北京五輪フィギュア団体メダル授与式@パリ五輪 を祝う米国連盟の姿勢について思うこと

金銀銅のメダルがそれぞれ台に並んでいる写真

オリンピック開催中の8月7日、パリのチャンピオンズパークで開催される予定の「北京五輪フィギュア団体メダル授与式」について、米国のスケート連盟がこのような呼びかけを公式発信していました。

今回は米国連盟の動きの概要&それについて感じたことをまとめます。

目次

米国連盟の「2022五輪団体戦メダル授与セレモニーのご案内」

上記の米国連盟による案内ページ、最初の項目は「放送予定」が記載されています。

有料チャンネルではありますが、米国はメダルセレモニーの生中継が行われ、NBCの人気番組「TODAY」やNBCsportsの定時番組(今はパリ五輪特集を連日やっている)内での特集企画放送も予定されているようです。

続いての項目は「お祝いの方法」について。

Team USAにメッセージを投稿したりしてください!@usfigureskatingにタグを付けると、厳選した投稿を当社のソーシャルメディアチャンネルでシェアします。
<中略>
観戦パーティーを見せてください!@usfigureskatingにタグを付けると、当社のソーシャルメディアプラットフォームでシェアされるチャンスがあります。

引用元:https://usfigureskatingfanzone.com/feature/olympic-team-event-medal-ceremony

なんだかこれ見るとグッときますね。

あの時あの瞬間を取り戻すことはもうできないけれど、2年半遅れの授与式を少しでも盛り上げようという心意気が伝わってきて。

そして、その後の項目は「背景」です。
「何で今頃?」という素朴な疑問を持つ人たち向けに、簡潔な説明文を提示したあと、詳細をまとめたページへのリンクを紹介しています。

2022年2月2日、2022年北京オリンピックで、米国は団体戦で2位に終わった。

しかし、 ROC(ロシアオリンピック委員会)のカミラ・ワリエワが禁止薬物の検査で陽性反応を示したことが明らかになった後、国際オリンピック委員会は、調査が進行中のため、大会中にメダルを授与しないという決定を下した。これは、オリンピック史上初めて、選手が現地でメダルを授与されない事態となった。

2年以上経った2024年7月25日、米国チームが金メダルを受け取ることが確認された。ネイサン・チェン、ヴィンセント・ゾウ、カレン・チェン、アレクサ・クニエリム、ブランドン・フレイジャー、マディソン・チョック、エバン・ベイツ、マディソン・ハベル、ザカリー・ドナヒューの9人の団体戦メンバーは、団体戦が終了してからちょうど2年半後の2024年8月7日、パリオリンピックのチャンピオンズパークでようやく金メダルを受け取ることになる。

チーム USA の金メダル獲得までの道のり、More Than Medals キャンペーン、選手の証言などの詳細については、米国フィギュアスケートの Web サイトのMore Than Medals ページをご覧ください。

引用元:https://usfigureskatingfanzone.com/feature/olympic-team-event-medal-ceremony

そして最後に団体戦に出場した全選手の氏名を写真入りで紹介しています。

米国連盟による「#MoreThanMedals」キャンペーン

米国連盟は、北京五輪開催期間中の時点から「選手にメダルを授与してほしい」と再三IOCと交渉し、その情報を逐一公式発信してきました。

その動きは五輪後も定期的に続けられ、選手たちも「まだメダルを授与されていないことに対する精神的苦痛」をテレビ番組やSNSで訴えてきました。

これまでの経過は上記引用内にもリンクがある「More Than Medalsページ」にまとめられています。

上記ページに紹介されている動きは逐一目にしてきましたが、こうして時系列できちんとまとめられたものを見ると米国連盟の努力には頭が下がります。

コロナ禍で開催されたあの過酷な五輪を闘った選手たちへの敬意、自国選手たちに栄誉&賞賛の瞬間が与えられなかったことへの失望&怒り、選手たちのために少しでも何かしたいという熱意。そんなもの全てが感じ取れます。

米国連盟の尽力が無ければメダル授与はもっと先になっていたかもしれません。そこにはソルトレーク五輪のキャンペーンにつなげたいというビジネス上の思惑もあったでしょうが、メダルを貰えていない選手たちへの「想い」は確実にあったと思います。

日本の連盟は

ワリエワ選手の裁定が確定し、団体戦の金銀メダルが確定したのは先月末のこと。

ロシア&カナダが提訴に至るまでの経緯はこちらにまとめています

この時ようやく日本のスケート連盟が団体戦に関するコメントを出しました。

発表資料内には連盟会長のメッセージも!シンプルではありますが祝福メッセージを見られて嬉しく思いました。

長島昭久会長:
北京オリンピックからおよそ 2 年半が経過し、メダルを手にするまでたいへん長い時間がかかりましたが、この結果を心から喜びたいと思います。
日本にとって団体戦初となるこの銀メダルは、国を代表して懸命に戦った選手たちの努力の証であり、あらためて選手たちの栄誉を称えたいと思います。

https://www.skatingjapan.or.jp/common/img/info/2022beijing_teamevent.pdf (日本スケート連盟発表資料より)

ただ、今のところ連盟からのコメントを他に見た記憶が私にはありません。私には連盟としては北京五輪団体戦メダルのことに一切コメントはしないという姿勢を貫いているように見えました。(「北京五輪でメダルを獲った選手たちに余りにも失礼過ぎでは」と不快になった関係者発言はありましたが…)

「こちらはあくまでもCASの裁定を待つのみ」というスタンスを取るのも一つの組織判断だと思います。でも、あの時もらえるはずだったメダルをもらえなかった選手たちの想いに寄り添うことぐらいはしてほしかったと個人的には思います。

金銀銅のメダルが確定した今、授与式に願うこと

昨日、カナダの連盟の提訴が棄却され、北京五輪フィギュア団体戦は金アメリカ、銀日本、銅ROCという順位で確定しました。カナダの連盟は裁定を受け入れることを無念の想いと共に表明しています。

私は「3位が確定していないのに授与式やるのはちょっと…」と内心思っていたので、授与式前に順位が確定したことには安堵はしました。(納得はいかんけど!)

2022ユーロ(全欧選手権)女子シングルの順位はワリエワ選手の成績抹消後繰り上げたのに、団体戦女子シングルの順位は繰り上げないというのは「団体戦ルールにその旨記載がないから」というのを理由にされても納得は行かないです。

カナダの連盟が訴えていた通り、順位繰り上げについてはISUの元々のルールに記載があるじゃないですか!って思ってしまう。(今後団体戦ルールはめちゃくちゃ大量に規定書かないとダメになりますね…)


日本スケート連盟が授与式前後に再度メッセージを出す可能性はあると期待しています。その時には「選手全員の調整が困難だったため、全員揃っての授与式とならなかったのは大変残念ですが」の一言ぐらいは祝福メッセージの中に混ぜてほしいなと思っています。そして、その残念感が気にならなくなるぐらいに、団体戦に出場した選手たち全員のことを熱烈に褒めたたえてほしい

なんというか・・・寄り添ってほしいんですよ、選手やファンの心情に。本当それだけ。

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