2024世界フィギュアスケート選手権の開かれたモントリオールのベルセンターはアイスホッケーNHL(北米のプロアイスホッケーリーグの一つ)に属する「カナディアンズ」の本拠地。大規模なジャズフェスティバルやライブ会場などにも使われている巨大なスタジアムです。
オープンしたのは1996年、アイスホッケーだと2万1千人強を収容できます。400レベルまで座席が設けられている点など規模的には「さいたまスーパーアリーナ」が近いかと思います。
ただ「ベルセンター」はアイスホッケーを常時開催していることもあって、日本の試合会場ではあまり見かけない、うらやましい設備&システムがいくつかありました。
今年~来年にかけてオープン予定の日本の新しいアリーナ情報も含めて下記にまとめています。
会場内がモニターだらけ!
一番いいなと思ったのは、「会場内のあちこちにモニターがあること」です。
日本の大会場だとトイレや買い物などでロビーに出てしまうと場内で何が起きているかは漏れてくる音声でしかわかりません。しかし、ベルセンターは場内どこに行っても会場内の様子がわかるモニターがあります。
ロビーを移動中も、売店で並んでいる時も、飲食スペースでくつろいでいる時も、どこかに必ずモニターがあるので今場内がどうなっているのか、今誰が演技中なのかを常に把握しやすいのはありがたいなと思いました。
飲食スペースや階段の前後など、場内のありとあらゆるところにモニターがありましたね。あんな台数置いてたらメンテナンス&電気代は結構大変だろうなぁと思いました(苦笑)。
トイレの入り口近辺にもモニターがありました。トイレ待ち行列に並んでいる時もモニターが見られるんですよ!これは驚きましたね(笑)。
まぁ私がトイレに行ったのは製氷の間のみでしたので、真剣にモニターを見つめるようなことはありませんでしたけど(苦笑)。
場内がモニターだらけの理由は?
こんなにモニターが多いのは、NHLのホッケーが時として物凄く長時間になることがあるからでは?と思います。
通常のアイスホッケーの試合は2時間~2時間半ぐらいらしいんですが、プレーオフになると延々試合が続くこともあり6時間近く続いた試合もあるとか。疲れて寝落ちしてしまっているところが放送されてしまったファンの映像が下記のニュース記事に入ってて「いや~大変ねw」と思いました。
こんな長い白熱した試合展開になるとインターバルの間にトイレに行くしかないわけですが、アイスホッケーのインターバルは15分。一瞬で点の入る競技ですからファンは当然見逃したくない。…ってことで、場内のあちこちにモニターがあるのではないかと。
何より日本の野球などと同じで飲食しながら楽しむ観戦スタイルのようなので、飲食スペースや売店の周辺にモニター一杯備えておくと、みんな気軽に買いに来てくれて飲食売り上げも上がるでしょうしね!
座席が快適で持ち込みクッション要らず
座席の勾配が程よく設計されていたので、前の人が多少前のめりになったり巨大な人が前に座ったりしても気にならなかったです。
椅子が皮張りでクッション性が高く、丸一日座っていてもお尻が痛くなるようなことはありませんでした。初日は座布団代わりにできるようにストールを持参していたのですが全然使わず。
数時間程度のアイスショーとは異なりチャンピオンシップ大会は午前から深夜まで1日中会場にいるわけですから、いい椅子だと嬉しいですね。
モバイルオーダー対応
飲食品のモバイルオーダーが自席から可能
座席から場内売店の飲料や食料が事前にモバイルオーダーができるシステムはいいなと思いました。受け取りに行くだけで、行列に並ばなくていいですからね。
モバイルオーダーを楽しみにしていた渡航前の投稿
現地で実際にモバイルオーダーを試してみたときの情報はこちら(注文まではせず)
日本は場内の売店・飲食店の数自体が少なめなので、会場近くに来てくれるキッチンカーとか会場最寄りの売店とかもモバイルオーダーに対応してくれるといいなと思います。
でも日本は食料持ち込みOKな会場が多いから、飲食物に関しては何が何でもモバイルオーダーが欲しいとまでは思わないですね。道中で買った軽食やお弁当、自宅から持参した水筒などが持ち込めるのが一番助かるかな。日本の治安が安定しているからこそ可能なことですけれど。
グッズのモバイルオーダー対応も欲しい
ベルセンターでは記念グッズのモバイルオーダーやってるように見えたのですが、事前に品物が確認できるだけで、長い行列に並ばざるを得ませんでした。
日本でもっともモバイルオーダー対応してほしいのはグッズ販売ですね。
娘が行く某アイドルのライブ関連の記念グッズは事前にネット注文し、当日はライブ会場で受け取るだけの販売スタイルです。新型コロナ感染対策の必要性もあって、音楽フェスや有名ミュージシャンの大箱ライブ等ではグッズのモバイルオーダーは一気に浸透しました。
しかしフィギュアスケートの試合やアイスショーでは、ようやく現金以外の決済ができるようになった段階。
私は事前モバイルオーダーを取り入れているのを見かけたことがありません。
(私が知らないだけで、導入済みの会場があるかもですが)
モバイルオーダーを導入するには販売規模が小さすぎるのか、高齢者が多めの客層だからモバイルオーダーに切り替える判断が下せずにいるのかはわかりませんが、フィギュアスケート業界でも普及してくれるといいのになと思います。
「実際にモノを見てから購入したい」というニーズもあるでしょうから、手に取れるコーナーを設けておいて休憩時間などにモバイルオーダーしておけば、会場を出る時に品を受け取るだけーのようにできたら助かる人も多いだろうなと思ったりします。
モントリオールのオフィシャルグッズ売り場ではトレーナーやTシャツ類をがっつり試着する人が多くて、パンフを買いたいだけだった私は「商品手に取りたい人とパンフ購入するだけの人と列を分けてくれたらいいのに」って思いました。
その点、日本でよくある「売り子がパンフを持って場内を歩き回り現金販売する、昔ながらのスタイル」は結構ありがたいのねって感じましたね。
将来、購入証明のQRコード等を見せるだけでパンフをすぐ手渡してもらえるようになれば最高ですけど、向こうから売りに来てくれるのは実は一番手間がかからない販売方法かも?人手はかかりますけどね(苦笑)
今年~来年オープンの新規施設の設備はどうなる?
今年~来年にかけて、フィギュアスケートの催しでは2つの新規オープン施設が使用されますが、
どちらもバスケットボールBリーグチームの本拠地として設計されています。
バスケットボールの試合の平均時間は2時間ほどとホッケーに比べると短いですが、試合中の飲食は推奨する方針。(飲食禁止の会場もあります)新しい設備やシステムを備えていることが期待できます。
今春竣工の「ららアリーナ東京ベイ」飲食スペースには場内モニターが!
今年「THE ICE」や「ワンピースオンアイス」が開催される「ららアリーナ東京ベイ」は今春竣工したばかりの新しい施設。バスケットボールBリーグ「千葉ジェッツ」のホームアリーナで、収容規模1万人です。
「ベルセンター」の半分の収容人数ではありますが、イメージ図を見る限り、VIPルームだけでなく場内飲食スペース等にはモニターが設置されているようです。
南船橋のアイスリンクも近くにあってサブリンクにも使えそうだし、今後ここでフィギュアスケートのショーや試合が行われることが増えるのではないかと期待しています。将来ここで競技が行われる日が来たら、飲食スペースにモニターがあることを感謝する日が来るかも?
トイレ前とかロビー通路とかにもモニターがあったら嬉しいんだけどなぁ…。ランニングコスト考えると今の日本じゃ厳しいかな(苦笑)。「THE ICE」で行くのを今から楽しみにしています。
2025GPF開催の名古屋「IGアリーナ」はモバイルオーダー対応!
2025年(ミラノ五輪直前)にグランプリファイナル開催が決定した、名古屋の「IGアリーナ」。ここもBリーグチーム・名古屋ダイヤモンドドルフィンズのホームアリーナです。最大1万7千人(立ち見含む)が収容可能な国内最大級設備となります。
下記の記事を見る限り、「IGアリーナ」は飲食の多店舗展開(約20店舗!)&モバイルオーダー対応も売りにしているようです。
「スマートアリーナ」を掲げ、安全でアクセシブルな動線設計、国内アリーナでは類を見ない飲食の多店舗展開、キャッシュレスやモバイルオーダー等を実装する。ホスピタリティエリアでは、スイートルームやラウンジ、食材にこだわった食事などのサービスを提供する。飲食店舗・ワゴン店舗区画は約30区画。
上記記事 愛知に1.7万人収容の「IGアリーナ」 25年7月オープン より引用
別の関連記事で「場内各所にデジタルサイネージの設置を計画」しているとの情報も見たので、モニター類も多そうです。会場内の演技映像を流せるかどうかはわからないけれど。
「全日本とかグランプリファイナルの開催などはここが定番になったりして?」と、こちらも期待値が高いです。
2017名古屋グランプリファイナルはSPだけしか行けなかったけど、来年12月は全日程見られるといいな。宇野昌磨選手が出場できると私としては最高ですが、何らかの形で関わっていてほしい。こちらも行ける日を今から楽しみにしています。