四大陸選手権 男子フリー 「残念さはあれど納得いく結果の試合」の見ごたえ

2025四大陸フィギュアスケート選手権大会ロゴデザイン

今回は2025四大陸フィギュアスケート選手権、昨夜の男子フリー結果&振り返りです日本人3選手の演技の動画も記事内に埋め込んでいます。

ちなみに私、この後所用で外出後そのまま飛行機で羽田に向かい、東京で前泊しプリンスアイスワールド(PIW)東京公演最終日に行く予定です。大雪で新幹線が徐行運転になることが予想されるし、早朝起きで到着するまでずっとハラハラするぐらいならもう前乗りしちゃおうかって。

なので他のカテゴリの記録をまとめる時間はとれなさそう。PIW後はショーのことを書きたいので、四大陸鑑賞記はこれにておしまいにするかもしれません。アイスダンスは途中まで書いてるので上げるかもしれませんが、女子までまとめるパワー出るかな…?

女子シングル、ただでさえ一番応援してた松生理乃選手にSPで大きなミスが出てしまって気持ちが落ちちゃったのもあります。他の選手も応援してるんですけど、主要選手はみんなこの後ワールドあるからなぁ…。

フリーでの巻き返して表彰台届くといいなとは思うんですけど、その実現にはSP上位陣のミスが必要になっちゃうから複雑ですし。どのみち所用でライブ視聴できない女子フリーは、後日アーカイブで鑑賞させてもらいます。

2025四大陸フィギュアスケート選手権リザルト

目次

第1グループ 

先の冬季アジア大会でミニマムスコア挑戦中&キャラが気に入っていたフィリピンのパオロ・ボロメオ選手は残念ながらWD(棄権)だったとSP後に書きました。

怪我かと思いきや、胃腸炎?だったようで病院に担ぎ込まれてた模様。病院のベッドで力のない表情をSNSで見かけました。リンクで吐くのは避けたかったというようなこと書いてました。お大事に…

楽しみにしていたオーストラリアのダリアン・カプティチ選手(アフロヘアーの選手)は、第1グループ最終滑走で登場。でも演技中に靴紐orパンツを靴にとめる紐がほどけてしまい、引っ掛けないか心配で集中できませんでした。前半ミスがあったけど後半盛り返せたのが嬉しかったのか、最後の挨拶でファンキーな動きしてて可愛いかったです(笑)。私の中の「四大陸名物選手度」がまたアップしました。

第2グループ6分間練習中にアリサ・リウ選手が解説席登場!?

ちなみにこの後、ISUのyoutube公式チャンネルでの配信では、第2グループの6分間練習が始まった時にアリサ・リウ選手がなぜか解説席に登場(声のみ)

第2グループにはカムデン・プルキネン選手と樋渡知樹選手がいたから米国チーム男子の応援に来ていた彼女がたまたま解説席の近くに座ってて声をかけられたのかな?

復帰の動機や休養中に楽しんでいたこと、今季の試合での想いや今どの位調子を戻せているのかー等、色々話が聞けたのはよかったんだけど、解説者クリス・ハワースさんの選手紹介も今日の演技予測は全く聴けず。練習映像に集中できなくなってしまったしで私は少々不満でした。

第2グループ終了直後、整氷始まってからの数分間でやってくれたらよかったのにな~

第2グループ 

ユーシャン・リー選手(台湾)

第2グループは第一滑走は台湾のユーシャン・リー選手。演技開始直前までアリサ・リウ選手と話してて「おーい、もう演技始まるから早く切り上げて~~~」とドキドキしつつスタート。(ちゃんと話は名前コールのあたりで終わりました)

彼は2023ジュニアグランプリシリーズ大阪大会で見てから気に入っている選手です。2024世界ジュニアが台湾開催で、地元の期待に応えた活躍をしてて可愛かったんですよね。

SPではアジア大会では決めてた4回転トゥループは決まらず残念に思ってたんですが、フリーでは決めてきました!オールグリーンのクリーンな演技!また笑顔が見られました。

カムデン・プルキネン選手(米国)

背中を痛めていて演技もやっとだという情報が伝えられていたカムデン・プルキネン選手。冒頭4回転トゥループがまさかのクリーンで期待したんですが、トリプルアクセルが抜けちゃって「ああやっぱりダメか…」となりました。

しかし後半でトリプルアクセルのコンビネーション跳んだ後、予定構成を変更して再びトリプルアクセル再挑戦するという強烈なリカバリーにトライ!転倒になっちゃいましたけど私はその気迫に痺れました。

結局彼はこのあと長く1位で漬けることになりました。SP16位から総合8位に順位を上げ入賞です。背中痛めてなければな…全米選手権同様、GPSの時とは動きが見違えていました。来季は金融関係のお仕事休職して競技専念するというので活躍を期待しています。

樋渡知樹選手(米国)&ユードン・チェン選手(中国)

米国航空機墜落事故でご両親を亡くし、今大会を欠場することになったマキシム・ナウモフ選手の代打で出場となった樋渡知樹選手。取材時には出場が決まった時の複雑な心境を語っていました。

冒頭4回転トゥループは転倒となりましたが、あとは何とかまとめた感じでSP15位から総合9位まで順位を上げました。バレエジャンプが相変わらず美しいです。

ユードン・チェン選手は4回転サルコウ連続転倒になって波にのまれたまま終わってしまった感があって残念でした。

ドノヴァン・カリーヨ選手(メキシコ)

足の手術を経て、4回転ジャンパーとして着実に成長しつつあるドノヴァン・カリーヨ選手

4回転サルコウ2本投入に挑戦しましたが、残念ながら2本目のファーストが少し乱れてコンビにできず、痛い失点に。

最後のポーズこらえきれず尻もちついちゃったのは可愛らしかったですね(笑)。演技終了後という扱いになったので「転倒」扱いによる減点1つかずにすみました。総合11位!

第3グループ

アレクサ・ラキッチ選手(カナダ)

アレクサ・ラキッチ選手はカナダの選手にしては珍しくトリプルアクセルが安定しています。しかし他が決まらないのがもったいない。大活躍すればワールド代表の芽もあったかもしれないけれど、総合16位。カナダ勢の中では3番目となりました。

ダイウェイ・ダイ選手(中国)

ハン・ヤン元選手の系統を引き継ぐ滑り&ジャンプを持つダイウェイ・ダイ選手。今日はちょっとお疲れ感がありました。

4回転トゥループ2本目転倒はともかく、トリプルアクセルコンビネーション必須のところファーストで転倒してしまったのが何より痛かったです。その後もルッツがダブルになったりで総合13位でしたが、それでも中国選手最上位

ワールド代表は彼ですかね…?まさかのボーヤン・ジン選手ってこともあるでしょうか?ダイウェイ・ダイ選手を出した方が2枠の可能性はある気はします。(今季のあのフリープロではいくらボーヤン選手でも難しい気が…)

ジミン・ペン選手(中国)

中国のジミン・ペン選手はせっかく4回転3本投入に成功したのに、美しくおりた2本目サルコウに何故かセカンドつけずREPEAT扱いになって勿体ないことこのうえなし。

後半のスピンステップ全部レベル2なこともあり、高難度ジャンプ構成のわりに点は伸びず総合15位。スピンステップでレベル取れるようになれれば来季の中国五輪代表争いの一角になりそうな予感。

ロマン・サドフスキー選手(カナダ)

ワールド代表に堂々選出されるには、ここでカナダのエースの存在感を見せておかないとまずいロマン・サドフスキー選手。ミスがちょこちょこ入る演技でしたが、まぁ大崩れする時はもっと崩れることもある選手なのでこの程度で済んで良かった…かな。

演技後のインタビューによると、演技前にエッジを止めているビスが緩んでいて困っていた時、樋渡知樹選手がテープを貸してくれて場をしのげたそうです。

何だか2023スケカナの三浦佳生選手と宇野昌磨選手のエピソードを思い出しますね。(あの時三浦選手にトラブルがあったのは靴ひもでしたけど)

キム・ヒョンギム選手(韓国)

地元の大声援を受けて登場したキム・ヒョンギム選手。なんとSPに引き続きクリーンな演技!フリー6位で総合7位と入賞を果たしました。

4回転トゥループ1本ですが、スピンステップオールレベル4で丁寧な演技。トリプルアクセルがアンダーローテーションついちゃったのだけが唯一惜しかったです。

マシュー・ニューナム選手(カナダ)

マシュー・ニューナム選手がフリー前半に使ってる曲は、宇野昌磨選手が2016-17シーズンのフリープログアムに使ってた「ブエノスアイレス午前零時」じゃないですか!今年のカナダナショナル配信は一部しか見てなかったから知らなかった!

さすがにひゅ~~~~ドン!でジャンプ着氷は難しかったのか、ドン!のとこは後半音楽への切り替えのポーズのとこに入れてました。総合12位はカナダ勢の2番目。

演技後に「宇野昌磨選手のあのプログラムに衝撃を受けたので、いつか使いたいとずっと思っていた。ようやくコーチが使ってもいいって言ってくれたんだ」と話していました。

彼がワールド代表に選ばれたら、宇野昌磨選手の2016-17シーズンのフリーの前半曲と後半曲(ジュンファン選手が使っている「ロコ」)がボストンで聴けたのにな~ってちょっと思ってしまいました(苦笑)。

カナダ代表は総合10位(カナダ勢最上位)を無事獲ったロマン・サドフスキー選手でまず確定でしょう。最初のトリプルアクセル抜けずにパーフェクト演技で彼以上の順位だったら選抜の可能性あったかもしれないけど。

最終グループ

壷井達也選手

冒頭の4回転サルコウのコンビネーションのファーストは全日本の時のようにオーバーターン、その後の単独サルコウもトリプルアクセルも若干着氷が乱れ「大丈夫か?」となりました。でも、そこからはクリーンにまとめていって途中からは比較的安心して見ることができました。

後のインタビュー記事を読むと、初めて経験する大規模国際大会に滅茶苦茶緊張していたようです。234.93で無事暫定1位とって入賞確定!

ワールドでの好演技期待してます!

三浦佳生選手

本調子には程通い状況にもかかわらず、爆走しまくるのが「これぞ三浦佳生!」という感じの演技でした。いつか所作の緩急は身に着けて欲しい気はするけど、これはこれで彼の個性として好きです。

痛めていた左太ももに負担がかからないよう、3回転以上のトゥループジャンプに禁止令が出ている状態。4回転はサルコウ2本構成で挑みました。

冒頭のかっ飛び4回転サルコウは3回転トゥループつけられそうな仕上がりだったけどしっかりダブルトゥループで抑えました。あの勢いを殺さないといけない感じで、すごく跳びにくそうでしたね。しかし2本目のサルコウは転倒してすっ飛んでしまい、その後のトリプルアクセルもダブルに。

でも本調子でないなりに全力を尽くしてる気迫は凄かったです。151.68は出せて総合6位に入りました。ランキングポイントを出来るだけ稼ぐという目的は達成しました。

そして、その後のグリーンルームで逆立ちを披露するという爪痕もしっかり残しました。キス&クライにいたジュンファン選手が笑ってくれてよかったです。彼が好演技してくれたからこそ、ああやってはしゃげる空気感があってよかった(笑)

そういや以前キーガン・メッシング選手が四大陸グリーンルームで逆立ちやってたよな~と思い出してました。

どうも三浦佳生選手もあれが記憶に残っていたのでやってみたかった模様です。

チャ・ジュンファン選手(韓国)

先週のアジア大会で金メダルを獲ったばかりのチャ・ジュンファン選手

冒頭の4回転サルコウ綺麗だったのに、次の4回転トゥループが抜けてしまいした。でもルッツループは成功。でもその後はパーフェクト!着氷乱れたの一つもなく、眼福でした。2週連続で素晴らしい演技をありがとうという気分です。

4回転1本抜けちゃってるのでアジア大会よりは少し下の185.78。総合265.02!(最終的には銀メダル獲得)

演技は楽しめたけれど、「これで友野一希選手はかなりいい演技をしないと表彰台が厳しくなるかも…」と思いました。

友野一希選手

次に登場したのは友野一希選手

4回転トゥループコンボ決まったけど単独ジャンプが抜け、4回転サルコウも着氷が乱れ、トリプルループがダブルになり、頭を抱えました。「もうこれ以上一つもミスできない」と実況に言われ、私もそう思いました。これはヤバイって。

でもその後は何とか持ち直してクリーンにまとめきりました。スピンステップオールレベル4!PCSもジュンファン選手に次ぐ評価でした。その結果162.24は出て総合242.08、暫定2位にはつけました。

PCSの付き方を見ると、「本当ジャンプさえ決まれば…」って思うんですけどね。来季を考えるとシーズンベスト総合250点は超えたかったな。

表彰台(=来季特別強化入り)に乗るには、残りの選手の出来次第となりました。

ジミー・マー選手(米国)

私はもともとジミー・マー選手の滑りは好きでして、毎年全米選手権やGPSなどで見るのを楽しみにしている選手です。今年の全米選手権では、あと一歩で表彰台&ワールド代表入りを逃した時のせつない表情が辛かった。何より、先日の米国航空機墜落事故後、憔悴した表情でインタビューに答える姿は心を打ちました。

なので彼には四大陸選手権で是非とも活躍してほしかったでも、友野一希選手にも表彰台に乗ってほしかったんですよ。

だからジミー・マー選手が冒頭の4回転トゥループ2本を見事に決めた時、内心複雑な想いでした。ああこれはいい演技来るかも…そうしたら彼が表彰台になって友野くんが…って。

でも、次のトリプルループで転倒してしまった時は残念な声が自然に出ました。「いい演技をしてほしい」って想いが勝ちましたね。

転倒後もフリップの3連ジャンプで乱れが出たりはしましたが、終始熱のこもった美しい演技。PCS評価は友野選手の方が高いだろうけど、SP得点差もあるしこの演技なら総合順位は上回りそうかな…。

結果、フリーでもジミー・マー選手が僅差で上回り、表彰台を決めました。彼が喜ぶ姿を見ると、先日NBCで放送されていたインタビューを思い出して心が熱くなりました。「ボストンにメダル持ち帰れるよ、よかったね」って。

最終的に友野一希選手が表彰台(=来季特別強化入り)を逃してしまったのは残念でしたが、SPフリーであれだけミスが出てしまったのだからやむなし。
ジミー・マー選手は29歳にして初めてのチャンピオンシップ大会メダル納得のいく結末でした。

ミハイル・シャイドロフ選手(カザフスタン)

SPで大幅リードしているし構成からいって大崩れしない限りまず優勝だろうというミハイル・シャイドロフ選手。なのにカザフスタンの別選手の曲が間違えてかかって「違うよ~」とジャッジに伝えに行く一幕が演技前にありました。

滑り出すと「あれ?4回転ルッツの軌道じゃないぞ?」。いきなりトリプルアクセル~四回転サルコウの変態コンビネーションジャンプ跳んできました。すごい幅、加点がアホほどついています。(GOE2.91 でした。これで文句なしの世界初成功ですね!)

なるほど世界初の加点付き成功を決めるためには、冒頭に持ってきたらよかったのか!

「4回転ルッツ得意だから別に冒頭じゃなくても跳べるもんね!」って感じ?

そこから先の彼は、2024モントリオールワールドのイリヤ・マリニン選手のフリーを思い起こさせるような「ジャンプのゾーン」に入ったかのような跳びっぷり。ミスるのでは?という不安を観客に抱かせないかのような。ジャンプに比べると見劣りしがちなスピンステップも何だかいつもよりキレがあるじゃないですか?

演技後リンクに寝そべる姿見て、ちょっと宇野昌磨さんの2023さいたまワールドフリーを思い出しましたね。いや~こんな演技やり遂げたならそうなってもいいよって思いました(笑)。

フリー190.37はもちろんパーソナルベストで文句なしの優勝。PCSも81.35と、ついに80点台に乗りました

今後大きな怪我なく過ごせればボストンワールド&ミラノ五輪メダルも充分ありえますね。無茶なコンビネーションジャンプ初成功ハンターやるのもいいけど、本気でスピンステップ対策すれば来季PCS伸びて行きそうだし。

というか今年のワールドで、フランス日本アメリカイタリアあたりの3枠獲得の夢を阻む大きな障害になりそう(苦笑)。(カザフスタン2番手のディアス・ジレンバエフ選手はワールドのミニマムスコア、1.27足りないんですけど結局今大会でもクリアできずでした)

インタビューで、10年前に韓国開催四大陸選手権で金メダルを獲った同じカザフスタンの先輩デニス・テン選手の話をしています。その時と同じリンクで自分が四大陸選手権優勝を狙えることについて、彼も運命めいたものを感じていたようです。

時間が無いが故、箇条書きでドンドコ書いて行ったら随分長くなってしまいました。後は四大陸女子フリー&ワールドが楽しみです

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