには伏して感謝したい。
Amber Glenn is on fire this Grand Prix season! 🔥 With back-to-back gold medals, she’s proving she’s a force to be reckoned with. 💫 Her consistency, power, and artistry have earned her a well-deserved ticket to the #GPFigure Final, and she’s showing no signs of slowing down.… pic.twitter.com/vxT1lmJK6L
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) November 23, 2024
後半さすがに若干の疲れが見られて少し荒い?と感じるところはありました。スコアを見るとやはりスピンステップのレベルを落としています。
ということはまだ伸びしろがあるということ。ファイナルでは表彰台に乗ってもらって更に自信としてほしい。来春のボストンワールドではこれを超える良演技をして観客の大喝采を浴びる彼女が見たいです。
彼女のキス&クライは本当に文字通りキス&クライで大好きです。演技が良くなかった時はゲッソリ落ち込み、良かった時は点見て「キャー!!!!」ってアメリカンな喜び炸裂でw
Amber Glenn delivers a stellar performance, claiming 🥇 gold and securing her spot in the Grand Prix Final! 💫 Mone Chiba shines under pressure, earning 🥈 silver and her ticket to the Final! 🙌 Chaeyeon Kim rises to the occasion, taking home a well-deserved 🥉 bronze in… pic.twitter.com/6WsnIjiSpe
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) November 23, 2024
千葉百音選手
この流れの中登場した千葉百音選手。得点的に3位までに入ればファイナルは確実でしたが、滑り出しの表情は何だか緊張した面持ちに見えてこっちが緊張しました(苦笑)。
でもひとたび滑り出したら…キム・チェヨン選手とはまた違う感じの落ち着き払った感じで次々と技を決めていき、ミスする気がしませんでした。なので最後のステップ終わりかけのところで引っかかって転倒したのはメチャクチャビックリしましたよ。
幸いステップのレベルは取れてからの転倒だったようでレベル認定には影響なく、減点は最小限で済みました。転倒が無ければ優勝の可能性もありえたかな?イヤやっぱり届かなかったかな?って微妙なラインですかね。
まだファイナルもチャンピオンシップ大会(2大会のスコアからいってどちらかには確実に出られるでしょう!)も残っていますから、完璧なフリー演技は次のお楽しみですね。
いや~男子シングルメインで視聴していて、女子シングルはいつも二の次にしていた私ですが、今季GPSのファイナル代表争いは女子が一番見応えありました!
坂本花織選手が頭一つ出ている感こそあるもののアンバー・グレン選手が彼女と闘えそうなレベルに仕上げてきているし、他のメンバーの実力が伯仲しています。今季のグランプリファイナル、私は例年以上に試合としての面白みを強く感じられるようになってきました。