ミラノ五輪フィギュア 女子SP終了|70点台9人の激戦と明暗、フリー展望

青空にたなびく五輪旗と白いフィギュアスケート靴写真が左右に配置されている画像

ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(ミラノ五輪)2026のフィギュアスケート競技女子ショートプログラム(SP)が終了しました。

ジャッジのジャンプ認定基準が厳しかった印象だったわりに選手たちは好演技を見せ、70点台が9名出ました。日本の中井亜美選手、坂本花織選手、千葉百音選手は全員フリー最終グループ入り

日本勢の活躍は嬉しい限りなのですが、その一方でアンバー・グレン選手などメダルが期待されていた選手たち複数に「まさか」が発生。

前半の女子SPの振り返りはその衝撃が中心になっています。後半はフリーの展望です。

女子SPリザルト(五輪公式版)

ミラノ五輪2026フィギュアスケート競技リザルト(ISU版)

目次

女子SPの結果

こちらがSP上位18名です。
フリープログラムはSP順位の逆順に滑るので、彼女たちは第2~第4グループに入ります。

ISU公式リザルトより引用

元世界選手権銀メダリストであるルナ・ヘンドリクス選手(ベルギー)やイザボー・レヴィト選手(米国)が70点以上を出しても、最終グループに入れずじまい。何ともハイレベルな争いでした。

最終グループには、日本女子3名と現役世界女王のアリサ・リウ選手(米国)の他に、ロシアから「AIN(中立アスリート)」として参加しているアデリア・ペトロシアン選手と、元欧州女王のアナスタシヤ・グバノワ選手(ジョージア)が入りました。

思わぬミスが出た選手たち

後半グループの選手たちは好演技が多かっただけに、思わぬミスが出てしまった選手たちとの明暗は際立ちました。

メダルや入賞が期待されていた選手たちの「まさか」の事態には心が痛みます

トップクラス選手3名に起きた「まさか」

マデリーン・スキーザス選手

マデリーン・スキーザス選手(カナダ)は、冒頭のコンビネーションジャンプで乱れがあり、その後に後半のトリプルジャンプがダブルに抜けるという痛恨のミス。(SP規定違反で0点)

※以下のgooldsk8のInstagram投稿では、選手の演技後のインタビューが読めます


昨季ワールドでは最終グループ入りした選手だというのに、フリー進出を逃してしまいました。

通過ライン点数までわずか0.25差。まさか団体戦でのフリー演技が五輪での演技見納めになってしまうとは…。

ララ・ナキ・グットマン選手(イタリア)

先月の欧州選手権で銅メダルを獲り、母国開催五輪での活躍を期待されていたララ・ナキ・グットマン選手。彼女も後半のトリプルルッツがダブルに抜ける、これまた痛恨のミス。

前半が良かったのでフリー進出ラインは超えましたが、第2グループの滑走になってしまいました。

後半グループで滑って、世界中のもっとたくさんの人にフリーの「ジョーズ」プログラムを見てほしかったな…

アンバー・グレン選手(米国)

一番ショックだったのは、メダルの期待もされていたアンバー・グレン選手のミスでした。

団体戦の振り返り記事でも書きましたが、私にとって彼女は「報われて欲しい選手」の筆頭格

しかし、五輪前の米国記者会見でLGBTQ支持発言をしたことなどをきっかけに、大量の脅迫やバッシングが押し寄せたらしく。

彼女自身がInstagramでその旨報告、米国内でも複数メディアがこの件を報じています

また、フリーの使用曲の著作権者がSNS上で物議をかもす発言をしたりで、騒動続き。そんな中で挑んだ先日の団体戦決勝ではジャンプでミスが出てしまい、かなり落ち込んだ様子を見せていました。

なので私は、「こんなストレスフルな状況にいる今の彼女が実力を発揮するのは厳しいかも…」と覚悟していました

しかしSP本番では、冒頭のトリプルアクセルが見事に決まりました。前半の流れはよく、このままいけば彼女も70点台後半が見えるかと一瞬期待したほど。

それだけに、後半のトリプルループがダブルに抜けた瞬間には思わず悲鳴が…。ミスが出ることは覚悟していましたが、彼女が後半グループに残れなかったのはあまりにも想定外でした。

団体戦フリー出場者5人の明暗

実は、今大会で団体戦フリーを滑った5人のうちの3人が、上記の「まさか」の事態になった選手たち。マデリーン・スキーザス選手とララ・ナキ・グットマン選手は団体戦SPとフリー両方を滑っています。

でも、同じく団体戦でSPとフリー両方を滑ったアナスタシヤ・グバノワ選手(ジョージア)と坂本花織選手はどちらも見事な演技を見せています

短期間で2度ピークを持ってこないといけない、厳しい条件は同じなのになぜここまで明暗がはっきりと分かれてしまったのでしょう…

好演技をした選手たちがこんなに多かったというのに、「まさか」がこれだけ多いと喜びよりもショックの方が大きかったです。

メダルの可能性はどこまで残されている?

ここからは、金曜早朝に行われるフリーの展望です。

普段あまりフィギュアスケートをご覧になっていない方もおられることを想定して書き進めます。よくご存じの方には「当たり前」の説明が多いですがご容赦ください。

大逆転は起きにくい女子シングル

基礎点が高い4回転ジャンプを多数跳ぶ男子シングルとは違い、女子シングルでは10点以上の差を逆転するような事態はそうそう起きません。

男子やペアに比べると大技の本数は少なく、そもそもトップレベルの女子選手の転倒率は低いです。

その結果、女子シングルではスピンやステップのレベル取りこぼし、ジャンプの回転不足判定など、細かな減点の有無が大きく影響しがちです。

選手たちが演技の「完璧」度合いを競い合う、ヒリヒリした勝負が女子シングルの見どころの一つと言えます

SP上位はかなりの団子状態

ただ、今回は上位勢の得点が比較的詰まっています。

上位選手の演技次第では、最終前グループからメダルを獲得する選手が出る可能性もゼロではありません。

ただし、金メダル争いとなるとSP上位5名までに絞られるかなとは個人的には思っています。

5位のペトロシアン選手が逆転する可能性は?

1位と5位の点差は5.82。ミスが少ないトップクラス女子選手同士の争いでは、この差の自力逆転はなかなか厳しいです。

ただ、5位のアデリア・ペトロシアン選手(AIN=中立アスリートとしてロシアから出場)は4回転ジャンプを構成に入れることが可能。

となると一発逆転の可能性はありえます。

4回転トゥループは練習で何度も着氷

彼女の現状のフリー予定構成にはトリプルアクセルも4回転ジャンプも入っていません。

しかし、公式練習では4回転トゥループを何度も跳んでいます。回転がやや足りていないようですが、軽微な回転不足「q」判定のみですめば、加点付きトリプルアクセル並の点が入ります。

でも、トリプルアクセルを入れられた方がダブルアクセルをコンビネーションジャンプに効率的に使えて基礎点を上げやすいんですけどね…。

公式練習報告によるとペトロシアン選手はトリプルアクセルを一度も跳んでいないようです。

4回転トゥループ1本のみを追加しただけなら、SP上位勢にミスが出ない限り金メダルは厳しそうにも思います。

「男子とペアがどちらもSP5位の選手が逆転優勝している」っていう事実が一番心配かも…

全く論理的じゃないけど、ちょっぴり不安は感じます(苦笑)

高難度ジャンプ転倒ミスのダメージ

女子シングルにおいては、高難度ジャンプでミスが出たときの得点ダメージは思いのほか少ないことが多いです。

トリプルアクセル以上の高難度ジャンプは基礎点が圧倒的に高いです。転倒までしてしまうと演技構成点(PCS)には多少響きますが、高難度ジャンプのミスが1回なら致命傷にはならないことも。

高難度ジャンプは回転不足なしに入れられれば、着氷乱れや転倒があっても武器になります。

なので、中井亜美選手やアンバー・グレン選手、坂本花織選手などが高難度ジャンプでミスが出てしまっても「そこで終わり」にはなりません。他をまとめきれば結構な高得点が出ることもあります。

高難度ジャンプで大きなミスが出たとしても、「あぁ終わった…」とはすぐに結論を出さずに見守ってほしいなと思います

「厳しい」と感じたジャッジの判定基準

SPの採点で気になったのは、ジャッジの回転不足やエッジエラーの判定がかなり厳しめに見えたことです。

上位12名中ジャンプに回転不足などの「物言い」がつかなかったのは、4名だけ。そういう意味では「公平」に厳しかったと言えるかもしれません。

あのジャンプも「q」判定?

でも、素人目にも「q」を取られるかな?と思ったジャンプが「q」判定になる一方、全く回転不足を疑わなかったジャンプが「q」だったり。素人目からはちょっと「q」を連発し過ぎじゃないかとは思いました。

坂本花織選手とアリサ・リウ選手の後半のコンビネーションジャンプはどちらも軽微な回転不足「q」を取られて点が伸びませんでした。

ISU公式の採点表より引用

個人的には、これはどちらも「厳しい」と感じました

厳しい回転判定がフリーに及ぼす影響は?

フリーの勝敗は僅差で分かれそうです。回転不足等の判定の有無がメダルを左右することもありえます。

この厳しさが、フリーに臨む選手たちのメンタルにどう影響するのかも気になります。この採点傾向だと構成を変更して来る選手もいるかもしれませんね。

観客サイドも、「エッジコールや回転不足判定がつきやすい=見た目の印象ほど点が伸びない」ことがあることを心して観た方がよさそうだなと思いました。

女子フリーの滑走順と放送&配信予定

女子フリーの滑走順と予定構成はこちらで確認できます。

女子フリースタートリスト

千葉百音選手と坂本花織選手は点差も少ないし、プレッシャーが比較的少ない滑走順と言えそうです。順ですよね。中井亜美選手はSPでの好演技で五輪初出場でフリー最終滑走になってしまいましたが、まだ若い彼女は本来ならプレッシャーも感じずに臨める立場。こんなスゴイ機会はそうそうあるものではないので、大役を楽しんでほしいです。

放送&配信予定は次の通りです。

日程種目放送&配信予定
2/20
(金)
【個人戦】
女子フリー
03:00~06:57
表彰式
07:03~
【生放送】
▼NHK 総合
02:55~06:00
▼NHK Eテレ
06:00~6:55
(表彰式延長の可能性あり)

【録画放送】
▼NHK BSP4K
08:00~11:45
【ライブ配信】
NHK ONE(02:55~)

連日のテレビ観戦で寝不足気味ですが、1日間が空くのはありがたいですね。実は2月19日は娘の高校の卒業式。競技日程と重ならずに済み、ほっとしています。

全選手、いい演技が見られることを期待しています。
特にこれが最後の五輪になる選手たちは思い残すことのない演技を見せてほしいです!

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村
青空にたなびく五輪旗と白いフィギュアスケート靴写真が左右に配置されている画像

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次