韓国代表チーム女子の選手資格停止処分騒動その後&ミラノ五輪前のロシア女子の動き

正義の女神

韓国のフィギュアスケート代表チーム女子シングル選手2名が、それぞれ3年&1年の選手資格停止処分になったことは先日の投稿で取り上げました。

その続報を整理するとともに、ミラノ五輪に向けたロシア女子の動きなどもちょっと調べてみたのでまとめておきます。

目次

資格停止処分発表後の動き

資格停止処分を受けた女子は2名とも再審請求

先日投稿した時点では「1年の資格停止を受けた女子選手のみが再審請求」という情報でしたが、その後、3年の処分を受けた選手も再審請求をしたようです。

ただし再審にどの位の時間がかかる見込みなのかはどこも言及していません。彼女たちがアサインされているグランプリシリーズ大会までの数か月で決着がつくかどうかは不明です。

韓国メディアが被害者を特定する余計な情報を報道

韓国メディアは処分を受けた選手を特定する手助けになる情報を不用意に流してきました。

テレビ局が流した映像は、人物にぼかしを入れてはいたもののフィギュアスケートファンなら背景の色で直近のチャンピオンシップ大会の映像なのが一目瞭然。ぼかしを入れたところで衣装の色で誰かがわかってしまいます

「飲酒による処分を検討中」という初報の段階で既に対象者2名は特定可能だったのものの、その時点ではどちらが3年停止処分なのか不明だったんです。しかし、この「ぼかし入り映像」が特定材料になってしまいました。

1年停止処分の選手が来年復帰すれば判明したことですが、騒ぎの最中に判明するかしないかは大きく違うかと思います…

更に悪いことに、直近の続報では3年資格停止の女性と被害者男性との関係についても余計な情報を伝えました。処分対象者のSNSを調べ上げた一般人たちが過去にふたりが仲良くしていたことがわかる写真をさらして騒いでいたのですが、メディアがその勝手な推測にお墨付きを与えてしまったようなもの。

ただでさえ男性の性被害は批判や好奇の目にさらされがちなのに、メディアがバッシングの手助けをするような情報提供をするなんてありえないーと思いました。

夫婦間でも性暴力は成立するんだから、被害者が加害者と過去に個人的なつきあいがあったかどうかなんて関係ありません。事件に関係づけて報道すべき事柄じゃないし、何より対象者は未成年だというのにあまりにも酷すぎますね。被害者は叱責処分のみなので試合に出るはずですが、こんな状態で練習に集中できるでしょうか?

私は海外掲示板を回っている時にうっかり被害者特定可能な情報を目にしてしまいました。

誰が被害者かなんて知りたくなかったのに後悔しています…

ロシア選手のオリンピック出場

パリ五輪には「中立な個人資格」でロシア選手14名の参加が発表

ロシアやベラルーシのアスリートがパリ五輪に参加する場合、国旗や国歌を使用しない「中立な個人資格の選手」としての出場となります。参加には「ウクライナへの軍事侵攻などを支持していないかどうか」を調べるIOCの審査に合格する必要があります。

10日前、「夏のパリ五輪にはロシア14名&ベラルーシ11名の参加が承認された」と発表がありました。今後更に追加されると思われますが、かなり限られた人数です。

ロシアのフィギュアスケート選手は「五輪の枠取り」ワールドに参加不可

フィギュアスケートでは来月からミラノ五輪のプレシーズンに突入します。現時点で来季ロシアの国際大会参加が承認されるかはISU(国際スケート連盟)からは正式発表はまだのようですが、承認の可能性は低そうです。

ミラノ五輪の枠取りである2025年ボストンワールドに参加できないとなると、ロシア選手のミラノ五輪参加が許されたとしてもロシアの出場枠は各カテゴリ1つとなる見込みです。

北京五輪のドーピング騒動も未だワリエワ選手の個人処分が確定しただけで、組織的な調査等はうやむやになったまま。ミラノ五輪にロシア選手の参加が許可されることになったとしても、フィギュアスケート競技での参加はかなり厳しいんじゃないかと思っています。ロシアのフィギュアスケート界は政権や軍との距離がかなり近いですし。

ロシア内の大手クラブに属さない海外拠点のロシア国籍選手なら可能かもしれませんが、色々大変そう…

自転車競技でパリ五輪出場が認められたロシア人選手は積極的に戦争批判発言をしていたようです。果たしてあと1年ちょっとでどこまで情勢が変わるでしょうか。

サモデルキナ選手はカザフスタン代表⇒ワールド出場も?

五輪に間に合わせようと、ロシアのアスリートの中には国籍変更をする選手が続々と出てきています。

フィギュア女子シングルで国籍変更したのはソフィア・サモデルキナ選手、17歳。以前はトリプルアクセルの他4回転ジャンプ多種を跳んでいて、トゥルソワ選手に次ぐ存在として注目されていたスケーターです。母親がカザフスタン国籍だったらしく、ロシア・カザフスタン両国スケート連盟を通すことなく国籍変更を実現しました。

「私たちはロシアからスケーターを求めたわけではありません。」ソフィア・サモデルキナ選手がカザフスタン国籍を取得、「複雑な感情」を引き起こした(昨夏のカザフスタン国籍取得を報じたロシアの記事)

去年国籍変更報道されたときは、両連盟からは「聞いてないよ!」ってな反応で今季の試合出場なし。しかし今、来季に向け新プロを用意している様子です。(下記のインスタの画面は真っ黒ですが、再生すると新プロらしき演技の一部を動画で見られます)

おそらくジュニアグランプリシリーズには出てきて、シニアの四大陸選手権⇒ボストンワールドに出場するんじゃないかと思われます。「いかにもロシア女子」が四大陸選手権に出て来るってなんか違和感ありますけど(苦笑)。

ロシア⇒カザフスタンに国籍変更した選手にはエリザベート・トゥルシンバエワさんはいましたけどね。外見がアジア系だったせいで元ロシアだったのをつい忘れちゃいがち。

正直言って、来季の女子シングルはシニア移行年齢引き上げのため有力ジュニア選手が上がってこないうえ、韓国女子2名が出場停止とあっては見ごたえに欠けると思っています。今の彼女が今トリプルアクセルや四回転をどれだけ跳べるのかはわかりませんが、現役復帰してくるアリッサ・リウ選手ともども台風の目になる可能性はあるかも?という期待はありますね。

出ていいロシア人選手と出ちゃダメなロシア人選手の境目

しかし、同じロシア人でありながら国籍変更できたか否かで出るor出られないが別れてしまっているのには複雑です。

北京五輪直前にジョージアに国籍変更したアナスタシア・グバノワ選手は今もロシアで練習しているのに試合に出続けている。エカテリーナ・クラコワ選手が出続けているのもポーランドに国籍変更していたおかげ。また、もともとカザフスタン人であってもロシア拠点を続けている男子シングルのミハイル・シャイドロフ選手みたいなケースもある。

あれこれ考え始めると、出場が認められる人と認められない人の差がよくわからなくなってきます。

ミラノ五輪までには諸々解決していてほしいと思ってはいるのですが…

ロシアのフィギュアスケート連盟は国籍変更については厳しい対応です。以前のようには国籍変更できなくなっているようですが、それでもサモデルキナ選手のように縁ががあれば国籍変更ができてしまう。

軍事侵略肯定派として知られるプルシェンココーチの元にいるサモデルキナ選手が「中立な選手」と五輪参加承認される可能性は少ないでしょうから、五輪出場を目指すのならば賢明な動きだと言えるでしょう。

でももし彼女がミラノ五輪に出られたとしたら、プルシェンココーチがキス&クライに座るのでしょうか?

そんなことになったら滅茶苦茶叩かれるんだろうな。軍事侵攻後の言動のあれこれを考えると叩かれて当然ですが、元プルシェンコファンとしては見たくない姿ではあります。ソチ五輪から10年でこんなことになるなんて、思いもしなかったですね…。

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