GPSフィンランド大会 GPF出場争い第一の山場/ミニマムスコア獲得競争などの見どころ

2024GPSフィンランド大会のロゴ

今週末からグランプリシリーズフィンランド大会(フィンランディア杯)が始まります。

現地に向け出発する前に、フィンランディアトロフィーの情報&私なりの見どころを整理してみました。

目次

フリーはテレビ朝日系列での昼の全国放送あり

NHK杯を除いたこれまでのGPS3大会は、いずれも関東地区のみで地上波深夜放送でした。

しかしグランプリファイナル出場者が多く確定するフィンランド大会と中国大会は、録画放送ではありますが男女シングルのフリーがテレビ朝日系列で全国放送されます。

日程放送予定時刻カテゴリ&放送地区
11/16(土)13:00~15:30 女子SP/男子SP(録画放送)
※関東地区のみ
11/17(日)13:55~16:00 女子フリー/男子フリー(録画放送)
※テレビ朝日系列
放送日時や内容は編成の都合により予告なく変更になる場合があります

ライブで見やすい時間が多いが、男女フリーは全日本Jrと丸被り

今大会は女子とペアのSP、アイスダンスRD以外は日本からライブ視聴しやすい時間帯です。

問題は全日本ジュニア選手権と日程が丸被りなこと。
両方をリアルタイムでチェックしたい場合は大変ですw

私は今回全日本ジュニアは現地で情報だけチェックして、帰国後ゆっくりFODでチェックします

 ただ、幸いにも時差の都合で大半の時間帯はかぶりません。ただ、土曜日のフィン杯男子シングルフリー(19:45~21:32)と全日本ジュニアの女子SP(18:00~21:40)はがっつりかぶります

日程予定時刻(日本時間)カテゴリ全日本ジュニアの時間
11/15(金)22:00~23:29 男子SP19:45~20:30
23:45~OPセレモニー
11/16(土)00:30~01:59
女子SP




12:30~21:40 
※Jr女子SPが丸被り
02:20~03:25 ペアSP
19:45~21:32男子フリー
22:00~23:47
女子フリー
男子・女子表彰式
11/17(日)00:35~01:53 アイスダンスRD
12:30~19:45
20:00~21:17
ペアフリー
21:40~23:12アイスダンスFD
ペア・アイスダンス表彰式
競技や放送の開始・終了時刻は試合進行状況により変動する場合があります

ライブ視聴したい場合、テレビ朝日の配信を購入する(特典映像見たい人&会場音声のみを好む人におすすめ)か、VPNサービスを使ってISU公式等の海外配信で見るか(多数の試合を経済的に観たい人におすすめ)の2択です。

最大の見どころはグランプリファイナル出場争い

GPS大会5戦目ですから、最大の見どころはGPF出場争いです。

女子シングルはシード選手のイザボー・レヴィト選手&ルナ・ヘンドリックス選手両名が欠場となり、激戦になった中国杯に比べると「穴場」になりました。男子はその逆で、このフィンランド大会が強烈な激戦区になっています。

男子シングルのGPF進出条件

初戦優勝の鍵山優真選手は3位以上で確定、4位なら中国杯結果待ち

初戦2位のケヴィン・エイモズ&ダニエル・グラッスル選手は2位以上で確定、3位なら中国杯の結果待ち

初戦3位のチャ・ジュンファン選手は優勝で確定、2位なら中国杯結果待ち

初戦4位の山本草太選手は優勝で中国杯結果待ち

鍵山優真選手とダニエル・グラッスル選手はNHK杯に次ぐ連戦です。

鍵山優真選手はNHK杯でフリーで4回転転倒してレベルが揃い切らなくても総合300点を超えてるので、優勝は固そう。まかり間違って大崩れをしたとしても4位以上にはとどまり、ファイナル進出は問題なさそうです。でもせっかくだからフリー4回転4本構成決まるところが見たいな~。

他のファイナル進出候補選手たちがどうなるのかは、全く読めませんw

ケヴィン・エイモズ選手はスケートアメリカのような好演技ができるのか。北米試合ではいい演技が続いていますが、崩れた数々の試合を思うとまだ不安です…笑顔の彼を見られるように祈ります。(最近の投稿では元気そうです)



ダニエル・グラッスル選手はいい練習が積めているようですが、ジャッジの回転認定によって技術点がかなり変わって来そう。

NHK杯後、彼に批判的な人に対してSNSで煽りまくる発言をして英語圏スケオタの間で悪い意味で話題になっており、観客が冷えて採点に若干影響するかも?(本来影響されるべきじゃないんですが)それとも日本同様分け隔てない応援があるかな?

チャ・ジュンファン選手はスケアメの演技は良かったですが、怪我とつきあいながらの調整が続いているようなので読めません。いずれにせよジュンファン版ロコをナマで見るのが凄く楽しみ!

ジュンファン選手がロコに関するエピソードを語ったオリンピックチャンネルの記事

友野一希&山本草太選手の目標ライン

山本草太選手のGPF進出可能性は残ってはいるけど、鍵山優真選手に大きなミスが出ない限り厳しい。ワールド代表争いを考えると、ここで表彰台に乗るだけではなく今季シーズンベスト(SB)スコア262.72を伸ばし、三浦佳生選手のSBスコア278.67を超えたいところ。

GPF進出の芽が無くなってしまった友野一希選手も、今後の展開につなげるためには他候補選手たちのSBスコアを超えるのが目標でしょうか。島田高志郎選手の233.84、壷井達也選手の251.52は超えておきたいでしょう。フランス大会前に痛めた股関節の状態が改善していれば表彰台のチャンスもあると思います。

女子シングルのGPF進出条件

ルナ・ヘンドリックス選手とイザボー・レヴィト選手双方が欠場となったこの大会。結果的に「穴場」となっているので、出場選手にとってはチャンスでもあります。

初戦2位だった松生理乃選手は優勝で確定、2位でも優勝が吉田陽菜選手以外なら確定。3位なら中国杯結果待ち

初戦3位だった吉田陽菜選手は優勝で確定、2位なら中国杯結果待ち

ファイナルを狙う二人の対抗馬はアメリカのサラ・エバーハード選手。フランス大会は5位ではありましたが196.94点と、初戦表彰台に乗った松生選手&吉田選手の初戦より高いスコアを出しています。他大会では200点を超えているので、この3人で優勝争いをすることになりそうです。

三原舞依選手は来季のGPS出場枠につなげるためにもPBの更新が目標で、可能なら195点を超えたいところ。メダル候補が崩れたら表彰台に乗れるチャンスはあると思いますが、足の状態次第ですね。

アイスダンス&ペアの私の見どころ

ペア・アイスダンスのファイナル進出は今から波乱が起きることはなさそう?余計な波乱は見たくないので順当に実力者に進出してほしいです。

お気に入りカップルが多いアイスダンス勢、今季プロをまだ全部チェックしきれていないので見るのが純粋に楽しみ。でも一番の楽しみはパイポーことパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組のフリー衣装をナマで見るインパクトかもしれません。(ポール・ポワリエ選手のあの背中を見て吹かずにいられたら、それだけ演技が凄いということかと)

そしてペアの最大の楽しみは急遽出場が決まった「ゆなすみ」こと長岡柚奈/森口澄士組ですね!フィンランドの観客が彼らの演技にどんな反応を見せるのかも楽しみ。今季ワールドのミニマムスコアはもう取れたからドキドキしすぎることなく応援できそうです。

昨季ワールドのペア世界王者ディアナ・ステラート=デュデク/マキシム・デシャン組はスケカナではまだ仕上がり切っていないようだったので、今回の演技でどこまでブラッシュアップしてくるかを楽しみにしています。

個人的な見どころは、フィンランド男子のミニマムスコア獲得競争

世間的にはあまり注目されていないかもしれないけれど、私がファイナル出場争いと同じぐらい関心を持っているのは、「フィンランド男子のミニマムスコア獲得競争」です。

フィンランドの男子シングル選手は、現時点でトリプルアクセル以上の高難度ジャンプを跳べる選手がおらず、今季の世界フィギュアスケート選手権(ワールド)に出場するために必要なミニマムスコア(出場に必要とされる技術点の基準値)を持っている選手がいません。

ヴィルタネン選手は現役医師

小児科医をしながら現役スケート選手を続けているというヴァルター・ヴィルタネン選手。シニアの選手生活はなんと19年目に突入!という37歳。

2019さいたまワールドに出場した際は「現役のお医者さんスケーター」としてスケオタの間で話題になりました。

残念ながら2022-23シーズンはミニマムスコアをクリアできず、2023さいたまワールドには出場ならずでしたが、翌シーズンは早々にミニマムスコアをクリア

国内選手権で優勝した若手のマカール・スンツェフ選手はミニマムスコア獲得にわずか0.26点届かず。2024モントリオールワールドにはヴィルタネン先生が出場しました。

昨季の「フィンランド代表争い=ミニマムスコア獲得競争」については、試合公式動画リンクつきで下記の記事で詳しく紹介しています。

6点上がったミニマムスコアのハードル

今年のワールド男子シングルミニマムスコアは昨季より6点引き上げられ、昨季クリアできたヴィルタネン先生も前季より更に高い技術点を出さないとワールド出場資格が得られません。何より直接対決となるこの大会での順位は双方がミニマムをクリアした時の選考指標にもなりそうです。

両選手とも序盤の大会2つ出ていますが、どちらもまだ昨季出した技術点を超えられていません。(ユーロのミニマムは双方クリア済)

今季男子シングルのワールド出場に必要なミニマムスコアは、SPフリー合計で104点。(SP/フリーで昨季&今季の別大会の技術点を組み合わせてもOK)

ヴァルター・ヴィルタネン選手はタリンク杯の101.48点(34.88+66.60)
2.52点の不足

マカール・スンツェフ選手は98.94点(35.20+63.74)

5.06点の不足 

当日会場では、採点表示の技術点表示を即座にチェックして、現時点での技術点のPBから何点上回ったかを計算することになりそうです。

ミニマムスコアって前年の点数実績をもとに都度改訂されるんですけど、今年の上り幅はかなり大きめ。それだけ技術力レベルが世界的にアップしているということなんですが、高難度ジャンプを持たないけど魅力的な滑りをする選手たちに着目してみると、国内代表争いよりも何よりも「ミニマムスコアが最大の壁」なんだなということを実感します。

37歳にして4回転トゥループに再び挑む

ちなみにヴィルタネン先生は37歳にして、ここ2シーズン入れてなかった4回転トゥループをフリーに入れてきています。ヴィルタネン先生は1987年6月生まれの37歳。先日の西日本選手権で4-3を決めた織田信成選手は1987年3月生まれの37歳。確かにこの年齢で4回転トゥループを跳ぶのは不可能ではないのかもしれません。

2024モントリオールワールド終了後のヴィルタネン先生のinstagram投稿

トリプルアクセル跳べない以上、4回転でも入れないとミニマムスコアクリアきついって判断なんだろうけど、ヴィルタネン先生が4回転を回転不足なしに降りていたのは2017~18頃。その頃も加点付きで降りたことはありません。近年はアンダーローテーションで転倒がほとんどなのに無謀じゃなかろうか…と正直思っています。

でも直近の大会は回転不足「>」で済んではいます。ダウングレードくらわずに転倒せずに済めばある程度の点は残るから、今の構成よりも技術点が積めるーという算段なのかもしれません。必要なのはPCSじゃなくてTES(技術点)ですしね…

しかし4回転入れると他が崩れちゃうので、結局TESダダ下がり…この選択がいいのか悪いのかは?です。あと2.5点なら昨季の最終構成で行った方がいいんじゃないか?と素人考えでは思うのですが、今大会どういう構成で来るでしょうかそしてどちらが先にミニマムスコアをクリアするでしょうか?

地元フィンランドのフィギュアスケートファンは、この競争にかなり注目しているはず。どちらかがミニマムスコアをクリアした暁には一緒に盛り上がれそうです(笑)

あと、ヴィルタネン先生の可愛い娘さんが大きくなってるのを会場で見るのも楽しみですw

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