ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(ミラノ五輪)、個人戦ペア競技が終了しました。
まさかのリフトでのミスでSP5位スタートとなった「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組が、トップと6.90もの点差を逆転して金メダルを獲得しました。
まずは、今朝の感動の瞬間を振り返ります。
ペアフリー結果の資料
まずは、試合結果の確認から。
「りくりゅう」は、最終的には10点近い差をつけての優勝となりました。

詳細は下記から確認できます。
ペアフリー結果(五輪公式版)
※上記ページ下部に「スタートリスト」や「結果詳細」などのPDFリンクが掲載されています
フィギュアスケート全競技のスケジュール、滑走順、順位、採点表等へのリンクが網羅されたISU版ページは、下記のリンクからどうぞ。
ミラノ五輪2026フィギュアスケート競技リザルト(ISU版)
生放送で見守るべきか、それとも?
ここからは、昨夜からの流れを時系列で振り返っていきます。
ナマで視聴するかどうかの悩み
ミラノ五輪のフィギュアスケート競技の開始時刻は日本時間で午前2~3時台がほとんど。この時間帯から連続でライブ視聴するのは体力的にキツいので、これまで私は午前4~6時台に起きて録画を「追いかけ再生視聴」していました。
しかし、昨日はペアSPで「ゆなすみ」と「りくりゅう」に起きた思わぬ波乱から受けた衝撃があまりに大きくて早く寝付けそうもなく。気持ちの整理をするためにも、深夜まで「りくりゅう」の逆転の可能性を検討していました。

結局、ライブ視聴を選択
そのため、就寝は深夜0時過ぎ。5時過ぎにかけていた目覚ましで起きたものの、「いつものように第1グループから追いかけ再生視聴するか、それとも途中から生放送を見るか」と悩んでいる間に最終前グループの演技が始まってしまいました。
結局、「追いかけ再生したところで、私は『りくりゅう』が今どうなっているかが気になって集中できないだろう」との結論が出たので、生放送視聴を決意しました。
最終前グループ終盤の二人
ここからは、私がライブで観始めた、「スイハン」ことスイ・ウェンジン/ハン・ツォン組(中国)の演技から時系列で今朝の感動を振り返っていきます。
テレビをつけた瞬間、私が大好きな「コンマチ」ことサラ・コンティ/ニッコロ・マチー組(イタリア)の技術点が目に入ってしまい、どんな演技だったかが大体わかってしまったのだけはちょっと悲しかったですが、やむをえません。
2022北京五輪金メダリスト「スイハン」
スイ・ウェンジン選手の怪我の状況が心配だった「スイハン」。SPは乗り切れても、フリーはさすがに厳しいんじゃないかと心配していましたが、ジャンプの難度を抑えるという賢明な選択で最後まで乗り切りました。
復帰戦時のハン・ツォン選手の様子から考えると、ここまで戻して来るというのは元五輪王者の底力を感じさせます。復帰に関しては複雑な想いはずっとありましたが、おそらく現状では最善を尽くせた演技を見られてよかったです。本人たちも納得している様子で一安心。
「スイハン」が暫定1位となり、「リーダーズチェア(暫定席)」に座りました。二人は「りくりゅう」にとっての憧れの存在。その彼らの面前で、「りくりゅう」が滑ることになるという劇的な展開となりました。
「りくりゅう」圧巻のフリー
演技前の緊張感
木原龍一選手の表情は気合が感じられましたが、なにせ顔色がかなり悪く見えました。昨夜はほとんど眠れていないのではないでしょうか。
三浦璃来選手はいつもの通り、静かに決意を秘めた表情。
こちらも緊張で身が引き締まります。
そして、演技開始
そこからは、ただただ夢中で演技を見つめました。
スローツイストはいつも通り落ち着いて決め、次は団体戦フリーで少し詰まってわずかに減点された3連続ジャンプ。これを問題なくクリーンに決めて、まずは安堵。
次の1本目の最初のスロートリプルルッツも綺麗に入りました。

続く要素一つ一つのドキドキ感がとにかく半端なかったです…
昨日のSPの衝撃のおかげで、いつもはあまり緊張しないリフトにもハラハラ効果が生まれてしまいました(苦笑)
サイド・バイ・サイドジャンプは、回転不足をとられがちなのが心配でしたが、暫定技術点ではグリーン表示で加点もついています。そして、アクセルラッソーリフト、スロートリプルループも決まったじゃないですか!
あとは最後のリフトとコリオシーケンスを決めるだけ…!
もうこのあたりから目頭が熱くなってしまい、気持ちの盛り上がりがとんでもなかったです。

「りくりゅう」は北京五輪個人戦もSPでのミス⇒フリーでの好演技の流れ。フリーのフィニッシュでは、二人の感情が爆発しました
あの時の二人の姿にも心を震わせられましたが、今回はそこからさらに4年の歴史が積み重なっています
見ているだけの私にもすさまじい感情の波が押し寄せてきました
期待と不安で待った採点の瞬間
演技中は、終始「技を一つ一つ、落ち着いて確実に仕留めていこう」という決意がずっと伝わってきました。勢い自体は団体戦フリーの方があったように思いますが、技の精度は今回が明らかに上回っています。
デススパイラルに「レベル審議の対象になったことを示す黄色マーク」がつきましたが、「最低でもレベル3は取れていそうだし、たぶん大丈夫!」と自分に言い聞かせます。(最終的にはレベル4獲得)
これなら団体戦フリーの点数は超えて来るはず!

と思いつつも、採点発表までは本当に不安でした
発表された得点は、158.13。2018年の採点ルール改正以降、ペアフリーでは歴代最高得点です。
「五輪で2度のPB更新」の驚異
そこから年末の怪我(三浦璃来選手の肩の脱臼)もありつつも、フリーを仕上げてきた五輪。団体戦フリーでなんと155.55を出し、一気に7点以上も更新したのには驚愕しました。
PB更新はそう繰り返せるものではありませんし、そもそも7点以上もPB更新すること自体そうそうありません。さすがに彼らに「2連続でのノーミス演技」を期待するのは酷だろうと思いました。だから昨夜書いた記事でも、あくまでも「可能性」の話だけにとどめたつもりです。


でも、内心「ひょっとして、彼らならやってくれるんじゃないか」という期待はありました
まさかそれが現実になるなんて…!
あとは最終グループの演技を待つのみ
「りくりゅう」は「スイハン」と入れ替わりで「リーダーズチェア」に座って今後の展開を待つのみになりました。
私は、後続のスケーターの実力からいって、この時点で銀メダル以上を確信。

演技直後は、「もうメダルとかどうでもいい、この演技が見られただけで大満足!」って思っていました。
その後で「いや、やっぱりメダルはどうでもよくない」と思い直しましたが(笑)
最終グループの明暗
続く最終グループ。
大きな大会の最終グループには独特な緊張感が漂います。男子シングルでSP上位3名が崩れたことが思い出され、少し心配になりました。
「パブスビ」と「リアトレ」の明暗
しかし、第1滑走の「パブスビ」ことマリア・パブロワ/アレクセイ・スヴィアチェンコ組(ハンガリー)はこれまた完全クリーンな演技!
何とSPもフリーも、当然総合スコアも全てPBを更新しました。最終4位は驚くべき大躍進です。
続く「リアトレ」ことリア・ペレイラ/トレント・ミショー組(カナダ)は、団体戦からのフル出場でミラノ五輪4回目の演技。
しかし、思わぬミスが相次ぎます。SP3位で一気にメダル獲得への期待が集まったことは、彼らにはまだ重荷だったのかもしれません。フリーは10位。総合8位で入賞は果たせました。
「メテベル」はジョージア初メダルを確定
続く「メテベル」ことアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ組(ジョージア)。
「りくりゅう」にあれだけのスコアを出されれば、「金」は厳しいかもしれませんが、ジョージア初のメダルがかかっています。「頼むから頑張って!」と祈りながら観ました。
SPに引き続き、得意なスロージャンプの着氷が乱れましたが、アナスタシア・メテルキナ選手が驚異的な身体能力でお手付きすることなく持ち堪えたことには痺れました。PBに迫る146.29を出し、メダル確定です。
懸命に踏みとどまった「ハゼボロ」
そして、最終滑走は「ハゼボロ」ことミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ/ニキータ・ボロディン組。
彼らが「りくりゅう」の得点を知っていたとしたら相当なプレッシャーがかかっていたでしょう。ただ、彼らは151.24を出せれば1位です。自己ベストをほんの僅か上回る点数を出せば金メダルが手に入ります。
最初の3連続ジャンプの着氷が僅かに乱れた段階で、「ああ…」と思いました。さらにその後のサイド・バイ・サイドジャンプでミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ選手の回転がシングルに抜けてしまったのはとても残念でした。

彼女、とてもお茶目で可愛らしい選手なんですよね
ボストンワールドで素晴らしい演技を見せた後、豪快にリンクに大の字で寝そべった姿を見て以来気に入っている選手なので、とても悲しかったです…
当時の演技についてはこちら

彼らにも悔いの残らない演技をしてほしかったです。彼らがもし本当に最高の演技をしたのなら、彼らが金メダルで良いと思っていたぐらいですから。
得点は139.08でフリー4位となりましたが、銅メダルは獲得できてホッとしました。
「りくりゅう」金メダル確定
「りくりゅう」のふたりは、「ハゼボロ」の演技を見た時点で結果の予測はついていたと思います。
それでも採点待ちの間も落ち着きを保ち、金確定後も喜びを即爆発させなかった二人。
勝利の感動がじわじわと二人を満たしていく、あのゆっくりとした時の流れは尊かったです。
三浦璃来選手がようやく笑顔を見せるようになって、涙涙の木原龍一選手に向かって「この人ずっと泣いてばっかりw」みたいにツッコミを入れているところは最高でしたね!日本語のわからない海外実況担当者にも会話の内容を推測されていたのには、思わず笑ってしまいました。
そして、解説の高橋成美さんが何度も「この二人じゃなきゃダメだった」ということを自分に言い聞かせるかのように語っていたのが胸を打ちました。本当に素晴らしい解説でした。

「りくりゅう」のあの一世一代のフリーは、彼女の言葉を借りるなら、まさに“宇宙一”でした
「歴史に残る大逆転劇」の効果
日本国内の反応の大きさへの驚き
昨日SPで手痛いミスが出てしまったとき、私は「これで逆転金メダルを獲ったら日本中に『大逆転劇』として報道されまくるだろうな」という期待をうっすら持っていました。

普段フィギュアスケートを観ない友人知人すら、生放送を見て感動の涙を流したとのこと
五輪の影響力の凄さを実感しました
「りくりゅう」の逆転劇は、今後もスポーツ特集番組等で語り継がれるのではないかと思います。少なくともミラノ五輪の総集編では大きく取り上げられるはずです。
ペアに注目が集まる喜び
私は、「ペア」競技に対する日本メディアの扱いに対してずっと不満に思い続けてきました。
北京五輪のときも、二人がワールド金メダルを獲得したときも、「日本のメディアはもっとペア競技に注目してほしい」とずっと悔しくて。
おそらく五輪期間中は、「りくりゅう」に注目した特集などがいくつも出るでしょう。これを機にペアも厚く取り上げられるようになってほしいです。

願わくば、今後の「ペア」特集の中に「ゆなすみ」も混じっていれば最高だったんですけどね…
彼らの今回の苦い体験は、彼らの華やかな未来への「伏線」だと思っておきます
団体戦表彰式の表彰台騒動以来、フィギュアスケート競技個人戦ではスッキリしないことが続いてメンタルを削られてきましたが、これでかなり回復できました。
次は、本日深夜~明日早朝にかけての女子SPです!

