ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(ミラノ五輪)、フィギュアスケート競技男子シングルのショートプログラム(SP)が終了し、男子シングルはいよいよフリーへ。
上位は100点超の争いとなりましたが、フリーを前に、表彰台の可能性はどこまで残されているのでしょうか?
本記事では、放送・配信予定の確認、SPの結果を踏まえた男子フリーの展望を整理してみました。
各選手のSP演技についてもじっくり振り返りたいんですが、それはまた後日。
アイスダンスFD・男子フリーのスケジュール・放送と配信予定
まず最初は、アイスダンスのフリーダンス(FD)と男子フリーの予定の確認から始めます。
競技スケジュールとテレビの生放送予定
アイスダンスFDは木曜朝(水曜深夜)の午前3:30~6:51まで。
テレビはNHK総合とNHK Eテレのリレーで生放送の予定です。
ただし放送開始は午前3:40からなので、最初の方のグループは十数分ほどのディレイ放送になる可能性があります。(単にカットされる可能性もあり)
放送時間が延長されない限り、表彰式も放送されないと思われます。
男子フリーは土曜早朝(金曜深夜)の午前3:00~6:57まで。
テレビは日本テレビ系列、NHK BSで生放送の予定です。その後の表彰式まで放送ありと伝えられています。
配信の情報
TVerとNHK ONEで配信があります。
スケジュール詳細や放送、配信予定(配信リンクあり)についてはこちらの記事をご覧ください。

放送で見られなかった部分は配信で
私は基本テレビで視聴していますが、テレビで放送されない部分については配信で視聴しています。
アイスダンスRDは前半グループの放送がありませんでしたが、NHK ONEでの配信には町田樹さん解説が全グループに入っていたので、楽しく視聴できました。
そして、男子SPではなんと最終グループの入場&6分間練習前半がニュースで放送されず、視聴終了後に配信で見直さざるをえませんでした。
試合終了後に6分間練習を見るのはかなり興ざめですが、全く映像が見られないよりはマシです。

NHKには定刻にニュースを入れる決まりがあるとはいえ、まさか五輪の最終グループの入場&6分間練習が放送されないなんて…せめて演技のリプレイ中にしてほしかったです
(といっても直前の三浦佳生選手の演技リプレイ中に入れられても困るのですが…)
今後はNHK ONEをすぐに視聴できるようにしておいたほうがいいですね
NHK ONEは、2倍速まで小刻みに再生スピードが変更できる点、会場音声のみにできる点も便利だと感じています。
TVerは再生するたびに広告が入るのが億劫で、私はあまり視聴していません。アイスダンスのライブ配信は英語実況のようなので、海外実況を聞いてみたいかたには良いかも?
男子SPの結果
まずは、男子SPの結果をざっと振り返ります。
こちらがフリー後半2グループに入った、SP上位12名です。

1~3位は100点超のスコアを出したイリヤ・マリニン選手(米国)、鍵山優真選手、アダム・シャオ・イム・ファ選手(フランス)が占めました。
続く4位に地元イタリアのダニエル・グラッスル選手、昨年のワールド銀メダリストのミハイル・シャイドロフ選手(カザフスタン)、2023年ワールド銀メダリストのチャ・ジュンファン選手(韓国)がフリー最終グループに入りました。
ケヴィン・エイモズ選手(フランス)は92.62を出したものの最終グループには入れず。
佐藤駿選手は4回転トゥループからのコンビネーションジャンプに少し乱れが出てしまい、9位。
しかし、88.70は決して悪くはない点数です。この程度のジャンプミスでは演技構成点が大きくは下がらなくなってきましたね。
メダルの可能性はどこまで残されている?
気になるメダルの行方ですが、どのあたりの順位まで表彰台の可能性が残されているでしょうか?
大きな点差でも、逆転がありうる男子シングル
男子シングルでは、SPでの10~20点差では安全圏内とは言えません。
近年の男子シングルは1本で高得点を稼げる4回転ジャンプをフリーに多数入れるようになってきたため、SPでかなりの得点差がついていても逆転が可能になりました。

ただし、今大会のSP上位3名は全員高い実力を持っています。
彼らがほぼノーミスの演技をすれば表彰台を明け渡すことはないでしょう。
しかし、万一誰かに高難度ジャンプでの転倒や「抜け」などの大ミスが出たら、最終グループに入れなかったメンバーにもメダル圏内に食い込む可能性は残されています。
どこまでがメダル射程圏内?
SP12位のピョートル・グメンニク選手(AIN ※ロシア)は4回転ジャンプを5本も入れる構成ですし、後半のコンビネーションジャンプではトリプルループジャンプを入れる予定です。もしクリーンに決められれば、大量の技術点(TES)を積んでフリー200点を超えてくる可能性はあります。
SP9位発進となった佐藤駿選手も、団体戦フリーで実力の程を印象付けました。全ジャンプが加点のつく仕上がりでスピン・ステップのレベルを揃えられれば、今の4回転3本のジャンプ構成でも200点の大台に乗せられる可能性はあります。
4回転2本のみでも、チャ・ジュンファン選手やケヴィン・エイモズ選手のようにジャンプ以外の要素できわめて高い評価を受けている場合は、200点に迫る点を出せます。
フリーで高得点を出せる選手には、まだまだ可能性があります。
三浦佳生選手はどこまで挽回できるか?
今回、三浦佳生選手は4回転ジャンプにミスが重なり76.77点での22位発進となりました。

この結果を見て、2024年のモントリオールワールドのアダム・シャオ・イム・ファ選手を思い出した人は多いかもしれません。三浦佳生選手自身もインタビューで言及していました。
あの時のアダム・シャオ・イム・ファ選手は今回の三浦佳生選手同様にミスが重なってSPで77.49、フリー第1グループでの滑走となりました。
しかし、彼はフリーで206.90というハイスコアを出し、30点差をひっくり返して銅メダルを獲得したのです。
三浦佳生選手のパーソナルベスト(PB)スコアは189.63。当時のアダム選手のような高得点を叩き出すのは今季の調子からいって厳しそうです。
しかしながら、PBを出したときと今回の予定構成を比べると、4回転の予定本数こそ4本と同じですが後半のコンビネーションジャンプの難易度が上がっています。
スピン・ステップのレベルを揃えたクリーンな演技ができれば、200点近いスコアは狙えます。
メダル圏内となるとさすがに複数の上位勢のミス待ちになってしまいますが、自力で入賞圏内までにジャンプアップできる可能性はまだ残されているように思います。
男子フリー滑走順
男子フリーに進むことができるのは29名中、SP成績上位の24名まで。
滑走順は、SP成績の逆順です。
男子フリースタートリスト
※顔写真入り オリンピック公式サイト(日本)版
偶然で実現した「ロシア⇒ウクライナ連続滑走」
滑走順なんですが、第3グループは何とも言えない順になりました。
第1滑走がロシアのピョートル・グメンニク選手、第2滑走がウクライナのキリロ・マルサック選手になったのです。
二人とも、下記の記事でそれぞれ「注目選手」として経歴などを紹介しています

想定外と偶然が生んだ「同一グループ」
キリロ・マルサック選手は所作の美しさが気に入っている選手の一人。今回のSP「Fall On Me」は過去一番といっていい出来で、なんとPBを約10点も更新しました。
彼はミラノ五輪最終予選に出て、滑り込みで五輪出場枠を手に入れた選手です。
彼が五輪代表枠を獲得した試合についてはこちらに詳しく書いています

なので、キリロ・マルサック選手については、「SP落ち(下位5名はフリーに進めない)」にならないといいなと思っていました。
まさか彼が後半グループに入り、メダル候補の一角と言われていたロシアのピョートル・グメンニク選手と一緒のグループになるとは…全くの想定外でした。
ロシアの選手(立場は「AIN(中立アスリート)」)⇒ウクライナの選手の順での演技となると、観客の反応の温度差が際立つ可能性があります。競技とは別の緊張感が会場に生まれてしまうかもしれません。
後半グループ入りを逃したボーヤン・ジン(金博洋)選手(中国)なりアレクサンドル・セレフコ選手(エストニア)なりが、グメンニク選手の点を上回っていれば、この滑走順にはならなかったのに…と思わず考えてしまいました。
フリーまでは中2日
通常、フィギュアスケート競技はSP・フリーは連日または中1日で行われますが、今回は珍しく中2日空きます。
明日2/12(木)早朝はアイスダンスFD決戦。アイスダンスは数十点差が平気でひっくり返る男子シングルとは違って、ほんの数点差・ごくわずかなミスで勝敗が分かれる、ヒリヒリする闘いとなります。
マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組(米国)VSロランス・フルニエ・ボードリー/ギヨーム・シゼロン組(フランス)の頂上対決はどうなるでしょうか?

男子SPの主要演技を振り返る記事はアイスダンスの決着がついてからまとめる予定です
短い振り返りを書いてこの記事の後半に付け加えようと思ったんですが、全然短くまとめられなくて断念しました(苦笑)
