「Ice Brave(アイスブレイブ/アイス・ブレイブ)」開催前の6月上旬、「ショーを観る前に宇野昌磨選手の過去プロをちょっと予習しておきたい人」向けの記事を前後編で投稿しました。


今回は、「『Ice Brave』鑑賞後に、宇野昌磨選手の過去プロ動画を見たいor当時の情報を知りたい」となった人向けに、上記記事を再構成&リライトしました。
実際に披露したプログラムの参考情報のみを演技順に並べ直し、予想時の推論などは削除してショー後に判明した情報や前回抜けていた情報&新たに調べた情報などを追記しています。
以下読み進めると、セットリストがわかります。「新潟公演を新鮮な気持ちで見たいので使用プログラム情報は知りたくない」という方は以下を読むのは鑑賞後にしてください。
各プログラムに対して私が感じたことや現地でのエピソード等は改めてまとめるつもりなので、ここでの私の感想は最小限にとどめています。(…って結構書いちゃってるところもありますがw)
「Ice Brave」セットリスト
こちらがプログラム名&演じた人、各プロの使用シーズン&種別を入れたセットリスト最終版です。
No. | プログラム名 | 演じた人(敬称略) | 使用シーズン&種別 |
---|---|---|---|
1 | グレート・スピリット | 宇野昌磨ソロ⇒全員 | 2018-19エキシ⇒2019-21SP |
2 | カム・トゥゲザー | ステファン以外全員 | 2023-24エキシ |
| MCタイム | | |
3 | レジェンズ | ステファン&宇野昌磨 | 2015-16SP |
4 | ラ・ヴィ・アン・ローズ | 中野耀司&本郷理華 | 2016&2019エキシ |
5 | タイム・アフター・タイム | 中野耀司&本郷理華&ステファン&唐川常人&櫛田一樹 | 2018-19エキシ |
6 | タンゲーラ | 唐川常人&宇野昌磨&本田真凜 | 2018-19エキシ |
7 | 天国への階段 | 唐川常人&宇野昌磨&本田真凜(後半ソロ) | 2018-19SP |
8 | ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード | 宇野昌磨ソロ | 2016-17フリー |
9 | グラビティ | ステファン・ランビエールソロ | 2022-23SP |
10 | 「四季」より「冬」 | 本郷理華&本田真凜 | 2017-18SP |
11 | ナルコ | 宇野昌磨&櫛田一樹&唐川常人&中野耀司 | 新プロ |
| MCタイム | | |
12 | マイケル・ジャクソンメドレー | 櫛田一樹&唐川常人&中野耀司 | 2021-22エキシ |
13 | リバーダンス | 本郷理華ソロ | 2009-10フリー(ノービス) |
14 | タイムラプス/鏡の中の鏡 | ステファン・ランビエールソロ | 2023-24フリー |
15 | ワイルド・サイド | 宇野昌磨&本田真凜 | 新プロ |
16 | ダンシング・オン・マイ・オウン | 中野耀司&本郷理華&櫛田一樹 | 2019-21フリー |
17 | ボレロ IV | 全員⇒ステファン&宇野昌磨⇒宇野昌磨ソロ | 2021ー22フリー |
18 | シー・ユー・アゲイン | 全員 | 2016-エキシ |
| 最後の挨拶⇒周回(グレート・スピリット) | | |
前半
グレート・スピリット
冒頭を飾るのはこの曲だろうと予想していたファンが多かったのではないでしょうか?

予想通り宇野昌磨さんがドビューンと飛び出してきたときには「キター!!!」ってなりました(笑)
2018-19シーズンにエキシビション用として作られたこのプログラムは、EDM音楽を用いた画期的な作品でした。
振付はシェイ=リーン・ボーンさん。「Ice Brave」のコンセプトを体現しているようなパワフルで個性的な作品です。
エキシビション演技の公式動画は残念ながらありませんが、「All That Skate」という韓国のアイスショーでは観客撮影動画等が多数YouTubeに上がっています。「All That Skate Shoma Uno」などで検索すれば視聴可能です。
このエキシビションは翌年2019-20シーズンには競技用のショートプログラム(SP)に作り変えられました。コロナ禍を挟み、2020-21シーズンまで使用された宇野昌磨選手代表作の一つです。
2019年は、長年過ごしたグランプリ東海クラブを卒業した年。コーチ帯同なしで一人出場したGPS(グランプリシリーズ)大会での思わぬ不振で、シニア移行後初めてグランプリファイナル出場を逃しました。
この全日本選手権は、直前にステファン・ランビエールコーチへの師事が決まったばかり。
ーそんな当時の背景を知っていると、実況アナウンスが何故これ程盛り上がっているかが理解できます。
カム・トゥゲザー
「Great Spirit」から連続で滑る激しいグループナンバーは、宇野昌磨選手、現役最後の2023-24シーズンのエキシビションプログラムです。振付はシェイ=リーン・ボーンさん。
音源はビートルズの超有名曲「Come Together」を、ゲイリー・クラーク・ジュニアが2017年にリリースしたハードロックバージョンのカバー。映画『ジャスティス・リーグ』に使用されました。
公式動画が二つあってどっち載せたものか迷ったので両方載せます(笑)。どちらか好きな方をどうぞ。
レジェンズ
MCタイムを挟んだ後、ステファン・ランビエールさんと「師弟コンビ」で滑ったのが、このプログラム。宇野昌磨選手がシニアデビューした2015-16シーズンのSPです。
ネイティブ・アメリカンの歌唱をモチーフに、電子系サウンドを融合させたワールド・フュージョンとでもいうべき曲。「グレート・スピリット」に繋がった感がある、かなり個性的な音楽です。

振付は当時の宇野昌磨選手のコーチ・樋口美穂子さん。師弟コンビで滑るのは、ステファン・ランビエールコーチに師事し始めた2018-19シーズン以降のプログラムだろうと思っていたので驚きでした。
下記の2015GPF男子SP動画は、昌磨さんの「Legends」演技開始時から再生されるように設定しています。
ラ・ヴィ・アン・ローズ
2016&19年に披露したことがあるエキシビションプログラム。
中野耀司さん&本郷理華さんが演じたのはなんとも楽しくハッピーな愛の物語。宇野昌磨さんが演じていたエキシビションとは異なり、お芝居要素がかなり濃い演技でした。
このエキシビションプログラムは、まだ宇野昌磨選手が名古屋の「グランプリ東海クラブ」に所属していた頃にステファン・ランビエールさんに振り付けてもらったもの。
余りにも有名なシャンソンの名曲ですが、使用しているのはアンドレア・ボチェッリさん歌唱バージョンです。あいにく日本で視聴できる公式動画は見つからないので原曲を紹介しておきます
2016年のGPF(グランプリファイナル)やMOI(メダリスト・オン・アイス)=全日本選手権後のエキシビションで披露したものの、その後のエキシビションでは、別プログラムに変更してしまいました。
今の自分にはまだ滑りこなせないようなことを言っていた記憶があります。いつどこでの発言だったのかをあいにくよく覚えていないのですが。
でも、ステファンコーチに師事することが決まった2019年全日本選手権のエキシビション・MOIでこのプログラムを再び披露しました。(この年のMOI公式動画はフィナーレ位しかあいにく見つからず)
なので私は師弟コンビで演じる演目は「この曲かも?」と思っていましたが、まさかこういう系統で見せて来るとは!と新鮮でした。
タイム・アフター・タイム
こちらは複数のエキシビションプログラムを披露していた2018-19シーズンのエキシビションプログラムの一つです。
振付はディヴィッド・ウイルソンさん。伸びやかなスケーティングが堪能できる大好きな作品です。使用曲は、ハリー・コニック・ジュニアによる「Time After Time」。
「Ice Brave」では、「ラ・ヴィ・アン・ローズ」で登場したカップルが、レストランにいる人たちと共に楽しそうに踊るーという演出。茶目っ気あるお芝居風味満載で、宇野昌磨さんが演じていたクールなプログラムとはかなり異なる楽しい作品でした。
宇野昌磨選手の演技動画については、韓国で開催されたアイスショー「All That Skate」で複数回滑っていますので検索してみてください。
「Ice Brave」での振付はほぼ別ものですが、一部に宇野昌磨選手が演じた時の振付がアレンジされて入っているのがたまらなかったです。
タンゲーラ
「タイム・アフター・タイム」後、レストランにいた面々はひとりを残し退場。そして始まる曲は、「タンゲーラ」。ジュニア時代の2012-13シーズンSP、山田満知子さん&樋口美穂子さんの振付です。
「タンゲーラ」は、フィギュアスケート競技でよく使われる映画『ムーラン・ルージュ』版「ロクサーヌ」の原曲。フィギュアスケートファンには馴染みのあるメロディーです。
唐川常人さんがソロで滑り始め、宇野昌磨さんが加わり、最後にフラメンコ風衣装の本田真凜さんが登場するという流れ。
ジュニア時代のプログラムなので試合演技を見た方は少ないかもしれませんが、2013全日本選手権後のMOIでエキシとして披露したのを覚えているファンは多いかも?黄色いトップスで、髪をオールバックにして演じました。
「あのちっちゃかった昌磨くんがこんな大人なプログラムを!」と驚いたものですが、「Ice Brave」版は超・大人なプログラムでした(笑)。

2013年MOIが一番おすすめなのですが、こちらも残念ながら公式動画は無いので、2012年ジュニアグランプリシリーズでの演技映像をば。(でも出来れば2013MOIを観てほしい…)
天国への階段
「タンゲーラ」を演じていた3人で引き続き演じるのは、平昌五輪の次のシーズン、2018-19シーズンに使用していたSP(樋口美穂子さん振付)です。途中からは本田真凜さんのソロになります。
曲は往年の名バンド「レッド・ツェッペリン」の有名な「Stairway to Heaven」ですが、使用しているのはギター演奏バージョンです。

私としては直前に足を負傷しつつも臨んだ2018年全日本選手権のSPが一番好きです。ほとんどジャンプを跳べなかった6分間練習からの流れで是非観てほしいのですが、残念ながら公式動画がありません。
私が探した限り、公式動画はISUが2019さいたまワールドを再配信した時のもののみ。以下は宇野昌磨選手演技から再生されるようにしてあります。
衣装はこの動画で着用している紫バージョンが一番好きです。全日本選手権は何故紫じゃなかったのでしょう…
ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード
平昌五輪銀メダルで世間から注目を集めたシーズンの1季前、2016-17シーズン(シニア2年目)のフリープログラムです。
ピアソラ×ミルバという、官能的でエキセントリックな曲の取り合わせ。「十代男子にこれは無茶だろう」と思ったのに結局滑りこなしてしまった、何とも恐るべきプログラムでした。選曲&振付をした樋口美穂子コーチ凄すぎ。

ファンの間では「ロコ」との愛称で親しまれていますが、このプログラムはシーズン終了後一度も披露したことがなく、本人が「あれ以上のものを演じられる気がしない」などと話していたこともありました。
そのフリーを、表現に振り切ったバージョンで再演してくれたことに、ただただ感激でした。
グラビティ
世界選手権2連覇を果たした2022-23シーズンのSPです。
昌磨さんが「ステファン・ランビエールさんに滑らせてみたいプログラムがいくつもある」と言っていましたが、「Gravity」もその一つでは?という推測が当たりました。
演技を初披露した頃は「あまりにもステファン色が強すぎる」「ステファン本人が滑った方がいいのでは」などと言う人たちもいました。
しかし彼は徐々に振付を自分のものにしていき、最後には完全に「宇野昌磨のプログラム」として完成させた印象です。彼が「大人の男の落ち着いた雰囲気」に挑戦したプログラムでもありました。
これを師弟で滑るーという案も一時はあったようです。でも、私は宇野昌磨さん版とステファン・ランビエール版の「Gravity」を個別に堪能しつくしたかったので、「Legends」をコラボにしてもらえてよかったです。
「四季」より「冬」
「平昌五輪」で銀メダルを獲った2017-18シーズンのSP(樋口美穂子さん振付)です。
「Ice Brave」では本郷理華さんと本田真凜さんの二人が白い衣装で演じます。宇野昌磨さんのステップをかなり忠実に再現していたのには驚きました。昌磨さんファンは、彼がステップしている姿が脳内に浮かんだ方が多いのではないでしょうか?
下記の動画は宇野昌磨選手の平昌&北京オリンピック全演技集。個人戦の「冬」は冒頭に入っています。団体戦の「冬」は20分46秒から。
ナルコ
「Ice Brave」では過去プロだけでなく、新しいプログラムも2つ披露されました。その一つが男子4名で滑った、ストリートダンスの振りを取り入れた新プロ「ナルコ(Narco)」です。
演技動画は新潟公演のPR動画などにちらっと映っているもののみなので、音源の動画をば。
この曲は、アメリカのプロ野球メジャーリーグの試合での選手入場曲等として広く使われています。
Timmy Trumpetが球場でパフォーマンスした時の動画も参考までに載せておきます。野球ファンにとってはたまらない曲でしょうが、私にとってはすっかり「Ice Brave」の曲になりました。今この動画を観ると、曲の盛り上がり部分で脳内で昌磨さんがバタフライジャンプします(笑)。
そして、鑑賞後だからこそ「トヨタイムズスポーツ」での練習風景を見ると楽しいです。本番鑑賞後だと、鑑賞練習シーンで「ナルコ」の音楽が自動脳内再生されます。
episode2やepisode3をショー本編鑑賞後に見返すと、「あぁこれは『ボレロ』だったのか、ちょっと配置違うな」「ここの練習シーンは『冬』をやってたんだ!」となるので面白いです。
後半
マイケル・ジャクソンメドレー
北京五輪で団体銀&個人銅メダルを獲得、初めて世界フィギュアスケート選手権で優勝した2021-22シーズンのエキシビションナンバーです。
マイケル・ジャクソンの「アース・ソング」と「ヒストリー」を繋いだもので、振付はステファン・ランビエールさん。これを、櫛田一樹さん、唐川常人さん、中野耀司さんの3名で滑りました。3人がワイルドに踊る振付にかなりアレンジされています。
宇野昌磨選手のエキシビション演技公式動画はないのですが、2021スケートアメリカエキシビションの観客撮影動画をば。
このプログラムに振付師であるステファン・ランビエールさんも途中で入って来るか?と予想してたんですが、入ってきたのはこの曲前のMCタイムでした。
リバーダンス
フィギュアスケート競技では定番曲の「リバーダンス」。宇野昌磨さんもノービス時代(「ジュニア」よりも更に年齢が下のカテゴリ)の最後の2009-10シーズンのフリーとして滑っています。振付は山田満知子さん&樋口美穂子さん。
昔からのフィギュアスケートファンは「小学生なのに全日本ジュニア選手権に特別出場して3位に入った時のプログラム」と言えば、覚えているのではないでしょうか?黄色い衣装で表彰台に載った時です。

このプログラムを滑ったのは本郷理華さん。最初の振付は昌磨さんの演技風で始まりましたが、途中から彼女自身の「リバーダンス」に変動していく流れが自然で素晴らしいです。
本郷理華さんの「リバーダンス」は2015-17シーズンのフリーです。あいにく彼女の演技の公式動画は見つけられなかったですが、よければ検索してみてください。
タイムラプス /鏡の中の鏡
現役時代最終年2023-24シーズンのフリープログラムです。
この難曲を任せられるのは宇野昌磨さん本人かステファン・ランビエールさんのどちらかしかいないだろうと私は思っていました。
しかし前半で師弟コラボは「レジェンズ」だと判明。っして昌磨さん唯一のソロは「ロコ」だとわかり、今回は「タイムラプス/鏡の中の鏡」は観られないのかなーと思っていたら…まさかのステファンソロ2プロ目があり、しかもこの曲だったので感激しました。
ステファンさん自身の選曲ではあるけれども振付は宮本賢二さんなので、これを彼がソロでやることはないだろうと思い込んでいたもので…いやぁ素晴らしいプレゼントでした。
解説アリの方がお好みの方は町田樹さん解説がついているGPFバージョンをどうぞ。最後のワールドの演技動画は2025世界フィギュアでの昌磨さん関連投稿に埋め込んでます。
この曲は振付開始時、振付師の宮本賢二さんと昌磨さんがふたりで曲を聴いた後に「ステファン…」と言って途方に暮れたくらい、滑りこなすのが難しい曲です。
しかし、滑りこなした時に見えて来る世界はとんでもないです。
ワイルド・サイド
宇野昌磨さんと本田真凜さんが披露したアイスダンスはもちろん“新プロ”。
2015年に行われたミラノ国際博覧会(EXPO Milano 2015)の万博シンボル「生命の樹」を使用した夜の噴水ショーのために、ロベルト・カッチャパーリアさんが特別に作った美しい曲を使用しています。
現地では「何だか聞き覚えがあるな」とぐらいしかわからなかったのですが、坂本花織選手の2018-19シーズンのフリー「ピアノ・レッスン」の後半に使っていた曲でした。イタリアのペア、ニコーレ・デラ・モニカ/マッテオ・グアリーゼ組も平昌五輪シーズンに使用していたようです。
演技のかけらは東海テレビの公式YouTubeチャンネルから見られます。
これは全編バージョン動画を是非残してほしいですね。二人ともこれからどんどん進化していくつもりだということなので、ここがスタート地点という記録を残すためにも。
ダンシング・オン・マイ・オウン
宇野昌磨さんが「転機」を迎えた時期、2019~21年にかけ長く滑っていたフリープログラムです。
振付はデヴィッド・ウィルソンさん。自分を決して振り返ってくれない人への想いを歌った、辛い恋の曲なんですが、原曲の「Dancing on my own」は明るくポップなダンスナンバーです。
それをカラム・スコットさんがオーディション番組でせつなく歌い上げたのが話題を呼び、この曲でデビューを果たし世界的な歌手になりました。昌磨さんが使っているのはカラム・スコット版のせつないバージョンです。
私はこの曲をステファン・ランビエールさんと一緒に滑る可能性もあると思っていました。
しかしその予想は大きく外れ、「Ice Brave」では中野耀司さん、本郷理華さん、櫛田一樹さんの3名による完全別ナンバーとして生まれ変わっていました。曲のストーリーを丁寧に描いていて、これはこれでとても良かったですね。音源は試合で使用していたものとは別でした。
2019年のGPSフランス大会で転倒を何度も繰り返して8位に沈み、キス&クライで涙した時に演じていたプログラムもこれでしたが、全日本では何ともいえない幸福感に満ちた演技をして優勝しました。
歌詞のストーリーからは離れているかもしれないけれど、こういう曲解釈もありだと思えました。というか原曲も明るさすら感じさせるダンスミュージックなんで、色んな解釈があってよいと思います。
コロナ禍中を挟み、2021ー22シーズンまで使用し続けましたが、披露するたびに毎回違う表情を見せてくれました。
私が一番好きなのは、中止になった2020モントリオールワールド直前の試合・チャレンジカップの演技。
「この年、もしワールドが無事開催されていればどうなっていたんだろう?」…という「たられば」をつい考えてしまうほど、すてきな演技でした。
ボレロ Ⅳ
「ボレロ Ⅳ」は北京五輪の2021-22シーズンのフリープログラムです。振付はステファン・ランビエールさん。
「Ice Brave」ではスケーター全員で繰り広げる一大叙事詩になっていて圧巻でした。
「ボレロ」はフィギュアスケート競技でよく使われる超定番曲ですが、昌磨さんが使用した「ボレロ」は、フジテレビが使用してきたアレンジバージョン。岡本知高さんが歌う「BoléroⅣ~New Breath~ 」です。
「Ice Brave」に行く方でこのプログラムを全く知らない方は少ないでしょう。でも「実は五輪しか実は見てない」という方は、一番仕上がっていた2022世界フィギュアスケート選手権版をどうぞ。
「Ice Brave」で見せたステップも、ワールドのステップもどちらも最高でした。
シー・ユー・アゲイン
こちらは宇野昌磨さんがジュニアからシニアに上がったばかりの2016年に披露したエキシビションプログラム。振付は樋口美穂子さん。
曲は2015年にウィズ・カリファがリリースした「See You Again」。映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』主題歌に起用され、世界各国で音楽チャート1位を記録した名曲です。
平昌五輪のエキシビションの時の演技が一番知られているかもしれません。
この曲は、亡くなった友人への想いを歌っています。
ソチ五輪銅メダリストのデニス・テン選手(カザフスタン)が不幸な事件で亡くなった直後、アイスショーで宇野昌磨さんが滑ったのはこのプログラムでした。その年の2019さいたまワールドエキシビションでも披露しています。
そして引退発表の直前、長らく所属していたマネジメント事務所を離れる直前にもアイスショーでこのプログラムを滑りました。
ファンにとっては「大事な人との別れの際に演じられる曲」という印象が強いですが、もちろん文字通り「また会いたい」というメッセージが込められています。

もう毎年「Ice Brave」やって、幕開けは「Great Spirit」、最後は「See You Again」固定でやりましょうよ!
やってない名プログラム一杯ありますよ!!って言いたいです
2025「Ice Brave」でやらなかった過去プロリスト
今回のショーでやっていない現役時代のプログラム一覧を最後に残しておきます。直近のプログラムから古いものまでを年代順に並べました。
まずは今年の「Ice Brave」の追加公演or再演を期待したいところですが、将来第2弾・3弾を作ることになった場合、入れられる曲がまだこんなにあるってすごいですよね。
どのプログラムも構成&演出次第では「Ice Brave」に入れられそうに思います。
No. | プログラム名 | 使用シーズン&種別 |
---|---|---|
1 | アイ・ラブ・ユー・カンフー /月の光 | 2023-24SP |
2 | G線上のアリア/メアトルメンタプロぺラーテ | 2022-23フリー |
3 | パダム、パダム | 2022-23エキシ |
4 | オーボエ協奏曲 | 2020-21エキシ⇒2021-22SP |
5 | 月光 | 2018-19フリー |
6 | トゥーランドット(青) | 2017-18フリー |
7 | ディス・タウン | 2016-18エキシ |
8 | 映画「ラヴェンダーの咲く庭で」より | 2016-17SP |
9 | トゥーランドット(緑) | 2015-16フリー |
10 | ドンファン | 2014-15フリー(ジュニア) |
11 | ヴァイオリンソナタ第9番(クロイツェル) | 2014-15SP |
12 | ブレスト・スピリッツ | 2013-14SP(ジュニア) |
13 | ステップス | 2012-14フリー(ジュニア) |
14 | バッド・ボーイ グッド・マン | 2012-13エキシ(ジュニア) |
15 | 映画「タッカー」より | 2011-12SP |
16 | ツィガーヌ | 2010-12フリー(ジュニア) |
17 | フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン~聖者の行進 | 2010-11エキシ(ジュニア) |
18 | エスパーニャ・カーニ | 2007-2009ノービス時代 |
19 | オーパス・ワン | 2006-2009ノービス時代 |