ジュニアグランプリシリーズ(JGPS)が終了し、ジュニアグランプリファイナル(JGPF)のメンバーが決まりました。そして、いよいよ今週末からはシニアのグランプリシリーズ大会が開幕します。
今回は、JGPF出場が決まった全カテゴリ選手情報&名古屋で開催されるファイナルの見どころを整理しました。
10/12に報じられた、島田麻央選手が左足首骨挫傷を抱えながら先日の試合に出場していたという話題にも触れています。
宇野昌磨さんの来週の「スト6(ストリートファイター6)」大会情報については先日の投稿に追記済みですので、そちらをご参照ください。

JGPF2025メンバーはどうなった?
ジュニアの試合は程ほどにしか追わない私ですが、今季は別です。
今年のグランプリファイナルは名古屋開催。ジュニアグランプリファイナルも同時開催されますし、私もチケット確保済み。ジュニアカテゴリからはどの選手が名古屋に来てくれるのか、例年以上に関心を持ってJGPS試合を注視していました。
ファイナル出場者の選定方法
ファイナル出場メンバーは「ポイント数」上位6名が選ばれます。
(1位15P、2位13P、3位11P、4位9P、5位7P…と決められています)
ポイント数が同じ選手が複数いる場合は、下記の基準を順に当てはめて順位付けをします。
- 2大会の最高順位がより上位
- 2大会の総合得点合計が高い方
※選出ルールの詳細は、こちらのISU資料を参照
女子シングル
出場者は日本の4名&韓国人双子姉妹
下記が女子シングルJGPF2025出場が決定した6名と、3名いる補欠の最上位者です。(敬称略)
- 島田麻央(日本) 1位-1位
- キム・ユジェ(韓国) 2位-1位
- 岡万佑子(日本) 1位-2位
- 岡田芽依(日本) 1位-2位
- 金沢純禾(日本) 1位-4位
- キム・ユソン(韓国) 5位-1位
<次点>ハナ・バス(オーストラリア) 4位-2位
日本人選手4名+韓国人選手2名となりました。全日本ジュニア最終グループに韓国女子2名が招待されているかのような感覚になりますね。
しかも韓国選手ふたりは、一卵性双生児姉妹のキムさん家のユジェとユソンさん。どちらもトリプルアクセルを跳ぶ選手です。
「ルッツでエッジエラーを取られがちな方」と、「フリップでエラー取られがちな方」で双子の見分けがつくらしいとの噂は知っているのですが、私はどっちがどのタイプだったかを記憶していません。
(今調べたらルッツ苦手がユソン選手、フリップ苦手がユジェ選手でした。でも記憶できる自信がない…)

見かけがそこそこ違うエストニアのセレフコ兄弟を見分けるのにも数年を要したのに、一卵性双生児の判別はハードル高すぎます(苦笑)
セレフコ兄弟を見分けられるようになったのは、二人揃って出場した2023の大阪NHK杯からなので、名古屋JGPFをきっかけに見分けがつくようになったらラッキーかも?
「あと一歩」で出場を逃した選手たち
私は大阪でトレーニングしている、ハナ・バス選手(トリプルアクセル持ち)をファイナルで見たかったので、彼女が出場権を得られなかったのはちょっと残念でしたね。
下記はサマーカップ2025のときの記事です

初戦でジャンプ回数規定違反にひっかかって大幅失点してしまい、表彰台に乗れなかったのが響きました。
ハナ・バス選手は最終戦で優勝すればファイナルに行けたんですが、同大会に出場している島田麻央選手の連続優勝記録がストップしてしまうのはイヤだし、何をどう応援したらいいのか困りました。
島田麻央選手は足の不調のため(詳細は後述)フリーでは4回転を外してきましたが、それでも200点前後でまとめてくるのはさすがとしか言いようがありません。最初のトリプルフリップが乱れた時はついに連続無敗記録が途切れちゃう?ってヒヤヒヤしたのに。

4回転サルコウとトリプルアクセル2本入りの構成を組めるソフィー・ヨリーン・フォン・フェルテン選手(アメリカ)は補欠3番目になりました。
2戦の総合得点は377.59点と、補欠第1番手のハナ・バス選手の371.14点どころか、5番手(374.17点)&6番手(357.38点)の二人の総合得点をも上回っています。どちらの大会も優勝スコア級だっただけに、運に恵まれなかった感がありますね。
表彰台の行方
JGPFでの注目ポイントは、島田麻央選手の4連覇なるかどうか。
今季の彼女は足の怪我を抱えていますし(詳細は後述)、総合得点もキム・ユジェ選手と差が5点未満なのでスリリングな闘いになるかもしれません。トリプルアクセルがたくさん見られる試合になりそうなのは楽しみですが、昨夜の共同通信Deep Edge Plusから、気になる情報が出ました。
島田麻央選手の骨挫傷情報
下記の記事によると、島田麻央選手は大会の少し前に「左足首の捻挫」をしていて、「骨挫傷」も伴っていたとのこと。
有料記事の為詳細の記述は避けますが、治療には時間がかかるため練習量を調整しながら臨もうという姿勢が伝わる内容でした。

でもその一方で「3、4カ月ぐらい痛みと闘う感じで思い切り練習ができていない」と話しているのがちょっと気になるんですよね。(こちらは以前伝えられた足の裏の痛みかと推測されます)
彼女はこれからジュニア時代の連覇記録がかかった試合が目白押しですが、「ジュニア時代の記録更新」よりも「シニアで活躍できる体を保つこと」を最優先してほしいです。
もちろん関係者も本人もそこは十分理解しているでしょう。でも、残念なことになった過去事例が複数あるだけにファンは心配してしまいがち。こうして現状をオープンにしてくれたので、関係者が適切な助言をしてくれることを願います。

男子シングル
男子のJGPF選出メンバーは下記の通り。
- 中田璃士(日本) 1位-1位
- ソ・ミンギュ(韓国) 1位-1位
- チェ・ハビン(韓国) 2位-1位
- 西野太翔(日本) 1位-2位
- ルシウス・カザネツキ(アメリカ) 3位-1位
- デニス・クルグロフ(ベルギー) 2位-2位
<次点>高橋星名(日本) 2位-3位
「日本男子4名出場」はならず、2名が名古屋ファイナルへ
JGPS最終戦の結果次第では、男子も日本人選手の出場が4名になる可能性がありました。
しかし植村駿選手も高橋星名選手もフリーでミスが続いてしまい、ファイナル出場を逃しました。

高橋星名選手は、2年連続でのJGPF進出を予想する人が多かっただけに意外な結果になりました。
今季好調だっただけに冒頭の4回転サルコウが入らなかったことに動揺が大きかったのでしょうか?
彼も総合得点は5・6番目にファイナル選出された選手よりも高いスコアです。まさか彼の演技を名古屋の会場で見られないとは…。
この悔しさは、全日本ジュニア、年末の全日本、そして来春の世界ジュニアで晴らしてほしいです。
代わりにファイナル出場権を得た2名
ルシウス・カザネツキ選手(アメリカ)は4回転トゥループを2本入れて来るけれど、ジュニアらしい滑りだったので整った容姿以外、強い印象が残っていません。でも所作は4回転をバンバン入れて来る他選手より丁寧だったような?
デニス・クルグロフ選手(ベルギー)も演技の記憶は薄め。今季のジュニア男子は4回転を安定して入れられる選手が多めだったので、4回転のない彼がファイナルに残るとは思っていませんでした。名古屋JGPF前に演技動画を見返そうと思います。

ベルギーの男子シングル選手がファイナルに進出するのはケヴィン・ヴァン・デル・ペレン選手以来らしいです!
懐かしいですね~2010トリノワールドフリーの4-3-3は痺れましたね!
表彰台の行方は
中田璃士(りお)選手はJGPF2度目の優勝を賭けての挑戦です。彼は2023北京JGPFで優勝しましたが、連覇を期待された昨年のグルノーブルJGPFはフリーでミスが相次ぎ涙の銅メダルでした。(その悔しさが年末の全日本2位に繋がったわけですが)

今季JGPS2戦の総合得点では中田璃士選手が頭一つ抜けている感はありますが、男子は当日の高難度ジャンプの出来次第。
中田璃士選手の対抗馬は、2024世界ジュニア金&2025世界ジュニア銀のソ・ミンギュ選手(韓国)。今季1戦目では4回転サルコウに挑戦しましたが成功せず、2戦目フリーでは4回転なしでパーソナルベストスコアをマークしました。
JGPFで4回転投入するかどうかはわかりませんが、4回転なしの完成度勝負で来られた方がより手ごわいかも?という気もします。
JGPF初出場の西野太翔(たいが)選手の活躍にも期待。表彰台に登れるチャンスは十分あります。
ペア
ペアとアイスダンスは、あまりJGPS試合を追っていなかったので、名古屋の会場で初めて演技を見る選手が多くなりそうです。
こちらが、ペアのJGPF進出組一覧。ちなみにペアは中国×カナダの3組ずつの対決になりました。
- Ava KEMP / Yohnatan ELIZAROV組(カナダ)
- Xuanqi ZHANG / Wenqiang FENG組(中国)
- Rui GUO / Yiwen ZHANG組(中国)
- Jazmine DESROCHERS / Kieran THRASHER組(カナダ)
- Julia QUATTROCCHI / Etienne LACASSE組(カナダ)
- Yuxuan CHEN / Yinbo DONG組(中国)
ちなみに補欠3組は全部アメリカ勢です。できれば参加国三つ巴の闘いが見たかったかな?

一時の勢いを失っていた中国ペア界が盛り返してきているのを感じますね
アイスダンス
アイスダンスは全カテゴリのなかではもっとも多国籍編成です。
アメリカとフランスが2組ずついますが、他は異なる国のカップルです。
- Hana Maria ABOIAN / Daniil VESELUKHIN組(アメリカ)
- Iryna PIDGAINA / Artem KOVAL組(ウクライナ)
- Layla VEILLON / Alexander BRANDYS組(カナダ)
- Ambre PERRIER GIANESINI / Samuel BLANC KLAPERMAN組(フランス)
- Jasmine ROBERTSON / Chase ROHNER組(アメリカ)
- Dania MOUADEN / Theo BIGOT組(フランス)
JGPF2025の競技は名古屋で12/4(木)~7(土)開催
ジュニアグランプリファイナルはシニアのグランプリファイナルと同様、競技は12/4(木)~7(土)の予定です。
私は過去のGPFでチケット確保に苦労した経験から、通し券を選択。

最初はS席を検討していましたが、IGアリーナは新会場で、フィギュアスケート試合開催はこれが初めてとあって見え方が未知数。「大きな会場だし、通し券なのに後方席になったら…」と不安を覚えたので、奮発してプレミアム席にしました。
思ったより前列の席が当選して少し緊張しています(試合観戦は少し上の列が好みなので…)。何列目が最前になるのか、当日確認するまでわからないのも新会場ならでは。
でも、すごく楽しみです!あとはシニアの選手の顔ぶれがどうなるかです。