GPSフィンランド大会遠征記録<5>女子FS&アイスダンスRD/バービー&ケンのお着替え大作戦は最高!

各自の国旗を背にして記念撮影をする女子シングルメダリスト3名

現地観戦したグランプリシリーズ第5戦フィンランド大会(フィンランディア杯)、今回は試合二日目の後半・女子フリーとアイスダンスRDの記録です。

今回は私が撮影した写真を中心に、衣装話少々多めでお送りします。特にアイスダンスのパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組の今季RD衣装の演出は最高でした!

「グランプリファイナルの衣装どうするんだろうな」と今からワクワクしています。

GPSフィンランド大会(フィンランディア杯)リザルト

ファイナルの公式練習が始まるまでにペアフリー&アイスダンスFDまで書き終えたいところですが、さぁどうなるか?

目次

女子フリー

リンジー・ソーングレン選手

リンジー・ソーングレン選手はSPに引き続き、やや精細を欠く演技で総合9位。

私は演技そのものよりも、SPと同様北米感満載の衣装が妙に記憶に残りました。前から見るとウェスト部分にカッティングがあるだけの紺無地のハイネック長袖衣装なんですが、背面がキラッキラなんですよ。背中が光り輝いてるの。

あのキラキラ感が写真では全然伝わらないのが悔しいw

なんで現地で見るとあんなにキラッキラな衣装が映像だとあんまり光らないんでしょう?

宇野昌磨選手が平昌五輪シーズンフリーに着ていた青のトゥーランドット衣装なんて、映像であんなに見ていたのに現地で見たキラキラ感は完全「別モノ」でしたしね。

このソーングレン選手の衣装も現地で見ると別モノ感凄かった!シックな紺と対照的な背中のキラッキラさがまぶしかったです。

三原舞依選手

来季のGPS出場枠のためにもSB更新を目指したかった三原舞依選手。ジャンプ構成も現実的かつ得点の出やすい構成に変更して臨んできました。

しかし残念ながらジャンプでミスが連続してしまい、総合スコアSBは更新ならずで総合8位。

本来の力が発揮できずとも、笑みを絶やさずにいようとする姿が印象的でした

練習ではそんなに調子悪くないように見えたんですけどね。スタミナの問題なのか足にまだ痛みがあるのか…今季後半&来季の試合がどうなるかはまだわかりませんが、見守り続けたいと思います。2戦ともワールドランキングのポイントがつく8位以上をとれたのは良かったです。

松生理乃選手

スケカナ以来、ナマで観たいと思っていた松生理乃選手の今季フリー。

前半の流れは順調で「完璧な演技観られちゃう?」とワクワクしていたら、トリプルフリップ~ダブルアクセルが若干微妙でドキドキに。そしたら次のサルコウがダブルに。「勿体ない!」と一瞬思うも「まぁまだシーズン中盤だし!」と自分に言い聞かせながら後半を見守りました。

ステップ中を撮りたいけど、速すぎて私の腕じゃ無理w

ダブル抜けがあったとはいえ演技全体の印象は良かったので、スケカナの139.85点に迫る135~7点ぐらい行かないかと期待しましたが、スコアは134.38。

後でスコアを見るとやはりフリップからのコンビが減点。そしてステップがレベル3認定で他のメダリスト達のステップより点が低い…。素人には判別つかなかったけどステップがキレイに踏めてないところがあったのかもしれませんね。そのうえタイムバイオレーションによる減点が1

PCSのSkating Skillもっと出てもいい気がするのですが、世界的には「国際大会で急に活躍するようになった人」扱いだから伸びないのですかね?ファイナルでSPフリー揃えられるとPCS評価も少しは上がってくるかなと期待しています。伸びのある片足スケーティングは絶品です。

サラ・エバーハード選手

サラ・エバーハード選手のフリー曲は「火の鳥」。フィギュアスケートの定番曲だったのに近年使う人が少なかったせいで、なんだか新鮮味がありました。

次は違う滑走順で観てみたいです

しかしSPに引き続き、またもや松生選手の直後の滑走。どうしてもスピード感のなさが目立ってしまいます。ジャンプも転倒こそないものの今ひとつ重い印象で着氷乱れもあったので、点が伸びなかったのにも納得。

でも後でスコアを見たら「q」が4つもついてて…さすがにちょっと気の毒に思ってしまいました。

ちなみに三原舞依選手もルッツトゥのセカンドに「<」がついた他、「q」が4つつけられていました。

「q」って「回転不足に見えたけどビデオでは確認しきれない」という時だけに「推定無罪」的に発動されるもので、乱発が許されるものではないと私は思ってるんですけど…

二人とも着氷微妙なジャンプはあったから、「<」や「q」がいくつかついても疑問には感じません。でも疑わしいジャンプが四つもあるのに一つもはっきり不足だと確認できなかったのなら、「それは『足りてないはず』って先入観が影響してるんじゃないの?」ってつい思っちゃいます。

2023NHK杯以来、一つの演技内で「q」を乱発するジャッジには不信感を抱くようになってしまいました。

乱発をよしとするなら、「q」によるGOE減点幅は下げるべきだと個人的には思っています

ララ・ナキ・グットマン選手

私、フィンランド大会の時の見どころをまとめた記事を投稿するとき、NHK杯で活躍したララ・ナキ・グットマン選手をメダル候補として挙げるかどうか迷ったんですよね。

でもNHK杯からの連戦だしコンビネーションは3Tー3Tだし、表彰台は厳しかろうーとメダル候補からは除外してたんですがまさか表彰台に乗る活躍を見せるとは!

映像より現地で観る方がずっと印象がよかったです

私彼女は2023さいたまワールドで一度ナマで観てるはずなんですが、その時の印象は薄くて記憶がありません。今回現地で観ると、長い手足でのダイナミックな動き&ジャンプがとても印象的でした。

NHK杯からの連戦で良い演技を続けたのは男子のダニエル・グラッスル選手もですが、イタリアの選手は連戦&時差に強いのか?ってマジで考えちゃうぐらい(笑)

吉田陽菜選手

最終滑走で登場した吉田陽菜選手トリプルアクセルに挑んできましたが、残念ながら転倒

厳しい日本女子のワールド代表争いのことを考えたら、ここで守りに入ってるわけにはいかないですからね。その後はエッジコール「!」や「q」がついたジャンプは一つずつありましたが、見事クリーンにまとめきりました。

宇宙感溢れる衣装、イイですよね 露出度高いのに(ほぼ肌襦袢だが)クールさが際立ってます

アクセル着氷できてたら優勝だろうけど、1転倒だと点差微妙よね。どうなるだろう?と思ったら…

総合スコアは吉田選手199.46、松生選手199.20、ララ・ナキ・グットマン選手198.49

フリーは2位でしたが、SPでのリードが効いて吉田陽菜選手の優勝・即ファイナル進出が決定しました!

松生理乃選手との点差はわずか0.24点
松生選手のタイムバイオレーションがなければ順位は入れ替わっていました。

まぁ最終的に二人ともファイナル進出できたので結果オーライでしょうか。SPは大事ですね。
吉田陽菜選手はこれでようやく「SPで出遅れてフリーで挽回」パターンから脱した感があります。

これ可愛かったから載せようと思ってたのに忘れてたので追加!そういえば今回のメダリスト全員フリーではポニーテール(吉田選手は更にくくってるけど)だったんだなと気づきました。

アイスダンスRD 

今季のRDテーマへの愚痴

アイスダンスRD、今季のテーマは「1950~70年代のソーシャルダンスとスタイル」。
でも70年代のダンスミュージックを選ぶ組が多くて、昨季課題1980年代の音楽とフィーリング」から変化が感じづらいのが、個人的にはちょいと残念です。なんか、去年と似すぎてない?

せめて50~60年代に絞ってくれてればもう少し変化出たのにーって思っちゃう

30年も幅持たせてるっていうのに「またこの曲か」と思うほど曲かぶりが多いのもなんとかして欲しいですわ。

50~70年代音楽セレクションの数々

折原裕香/ユホ・ピルネン組

折原裕香/ユホ・ピルネン組はNHK杯からの連戦。折原裕香さんがフィンランドで大声援を受けているのを実際に観るのはいいものですね!

演技開始後はナマで観るのに集中してたんですけど、壁際で「YMCA」の振りをやるところは撮っておくべきでしたw

ユーリア・トゥルッキラ/マティアス・ヴェルスルイス組

地元フィンランドのユーリア・トゥルッキラ/マティアス・ヴェルスルイ組の歓声も凄かった!二人とも30代になり、もはやベテランの域だもんなぁ。

目測を誤り、長いトゥルッキラ選手の手が切れちゃいました

ジェイムス・ブラウンと「I Got You(I Feel Good)」とウィルソン・ピケットの「Land of 1000 Dances」と、1960年代で攻めてきます。

「Land of 1000 Dances」ってよく耳にするスタンダードナンバーですけど、日本発売当時の邦題「ダンス天国」って言うんですね(笑)。「学園天国」とかの曲名はここから来たんでしょうか。

ハンナ・イム / イェ・クアン

昨季のFD「シェルブールの雨傘」が凄く好きだったハンナ・イム / イェ・クアン

前半曲のグロリア・ゲイナー版Reach Out I’ll Be There」はフォー・トップスの60年代の名曲を1975年にディスコミュージック風にカバーしたもの。後半曲は、彼女の1978年のヒット曲「I will Survive」を1990年代にオランダのバンドがカバーしたバージョンと、グロリア・ゲイナー繋がり。

私は彼らの滑りが好きなので楽しめたんですが、点は今ひとつ伸びず

原曲が50~70年代なら最近のカバーでもOKなんですよね。

「バービー&ケン」の追加トッピング

パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組 

今季の衣装で私が一番注目しているのがこのカップルかもしれません

FDの衝撃衣装のことは改めて書きますが(苦笑)、彼らは今季のRDにビーチ・ボーイズメドレーを選び、コンセプトに「バービー人形」を入れ込んでいます

そして「ビーチにいるバービー&ケンの着せ替え人形」のごとく、毎回衣装を変えてくるんですが、これが何とも楽しいw

スケートカナダはこれでした。胸元の”LIFEGUARD”の文字にメチャクチャ受けましたw

そして、フィンランド大会直前にはInstagramに「別の衣装?」と別バージョン衣装を投稿
(ポール・ポワリエ選手の衣装も、投稿内の動画を再生したら見られます)

てっきりこの衣装でフィンランド大会に臨むのかと思ってたら…

違うんか~~~い!ってなりました(笑)

今季RDにビーチボーイズを使っている組は私の知る限りではおらず。ましてやバービー&ケンをやるとなると、彼ら以上にこの世界観を表現できる現役カップルはいないかも?

去年のFD「嵐が丘」の時も思いましたけれど、彼らは実力もさることながら、「自分たちの強みをいかに最大限に利用するか」というプロデュース力に長けてますよね。

グランプリファイナルはあの花柄の衣装になるのでしょうか?今後ユーロやワールドでも新しい衣装を出してくるのか、それとも今後はこの3着のからファン投票とかさせて選ぶのかな(実際は動きやすさ最優先かもだけど)?

正直凄く楽しみにしている私がいます。

これって、アイスダンスに興味のない人にも関心を持ってもらう良いきっかけになるアイデアだなと思いましたわ。

資金力がある選手じゃないとできないことですけど、スワロフスキービーズとかの使用量はそのぶん控えめw

練習での接触転倒事故後の演技

ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組

ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組は、あのChicの「Le Freak」を前半に使います。…この曲、これまでも使われまくってたのに今季も使う組が多くて、流れてくるとちょっとうんざり。曲は好きなんですけどね(「おしゃれフリーク」って邦題はちょいと許せないですけどw)。

ただ、彼らは他の組に比べ滑りがいいので、私のうんざり感も強引にねじ伏せる力を持っています。何より後半スティービー・ワンダーの「Suprestition」につなげるところは渋くてかっこいいので、「Le Freak」使ってもイイです(何様w)。

ライラ・フィアー選手の衣装の色が角度によってブラウンや小豆色に見えたりで、ナマで観ると素敵感マシマシでした

RD前日昼の公式練習でのツイズル中に二人が接触し、ライラ・フィアー選手が足を怪我して途中退場するという一幕があり、一時は試合に出られるかどうかすら心配されていました

ブレードで足を切った?と心配する向きもありましたが、ルイス・ギブソン選手の靴が足に当たってしまったことによる打撲だったよう。あのスピードで接触すると強烈な痛さなんでしょうね。

その影響からか演技は本調子では無かったように思いますが、大きなミスなくまとめあげたのは彼ららしいなと思いました。

巧いアイスダンサーほど近距離で滑るので接触リスクも高い

RD1位はギレス/ポワリエ組、2位がフィアー/ギブソン組。

この大会、なぜかSPやRD直後にも1位のスケーターにキス&クライでインタビューする演出で、フィアー/ギブソン組がキス&クライから退出するのと入れ替わりにギレス/ポワリエ組が入ってくるというシビアな光景がキスクラ脇で展開されました。勿論彼らはにこやかにハグして互いを称え合ってましたけどね。

この時はこのままの順位で終わるだろうと思っていました。波乱があった3日目についてはまた改めて。

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