2025ハルビン冬季アジア大会 女子&男子フリー 挑戦の過程で起きた「番狂わせ」

中国ハルビンの著名な氷の建物を背景にHARBIN2025の文字が載っている

2025ハルビン冬季アジア大会、当初はつまみ食い程度の視聴にするつもりだったのですが結局ガッツリ堪能しました。

2017年の札幌冬季アジア大会動画を見返したことでスイッチが入った感じでした。

じっくり見られない方も多いでしょうから、「配信動画チェック時の手助けに少しは役に立てばいいな」と思って記録を残してきました。(最大の目的は私が将来読み返すためですがw)

なので競技最終日(2/13)の女子フリー&男子フリーも早めに振り返ろうと思っていたのですが…昨日(2/15)がとにかく濃い1日で、叶わず

昼にミュンヘン五輪テロのテレビ報道を描いた社会派映画「セプテンバー5」で「アスリートがテロに巻き込まれる恐怖&報道の難しさ」を考え、夕方には米津玄師さんのJUNKライブツアーで「歌唱力&ステージ演出」に圧倒され、帰宅後は宇野昌磨さん×keptさん×ザクレイさんのスマブラ動画を双方のyoutubeチャンネルで楽しむーという流れ。

帰宅後は、ミュンヘン五輪テロと米津玄師さんと宇野昌磨さんとスマブラとフィギュアスケートが脳内でごった煮になったカオス状態。テロ事件の背景情報&米津玄師さんライブ情報&スマブラ動画の反響を同時に検索しまくってたおかげで、私の情緒は大混乱(苦笑)。

その合間にタリンクホテルズカップやチャレンジカップやロシアの国内グランプリの結果をチェックしたりでしたからね。「氷艶2025」情報解禁もある明日は更に情緒混乱しそうです(苦笑)

なお、渡辺倫果選手はSPで3A決めてスピンステップオールレベル4で75.86はめでたかったけど、ヴィルタネン先生ことヴァルター・ヴィルタネン選手(フィンランド)はワールドミニマムスコアに0.83点足りなかった模様(涙)

冬季アジア大会フィギュアスケート競技、坂本花織選手と鍵山優真選手が金メダルか?との前評判でしたが、どちらもある意味「番狂わせ」な展開となりました。

目次

配信動画情報&実況解説者について

当日の配信動画は下記から見られます。
動画尺は8時間超。冒頭は女子第1グループのリンクインから始まります。

今回の配信は何故か毎回話の途中から配信が始まります。おかげで最後まで実況&解説者の名前がわかりませんでした。

声からいってベリンダ・ヌーナン(Belinda Noonan)さんと推測。手厳しい解説も多い印象の方ですが、今回は選手の実力に関わらず終始温かみのあるコメントで好感度高かったです。優勝候補二人が崩れた時の解説にも温かみがあって、救われる思いがしました。
去年のユース五輪の不愉快なISU実況解説と大違い!)

2025冬季アジア大会フィギュアスケート競技全カテゴリのリザルト&採点表は、下記のPDFにまとめられています。

2025冬季アジア大会フィギュアスケート競技リザルトブック(競技結果全資料まとめ)

女子フリー

前半グループ

第2グループ1番滑走のウズベキスタンの選手(1:03:48~あたり)は、SPではミスを連発し涙のキス&クライ、コーチも沈痛な表情で気の毒でした。今回は笑顔で終われてよかったです。

その直後のインドネシア選手のキス&クライ(1:18:09~)も楽しかったです。

米国ロサンジェルスで暮らしているらしく、大学の指導教授に対して「課題はこの週末にやりますw」って明るく話してたのが、解説陣に受けてました。締切伸ばしてもらってたんでしょうね(笑)。点が出た時に、微妙に濱田岳さんに似ているコーチと一緒に大喜びするところもとてもかわいらしい。

その直後に今度は、名古屋拠点であるガンスフ・マラルエレデン選手ことマラルさん(モンゴル)登場(1:19:00~)

「マラルさん」のことは下記の記事に書いています。

曲は「トスカ」。ジャンプとスピンで痛いミスがありましたが、大人の情感溢れるプログラムでした。

14年ぶりに出た冬季アジア大会。演技終了後の涙を見ると、これを引退演技にするつもりだったのかも?と思いました。思うような演技ができなかったことへの悔し涙だったかもしれませんが

演技終了後に感極まった表情を見せるガンスフ・マラルエレデン選手

後半グループ

中国女子対決(3:05:13~あたり)

SP5位のアン・シャンイー選手とSP6位の朱易ジュ・イー選手の結果はワールド代表を左右しそうなので注目していました。

フリーで順位が入れ替わり、ジュ・イー選手が総合5位、アン・シャンイー選手が総合6位となりました。

ちなみにアン・シャンイー選手のフリー後半使用曲は、宇野昌磨選手が2023-24シーズンのフリー後半に使っていた「メア・トルメンタ・プロぺラーテ」。しかしながら二人ともミスが多くて「これじゃあスッキリ代表には選びにくい」って感じでしたね。

アメリカ育ちのジュ・イー選手は北京五輪団体戦の時に中国国内で随分バッシングされました。

今回は観客の声援をちゃんともらっていたので、ちょっとホッとしました。

四大陸で二人ともいい演技をしたうえで、選考されるといいなと思います。

ソフィア・サモデルキナ選手(3:21:11~あたり)


ロシアから今季カザフスタンに国籍変更したソフィア・サモデルキナ選手は、今回もスピンステップのレベルがとり切れず総合点188.43で4位。このあたり改善してくれば来季は上位争いに食い込んできそうな気がします。

吉田陽菜選手(3:28:56~あたり)

ミス連発の流れの中で登場した吉田陽菜選手

冒頭のトリプルアクセルは転倒になってしまいましたが、そこから先をクリーンにまとめました!「後半回転不足取られるかも」と少々心配でしたが、ルッツのセカンドは「q」のみで済みました。総合205.20と、参考記録ながら今季初の200点超え

この大会、初日は「上位陣の点数渋め?」と思ったのですが、回転不足判定については他の国際大会に比べると緩い気がしました。回転不足をあまり厳しく取ると前半グループの子たちの点数が凄いことになっちゃうからでしょうか。

この時点で「普段回転不足に悩まされがちな選手たちに有利な展開になるかも?」と思い始めました。

キム・チェヨン選手(3:37:06~あたり)

キム・チェヨン選手はSPに引き続き「私、失敗しませんので」演技を貫きました。淡々とした印象の個性で情感が若干欠ける印象の彼女ですが、このフリーは情感がうっすら感じられるようにも思えます。

SPフリーともにノーミス。「今日のジャッジ傾向だと凄い点数出そう。坂本花織選手はPCSのリードがあっても複数ミスはできないな…」と思いました。総合点は219.44!

坂本花織選手(3:45:03~あたり)

坂本花織選手の「All That Jazz」、滑り出しは上々に見えたのですが、ダブルアクセルからトリプルサルコウへのコンボのテンポがちょっと今一つに見え、不安に。

「1転倒ぐらいで済めばPCS差でギリかわせるか?」と思いながら見ていたら…後半のトリプルフリップートリプルトゥループのファーストで転倒。単独のフリップがREPEATとなって減点を食らう、最悪なパターンに。

せめて最後の単独トリプルループでの転倒だったらな…と思いました。
その最後のループに2回転トゥループつけてリカバリしてきたあたりはさすがなんですけどね。

後半のジャンプはいずれも回転ギリギリな印象だったので、厳しいジャッジだったら回転不足もっと取られてたかもしれません。(後半のルッツだけ「q」でした)

坂本花織選手の今季のプロは「挑戦」の構成です。つなぎが濃くなってるしジャンプ構成も難度を上げています。その分例年よりミスが出やすくなり、点数をぐっと落とすことが増えました。しかし、構成を上げて行かないことには、技術点をより稼げる他選手に負けるリスクがある

彼女としては五輪を見据えて今年は挑戦のための辛抱のシーズンと捉えているようですし、ファンもその気持ちで長い目で応援するのがいいのだろうなと思いました。この挑戦構成を成し遂げられるかどうかで来季の構成が決まって来るでしょうね。

男子フリー

第1~2グループ

台湾のユーシャン・リー選手(5:23:23~あたり)は、2023年のジュニアグランプリシリーズ大阪大会で初めて見てから気になっている選手。特に昨季の世界ジュニアは台湾開催だったこともあり印象深かったです。

SPでは4回転トゥループ着氷したんですが、「q」がついてしまい。フリーでの加点つき成功を祈っていましたが残念ながら転倒。総合8位、次の試合は四大陸です。

その次は、初日の男子SPを見て気になっていたフィリピンのパオロ・ボロメオ選手(5:31:05~あたり)。彼はワールドのミニマムスコア挑戦がかかっていました。

しかし後半のジャンプ3本の着氷がいずれも乱れてしまい、過去の最高技術点を超えられず。ワールドのミニマムスコアには4.57点足りないまま

SPの時は終始笑顔だった彼もスコアを見て「あちゃーダメだったかー」と悔しそう。四大陸での挑戦に注目です。

最終グループ

北朝鮮のロ・ヨンミョン選手(6:23:56~)

最終グループは北朝鮮男子のロ・ヨンミョン選手が第一滑走。SPに引き続き北朝鮮風味?な楽曲の使用です。

昭和のカラオケビデオや火曜サスペンス劇場の犯人告白シーンで流れてきそうなレトロな曲調がある意味斬新過ぎて、せっかくの演技が頭に入って来ません…(苦笑)。

今時の曲調orクラシックで滑ってるところが見てみたいですが、先日の投稿にも書いた通り北朝鮮選手は使える音楽に余りにも縛りがあるので…

それでもSPフリーともに6位、総合6位でした。

佐藤駿選手(6:31:38~)

SPのルッツ着氷時に足に違和感を感じたという佐藤駿選手結局構成は下げず元のMAX構成のまま挑みました。

冒頭の4回転ルッツとフリップ成功時はもりあがったのですが、4回転トゥループとトリプルアクセルで1回ずつ転倒。

ジャンプ中心にまとめていく感じの演技になっていて、スピン&ステップ&細かな表現は彼のポテンシャルからすると物足りない仕上がり。それでも「SPの時のような大崩れはせずにそこそこまとめられて良かった」と思えること自体、ちょっと残念に思います。

もっともっと実力がある選手なだけに本当にもったいない。でも足の状態が悪いのなら多くを望むのも…です。

ワールドでは「これぞ佐藤駿!」という演技を見たいです

ミハイル・シャイドロフ選手(6:39:30~)

フリー用衣装を変更して臨んだミハイル・シャイドロフ選手

冒頭4回転ルッツ(「q」判定)は着氷が乱れ、トリプルアクセルからの4回転サルコウへの激レアジャンプシークエンスは残念ながら転倒。サルコウがアンダーローテーション認定となりました。冒頭のアクセルは凄い幅!

ジャンプの調子は怪我からの回復途上段階ーという印象で169.26。実はフリーでは鍵山優真選手を上回って2位

SPもフリーも大きなミスをしながら246.01出せるのは凄いなと思いましたね。高難度ジャンプコンビネーションの得点パワーよ…。

ダイウェイ・ダイ選手(6:47:12~)

ダイウェイ・ダイ選手は2023GPS中国大会から「気になる選手」でした。

今季は4回転トゥループを装備してきたうえ、演技出力がすごく安定して「大躍進」

佐藤駿選手もシャイドロフ選手も荒れ気味のフリーだったので、「ダイウェイ・ダイ選手が神演技したらひょっとして母国大会で表彰台の可能性あり?」との期待がちょっとありました。

しかし冒頭の4回転トゥループコンビの着氷が乱れたことと、後半のトリプルコンビネーションの着氷で膝をついてしまったのが痛かったです。まぁでも採点表じっくり見返すと、神演技でも表彰台は厳しかったかな?

四大陸選手権でいい演技をしたらPCSも上がっていくだろうと思います。今回の総合点は238.83、総合4位でした。

この日ボーヤン・ジン選手は観客席にいたのが映ってましたけど、彼は来季どうするんでしょうね…。来季は二人の代表争いを見たい気はするんですが。

もしボストンワールドで高難度構成に挑む男子選手たちが荒れまくったら、ダイウェイ・ダイ選手が10位以内に入って中国2枠なんて可能性もゼロではないかも?いやエストニアにも2枠欲しいしな…

チャ・ジュンファン選手(6:55:58~)

チャ・ジュンファン選手のフリー演技については下記の投稿で語りまくってるので、今日は書ききれなかったことだけ。

ここ数年のスピンって、レベル認定要件が細かく加わって皆同じようなスピンになり面白みが薄れている中、チャ・ジュンファン選手のスピンは凄く曲の情感に合っていて好きです。

今季からディフィカルトエッジがレベル認定要件になったせいで、ヒールスピンやる選手増えすぎてちょっとげんなりしてるんですけど(2025全米女子ヒルマー選手のシット姿勢での爪先スピンは除くw)、ジュンファン選手のヒールスピンは本家?のアレクサンドル・セレフコ選手並みに美しいと思います。

演技が終わった直後、「ゾーン」から戻って来る瞬間に一瞬気が遠くなったような表情が出るあたりも引き込まれますね。宇野昌磨選手の「ロコ」も演技の世界観から戻って来るのにちょっと時間がかかっていたのを思い出しました。

鍵山優真選手(7:04:15~)

鍵山優真選手の演技についても先日の投稿である程度触れているので、手短に。

4回転4種構成はやはりハードルが高いのですね。無謀なジャンプ構成は組まない印象のある鍵山優真選手ですから、練習では実現できている時もあるんだろうと思います。試合でできるかどうかはまた別なんでしょうね。

2021-2022シーズンの宇野昌磨選手はオフも含めてまる一年挑戦し続け、ワールドでようやく4回転4種5本構成をまとめることができました(最後までコンビネーションは全部入らなかったけど)。

鍵山選手はこれが4回転4種4本構成への最初の挑戦ミスが出るのは無理もないと思います。

4回転4種4本or5本構成をミラノ五輪に間に合わせたいのなら、もう挑戦をスタートしておきたい時期。彼に金メダルを狙ってほしいなら、ファンは辛抱して見守る時期がしばらく続きそうです。あっさりクリアしてくれたらそれに越したことはないですけどね。

上記のような「これは挑戦の過程だから必要なこと」と解釈した報道もあったのは良かったなと思います。

まだ録画を見られていないのですが、先日NHKが放送した密着番組では今季彼が抱えている葛藤について取材されていた様子。「日本のエースでイリヤ・マリニン選手の唯一の対抗馬」という現状に慣れて行くにはもう少し時間がかかるのかもしれません。

表彰式&閉会式

男女の表彰式は、上記動画の男子フリー終了後に男子⇒女子の順で入っています。

カップル競技の表彰式と異なり、メダリストたちによるリンク周回やってくれたようですが、どのみち引きでしか映されていないので現地の人たちだけのお楽しみになりました。

全カテゴリ表彰式で日の丸が上がりめでたい!

閉会式動画はこちら

フィギュアスケート選手たちもこぞって参加して楽しそうな姿を見せていたようですが私は未視聴です。

2025ハルビン冬季アジア大会も終了。思いのほか堪能できたので、ちょっと名残惜しいです。

動画は2017年の大会同様おそらく結構長く残してくれると思われますので、見逃した方も、見る時間が今はゆっくり取れない方もいつか時間ができた時に見返してみるのもいいかも?。

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