今年19回目を迎える、夏の恒例アイスショー「Friends on Ice(フレンズ・オン・アイス) 2025」。
私は8/30(土)の初回公演のみを新横浜で日帰り鑑賞し、二日目31(日)の2公演はCS放送で部分視聴。本公演のセットリストや各演技の感想をはじめ、関連記事なども併せてリポートしました。
(使用曲紹介には極力YouTube公式動画リンクをはっています。関心のある方は原曲をご確認ください)
今回は【第1部&抽選コーナー】のまとめで、【第2部とフィナーレ】については別途アップします。
※セットリストは、私が放送音声を曲名判別アプリで推定したもので公式情報ではないため、誤りがある可能性があります
※土曜夜公演の情報を把握しきれていないのですが、今年は土日4公演のみということもあり複数の個人プログラムを演じたメンバーは三浦佳生選手とジェイソン・ブラウン選手のみだったようです
※アーティスト名と見出しでのスケーター名は敬称略
第1部
オープニング(振付:宮本賢二)
最初にリンクに登場したのは荒川静香さん&高橋大輔さん&村元哉中さんの3人(公開時の名前誤入力は修正しました)。振付は宮本賢二さん。(千秋楽フィナーレでは相変わらず凄い格好で出てきてくれました)
多色に輝く電飾入りのロープを使っての演技です。曲は静かな曲調の「Promises To Keep 」。暗く落とされた照明の中にキラキラ輝くリボンがきらめいて、何とも幻想的でした。
実は初回公演の時、最後のスピンで荒川静香さんのロープが体に絡まってしまったんですが、まぁ落ち着いたもので全く動じている気配を見せず。照明が落ちたら首のあたりに巻き付いてたロープを冷静に外していた姿に、プロスケーター歴の長さを感じました。
続いての曲は「 Good Day For Dreaming 」。出演スケーター達が登場します。カロリーナ・コストナーさんがワールドで優勝した時の懐かしい衣装を着ていて嬉しかった!

当時「こんなの着こなせるスケーター滅多におらんわ…」って物凄く印象に残っていた衣装でした。
上薗恋奈 「Soft Universe」
上薗恋奈選手は、新エキシビションプログラム?と思われる「Soft Universe」。村元哉中さん振付だそうです。
彼女はジュニア女子の宿命ともいえる身体成長の壁と闘っています。今季のジュニアグランプリシリーズ(JGPS)出場は逃してしまったがゆえ、このショー出演が実現したのはちょっと複雑な気分。
でもショーの場でしか経験できないこともあると思うので、この苦しい時期を踏ん張って乗り越えてほしいです。ちょっとした動きに華のある選手だと改めて思いました。
三浦佳生 今季用プロ3つを披露~2日目は「ラストサムライ」
三浦佳生選手は、私が見た初回公演は今季フリー「オペラ座の怪人」、夜公演はSP「Sunset on M. / Sturm I-Fear」を演じたようです。

しかし放送があった日曜日の公演では2公演とも、今季フリーの候補だった映画「ラストサムライ」メドレーを披露。
振付は「美女と野獣」も手掛けた岩本英嗣さん。この「ラストサムライ」、もともとはジュニア時代の2020-21シーズンに使用していたプログラムです。

ミラノ五輪シーズンのフリーにするなら私は正直言ってこっちのプログラムの方が好みかも…
「オペラ座の怪人」は「美女と野獣」と同様確実に盛り上がる定番曲ではありますが、「ラストサムライ」の方が真正面から突っ込んでいく三浦佳生選手の個性がより強く見える気がします。
こちらも披露したということは、これをエキシビション用に回したりするんでしょうか?それともまだどちらをフリーにするか決めかねている?

…でもこんな「闘う男」の4分もあるプロ、エキシにしちゃったら相当体力的にきつそう(苦笑)
<9/3追記>
結局フリーは「ラストサムライ」に変更するようですね!
ISUバイオグラフィーのフリープログラム表記が「ラストサムライ」に書き換わりましたし、プロ変更を伝える報道も複数出ています。今週末の木下グループ杯は「ラストサムライ」で挑むもようです。

足の古傷のせいで練習がまだ思うように積めていないようですが、少しずつ戻してきているのは見てとれました。
彼は今週末は木下グループ杯、来週末はロンバルディア杯と超連戦。
連戦重ねて調子を上げていきたいタイプのようだからこれが一番良いという選択なんでしょうけど、見守るおばちゃん勢としてはドキドキものです(苦笑)。
鈴木明子 「Wasted Love」
鈴木明子さんのプログラムは「Wasted Love 」。JJというオーストリアのオペラ歌手が報われぬ恋を歌ったもので、今年の「ユーロヴィジョン」で優勝している曲です。取り入れるのが早い!
※「ユーロヴィジョン」は、2008年決勝でエフゲニー・プルシェンコさんが奥さんのプロデュースする歌手のパフォーマンス時に超狭い樹脂リンク上で滑りまくったことで初めて知ったイベントですw
彼女のプログラムでこういうクール&スタイリッシュ系を見た記憶があまりなかったので、私はとても新鮮でしたね。

曲前紹介がなかったら、村元哉中さんかと思うところでした
「かなだい」が好きそうな曲だなーという第一印象だったんですよ
Dear Kidsコーナー
2日間とも昼公演は宮本愛選手、夜公演は佐久間陸選手の演技でした。
佐久間陸選手は今月の滋賀「サマーカップ2025」で見て気になっていた選手。

今年シャンペリー合宿に行っていて、ステファン・ランビエールさんが彼にについて語った記事まで出ていました。(有料ですがDeep Edge Plus内に記事が複数出ています)
彼も見たかったな~と思いましたが、フィナーレには二人揃って出てきてくれました。
ジェレミー・アボット「No Surprises」
去年やっとナマの滑りを見ることができて感激したジェレミー・アボット選手。
私は「エクソジェネシス」を滑る選手がいると、彼の演技が脳内自動再生されるーという話は、過去に何度か書いていたと思います(笑)。
去年披露した個人プログラムはポップなバージョンで「あれ、予想してた路線とちょっと違う…」と少々戸惑いました。

でも今年彼が披露したJeremy Frates/Gregory Alan Isakovによる 「No Surprises」は、曲調的には私が去年予想していた系統でした。
リンク先のMVを見ると、家族の想い出を歌ってる曲のように思えるかもしれません。しかしその歌詞は思いのほかメッセージ性の強いものでした。最初の挨拶でそれを匂わせていたので、歌詞を解さない観客にもメッセージはほんのり伝わっていたように思います。
本郷理華「すずめ」※「すずめの戸締り」より
本郷理華さんも、ジェレミー・アボットさんに引き続きメッセージ性の高いプログラム。
縁の深い仙台を舞台にしたアニメ映画「すずめの戸締まり」から 、RADWIMPS feat.十明さんの「すずめ」です。
今年3月の「notte stellata (ノッテステラータ)2025」で初披露したプログラムのようですが、私はこれが初見でしたので見入りました。
櫛田育良/島田高志郎組「Faith」
ここで、「いくこう」こと櫛田育良/島田高志郎組のアイスダンス演技初披露です。曲はスティービー・ワンダーとアリアナ・グランデが共演した「Faith」。
演技開始前、櫛田育良選手が単独でアリーナ席に現れたもんだから、「え、高志郎くんはどこに?」ってなりました。
エキシビションプログラムなので二人が離れて滑る時間も多め。「滑走屋」で組んでいるのを観た時から相性良さそうな二人だなと思っていましたが、練習を重ねて行けば今後まだまだスピードは出せそう。
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櫛田育良さんが着ているのは村元哉中さんがクリス・リードさんと組んでいた時代の衣装!
このプログラム以外でも、グループナンバーやフィナーレでも複数のリフト技を披露していました。組んで1年未満のカップルにしてはローテ―ショナルリフトなどなかなかの完成度。

櫛田育良選手が男性の腿に立ってポーズをするところなどとても美しくて…
「まだ17歳なのに謎のベテラン感漂うポージングすげー!」って素直に感心しました
もちろんまだ組み始めたばかりなので、競技用の技はこれから学んでいくことでしょう。今回は二人のポテンシャルの高さを見せてもらえたという感じ。
それにしても二人が組んだ時に生みだされる「華」は強力だなと思いました。数年かけて徐々に上達していく過程を見守れそうなのがとても嬉しいです。
村元哉中「Ramalama(Bang Bang)」
続いては村元哉中さんのソロプログラム。曲はアイルランドのハウス/テクノ系ミュージシャン、ロイシン・マーフィーの「Ramalama(Bang Bang)」。私は今回初めて聴きました。振付はジェレミー・アボットさん。
人形に生命が宿り、そしてまた人形に戻るという流れ。しかし曲も衣装も振り付けも攻めまくってるので、幻想的というよりもホラー風味が強くて、悪夢に出てきそう(苦笑)。
この写真には映ってないんですが、衣装の背中に顔が描かれているのがスタンド席からでもよく見えました。「どこからこのテキスタイル探して来たんだ?」って思っちゃいました。

YouTubeでこの曲を検索してみるとゾンビ風ダンス動画などが出てきて「なるほど、そういう系統の曲なのね」って思います。
上記リンクのYouTube動画コメント欄に歌詞が書いてありますが、確かに納得の不思議歌詞。歌っているロイシン・マーフィー自体もエキセントリック系な人のよう。(なんかすごい写真が一杯出てきたw)
こういう系統のプログラムやりこなすスケーターってそうそういないと思うので、「何か凄いもの見ちゃった」って気分でした。これ複数回観たら絶対癖になりそう。

人形に戻って退場するとこ好きです(笑)。
グループナンバー1 Championsメドレー(振付:ケイトリン・ウィーバー)
ここからは、本田武史さん、鈴木明子さん、ジェレミー・アボットさん、ジェイソン・ブラウンさん、ウィーバー・ポジェ組によるグループナンバー。
「チャンピオン」をテーマにした曲のメドレーだと、千秋楽フィナーレで紹介されていました。選曲と演出は荒川静香さん、振付はケイトリン・ウィーバーさん。
全員帽子&サングラス姿で、最初は「あいつは誰か当てろ!」クイズ状態
全員サングラス&帽子での登場だったので、「さぁ誰が誰かを当ててみろ!」という挑戦状を渡されたのかと思いました(笑)。
幸い皆さん滑りに個性がある人たちばかりだったのですぐに判別がつきましたが。
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今年は予習ゼロに近い状態だったため、このメドレーがケイトリン・ウィーバーさん振付だとは知らぬまま見ていました。
なので金髪女性がケイトリンさんなのかシェイ=リーンさんなのか一瞬迷ったけど、「ポジェさんいるならケイトリンさんか」と推測。
多数の曲の中に混じる日本語ラップ曲の謎
使用曲数がすごく多いメドレーだったので、曲名調べるのちょっと手間取りました(笑)
冒頭の登場シーンの曲は曲名判別アプリでは探し当てられず。その後はダフトパンクの「Around the World/Harder, Better, Faster, Stronger」ミーガン・ザ・スタリオンの「Mamushi (feat. 千葉雄喜)」、Born Dirtyの「Get Up Get Out (feat. Jstlbby)」、DJキャレドの「All Do is Win」、TERIYAKI BOYZの「Tokyo Drift」、ドリー・パートンによるQueenのカバー「We are the Champions/We will Rock You」と続きます。
だいぶ細かく繋いでいたので、冒頭以外にもチェックし漏れてる曲があるかもしれません。
基本「自分が勝つぜ!」という系統の曲で構成されています。
その中に1曲だけ「お金を稼ぐ、私はスター!」という日本語歌詞がある曲が妙に気になったんですが…これ、私が知らなかっただけで結構なヒット曲でした(苦笑)。

私のようなおばちゃんは、日本人ラッパー千葉雄喜が米国の著名ラッパーとコラボしてビッグヒットを飛ばしていたとは全く知らなかったもので…
(かろうじて「チーム友達」は知っていますw)
TikTokをきっかけに注目を集め、米国大統領選の前哨戦でミーガン・ザ・スタリオンがパフォーマンスしたことで世界的ヒット(ビルボードHot100の36位)となったそうです。
このMVが仁侠映画風に制作されてて興味深かったので埋めておきます。2024年のMTVビデオミュージックアワードで「最優秀トレンディング・ビデオ賞」を受賞してるそうです。(出ている俳優は海外に拠点を移し活躍中の笠松将)
「MTVビデオミュージックアワード」1984年の第1回を日本のテレビで見た記憶がある私。80年代の間は毎年チェックしてたなぁ~遠い昔です。
高橋大輔「Soundless Dream」
第一部の締めの演技は高橋大輔さんソロ。曲はSophismによる「Soundless Dream」です。セルフコレオだそうですが、村元哉中さんも少し助言しているとか。
「30代最後のソロプログラム」と紹介されていたので、来年の「滑走屋」は彼の誕生日の後の開催ですかね?
(近日新しい情報が公開されると「滑走屋」HPに告知がありました)
冒頭はトリプルルッツなのですが、助走に入っていくところの動きがとんでもなく高橋大輔。シングル競技プロ時代の郷愁にいきなり襲われます。千秋楽のトリプルルッツはすごくふわりと決まって美しかったです。
あと「彼のレイバックスピンはやっぱりいい」って思いました。あっという間に終わってしまいました。これにて第1部の終了です。

抽選コーナー
私、去年の鑑賞記にも書きましたが、「Friends on Ice」のゆるい感じの抽選コーナーかなり好きでして。

今回現地鑑賞は1公演のみでしたが、CS生放送が2公演あったおかげで合計3回抽選コーナーを味わえて楽しかったです。
荒川静香さん&高橋大輔さんは全回参加ですが、午前公演は「いくこう」、午後公演は三浦佳生選手と上薗恋奈選手が出ていたようです。
私は相変わらず抽選には一度もかすりもせずでした。でも私が現地にいた回は、私のいたブロックの当選がなぜか多くて沢山ドキドキ出来て楽しかったです(笑)。
本気で当たりたいわけではないんですが、自分のいるブロックや列がコールされるとちょっとワクワクしますよね?

そういえば日曜のお昼公演で立見席の人が当たっていて、「ずいぶん珍しい瞬間を見たな」と思いました
続く【後編】では、第2部の演技と華やかなフィナーレの様子をまとめます。
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