「モントリオール滞在記」は少しずつ継続投稿の予定です

モントリオール滞在記<4>競技2日目(男子シングルSP&ペアフリー)

ペア表彰式の俯瞰画像

「モントリオール滞在記<3>」で書いたように、チケットのコード読み取り関連システムにトラブルが起きたために入場するまでさんざんな目に遭った男子シングルSP。残念ながら第1グループに間に合わなかったけど、第2グループ以降は全部見ることができました。

気分が高揚して競技後の夜はなかなか寝付けなかった上に早朝覚醒。おかげで動画巡りやニュース等の情報漁りを結構進められました。って全然追いつけてないけど!2日目の男子シングルSP&ペアフリーだけでも十分はるばるモントリオールに来た甲斐があったと思えました。

一方でボーヤンやアダム・シャオ・イム・ファ選手の思わぬ演技に心を痛めたり、表彰式に出られないぐらいの体調になってしまった木原龍一選手の心配したりもあったのだけれど。

書き残しておきたいことが多すぎて、滞在中に書くのはもう追いつかない感じになってきました。
ということでこれからの試合を見てのあれこれについては帰国後すこしずつ書き残そうかなと思っております。エキシビション終わったその日の深夜にはカナダを立ちますしね。

これを書いたのは女子フリーの興奮冷めやらない夜&競技最終日の朝。まもなく最後の公式練習を見に出かけます。早かったなぁ。

目次

男子シングルSP

まさかの展開が心に痛かった選手たち

採点待ちをする三浦佳生選手と演技開始前のジュンファン・チャ選手


三浦佳生選手
勢い余ってジャンプでステップアウトやオーバーターンなどのミスはあるかもな~と覚悟してましたが、コンビの4Tで転倒するのは全くの予想外でした。なんだかんだ言ってまとめられるんじゃないかとの期待が大きかったんだと思います。

採点待ち中、顔を上げられない様子の彼を見て宇野昌磨選手の初ワールドの涙のキス&クライを思い出しましたね。二人ともまだ高校生の時代の初ワールド。「スケートって難しい」ですね。

でもコンビなかったのに最終前グループには入れたのはすごい。スピンとか頑張ってきたおかげですかね。フリーで起死回生の演技を期待しています。

ジュンファン・チャ選手
4Sー3Tでの転倒が惜しかった。SPは4回転を1本にした方が点が出るでしょうけれど、「今SP4回転2本に挑戦しておかねばミラノ五輪でトップをねらえない」とあえて今季は挑戦しているのかなと勝手に思っています。サブリンクで目の前をステップで滑りぬけて行ったスピード感は本当に凄かった!

ボーヤンとアダムの大遭難は辛かったです…

ボーヤン・ジン選手
公式練習すごくよかったんですよ?月曜の本番リンクでの曲かけなんてすばらしい出来で、ボーヤンここまで戻してきたか!楽しみ!!ってなってましたし。

練習であんなにきれいに跳んでいた4Lz-3Tのコンビがまさかの冒頭ジャンプが抜け。いや次の単独ジャンプをコンビにすれば…と思いながら見守った次の4Tも抜け。その瞬間「ちょっと待って…これではSP落ち?」と私の頭が真っ白に。ボーヤン選手はもっと動転していたでしょう。

ボーヤン選手は今季徐々に調子を上げてきてワールドでぴったりピークを合わせられていたように見えていました。それがまさかフリーに進めないなんて。仕上がりがよかっただけに最初のルッツが抜けた時にパニックになってしまったのでしょうか。SPは完璧に近い演技が見られるかも?と思っていただけに本当に残念で。

過去に厳しい演技だった時も笑顔を見せてキスクラに座っていたボーヤン選手がキスクラで泣いている姿を見るのは辛かったです。現役続行してくれるよね…?

アダム・シャオ・イム・ファ選手
公式練習のアダム君は正直いまひとつジャンプがはまっていないようだったし、今シーズンは後半にかけて調子が下降気味だったので、今大会でSPフリー両方揃えられることはないのではと予想していました。

しかしここまでの大崩れは予想していなかった。19位って…。男子フリーはフランスの枠を気にしながら見ることになりそうです。アダム君は4位以下の一桁台に一気にまくれるいい演技ができるポテンシャルはあるけれど、どうなるか。フリーでの巻き上げを期待したいところだけど、それすら心配になる演技でした。

アダムはもちろん同じフランスのエコノミド君が順位を頑張って上げないと、来年ケヴィン・エイモズ選手が帰ってきてもワールドの枠がなくなってしまう…

よかった選手たち

デニス・ヴァシリエフス選手

午前の公式練習ではかなりジャンプが乱れていたので、大丈夫だろうかと心配していました。
穏やかな笑みを浮かべてリンクインしてきたデニス君。そこに流れた「ネクストスケーターは…ルーカス・ブリッチギー!」との場内アナウンスに吹きだしました。

笑顔で「いやいや違うよ~」というジェスチャーをしている様子のデニス君。「この様子なら意外といけたりして?」と私の気持ちが落ち着きました。そしたらクリーンな演技で嬉しかったです!(フリップに!はつきましたが)。カナダの観客もかなりの数がスタオベしていました。

彼の他にも一杯良かったと書きたい選手はいるのですが、あとは最終グループメンバーで触れてない人だけざくっと。

鍵山優真選手

キス&クライの鍵山親子
幸せそうな鍵山親子&カロリーナ・コストナーコーチのキス&クライ


Believerこれで見るの最後か~と思いながら見ました。公式練習安定してたし、SPは確実に決めて来るだろうなと比較的安心して観られましたね。怪我の影響で2年続けたプログラム。進化の過程を見せてもらえたなと感慨深いです。

フリーの4回転フリップ投入どうなるか楽しみです。全部クリーンに入ったらスゴイ点出そうですね。

イリヤ・マリニン選手

4Aは跳ばず手堅く来るだろうと思っていたけれど、冒頭4Tだったのはビックリしました。フリップやループじゃないんだって。後で怪我情報を知って納得。練習では4A降りてはいるけど回避する方が上の順位目指せそうな気はします。4Lz2本は確実に入れられそうだし3Aセカンドにつけられるのは強いし。

滑走順が宇野選手⇒鍵山選手⇒マリニン選手。宇野選手&鍵山選手どちらもかなりの高得点を出しそうな気がします。最終滑走のマリニン選手は彼らの得点を上回れるような構成に変更して挑む可能性が高そうだけど、それが功を奏するでしょうか。

宇野昌磨選手


今季の試合全部100点台で、おそろしく安定してたSP。ですが観るの怖くて怖くて。特に公式練習ではフリップの調整に一番苦労してましたから、最初のフリップ降りるまでは生きた心地がせず。もはやジャンプ調整が職人技の域に達してる感あるのになぜ。どうしても本番を見るとビビってしまう過剰心配体質は治りません。

4回転フリップ、めちゃめちゃクリーンでしたね。(採点表でGOE5がいくつもついててビックリでした)4-3で若干こらえ気味?って感じにはなったけど無事3T入り。

以前ならそこからは落ち着いて演技を見られたのですが、2023北京グランプリファイナルで「3Aが抜ける」という異常発生を目撃してしまったため、3Aが終わるまで安心できない過剰心配体質になってしまいました。(あんなに3A成功率高い選手そうそういないっていうのにw)

結果としてはモンペリエワールドのオーボエSP並の超絶保存版演技になりました。演技終了後のアクションはぴょんぴょんではなく、立膝で両手をぐっと握りしめるという動きが新たに歴史に加わりました。今季SPどんなにクリーンに決めても涼しい顔で「まぁこんなもんかな」みたいにリンク出て行っていたのにな。本人的にもいい演技ができたんでしょうね。あの表情をナマで見られたことは本当にうれしかったです。

しかしここ数年の宇野選手は終盤の大舞台での演技が凄く安定しているのだからもっと落ち着いて観たらいいと思うのですが、感情が着いていかないのは何とかならんものかと思います(苦笑)。こんなに安定してるSPの演技でこれだけビビってるのに、フリーでは私どうなるのだろう。

ペアフリー 

ステデシがSP1位、りくりゅうがフリー1位。SPの点差は詰められず、りくりゅうはわずかの差で銀メダルとなりました。

私、去年のさいたまワールドでディアナさん39歳に最高齢メダル取ってほしいなと思ってたんですけど、表彰台逃してしまったんですよね。あと一歩でメダルを逃した悔しさが手伝ったのか、今季ぐっと伸びてきたステデシ。ディアナさん40歳の金メダルとは感服します。

カナダの観客の声援の量はとんでもなかったですよ。地響きしそうなぐらいでした。あの中でほぼノーミスでやってのけたステデシの精神力はとんでもないですね。

ディアナ応援バナー
GO!ディアナマックスの応援バナー(撮影の瞬間はGが抜けてしまってるけれどw)

あの大歓声の中、黙々と準備をしてリンクに出て行きいい演技をしたりくりゅうもとんでもなかった。6分間練習ではスロージャンプで転倒していたので結構心配していたのですが、2本ともうまく降りられて本当によかった。

ジャンプがダブルになってなかったとしても、SPの点差は詰められなかったと思うので「たられば」のない、清々しい銀メダルだと思っています。なにせ木原選手の腰椎の怪我で休養せざるを得なかった今季。シーズン後半から復帰して表彰台に乗るなんてスゴイことです。

なので大喜びで表彰式が始まるのを待っていたのですが、なかなか始まらない。段取り手間取ってるのかな?と思ってたら、「(りくりゅうは)メディカルリーズンで出られません(うろ覚え)」って謎のアナウンスが入りました。「???」となりましたよ。

そういえば木原選手はよたよたしながら退場していたような…?何があったんだろう怪我か?腰椎のが再発した?とめちゃくちゃ心配しました。理由は「運動誘発性ぜんそく」だったとか。

【フィギュア】急病で表彰式欠席の“りくりゅう”木原龍一は「運動誘発性ぜんそく」医師説明

ペア表彰式の俯瞰画像
銀メダリストが不在というワールド史上異例な表彰式に

今後定期的な治療が必要なのかもしれないけれど、腰椎の怪我の再発じゃなくてよかったと思ってしまいましたよ。

表彰台に上りニコニコしてメダルを受け取る二人が見たかったなぁ…。でもしょうがない。せっかくメダルを獲れたのに欠席せざるをえなくてつらい思いをしたのは二人。

ワールドの表彰台に登れる経験なんて人生に数えるほどしかないのにな。3組揃わないのなら表彰式延期って手段は取れなかったのかな…という思いはちょっとあります。でも当日のうちに開催してメダリストに喝采を送りたいというファンも多いだろうし難しいですね。せっかくの地元選手の金メダルだもんな。観客はメダルかけられる母国選手の姿を見てから帰りたいだろうし。

試合自体は上位ペア同志の好演技争いで素晴らしい試合でしたけど、表彰式のことだけはずっと心残りになってしまいそうなことだけがちょっと残念です。

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ペア表彰式の俯瞰画像

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