日本初のチャレンジャーシリーズ(CS)大会「木下グループ杯2025」。
(CSテレビ朝日チャンネル2では「チャレンジャーシリーズ日本大会」と表記されていました)
競技3日目(最終日)の会場・関空アイスアリーナに向かう前に、CS放送で視聴した競技2日目の様子を振り返り、最終日の自分なりの見どころチェックと致します。
アイスダンスRD
「うたまさ」こと吉田唄菜/森田真沙也組はくじ引きの結果1番滑走。五輪代表最終予選前なので、欲を言うと点数はもっと取りたかったですね。吉田唄菜選手、ひょっとしてどこか痛めたりしてる?とも思いましたが、1番滑走ということもあるでしょうか。FDではスコアをもう少し狙いたいところです。

カナダの3組は、この大会の結果でスケートカナダの空き枠出場カップルを決定するという噂でしたが、マリー=ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック 組(カナダ)がかなりリードする結果となりました。
まぁ予想通りではありましたが、こちらもフリーでそのまま他の2組を引き離せるでしょうか?
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Our athletes are dancing into day 2⃣ of the Kinoshita Group Cup! 🇯🇵
— Skate Canada / Patinage Canada (@SkateCanada) September 6, 2025
Rhythm dance results / Danse rythmique
Marie-Jade Lauriault & Romain Le Gac – 1⃣
Alicia Fabbri & Paul Ayer – 5
Lily Hensen & Nathan Lickers – 7 pic.twitter.com/bD1gX9qAEt
個人的に楽しみな組として、以前の投稿で名前を挙げていたハンナ・イム / イェ・クアン組(韓国)。

イェ・クアン選手のジャケットの裏地の青が妙に記憶に残りました。こちらも色々レベルを取りこぼしていて、思うように点が出ずでした。
でも、ライトファンレベルだとアイスダンスはレベル取れたか取れなかったかよくわからないんですよね。モニターに暫定技術点表示がない今回のような大会での現地観戦は、得点を気にすることなく素直に演技そのものを楽しめそうです。
ペアSP
「ゆなすみ」こと長岡柚奈/森口澄士組
ペアSPで個人的に一番盛り上がったのは「ゆなすみ」の出番でした。ボストンの世界フィギュアスケート選手権で見た時のように、緊張していた面持ちとは違う、落ち着いて自信がある感じだったのが何だか嬉しくて。
今季を前にドミトリー・サビンコーチに変更した彼らですが、今大会前のインタビュー記事(有料記事ですが、一応下記にリンク貼ってます。どちらもほぼ同内容ですので、契約されている媒体でしたらどうぞ)ではオフシーズンにしっかり練習してきたという自信が感じられる内容だったので、いったいどんな演技を見せてもらえるのか楽しみにしていました。


今大会SPでは、課題だったトリプルツイストも試合初成功、スロージャンプもサイドバイサイドジャンプも綺麗に入って大満足。リフトのレベルを取りこぼしたり最後のスピンはちょっと乱れちゃったりはしたけど、それはまだ伸びしろがあるということで!

これは五輪代表最終予選も期待できそうだと素直に思えました
私がそう思えた最大の理由は、彼らがパーソナルベストスコアを更新したことではありません。
演技途中に長岡柚奈選手が氷に引っかかったのか一瞬つまづきかけた直後、二人とも笑顔を見せていたことです。昨季までの長岡柚奈選手だったら焦ったり、不安や緊張の表情を見せていたのではないかと思います。あの笑顔を見て、「本当にいい練習が積めてきたんだな」と思えました。
SPは持ち越しプログラムでしたが、明日のフリーは新プロ。どんなプロなのか楽しみです。
「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組
「りくりゅう」SPは昨季の「黒く塗れ!」の持越し。
しかし、6分間練習でリンクインした木原龍一選手の首元が赤いぞ…?と思ったら、新衣装でした!

SPの規定要素が昨季とは変わっているため、プログラムも細かいところ(つなぎや編曲)を変更したようですが、見入ってしまって違いに余り気づかず(笑)。6分間練習で木原龍一選手が珍しく変な転倒していてちょっと心配しましたが、すぐに笑顔も出たし大丈夫そうでした。レベル取りこぼしているところがあったので、まだ点数は伸ばせそうです。
フリーの「グラディエーター」が初披露なので、今日のフリーすごく楽しみにしています!
「メテベル」ことアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ組
私、今季の「メテベル」の新SP情報全く仕入れていなかったので、アナスタシア・メテルキナ選手の赤いジャンプスーツ衣装を見て、テクノ系のカッコイイ曲をやるのかな?と想像していました。
オープニングもアナスタシア・メテルキナ選手の倒立という奇想天外なポーズで開始でしたし「こりゃあもう音楽的にも攻めてくるだろう」と思ったんですよ。(アイスダンスではアクロバティック&個性的な演技開始ポーズはよく見るけど、ペア選手では珍しいような?)

ーなのに聞こえてきた前奏は、超定番曲の「ボレロ」!
クラシカルではない、ちょっとモダンなバージョンのボレロではありますけどね
「いやでもボレロでこの衣装なん?」と最初は戸惑いました。色調は確かにボレロと言われればはぁボレロですね…という感じだけれど。
でも次第に、この二人にこのプロ&振付&衣装の組み合わせはある意味絶妙にマッチしている気もしてきました。確かに五輪シーズンの勝負プロかも!?何だか今後クセになりそうな予感はします。今シーズン、益々りくりゅうの強敵になりそうな予感。

しかしあんなにたくさん記者とカメラマンが会場にいるのに、今大会報道で二人のSPの写真が1枚も見つけられず悲しい…
(私が探しきれてないだけかもしれないので、今後見つけたら追加します)
次の五輪のメダル候補選手が日本初開催のCS大会に来てくれているんだから、他国の注目選手たちの写真も惜しみなく出してほしいですわ…海外配信もしていないんだし
女子フリー
印象に残った演技を全部書いていくと長くなりすぎるので、個別の感想を書くのは「五輪代表争いが世界一熾烈日本女子」のみにします。(ロシアは別の意味で熾烈なので除きます)
日本同様国内の五輪代表争いが激しい韓国選手は、イ・ヘイン選手が総合7位で、9位のユン・アソン選手に約10点差をつけてフィニッシュという、まぁ予想通りの展開でしたしね。

あ、でもソニア・ヒルマー選手のフリー演技は楽しかったので例外的に短く書き残しておきます
順位を落として総合12位にはなりましたけれど、フリーでもシット姿勢のつま先立ちスピンもあったし、逆回転スピンも入ってたし、逆回転ジャンプもファーストジャンプが抜けたけどしっかり入れてくれて、彼女を知るフィギュアスケートファンが期待していただろう見どころは全て披露してくれました!
第1グループ
女子フリー第1グループには、SPで思わぬミスが出てしまった日本人選手が二人も。結果的に日本人女子選手が第1~3グループまでうまくばらけた感じになりました。
山下真瑚選手
山下真瑚選手にとってこの大会は、貴重な国際大会のチャンス。SPでは大きなミスが出てしまったのはこのチャンスの重みのせいかもしれないなと思いました。
しかしフリーでは実力を発揮、131.41でフリー4位、総合6位まで順位を上げてポイントを得られました。キス&クライでの涙が印象的でしたね。この結果が次につながることを祈ります。
宇野昌磨さんファンの一人としては、「UNOボトル」を持ってきているのをキス&クライで発見して、「ありがとう」って気持ちになりました(笑)。
吉田陽菜選手
吉田陽菜選手はクール系のSPとは打って変わった可憐な雰囲気の衣装で臨みます。
6分間練習で調子が今一つ良さそうに見えなかったのでちょっと心配でした。しかし、本番ではトリプルアクセルにも挑み、その後もまとめきったところは底力を感じましたね。調子が上がり切らない中でもランキングポイントが付く8位まで順位を上げることができました。
第2グループ
渡辺倫果選手
SPではミスが出てしまった渡辺倫果選手は、第2グループ半ばでの登場。
いや~冒頭のトリプルアクセルートリプルトゥループが決まると本当にしびれますね!二本目のトリプルアクセルは両足着氷になってしまいましたが、シーズン序盤でこの仕上がり。今後調子を上げて行けばフリーでトリプルアクセル2本成功させて、スピンステップのレベルをある程度揃えることも夢じゃないと思えました。

女子でトリプルアクセルを2本投入できて、転倒などが無ければダブルアクセルを2本別に使えるので構成的にはかなり有利です。高難度技なのである意味バクチではあるのですが、そのバクチ要素が「これぞスポーツ」ではあります。
私はジャンプ偏重過ぎる演技は好きではないのですが、彼女は世界観でも魅せてくれる選手。チャレンジを応援したいです。本当に五輪代表枠足りなさ過ぎる…。
樋口新葉選手
いや、樋口新葉選手何だか練習のときから表情が変だなって思ってはいたんですけど、まさかこんな展開になるとは。
「ワンダーウーマン」の世界を表現する心意気は最初から最後まですごく伝わって来たので、「期待度大のプロだ!」と盛り上がる気持ちもあったのですが、何だか力が入らないような感じでジャンプのほとんどがダブルに。

「どうしちゃったんだろう、昨日は元気そうにしていたのに怪我でもしたんだろうか?」と思ったら、演技終了後リンクに這いつくばったままなかなか立ち上がれない様子…
何とか立ち上がり挨拶をしている際も吐き気をこらえているようなしぐさをしているし、リンクを出ていくときも何だかフラフラした感じだし、結局リンクから出るなりコーチ陣に介抱されてキス&クライに座ることもできず。
「体調不良」を理由に演技後のインタビューも取りやめになったので、現時点(9/7 午前9時)では情報があまり上がっていません。一時的な体調不良だといいのですが心配です。
第3グループ
坂本花織選手
坂本花織選手のフリーは「愛の賛歌」。
スロースターターと言われる彼女にしては初戦からかなり仕上がっているように見えました。トリプルサルコウが抜けてしまうぐらいは想定範囲内。ただ想定範囲外?だったのは、ダブルトゥループを3回跳んでしまったことです。ルール上、3本目のダブルトゥループはキックアウト(ノーカウント)になりました。
リンクから引きあげてきたとき、まっさきに中野コーチにそれを指摘され、驚く坂本花織選手。「私3回跳んだ?」と観客席方向に向かって声を上げたら観客が頷くーという展開が最高に面白かったです(笑)。

でも私は中野コーチが指摘するまで気づいてませんでした(苦笑)
男子の4回転トゥループがダブルやトリプルに抜けた時は、ジャンプ回数規定違反を気にしながら演技を見る癖はつています。でも、ダブルトゥループ回数はあんまり気にして見る習慣なくて(苦笑)。女子シングル好きならば気づいた人がきっと多いんでしょうね。
まぁ初戦で早めにこういうミスをやっておけてよかったですよね。それでもフリーは138.39点をマークしています。かなり良い滑り出しです。

三宅咲綺選手
三宅咲綺選手は滋賀のサマーカップに引き続き、フリーでのトリプルアクセルに挑戦しました。
サマーカップも今回も6分間練習では綺麗にトリプルアクセル降りているんですが…なかなか本番でパキッと決めるのは難しいようで。今後国際大会のチャンスがもらえて、そこでトリプルアクセルを決めることができればチャンピオンシップ大会派遣の可能性も見えてきそうです。
滋賀のサマーカップのフリーでは、トリプルアクセル投入後、演技後半の要素でことごとくレベルを落としてしまったのが響いて表彰台を逃していました。

しかし今回は後半のトリプルルッツがダブルにはなったものの、スピンステップで前回ほどの大きな取りこぼしはなく126.50、フリー5位でまとめることができました。こうなるとメダル(3位)に手が届きます。

彼女の表彰台確定後、同門の坂本花織選手が大喜びしていた様子が微笑ましかったです。
千葉百音選手
千葉百音選手のフリーは「ロミオとジュリエット」。
女性スケーターの演じる「ロミジュリ」のジュリエットは死にそうもない強そうなジュリエットが多い印象ですが(個人の感想ですw)、彼女は本当に可憐ではかない感じで、「レアなジュリエット感」があります(笑)

でもやっている演技のレベルは全然はかなくない(笑)。力強く一つ一つの要素を決めていきます。
ミスらしいミスは前半のトリプルサルコウぐらいで、あとは後半のトリプルフリップがちょっと乱れた程度。それで143.48点出せちゃうんですからすごいですね。このシーズンからこの点で、まだ伸びしろも残されています。はかなげに見えるけど、最後まで生き残るジュリエットになるでしょうか?
表彰式の前の日本人3人で「ジャンプでミスりかけて焦った時のトーク」で盛り上がっている様子が見られたのは楽しかったです。表彰式に日の丸三つ!

今日の男子フリーではいくつ日の丸を見られるでしょうか?昨日男子シングル選手たちの何人かはアイスダンス観に来ていたようですね。中一日空いたことで、状況はどう変わっているかな?今日は3カテゴリも見られるのですごく楽しみです。
おかげで他の同時期開催の試合は全然追いかけられていません。「JGPSイタリア大会」は日本勢の結果だけチェックはしていて、後日配信をつまみ食いする予定です。でも「ボレロカップ」に関してはもはや「何それ?」状態(苦笑)。
現地観戦試合が入ると、とてもそんな余裕は取れないですね~嬉しい悲鳴です。