フィンランドから帰国したのは一昨日の夜。
帰国便では7時間熟睡したし、帰ってきた夜も7時間熟睡したのに翌日の日中眠くて眠くて、撮影した写真や動画の整理が全く進んでません。あんなにちゃんと眠れても時差ぼけってなるもんなんですね。
フィンランド大会の感想をじっくり振り返ってると今週末のグランプリシリーズ最終戦、中国大会(中国杯/COC/カップオブチャイナ)が始まりそう。というか公式練習もう始まっちゃってる!
ということで、先に中国大会の情報&私なりの見どころをまとめておくことにします。
GPシリーズのファイナル進出を賭けた闘い、女子シングルが激戦なのは広く語られてますが、アイスダンスの激戦ぶりも注目です。
今回もフリーはテレビ朝日系列での午前の全国放送あり
今回もSPは関東地区のみの地上波放送(録画)です。男女シングルのフリーは午前ですが、全国放送(録画)があります。
フィンランド大会の地上波放送は前半男子部分だけ取り急ぎ視聴し、ようやく今季GPSの町田樹解説を視聴できました。でもSPのダイジェスト映像すらなかったのはちょっと残念でしたね。
関東地区住民からすれば「昨日放送した映像を再度流す位なら少しでも多くのスケーターの演技を!」となるでしょうけど、「地上波しか見ないような全国のライトファンにこそトップ3のSP演技少しぐらい見せればいいのに」とも思うんですよ。難しいなぁ。
日程 | 放送予定時刻 | カテゴリ&放送地区 |
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11/23(土) | 13:30~15:30 | 女子SP/男子SP(録画放送) ※関東地区のみ |
11/24(日) | 10:00~11:45 | 女子フリー/男子フリー(録画放送) ※テレビ朝日系列 |
ちなみに今週からCSテレ朝チャンネル2でスケートアメリカの録画放送始まってます。
CSテレ朝チャンネルでの放送予定は、こちらで確認できます。
※中国大会のCS放送は12/16(月)~19(木) あさ8:00~です。
私、去年はCSテレ朝チャンネルの放送で関西では聞けていなかったSP実況を副音声で改めて視聴しましたが、今年はCSまではチェックせずに終わりそう。
最推しだった宇野昌磨選手が引退して若干ボルテージが落ちてるってのもありますが、何より去年の時点でも「こういうのは試合の鮮度が落ちないうちに見るべきものだな」と思ったので。
記憶が大分薄れてきたら見返すのも楽しいですけど、1ヶ月後って何とも中途半端でね…
全カテゴリの録画機会を提供してもらえるのは超ありがたいことですけれどね。
テレ朝の試合ライブ配信で解説付き版も提供してくれてればなぁ…
全カテゴリライブで見やすい時間帯の放送
会場の中国・重慶は日本との時差が1時間。どのカテゴリも見やすい時間帯にライブ視聴が可能です。
ライブ視聴したい場合、テレビ朝日の配信を購入する(特典映像見たい人&会場音声のみを好む人におすすめ)か、VPNサービスを使ってISU公式等の海外配信で見るか(多数の試合を経済的に観たい人におすすめ)の2択です。
日程 | 予定時刻(日本時間) | カテゴリ |
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11/22(金) | 15:45~17:03 | アイスダンスRD |
17:25~18:54 | 女子SP | |
19:15~ | (オープニングセレモニー) | |
20:00~21:29 | 男子SP | |
21:50~22:55 | ペアSP | |
11/23(土) | 15:30~17:02 | アイスダンスFD |
17:30~19:17 | 女子フリー | |
19:40~21:27 | 男子フリー | |
21:50~23:07 | ペアフリー (全カテゴリー表彰式) | |
11/24(日) | 15:30~18:00 | エキシビション |
最大の見どころはGPF進出争い
何と言っても中国杯の最大の見どころはグランプリファイナル出場メンバーの争いでしょう。
6名(+1名)が3つの枠を争う女子
グランプリファイナルには坂本花織選手・樋口新葉選手・吉田陽菜選手の出場が確定済み。
残る3枠への出場可能性が残っている選手は下記の7名で、うち6名が中国大会に出場します。
アンバー・グレン選手:スケアメ優勝
渡辺倫果選手:スケアメ2位
千葉百音選手:NHK杯2位
住吉りをん選手:フランス大会3位
キム・チェヨン選手:フランス大会4位
キミー・レポンド選手:スケカナ4位
※松生理乃選手が2位-2位で中国杯結果待ち
これだけ大勢の選手が候補となると、色んな順位組み合わせがありうるので非常にややこしい。
各選手の進出条件を大まかにまとめるとこんな感じ。
アンバー・グレン選手
⇒3位以上でファイナル確定
⇒4位だと他候補選手の成績次第、進出可能性は半々程度に
渡辺倫果選手と千葉百音選手
⇒優勝でファイナル確定
⇒2位の場合、他選手の成績次第でファイナル確定or他候補者とのスコア勝負
⇒3位だと少し厳しくなるが、他候補選手の成績次第で進出の期待はできる
住吉りをん選手
⇒優勝でファイナル確定
⇒2位の場合は他候補選手の成績次第で進出、スコア勝負、脱落、全ての可能性あり
キム・チェヨン選手とキミー・レポンド選手
⇒優勝でほぼ確定だが、他選手の成績次第でスコア勝負になる可能性も
※ファイナル候補選手以外が上位に入る「番狂わせ」があると、上記条件満たしてなくても進出できる可能性はあります
5戦目で2位ー2位の松生理乃選手は、例年なら既にファイナル出場が確定していてもおかしくない戦績です。しかし2位ー2位のポイントに並ぶor上回る可能性を残した選手が、残り3枠に対し4人もいるため確定していません。
#フィギュアスケート のグランプリ(GP)シリーズフィンランド大会は女子のフリーがあり、#松生理乃 選手が134・38点をあげてフリートップとなり、合計199・20点で2位に入りました。
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) November 16, 2024
女子フリーの写真特集更新中です⛸️https://t.co/PZNprn9vry
撮影 @kotayoshidapic pic.twitter.com/p3DOvkGacx
松生選手はスコア勝負に持ち込まれてしまうと点数的に若干不利。中国杯の採点が甘めか辛めかで運命が分かれる可能性もあります。
とはいえ松生理乃選手の出場可能性は感覚的には「かなり高い」気がしますが、その確率を計算するのはなかなか大変。そこでチャットGPTに松生理乃選手のファイナル進出確率を聞いてみたら…「80~90%」との回答でした。
でもチャットGPTに算出根拠を聞いてみたら、ファイナル進出決定していない候補選手に吉田陽菜選手を入れて計算してた位なので、この数値は信用しきれませぬ(苦笑)
「吉田陽菜選手は確定済みだから、その予想確率変わるんじゃないの?」って問い詰めたら「70~80%に下がる可能性があります」とビミョーな訂正入れてきましたw
確率的にいうと初戦優勝しているアンバー・グレン選手の進出は固いのですが、彼女は長年不安定だっただけにちょいと心配です。私は日本人選手には頑張ってほしいけれど、全員日本勢より外国勢が最低一人入ってほしいんですけどね。
Amber Glenn takes the gold! 🥇 Kicking off her season with an incredible win, she’s now on the path to the #GPFigure Final! What a start to the season and an amazing performance to launch her Grand Prix campaign. 🔥🤩 #FigureSkating pic.twitter.com/4nVs7K14rh
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) November 2, 2024
今季のアンバー・グレン選手は一味違う感じだし、ルナ・ヘンドリックス選手やイザボー・レヴィト選手がGPS欠場したりしている中では坂本花織選手のライバル最有力だと思っているので、大崩れせずにファイナル決めてほしいです。
SPでトリプルアクセル決まればフリーで相当大崩れしない限り行けるはず。…SPうまくいっても結局フリーでもひやひやしそうだけど(苦笑)。
残り2枠を巡る激戦が熱いアイスダンス
アイスダンスのファイナル進出は大体予想通りの展開になるだろ~と思ってたんですけど…
昨季メダリストのチョック/ベイツ組はスケアメで、ギレス/ポワリエ組がフィンランド大会でそれぞれ転倒して2位に沈むというプチ波乱。ギニャール/ファブリ組もフランス大会で点が伸びず2位。
その結果、アイスダンスのファイナル出場残り枠の争いが混戦になりました。
当初想像していたよりもずっとファイナルの残り枠争いが面白いです
現時点でファイナル進出が確定しているのは、フィアー/ギブソン組、チョック/ベイツ組、ギレス/ポワリエ組、ロパレバ/ブリッソー組の4組。
進出の可能性を残しているのは下記の7組です。
マージョリー・ラジョイ/ザカリー・ラガ組
クリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ組
シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ組
⇒初戦2位組
ユーリア・トゥルキラ/マティアス・ヴェルスルイス組
オリビア・スマート/ティム・ディーク組
⇒初戦3位組
※初戦4位組のグリーン&パーソンズ組とデイビス&スモルキン組も可能性あり
しかし下剋上が起きづらいアイスダンスでは初戦3位以上の5組に事実上絞られそう
上記7組は優勝すればファイナル確定。
しかし、最後の1組の決まり方にはいろんなパターンがありえます。
1)「初戦2位組」が2位以上ならファイナル確定
2)「初戦3位組」が2位に入り、「初戦2位組」が3位に入った場合はスコア勝負
3)「初戦4位組」が2位に入った場合
⇒「初戦2位組」が3位に入ればファイナル確定
⇒「初戦3位組」が3位に入り、「初戦2位組」が4位に入れば中国杯2位&4位のスコア勝負
順当にいけばギニャール/ファブリ組が優勝で、残り1枠を他の4組で争う形になりそうです。
しかし、ギニャール/ファブリ組は初戦フランス大会で伸び悩みましたからね…昨季のエキシビション風のロボット風FDプログラムを大きく変えてくるかな?変えるならどう変えてくるかな?が私の見どころです。
Charlène Guignard and Marco Fabbri ending #GPFigure in Angers on the second place was definitely unexpected. They are challenging themselves with a robot-free dance this season. pic.twitter.com/6APCdZsybl
— Inside Skating (@insideskating) November 4, 2024
出場枠争いは比較的穏やか?な男子
ファイナルにはイリヤ・マリニン選手と鍵山優真選手、ケヴィン・エイモズ選手の3名が出場確定済み。
残る3枠に入れる可能性があるのは、以下の5名です。
アダム・シャオ・イム・ファ選手:フランス大会優勝
佐藤駿選手:スケアメ2位
ニカ・エガーゼ選手:スケアメ4位
ミハイル・シャイドロフ選手:NHK杯4位
※ダニエル・グラッスル選手が2位-3位で中国杯結果待ち
試合展開に大きな波乱がなければ残り3名はアダム・シャオ・イム・ファ選手、佐藤駿選手、ダニエル・グラッスル選手になる可能性が高そう。
女子ほどの激戦という印象は薄いです。
アダム・シャオ・イム・ファ選手
⇒4位以上でファイナル確定
佐藤駿選手
⇒2位以上でファイナル確定
⇒3位だと確定orグラッスル選手とのスコア勝負→263.25点以上出せれば進出
⇒4位だと2位の選手とのスコア勝負になるか、進出を逃すかのどちらか
ニカ・エガーゼ選手とミハイル・シャイドロフ選手
⇒優勝でファイナル確定
⇒2位だとほぼ脱落
ただし佐藤駿選手が4位だった場合はスコア勝負で進出の可能性あり
アダム・シャオ・イム・ファ選手は、ほぼほぼ確定でしょう。この出場メンバー構成で彼が5位以下になるとしたら、あの大自爆フランス大会を超えるとんでもない大波乱が起きた時です。
佐藤駿選手も多少ミスがあったとしても、スケアメ程度の点数を確保できれば表彰台にも乗れるでしょうから、ファイナル進出になる可能性はかなり高いでしょう。
#フィギュアスケート GPシリーズの #スケートカナダ。
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) October 27, 2024
男子SP2位の #佐藤駿選手 はフリー164・64点で、合計261・16点をあげ2位となりました。#スケカナ
男子フリーの写真特集https://t.co/qM132R5PUs
撮影 @Kenji_Ikaiphoto pic.twitter.com/22PsbbuyLT
ただし今大会には高難度4回転ジャンプを3~4本以上入れてくる選手が大集合してるので、番狂わせが起きる可能性はゼロではありません。
でも、この二人がファイナル進出を逃すような恐ろしい試合展開は勘弁していただきたいです
ファイナル出場組はほぼ決まり?のペア
ファイナル進出確定しているペアは、ディアナ・ステラート=デュデク/マキシム・デシャン組、三浦璃来/木原龍一組、ユリア・トゥルッキラ/マティアス・ヴェルスルイス組、エリー・カム /ダニー・オシェイ組の4組。
ペアはとんでもない番狂わせが起きない限り、残り枠は下記の二組でほぼ確定なのでごく簡単に。
ミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ/ニキータ・ヴォロディン組
⇒初戦1位
サラ・コンティ/ニッコロ・マチー組
⇒初戦2位
※理論上は初戦5位のリア・ペレイラ/トレント・ミショー組にも進出可能性はあります。しかし進出には「優勝」&「上記2組がどちらも大自爆」の二つが揃う必要があるため、候補外と考えてよいかと
ハーゼ/ヴォロディン組
⇒4位以上で確定。5位でも番狂わせ起きない限り大丈夫、6位でもスコア勝負。
コンティ/マチー組
⇒3位以上で確定。4位や5位でもほぼ確定。
そして、この二組が6~7位以下になることはそうそうないと思われるので、「ファイナル枠争い」の発生はなさそうです。
ペアの選手層もだいぶこの数年で厚くなってきてはいますが、ロシア不在の影響が一番大きいカテゴリだなと実感しますね。
その他の私の見どころ
男子シングル
マッテオ・リッツオ選手&ニコライ・メモラ選手の「イタリア代表候補」対決がかなり気になります。
イタリアの今季ワールド男子シングル出場枠は「2」。ダニエル・グラッスル選手が代表争いで一歩リードした状態なので、残るワールド出場枠「1」を巡ってこの二人の争いとなります。
手術明けのリッツオ選手には頑張って欲しいし、シニアデビューシーズンで昨季ワールド9位を獲ったメモラ君にも頑張って欲しいし…
イタリア枠足りねー!って感じです
今季仕上がりが例年より早めのデニス・ヴァシリエフス選手も良い演技が見られるのではないかと期待。高難度ジャンプ持ちの自爆が続くと彼がしれっと表彰台に乗ってるかも(笑)
ボーヤン・ジン選手も勿論楽しみ。きっと中国ファンの声援が今年も熱いはず!
中国地元枠
GPS大会の見どころの一つは、地元枠で登場する選手。男子シングルのダイウェイ・ダイ選手は昔好きだったハン・ヤン選手の系譜を継いだトリプルアクセルを跳びます。今年も彼の演技を観るのが楽しみ。
中国大会なのに中国ペアが一組しか出場しないのは寂しいですね…一時はあんなに「ペア王国」だったのに。ひょっとしてあと5~10年で日本が「ペア王国」になってたりして?
中国杯が終われば、グランプリファイナルは12/6~8に開催です。
会場は宇野昌磨さんファンには忘れがたい2019GPSフランス大会の会場・グルノーブルのあのリンクです。
あの会場で今度は素晴らしい演技を披露する昌磨さん、見たかったな…って未だに思っちゃいますね