「Friends on Ice(フレンズ・オン・アイス)2024」3日間の感想まとめ【前編】

フィナーレの白衣装で手を握り合う昌磨さん&ステファン
千秋楽フィナーレのコラボアンコール終了後のふたり

月曜日に帰宅した後、「Friends on Ice(フレンズ・オン・アイス)2024」の千秋楽公演のCS生放送録画の一部を観ました。全部は見切れていないのですが、今週末の「ワンピース・オン・アイス」に早く集中したいので、今日明日中には「Friends on Ice(フレンズ・オン・アイス)」3日間の感想をまとめようと思います。

以下、土曜昼公演をのぞく5公演を現地で観た感想をプログラム披露順に曲名等の情報をまじえ綴っていきます。今回は前半、第1部のみです。

先日書いた初日の感想とは重複しないように努めていますが、少しかぶっているところがあったらご容赦ください。

目次

第1部 

オープニング(宮本賢二さん振付)

曲はLindsey Stirlingさんの「Aurora」。出だしのヴァイオリンの音色が気に入ったので調べてみたらリンジー・スターリングさんって、佐藤駿選手の2022-23シーズンのSP使ってた「Carol of the Bells」のヴァイオリニストさんでした!

スケーター達の衣装がいつどの時のプログラムのものだったかを一つ一つリストアップしたくなるぐらい色んな過去衣装が観られて楽しかったです。

Dear Kids 

キッズスケーターは双木洸さん&本田紗里亜さんの2名が交代で出演でした。

CS放送のあった千秋楽公演はノービスの本田紗里亜さん、本田武史さんの娘さんです。今夏のげんさんサマーカップにジュニアで出てらしてたんだけど、私はジュニア女子SPは現地行ってなかったので今回が初見でした。CS放送見たら親子でフィナーレ周回してて微笑ましかったです(笑)。

本郷理華さん「ラヴ・ネヴァー・ダイズ」(「オペラ座の怪人」より)

ミュージカル「オペラ座の怪人」内の曲「Love Never Dies」の日本語歌唱版です。知っている曲なのに日本語版を聴いたことがなかったからか、最初の2日間は全く曲名が思い出せませんでした。

手足の長い本郷理華さんは黒長手袋がめちゃくちゃ似合います。数日後には「ワンピース・オン・アイス」で「おかま道」を究めるボン・クレーを演じる人には到底思えない(苦笑)。「そうだこの人はボン・クレーではなく、エキゾチックな美女だったんだ」と再認識。

初回鑑賞時だけは「ボン・クレー要素が漏れ出ちゃわないか」と、ちょっとだけドキドキしました(苦笑)。

(去年、「ワンピース・オン・アイス」の合間に「Friends on Ice」があったので、「自分のショープロ演技中にうっかりするとスピンにボン・クレー風味が出てしまう」と冗談めかして言ってたので)

一度素晴らしい演技を見せてもらってからは、演技を堪能することができました。

日曜朝の練習公開時、本郷理華さんは曲かけ中ジャンプで転倒してしまったのですが、その部分の曲かけを再度依頼して念入りに調整していました。そんな姿を見ていたせいもあって、千秋楽公演のソロプログラム内ジャンプが美しく決まったのは嬉しかったです。

ジェレミー・アボットさん「BuDuDuDum」


BuDuDuDum」はEmmit Fennさんの曲新型コロナパンデミック期にヒットした曲です。Stay at Homeしながら踊りまくる一般人のダンス映像で構成されたミュージッククリップは印象的でした(上記曲名の青文字リンクから視聴できます)。

元の曲には「僕の体から何かが飛び出してきそう!」ってコンセプトは私は感じられなかったんですけど、あれはジェレミー・アボットさんの独自解釈でしょうか(笑)。

ただ、私は初見時は全然はまれず…。

現役時代応援していたジェレミー・アボットさんを初めてナマで見られるとあって、勝手に「観たいプロ」の方向性を決めつけていまして。彼のスケーティングを堪能できる美麗なプロを期待してたら予想してなかったダンサブルな系統だったもんだから、冒頭踊るばかりでなかなか滑り出さない彼に戸惑いを感じちゃいまして(苦笑)。

後半のコラボの「エクソジェネシス」で彼のスケーティングが堪能できることがわかってからは、「敢えて違う方向性のプロをやってくれたんだな」と思えるようになり、それ以降は普通に楽しめました(笑)。

鈴木明子さん「Prologue / Matco Polo」

マントを被った状態で氷上に現れた鈴木明子さん。後半はマントを脱ぎすてて中東の踊り子風な滑りを見せてくれます。いずれも「お告げ」をもたらす預言者の姿に見えます。マントの使い方が印象的でハイドロブレーディングなどで魅せてくれました。

鈴木明子さんも来年いよいよ40歳台突入となりますが、振付師としてだけではなくまだまだプロスケーターとして活躍できる方だなと思いました。プリンスアイスワールドの滋賀公演で観た「シェルブールの雨傘」も印象的でしたしね。

シェイ=リーン・ボーンさんもそうですが、ベテラン女性スケーターの背筋は本当美しくて、女性ながら見惚れます(笑)

音楽はエジプト風なのですが、演奏者のロリーナ・マッケニット(Loreena McKennitt)さんはカナダのシンガーソングライター&ケルティック・ハーブ演奏者。ケルト音楽メインなのにこういう系統も手掛けてる方なんですね。

三浦佳生選手「Conquest of Spaces」/「シェルブールの雨傘」

三浦佳生選手は昼は新SP、夜は新フリーで攻めてきました。演技前の事前収録コメントで「令和のランボルギーニこと三浦佳生です」と自ら名乗ったのには受けましたw

しかしショーリンクでの4回転やトリプルアクセルはまだ制御が難しいようで、前半期間はショーバージョンプロに高難度ジャンプを入れ込むのに苦戦しているように見えました。後半になるにつれ少しずつ合わせてこれるようになってきましたが、その過程を見守れたのは複数公演行った者の特権ですね(笑)。

「シェルブールの雨傘」を「Dreams on Ice 2024」のCS放送で初めて見た時、私は“土砂降りのシェルブールを傘もささずに「うぉぉぉ」と叫びながら全速力で走ってるかのような雰囲気”だったと書いていました。

ジャンプ回数規定減の噂に合わせジャンプ6回で作っていたプロを7回バージョンに大幅手直しをしたせいか、初見の時とはかなり印象が変わりました。(日曜朝の練習でもシェイ=リーン・ボーンさんに少し見てもらっていたようでした)

私は彼の持つスピード感と飛距離のある「かっとび系ジャンプ」が大好きです。ただ、上半身(特に背中)の固さに物足りなさはありました。しかし今季数々のショーで見る限り、上半身の動きの幅が少し広がってきている印象を受けます。また「スピンがかなり苦手」なイメージでしたが、楽日のラストスピンは情感も感じられてとても良かったです。今後の進化が楽しみです。

新SP「Conquest of the Spaces」については「THE ICE」の感想内で語ったので、「右手ぷるぷる振り付けやっぱり好きかもw」と思ったことだけ記録しておきます。


ジェイソン・ブラウン選手「Hit the Road Jack」/「ターザン」(今季SP)

昼公演はレイ・チャールズの名曲「Hit the Road Jack」!超カッコよかったです。今季EXでしょうかね?

令和のランボルギーニと変わらぬスピードで駆け抜けていく姿に「現役感」を強く感じました。美麗ポーズでビクともしない体幹の強さに終始見惚れている間に終わってしまう。

夜公演は「Tarzan」。去年のJapan Openで披露したフリーの「Tarzan」とは別モノに進化していて、野獣の迫力がありました。どうも今季SPとして作り直したようです。

実は私は宇野昌磨さんに対して「ジェイソンのように半分プロ&半分現役というスタイルでミラノ五輪まで続けてもらえないものか」と願っていたので、正直申しましてジェイソン選手が競技プロに挑むのを今見るのは若干複雑な想いがあります

何より今季ジェイソン選手は今季フリーで宇野昌磨さんの昨季フリー後半曲「Spiegel im spiegel」をやるというし…。幸か不幸か「Friends on Ice」では新フリーは見られずでしたが。

私が昌磨さん現役への未練を捨てきれるまで、あと2シーズンぐらいは男子シングルであの曲をニュートラルに見る心の準備ができそうもなく。ジェイソン選手がやったら素晴らしいプログラムになるでしょうが…めんどくさくてごめんねジェイソンって気分です。

↓ 全公演終了後のジェイソンさんのInstagramは出演スケーター達の写真が一杯です

宇野昌磨さん×ステファン・ランビエールさん師弟コラボ「Fall On Me 」

「フィギュアスケートはスピード!」だと思ってきた私が、ゆったりとした滑りの演技部分にここまで心酔できたのは初めて。

そしてプロ後半でイーグル&スパイラルに向かう時に見せるあのスピード感。この緩急が本当に素晴らしかった。…って「緩急のすごさ」については、初日観た後にも熱く語ってましたねw

冒頭、昌磨さんが視線を落としながらゆっくりと手を差し伸べ、ステファンさんがその手を愛おし気に取る。

たったそれだけの動作が何て美しいことか。一歩も滑っていないというのに、ふたりの世界に引き込まれてしまう。

各公演・各方角での印象の違い

演技中、二人の呼吸は常に溶け合っているのですが、二人の動きは毎回微妙に異なりました。

2018年に「四季(冬)」のコラボを二人がやった時に荒川静香さん&宇野昌磨さんが語っていましたが、「ステファンは自由」なんですよね。その時の感情の赴くまま動くので、都度微妙に変化する。そして昌磨さん自身もその傾向はある。

2018年の昌磨さんはステファンさんに演技前に「はうめにーついずる?」って尋ねていたけれど、今回は動きを事前に詰めておく意識は薄かったのではないでしょうか?感情を共鳴させたうえで、細かいところは即興で合わせていたように感じました。(あくまで私の勝手な推測ですが)

それを強く感じたのは、フィナーレの各コラボの振付師紹介の時に見せたアンコールです。演技とは異なる流れでの振付に臨機応変に合わせていました。

実際の演技時ではなく、千秋楽公演の振付師紹介でFall on Me の一部を披露した時の映像です(観客撮影OK)

会場で演技を見ている時は、「昌磨ならついてこれるよね」って感じで程よく自由に動くステファンさんに昌磨さんが微笑みながら合わせに行ってる印象を受けていました。

でも、放送録画で確認してみたらステファンさんもスピンの最中などに昌磨さんの動きをそっと確認していました。

現地では私が昌磨さん中心に見ていたから昌磨さんが合わせているように見えていたけれど、互いに合わせあってたんですね。というか、互いの心を寄せあうことで自然と動きが合っていくのかな

だから毎公演ごと微妙に違う味がありました

土曜夜公演だけ昌磨さんのトリプルアクセルが何故か不調で転倒してしまったのですが、その後のステファンさんが醸し出す包容力がいつも以上に強く感じられて。この流れすら「苦難から立ち上がる弟子を暖かな目で見守る師」というストーリーの一部かのように感じてしまいました。…もちろん演出ではなく、意図していない転倒なんですけど(苦笑)。

この時の公演では出入りが見やすい北側の席だったため、演技終了後に「恥ずかし気に苦笑いする昌磨さんを愛おし気な笑顔で抱き寄せるステファンコーチ」を見られるーという嬉しいおまけがついてきました(笑)

ステファンコーチ視点・昌磨選手視点のどちらにも味があるので「全方角から楽しめるプログラム」です。(冒頭のポーズは東が最強でしたけどねw)

でもこのプログラムは二人を同時に常に視界に入れやすいスタンド上段orショートサイドから見る方がより心に迫る気がします。この演技、南から一度は観たかったなぁ。というのもマッテオ・ボッチェリさん(父)が歌う2番のパートをステファンさんが滑っている間の昌磨さんの細やかな演技が日々変化していたんですよね。

最初はずっとうつむき加減で佇んでいるようだったのが、次第にステファンさんの方に振り返る動きが入って来て、ステファンパートの時間帯の演技にも時間の感情の流れが見えて来るようになって。あの間にいったいどんな表情をしていたのか間近で見たかったです。

他公演で撮影した演技映像があったら後日CSにて追加で放送してほしいです。

曲は「イタリア語版」

映画「くるみ割り人形と秘密の王国」からーということだったので英語版×イタリア語版のバージョンを使用すると思っていたのですが、実際に使用された曲は全編イタリア語のバージョンでした。

こんな今の彼の心情にぴったりな曲を選んで、引退のはなむけにこんな素晴らしいプロを滑ってくれるなんて。

「フレンズ・オン・アイス2024開幕直前トーク」内で高橋大輔さんが「師弟でコラボプログラム滑れるってとんでもない」的な発言をしていました。「普通コーチってあんなに滑れないもん!」と。

本当そうですよね。互いに高めあってきた師弟の第一章のしめくくりをこんな美しいプログラムで見せてもらえるとはファン冥利に尽きます。毎年とは言わないので今後も第二章のコラボプログラムを見せて欲しい。二人の滑りにはとんでもない親和性があるんですもん。今回候補に挙がってたあの曲も是非お願いしたいです!

高橋大輔さんソロ「Wake up, You’re Dreaming 」

「Friends on Ice」で5年ぶりのソロ演技を披露した高橋大輔さん。アイスダンスの靴にシングル用のエッジを付けているらしいのですが、あのふわりとしたジャンプが戻ってきていてビックリでした。

生中継された千秋楽公演では冒頭のトリプルルッツでステップアウトしてしまったのですが、昼公演は美しく決まっていたので次回放送する際は彼の他公演の演技映像も是非観たいですね。

群舞の時や練習の時に高橋大輔さんを見ると、本当に目を引く滑り&所作のスケーターだなぁって思います。それにあの上着の見事な裾さばきが加わるんだからたまりません。

宝石の怪しさを表現した神秘的なこのプログラムでは、最後のパートで曲に合わせてエッジ音を聴かせながら退出するという、にくい演出をしています。

初日の感想の時に言及しなかったのは「え、そのまんま出て行っちゃうの?もう終わりなん?」という衝撃の方が大きかったから。こちらは魅入られていて、まだまだ見たかったのに出て行かれてしまった衝撃で記憶が飛びました(苦笑)。ちゃんと戻ってきてくれてレベランスしてくれて安心しましたけど。

初回公演だけ別の出口にはけていきましたが、2回目以降は通常の出入り口から戻って行きました。なんで最初はあっちに出て行ったんだろうーとどうでもいいことが気になっています(苦笑)

村元哉中さん振付コラボ「Warriors」

初日の感想では荒川静香さん&村元哉中さん&浅田真央さんの神々しさを主に書きましたが、今回はプログラム後半で登場したアンドリュー・ポジェさんの無双っぷりについて書き残しておきます。

あの武士のような黒袴の和装があんなに似合うスケーターはそうそういないのではないでしょうか!?めちゃくちゃ似合っていました。

なのにあの衣装で演技しているポジェさんが映っている報道写真がこの1枚ぐらいしか発見できません…これじゃ衣装のかっこよさがわからないよー。

ポジェさんはこのプログラム出演した全女性をリフトするわ、他のプログラムでもリフトするわで大忙し。フィナーレじゃ昌磨さんまでリフトしてましたからね。

ケイトリン・ウィーバーさんとの個プロをのぞいた全リフトの中で最も美しいと思ったのは、登場時に見せた村元哉中さんとのリフトです。神風を味方につけて戦う勇者のようでした。上記写真の浅田真央さんとのリフトも美しかったですけどね。

本当に神々しい、神話のようなプロでした。

「セーラームーン」のアイスショーでタキシード仮面をするはずだったアンドリュー・ポジェさん。

コロナのパンデミック等が原因であのショーの中止が確定した時、「ポジェさんのタキシード仮面観たかった…」と嘆いていた人たちの気持ちがちょっとわかった気がしました。

※9/5追記 
Friends on Ice公式Instagramに写真が掲載されました。ポジェさんちゃんと映ってる写真が何枚もあります!

幕間の楽しみ

幕間の抽選会、2日目夜からは景品台を宮本賢二先生と田村岳斗さんが持ってくるという演出が加わりました。(土曜昼公演見てないのですが、土曜夜公演からの登場ですよね?)

以降、田村岳斗さんがトリプルトゥループジャンプに挑戦⇒岳斗さんが抽選くじ引き役スケーターの一人に「ジャンプを披露しろ」と迫るお遊びが加わりました

初回は高橋大輔さんにトリプルルッツ、日曜昼公演では荒川静香さんにトリプルジャンプ、千秋楽公演では三浦佳生選手にクワドジャンプへの挑戦をそれぞれおねだり。

荒川静香さんは「ええ本当にやるの?」って最初は驚いてましたが、トリプル決まらず咄嗟に3連ジャンプに変更したあたり、ただでは済ませないプロ魂が見えて楽しかったです。(その前に田村岳斗さんがコンビネーションに挑戦してたってのもあるんですけどね)

田村岳斗さんがジャンプ挑戦前に着ていた上着の預け方ひとつとっても毎回バリエーション変えてきてて「ショーマンだなぁ」って感心しましたよ。個人的には氷上で丁寧にたたんで佳生くんに預けたバージョンが好きでした(笑)。

この後の整氷時間中、現地でSNSチェックしていたら「CS生中継では昔懐かしいコラボプログラムの数々が放送されている」ということを知りました。
この時ばかりはテレビ視聴者がちょっと羨ましかったです


長くなってきたので、1部まででいったん記事をあげることにします(苦笑)。

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フィナーレの白衣装で手を握り合う昌磨さん&ステファン

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