2025年フィギュアスケートのグランプリシリーズ(GPシリーズ)最終戦が、フィンランドのヘルシンキで始まりました。
明日・明後日は配信視聴後外出予定があり振り返り記事を書く時間をゆっくり取れないため、今回は競技初日の段階で一旦全カテゴリ(男子シングル・女子シングル・ペア・アイスダンス)の演技を振り返ることにします。
アイスダンスでは、スケアメに引き続きレベル認定が厳しく、選手にも混乱が見られたのでその点を少し掘り下げています。
以下、競技結果ネタバレしておりますので、今夜の地上波放送視聴を予定されている方はご注意ください。
2025GPSフィンランド大会リザルト
※出場者リスト・スケジュール・採点結果などの一覧です
ペアSP
いや~技の成否で得点差が激しくなりやすいペアで、こんな結果初めて見ましたよ!
1~4位が、0.27という僅差に詰まっています。

「全員が70点台」って表現すると「70~79.99点台まで」を通常指すと思うのですが、今回のように「70.00~70.99」までを示したい時は何と表現したらいいのでしょうね(苦笑)。「全員が70点ちょっと」?
前半グループ
ジャン・ジアシュアン/ファン・イーハン組(中国)
「ジャンファン」ことジャン・ジアシュアン/ファン・イーハン組(中国)は、出だしは良かったのですが、スピンが大きく乱れてそこから立て直せなかった感じで点数を伸ばせずでした。経験を積んだら伸びていきそうです。
「ゆなすみ」こと長岡柚奈/森口澄士組
二組目で登場した「ゆなすみ」こと長岡柚奈/森口澄士(すみただ)組。サイドバイサイドのトリプルサルコウで珍しく森口澄士選手が軽くお手つきをするミスがありましたが、スロージャンプが綺麗に入りました!
スロージャンプでは上位グループと遜色ない加点がついていて、得意のリフトの点数はトップ。リフトが得意な「エリダニ」ことエリー・カム/ダニエル・オシェイ組(米国)の点も上回りました。
ただ、スピンが乱れてしまってレベルを取れず2点以上失ってしまったのは勿体なかったですね。

もし、この二つのミスがなかったら70点組の仲間入りをしていたどころか、下手したらSP首位発進もありえたかも…(苦笑)
GPS最終滑走は若いふたりには荷が重すぎるので、70点組とは離れた前半グループ最終滑走になったのは気負わずに挑めるでしょうし、よかったかもしれません。上位組とのスピードとリンクカバー率の比較がしづらくなってしまったのだけは勿体ないなとは思いますけど。
アリサ・エフィモア/ミーシャ・ミトロファノフ組(米国)
NHK杯のときはジャンプにミスが出て、ゆなすみに続く5位だった「エフィミト」ことアリサ・エフィモア/ミーシャ・ミトロファノフ組(米国)。
今回はジャンプも入り、70.19と初めての70点台をマーク、パーソナルベストスコア(PB)を更新しました。
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Alisa Efimova / Misha MITROFANOV 🇺🇸 PB 70.19
— Golden Skate (@goldenskate) November 21, 2025
Alisa: It was great to skate here. For Misha and for the audience, it was a special event for us because it’s in Finland and all of our families are here. Last year we had Skate America, and this year Finland. It is another home event… pic.twitter.com/6Lin6KSTdD
米国ペアのミラノ五輪代表枠は2枠で、彼らは今回出場している「エリダニ」と、NHK杯6位&スケアメで4位に入った「チャンハウ」ことエミリー・チャン/スペンサー・アキラ・ハウ組と枠争いをしています。エフィミトが五輪出場資格を満たせるかは微妙なのですが、もしOKになった場合を考えるとここで表彰台に乗っておきたいでしょう。フリーはかなりの気合を入れて臨んでくるのではないでしょうか?
アリサ・エフィモア選手とミーシャ・ミトロファノフ選手は2024年に結婚していますが、米国で結婚から帰化の承認までは通常3年程度。(日本よりも1年ぐらいは長くかかる)アリサ・エフィモア選手は帰化手続きを通常より早く進めてもらう申請手続き済みだそうなのですが、ミラノ五輪出場に米国帰化手続きが間に合うのかどうかは現時点では不明です。(リンク先は海外報道記事)
アイスダンスの「カレポノ」ことクリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ組は国籍取得が間に合ったことを先日の「フィンランド大会の見どころ」の記事内で紹介しました。ただ、彼女は申請から7年も待機してのことです。
(彼女は米国人と結婚していなかったこともあり長くかかっています。「特殊技能を持つ特別な市民」の扱いで手続きを早く進めてもらう申請はしていましたが、結局期間は余り短縮されていません)
後半グループ
リアトレ→ギラアン→エリダニ、2組が70点台
「リアトレ」ことリア・ペレイラ/トレント・ミショー組(カナダ)はクリーンに演技をまとめて70.13とPBに近い得点。続く「ギラアン」ことレベッカ・ギラールディ/フィリッポ・アンブロシーニ組(イタリア)はスロージャンプなどでミスが出て62.49で、ゆなすみより下の順位となりました。
そして、GPF出場を賭けて表彰台を狙う「エリダニ」の登場。しかし、いつものようにスロージャンプで少し乱れが出てしまい、得点を伸ばしきれず。彼らは本当にスロージャンプ以外は本当に凄い技術を持つペアなのですけど…「スローで転倒しなかったならOK」と見てしまう状態からそろそろ卒業してくれたら嬉しいのに。

エリダニに出た得点は70.24
「ちょっと待て、みんな70点で超団子じゃないか!?」ーってことに、私はここで初めて気づきました
真打ちのハゼボロが…
最終滑走は、ボストンワールド銀メダリストの「ハゼボロ」ことミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ/ニキータ・ボロディン組(ドイツ)。今季CS大会で77.61を出しているし、彼らが余裕でトップに立つだろうと思って見ていました。
ちょっと慎重?な感じの滑りではありましたが、着実にレベルをとっていく流れで安心して見ていたら…まさかのデススパイラル失敗。
入りのスピードが速すぎたのかタイミングが合わなかったのかよくわかりませんが、途中で技をやめてしまいました。いつもなら5点弱を稼げるエレメンツがノーカウントで1点も入らず。
これはひょっとして…70点クラブに仲間入り?首位陥落もありうる?

ドキドキしながら採点を待っていたら…アナウンスは70.40
上位4組が70.13から70.40までの範囲にぎゅうぎゅうに団子詰めじゃあないですか!
全てはフリー次第 ゆなすみも含めほぼ全ての組に表彰台可能性あり
ゆなすみの順位は5位ですが首位とはたった2.87点差しかありませんし、表彰台に乗るチャンスは全てフリー次第。
ただし、それは上位7組全員に言えることです(笑)。

さすがに優勝はハゼボロの可能性が高いと思いますが、大技の多いペアは本当に何が起きるかわかりません
ゆなすみは「そろそろ表彰台に乗れたらいいな」くらいの立場なので、気負わず今夜の演技を楽しもうと思います
男子SP
男子SPは、公式練習では絶好調に見えていた鍵山優真選手にミスが連続しまさかの80点台。4回転2種を決めたスティーブン・ゴゴレフ選手を下回る3位スタートという、驚きの結果になりました。

前半グループ
カナダ勢 スティーブン・ゴゴレフ選手&ロマン・サドフスキー選手
表彰台もありうるんじゃないかと期待していたカナダ勢は、二人とも健闘しました。
特にスティーブン・ゴゴレフ選手は見事でしたね。90点台乗るかと思ったけど出なかったのは、前半グループだったのが影響しているのでしょうか?


ネット上で「『スパイファミリー』のロイドさんに似ているから『ミックスナッツ』で滑ってほしいw」とか言われているのを見て受けました
確かにちょっとロイド・フォージャーさんに風貌が似ているかもw
ロマン・サドフスキー選手もきれいにまとめたのですが、4回転サルコウと後半のトリプルルッツからのコンビネーションジャンプのファーストの双方に「q(ごく軽度な回転不足)」がついたこともあり、点が思ったほど伸びませんでした。「q」つくかもな~とは思いましたが2つともとはなかなか手厳しい。
ジミー・マー選手(米国)
ジミー・マー選手は今季ずっと4回転トゥループに苦戦しています。

ここが決まらないと点は伸びない。エンターティナーで昔から好きな選手なんですが、今季は4回転が入らないことへの焦燥感のようなものが滑る前に少し伝わって来るのが残念です。あっかるーい音楽メドレーのフリーでは、はじけてほしいですね。
ミハイル・セレフコ選手&ヴァルター・ヴィルタネン選手
ミハイル・セレフコ選手(エストニア)は4回転は1本の構成にしてまとめてきました。PB86.20に迫る84.18を出してSP5位。

しかしお兄さんのスコアに届くにはフリーの完成度をかなり高く仕上げないと厳しいかもしれません。癖の強いプロが結構好きなので、セレフコ兄弟が揃った国際大会もっと見たいんですけどね…五輪とワールド両方にお兄さんが出るのか、それとも代表を分けるのか?エストニア代表争いが気になる国のひとつです。
御年38歳の現役医師スケーター・ヴィルタネン先生ことヴァルター・ヴィルタネン選手(フィンランド)のSP、今季CS大会で披露していたプログラムじゃなかったです。あの和プロもう一度見たかったのに~
後半グループ
デニス・ヴァシリエフス選手(ラトビア)
デニス・ヴァシリエフス選手は公式練習でトリプルアクセルに大苦戦しているらしいと聞いていたので、無事降りた時は思わず声が出ました。
ただ、全体的にいつものような滑りではない印象がありました。臀部を傷めていると本人が事前に言っていたのでその影響があるのかもしれません。ラトビア連盟とのゴタゴタで大会前もラトビアに往復していて色々大変そうです…無事五輪に出場できることを祈ります。
山本草太選手
山本草太選手は、冒頭の4回転トゥループのコンビネーションは綺麗に入ったものの、次がトリプルサルコウになりました。綺麗に着氷したので一瞬「こういう予定だった?」とも思いましたが、6分間練習では4回転サルコウを決めていました。4回転サルコウを入れるつもりだったようです。
痛かったのは、サルコウではなく、その後のトリプルアクセルのステップアウトです。回転不足「<」と判定されたこともあり、トリプルサルコウより低い点になってしまいました。
滑りは本当気持ちよくて見惚れるんですけれどね。81.09点で7位スタート。思ったより点が残った感があってちょっとホッとしました。
マッテオ・リッツオ選手(イタリア)
イタリア男子の中で最も応援しているマッテオ・リッツオ選手ですが、今大会SPでも4回転トゥループが降りられませんでした。「q」判定で転倒です。スピン二つでレベルを落としていたこともあって70点台になってしまいました。フリーで挽回期待したいです。
ジェイソン・ブラウン選手(米国)
ジェイソン・ブラウン選手はスケアメからの連戦だからあまり期待していなかったのですが、と思っていたのですが前回より力強さを感じられる演技でした。相変わらずタイトなスケジュールに強い選手だなと感心します。
トリプルアクセル、ちょっと足りないかなと思ったら「q」がついていました。
アダム・シャオ・イム・ファ選手(フランス)
アダム・シャオ・イム・ファ選手は公式練習好調だという噂を私は目にしていたのですが、ISU配信実況では彼の靴が試合前に壊れていかに大変だったかーという情報を長く話していてビックリ。
そのせいもあってか、4回転ルッツは華麗に決まったものの後半の4回転トゥループのコンビネーションジャンプで乱れました。ファーストジャンプでかなり体勢を崩したのにそのままダブルトゥループ強引にもっていける底力はすごいです。

彼は大会直前や大会中に靴が壊れて新しい靴で臨むことが本当に多いですね。ダイナミックな着氷だから壊れやすいのでしょうか?私が毎回驚くのは、そんな状況でも結果を出すことが多いこと。おろしたての靴でそんないきなり4回転ルッツとか跳べないでしょ⁉普通ーって思います。
例のSP衣装はあのままでした。もう見慣れちゃって何とも思わなくなりましたが、五輪できっと騒がれるでしょうね。会場で直接見たらまた印象違うんでしょうか。

鍵山優真選手
鍵山優真選手の公式練習での動きは見事で「絶好調」と伝えられていたのですが、SPはまさかの結果となりました。冒頭の4回転トゥループートリプルトゥループの着氷は見事だったのですが、十八番の4回転サルコウでまさかの転倒。
ジャンプ離氷に多少軸がずれたところで空中で補正して綺麗に着氷してしまう、わけのわからない軸補正能力を持っている鍵山優真選手をもってしても、修正しきれない軸のずれでした。
その後はNHK杯SPのとき程ではないものの、微妙な焦燥感が感じられるなーと思っていたら、珍しくトリプルアクセルでも着氷が乱れました。サマーカップで見た「明るく自信満々に煽って来る鍵山優真」は今回も再見できず残念でした。

公式練習がさんざんだけど、本番はうまくいくーというのはいいのですが(ファンはハラハラしますが)、絶好調からのこの展開はちょっと嫌な感じがありますね。
今季は「五輪に照準を据えてゆっくり調整していこう」という、いい意味での気負いのなさが感じられていたのですがここにきてその余裕が薄くなってきたというか…。
全然焦る必要もない立場だし、実力があるのは誰もが知っているんですから、フリーはのんびり構えて挑んでほしいです。
女子シングルSP
女子シングルSPは、見ていて辛い展開が多かったので軽めに振り返ります。

前半グループ
ルナ・ヘンドリックス選手(ベルギー)
ルナ・ヘンドリックス選手はSPをセリーヌ・ディオンの「Ashes」に変更してきました。彼女のこれまでの心情を歌ったかのような曲です。五輪ではこれを滑りたいと思ったのでしょうか?
彼女は公式練習の曲かけの際、何らかのトラブルで彼女の曲が流れず、結局一度も曲かけ練習ができないまま終わってしまうというハプニングがありました。(松生理乃選手はこの影響で急に曲かけの順番が回ってきて彼女も戸惑ったようです)

曲かけ練習ができないまま試合に臨まなければならなかったことが本番の演技に影響したかもしれません。冒頭のトリプルルッツは転倒してコンビネーションにできず、後半のトリプルフリップで何とかリカバリーをと願っていたらそちらも転倒。54.75でまさかの11位スタート。GPF進出は絶望的になりました。
右足首の手術で昨季試合に出られなかったぶん、GPFに出てランキングを回復したいという狙いはあったでしょう。でも、ミラノ五輪代表最終予選で一度ピークを作って、そこからフル稼働でGPFまで言うのはきつすぎたので、GPS終了後じっくり調整するのはよいかもしれません。ましてプログラムの変更までしているとなれば、日本に来ている場合ではないかも。
今季フリーは安定していますが、今夜の演技はどうなるでしょうか?
⇒残念ながら棄権が決定しました…
松生理乃選手
松生理乃選手は、大会前に体調を崩していてあまり練習出来ていなかった―という割には一見クリーンにまとめることができました。SPで大きなミスをして出遅れるということがめっきり減ったのは嬉しいです。
ただジャンプは確かに回転が少し怪しかったのもあり、点は61.26と伸び悩みました。
彼女の演技ではいつも「回転不足で減らされるのはしょうがないけど、じゃあスケーティングでもっと点ちょうだいよ!」と思ってしまいます。SP6位、フリー後半グループには入りました。
後半グループ
住吉りをん選手
後半グループ第1滑走は住吉りをん選手。

動きがいつもよりほんの少し固め?とは思いましたが、終始安定した演技でした。後半のトリプルフリップの着氷で若干乱れたものの、その程度ならば想定の範囲内。
なので、ステップ終盤での突然の転倒には本当に驚きました。よくある氷の穴や溝に引っかかるタイプの転倒ではなく、自分の足のトゥピックが軸足に引っかかっての転倒。

腰を傷めてはいないかと心配になる転び方でした
頭を打たなくて本当によかったです
さすがにその後のステップやスピンには若干の影響が出てしまいましたが、あんな酷い転倒のあとあれだけ動けるのは本当に凄いと思います。キス&クライで涙する彼女が気の毒でなりませんでした。フリーでは頑張ってほしいです。
マデリーン・スキーザス選手(カナダ)
マデリーン・スキーザス選手(カナダ)が昨季のSPプロ「ライオンキング」メドレーに戻してきました。
著作権問題で多額の費用が発生するから継続を諦めたという話でしたが解決したんでしょうか?演技後のインタビューを聞いても今一つそのあたりがよくわかりません。カナダの連盟自体が「昨季のプロに戻せ」と介入してきたようですが、金銭負担をしてくれるようになったのか、それともディズニーに口をきいてくれたのか、それとも見切り発進なのか?
いずれにせよ私は彼女のこのプログラムが大好きだったので、これを見られるのは嬉しいです。今季不調でミラノ五輪代表危うしとなっていましたが、これなら戦えます。まだまだわかりませんけどね…
ブレイディー・テネル選手(米国)
ブレイディー・テネル選手の今季のSPプロ割と好きなんですが、63.92と点は思うようには伸びず。冒頭のトリプルルッツートリプルトゥループのコンビネーションジャンプに二つともに回転不足(「q」と「<」)がついたのが痛かったです。
スケーティングはいいベテラン選手が、ジャンプの部分で点が取り切れないあたりが、マッテオ・リッツオ選手を想起させて悲しくなります。
アンバー・グレン選手(米国)
アンバー・グレン選手の冒頭のトリプルアクセルは文句なく決まりました。その後も危なげなく決めて、75.72。もっと行くかな?と思いましたがトリプルフリップートリプルトゥループのセカンドジャンプに「q」がついていました。それ以外はオールレベル4。

歯の手術を先週行ったこともあって体調は今一つのようなのですが、それでもこれだけの演技ができる底力はすごいです。
トリプルアクセル決まったときの技術点の破壊力は凄いですね。彼女のマドンナプロには最初はちょっと違和感を感じていたのですが、慣れてきたら徐々に気に入ってきました。
千葉百音選手
最終滑走で登場した千葉百音選手。
冒頭のトリプルルッツートリプルトゥループの着氷がオーバーターンになってヒヤリとしたのですが、これのGOE(技の出来栄え評価点)はマイナス0.08ですみました。ただのオーバーターンじゃなくてダブルスリーターンを入れたってことで相殺されたんでしょうか?本来ならば加点が取れるジャンプではありましたが、最小限の失点で済みました。
そこからは危なげなかったですね。何だか昨季よりも滑りが伸びやかになったような気がします。ボストンで見たドナ・サマーとどう変わったのかを名古屋でナマで見るのが楽しみになりました。
今夜のフリーで決まるファイナル進出者
住吉りをん選手がGPFに進出するためには2位以上が必要です。しかしSPのこの点差だと、アンバー・グレン選手と千葉百音選手のミス待ちになってしまうのが現状です。

2位の場合は渡辺倫果選手とのスコア勝負になりますが、渡辺倫果選手を上回るにはフリーで132.12が必要です。
彼女は第1戦フランス大会フリーで145.03を出していますので出せる可能性は十分あります。フリーで全力を尽くして後は運命を待つということになるでしょうか。
アイスダンスRD
アイスダンスRDは、スケアメに引き続きステップの認定基準が厳しく思えました。
第5・6戦だけ急に厳しくなった感があるのは一体なぜなんでしょう…?
新しいルールに1~4戦目のジャッジが対応しきれていなかったということかもしれませんが、同じGPシリーズの前半と後半で基準をこうも変えて来る感じにはまたモヤモヤしてしまい、気持ちが落ちてしまいました。


前半グループ
シブタニ兄妹のRDは、NHK杯よりぐっと良くなっていた気がします!この調子であげて行ければ来季あたり楽しくなってくるかも?今回はFDの後半グループに入れました。
スケアメでFDが気に入ったブラウン兄妹(米国)は男性のツイズルミスでノーカウントになってしまって残念!「ピリハラ」こと折原裕香/ユホ・ピリネン組は会場は沸かせたものの点は伸び悩みました。
フルシゼ
「フルシゼ」ことロランス・フルニエ・ボードリー/ギヨーム・シゼロン組(フランス)のRD・マドンナメドレーでは、ギヨーム・シゼロン選手に長手袋が新規導入されました(笑)。
前から長手袋つけてたっけ?と思わずフランス大会の動画をチェックしてしまいましたよ。

フランス大会で見た時は「CS大会で披露していたデペッシュ・モード版の方がクールで良かったな…と思っていたのですが、派手派手しいマドンナ版もこれはこれで慣れてきました。
後半グループ
試合本番でも音楽トラブル?
「タシュラーズ」兄妹(チェコ)は、つつがなく演技を終えたと思ったのですが、演技後何かを必死に訴えていました。どうやら予定していたのとは異なるバージョンの音源が掛かっていたのかな?と思わせるようなアクションでした。

引き上げてきた二人に対してコーチ陣も「よく対応した」という感じで迎えているし…
「えええ、そんな間違いって本当にあるの?」って驚きました。
掛け間違えが本当ならば、やり直ししてもいいぐらいのような運営側のミスじゃないでしょうか。事情を知りたかったのですが、彼らは演技後のインタビューに答えていなかった模様で、詳細がまだわかりません。よくぞ戸惑いを観客に感じさせないまま演技をし終えたものだと思います。
皆滑りは上手で魅せるけれど…
「ジンコレ」ことエミリア・ジンガス/ヴァディム・コレスニク組(米国)と「パイポー」ことパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組(カナダ)は「うめーっ!」って感じでした。
ーでもあまり語りたい気分になれません。
今大会で再確認できましたが、「私、やっぱり今季のRDテーマは好きになれない…」です。何で「90年代の音楽」をミラノ五輪シーズンのテーマにしようと思ったんでしょうか?去年80年代で今年90年代って余りにも変化なさすぎ…今季は私が大好きだと思えるRDプロが少ないです。
今大会も厳しかったレベル判定基準
第5戦のスケアメから急に厳しくなった感があるステップのレベル認定基準。
今回はトップオブトップの「フルシゼ」にも「パイポー」にも容赦なかったです。
二組ともミッドラインステップシークエンスが男女ともレベル1判定。全出場者のうち、双方レベル2をとれたのは「ジンコレ」のみ。なぜか10位の組の男性がレベル2取れてるし…ライトファンにはさっぱりわけがわかりません。
パターンステップもフルシゼ&パイポー共にレベル1。下位の組が結構2を取れているのにこれまた「?」です。「逆回転に対する細かなルール規定が今季加わったせいではないか」とのファンベースの情報も目にしましたが、アイスダンスのルールに詳しくない者にはよくわからなくて、とにかくストレスだけが溜まります。
大会ごとに技術要素認定が異なり、フルシゼは意味不明な失点
フルシゼはアイスダンスの要素である「コリオグラフィックシークエンス」ではない冒頭の振付部分を「コリオグラフィックシークエンス」と判定され、演技終盤の本来のコリオグラフィックシークエンスが認定されずノーカウントにされてしまいました。当然彼らが期待していた点より低くなっています。

どうやら「コリオグラフィックシークエンス」と認められる細かい条件(壁からの距離や動き等)を冒頭の振付が満たしていたからこうなったらしいのですが、アイスダンスもおそらく演技構成を事前提出してますよね?
というかフランス大会で一度やってますよね?
演技後に「本来1回だけのはずのコリオグラフィックシークエンスが2回あったぞ?どっちを要素として採用する?」って点数を最終集計する前に再検討すべきだったんじゃないの?と素人考えでは思います。ルール規定に「最初に実施したものを採用する」と定められているのかもしれませんが、そこは選手ファーストで考えてほしいですね。
選手たちの反応
演技後のインタビューでは、フルシゼのギヨーム・シゼロン選手はその点に不満を訴えていました。当然じゃないかと思います。
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Laurence Fournier Beaudry / Guillaume Cizeron 🇫🇷 79.89
— Golden Skate (@goldenskate) November 21, 2025
Guillaume:
“We had a really good performance on the ice today, with our overall performance. Just not so happy about the way the technical panel judged our performance, but it is what it is for today. I don’t want to put… pic.twitter.com/yBqyM5lRXF
そして、パイポーのパイパー・ギレス選手もかなり踏み込んだ発言をしていました。「こんなことをしていたら観客は見たものとジャッジとの乖離が理解できなくて更なる人気低下につながるのでは?」という主旨のことばには私も同感です。
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Piper Gilles / Paul Poirier 🇨🇦 79.56
— Golden Skate (@goldenskate) November 21, 2025
Piper:
We put in a lot of work since Skate Canada, we felt really good and skating felt also really good today.
It is really unfortunate the top athletes in the world are getting level 1s on their pattern step. We are all working really… pic.twitter.com/sDPvYLJUqR
2試合連続でこうもアイスダンスにもやもやさせられるとは思ってもいませんでした。
今夜はそんな気持ちをあまり味わなくてすみますように。
そして、昨夜のISU公式配信は演技中に何度も一瞬止まって落ち着かない視聴だったので、今夜は改善されていますように。(ゆなすみのスロージャンプがライブで観れなかったの恨みますw)





