ロンバルディア杯2025【男子編】マリニン選手など注目の五輪シーズン新プロ&新衣装を振り返る

ロンバルディア杯のロゴ

チャレンジャーシリーズ(CS)大会「ロンバルディア杯2025」がイタリアのベルガモで開催されました。

ミラノ五輪シーズンの幕開けとあって、多くの選手が新プログラムと衣装を初披露。それぞれの戦略やシーズンへの意気込みが感じられました。今回は注目選手の「五輪シーズン用新プロ」の印象を【男子シングル】と【女子シングル&カップル競技】に分けて振り返ります。

本当は今週始まるミラノ五輪代表最終予選の情報整理に早くとりかかるため、新プロの話題だけをさくっと書こう…って思ってたんですけどね。興味深い新プロがあまりに多くて長くなってしまい、前後編に分ける羽目になりました(笑)。

ロンバルディア杯2025リザルト

9/14のTBSの「スト6」イベント情報収集にも時間かかりましたし、今夜(9/16)は宇野昌磨さんのスマブラチームビンゴ配信もあるしで競技以外にも追いかけることが多すぎ(笑)

目次

ありがたかった週末夜の競技時間帯⇒CSでの放送は10/11予定

ロンバルディア杯男子シングルフリーの予定時刻は20:40~23:20と超・見やすい時間でした。おかげでゆっくりくつろいで見られる!

ただ土曜夜ということで集合住宅の我が家の回線の質は金曜よりは落ち、頻繁に画質が落ちてたま~に止まる。やむなく完全ライブで見ることは諦め、再生を一時停止して5秒程遅れた状態で再生することに。※バッファ(映像を一時的にためておく仕組み)に余裕が出来て多少改善します

その後は2回くらい止まりかけましたが、幸い一瞬ですぐ回復。アーカイブ視聴すれば安定画質でちゃんと見られるんですけど、配信買ったからにはライブで見たいですしね。

「ロンバルディア杯2025」のCSテレビ朝日での放送は10月11日(土)午後4:00~の予定です。

男子シングル 注目の今季プログラム

イリヤ・マリニン選手(米国)

他選手とは異色な曲調

SPフリーとも今季プロがこの試合で世界初公開だったイリヤ・マリニン選手

SPはゲーム「プリンス・オブ・ペルシャ失われた王冠」の曲

フリーはフランスのスリラー映画の音楽など、尖った系の複数曲を繋いだうえに、録音した自分の声をミックスした「マリニンのストーリー」にするというこだわりっぷり。振付はどちらもシェイ=リーン・ボーンさんです。

なのにフリー演技開始時、彼がやるとは思えない壮大なクラシック曲がかかってビックリしましたよ~鍵山選手の「トゥーランドット」を間違えて流しちゃっただけでしたが(笑)。

「これ僕の曲じゃないよw」ってジャッジに指摘しにいくときに本人も受けてたけど、私も受けました

ミラノ五輪シーズンということもあり、多くの選手がイタリアを意識したクラシックや映画音楽などの歌曲にしている中では異色な選曲かもしれません。

こういう系統が欧州の観客に受けるかどうか、欧州開催の試合のジャッジにどう判断されるかは読めませんが、個性を打ち出すという点では成功しそうな予感

ただ、昨季のSP&フリーの方が一般受けしやすい曲調のように思ったので、どちらかをシーズン途中で昨季に戻したりするかも?とは思いました。サイズ調整が間に合わなかったという本衣装で見るとまた印象は変わるかもしれません。

独自の個性的な振付が楽しい

ジャンプ構成に関してはまだマリニン選手比で6割程度の出力でしたが、振付に関してはかなり独自路線を開拓しているのが見えて面白かったですね。

こちらはSPのフィニッシュ直前のアクロバティックな動き
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私正直申しまして彼のラズベリーツイストはあまり好きじゃないんですが、スピンのポジションチェンジにラズベリーツイストを組み込んで来たのはインパクトあって面白かったです!

近年のスピンは採点ルールが原因でどれもこれも同じようなスピンばかりなのでトップ選手がこういう試みしてくれるの嬉しいですね。

ニースライドの時のポジションにしても、フィニッシュ姿勢にしても、新しいものを開拓しようという意気が感じられるのは凄く好感を持てます。

アダム・シャオ・イム・ファ選手(フランス)

アダム・シャオ・イム・ファ選手は先日のフランスマスターズで演技は披露していたものの、本人の意向で配信では演技映像を流さず。今大会が今季プロの事実上の世界初公開でした。(観られたのは現地にいた人だけ)

SPフリー共に現代作曲家による楽曲。SPはレオナルド・ダヴィンチ、フリーはミケランジェロを表現すると、振付師のブノワ・リショー氏と共に事前にInstagramで大々的に発表していました。

私は競技プログラムの初披露前に必要以上に情報を与えられるのは好まないので(いったん見た後は情報を深掘りしたくなるのですが)、Instagramでの投稿は敢えて見ないようにしていました。

でも、情報を事前にあれこれ調べていたとしても、SPのあの衣装見たらその知識がぶっ飛んだかも(苦笑)

アダム・シャオ・イム・ファ選手SP衣装(Rai sports配信画面より引用)

見慣れてきたら味が出て来るかもしれませんし、演技中は動きに目が奪われますから最初の違和感は意外と薄れます。

でも、この独創的なデザインだとミラノ五輪で、世間一般に「変衣装のフランス人」としてインプットされかねなさそうなのが怖い…

そういうところじゃなくて実力に注目してほしい選手なだけに

ただ、この独創的な衣装もプロが仕上がっていない段階だから悪目立ちするのかもしれず。彼が完璧な演技を見せたら凄く響くかもしれません。

演技はどこか故障を抱えているんだろうかと心配になる仕上がりでした。2シーズン前の安定感はどこに行ってしまったんでしょう。彼も靴問題が大きいんでしょうか。

ちなみにフリーの衣装写真はこちらで見られます。一見オーソドックスな衣装に見えますが、途中で衣装チェンジすると胸元近くにミケランジェロの「アダムの創造の手」らしきものが現れるという何とも難解な演出。
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確かに2枚目の写真には手が映ってはいます。でも大きな会場の後方席だと「手」の出現には気づかないかも…

マッテオ・リッツオ選手&ニコライ・メモラ選手(イタリア)

リッツオ×パヴァロッティ!

マッテオ・リッツオ選手もこれが初戦。彼の今季プログラムは、SPフリー両方とも王道路線でした!

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SP原曲は2024年発売のイタリアのヒット曲ながらオーケストラバージョンを使用。

フリーはズッケロ(イタリアのシンガーソングライター)&パヴァロッティによる「ミゼレーレ」

明るいポップソングではじけるリッツオ選手も好きですが、「イタリア系王道プログラムを滑る彼を見てみたい」という夢が叶いました。

パヴァロッティの歌声が高らかに響き渡る中で滑る姿がついに!

「あぁこのプロを彼の母国イタリアの五輪で見られるのか…」と感慨に浸りたいところなのですが、4回転ループどころか4回転トゥループもトリプルアクセルも精度を落としていたのが気がかりです。股関節の手術以降、ジャンプを順調に取り戻していたように見えていたのですが。

ジャンプの精度以外はすばらしいのに、今の採点制度で点が伸びません。シーズン終盤にはジャンプが安定してベテランの貫禄を見せつけるプロになっていることを祈りたいです。

ド定番プロに真正面から挑むメモラ選手

相変わらず王道路線好みなニコライ・メモラ選手

SPはトスカ、フリーはシェヘラザードどちらも真正面から切り込んできました。順調に「フィギュアスケート課題曲」をクリアしていっております(笑)。

フリーの衣装がなかなか着こなしが難しそうな白基調なのですが、とても似合っていました。背中のデザインがとても美しいんですが、下記には背中の写真が無くて残念。

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フリーでは4回転フリップ、4回転ルッツ2本の4回転3本構成。

演技後半に4回転ルッツー3回転トゥループのコンビネーションをしれっと決め、3位に入りました。ただ、エッジエラーをきっちりとるジャッジの試合だとこうはいかないかもしれません。

どうなるイタリア五輪代表枠

昨季前半絶好調だったダニエル・グラッスル選手はワールド前に怪我で調子を落としてしまいましたが、私はその後の情報を掴んでいません。今季彼はどんなプロで、どんな構成で挑んでくるんでしょうか?

グラッスル選手が回復していれば、彼がイタリアのトップ成績を納める可能性が高いでしょうね。

イタリアのミラノ五輪代表枠が「2」なのが本当に恨めしい…

日本男子勢

今回お披露目の新衣装

日本男子のプログラムは全員鑑賞済みでしたが、衣装の初お披露目は多かったですね。

佐藤駿選手のSPはラベンダー系ではなく紺っぽい色調に。フリー「火の鳥」は赤が少し増えたでしょうか?

鍵山優真選手はSPフリー共に本衣装は初披露。SPは意外にもショーに使っていた私物?とよく似た雰囲気でした。フリーは左半身だけですが、彼にしては珍しくキラキラがたくさんついています(笑)。

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全員怪我を抱えながらの序盤スタート

今大会に出場した鍵山優真選手&佐藤駿選手&三浦佳生選手は現在全員が足の不調を抱えている状態です。

滋賀の「サマーカップ2025」では絶好調のフリーを見せてくれた鍵山優真選手なのに、あの後に左足首に痛みが出ていたーというのは驚きの情報でした。日本男子の五輪代表候補、腰や足などに不調を抱えていない人がほぼいない…。

多種4回転時代は全日本~五輪の時期にいかに怪我の影響が少ないコンディションに持って行けるかが運命を分けそうです。

それにしても、この3人が揃って国際大会に出場することはこれから何回くらいあるでしょうか?

三浦佳生選手は徐々に調子を上げてはきていますが、グランプリシリーズ(GPS)初戦までにどこまで調子を上げられるでしょう?練習中にアドバイスをくれたというマリニン選手がSP中にリンク脇に座ってずっと見ている光景は印象的でした

佐藤駿選手はSP演技を見て少し心配していたのですが、フリーではジャンプが入りまくって嬉しい驚きでした。スピンでレベルが取り切れないのは課題ですけど、少しは安心できたかな。

鍵山優真選手の足の痛みは心配ですが、4回転サルコウ+お手付き4回転トゥループ+セカンドループという控えたジャンプ構成で190.47出せるのは本当に強い。確実にメダルを狙うならジャンプ難易度を抑える方が得策だなと思わされる結果。

でも金メダルを狙うならフリップやルッツが必要でしょうからジャンプ構成は今後も悩みどころでしょう。

万全の状態で臨めていない&SP演技中に足がつるハプニングがあったにもかかわらず、昨季とは打って変わってリラックスして演技に臨めているようすだったのは嬉しかったです。この落ち着いたメンタルのままシーズンを駆け抜けてくれることを祈ります。

後編では、これまたユニークなプログラムが多かった女子シングルとペア競技を振り返ります

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