米国航空機事故を受けた選手たちの動き/欧州フィギュアスケート選手権(ユーロ)男子フリーを前に

青白く加工された白いバラ3~4輪の写真

米国航空機墜落事故にフィギュアスケート関係者が巻き込まれた事件から数日。事態が明らかになる中で、エストニア・タリンでは欧州フィギュアスケート選手権(ユーロ/欧州選手権)が進行しています。

今回は、米国航空機墜落事故後のフィギュアスケート界での動き、特に6名もの関係者が犠牲になったボストンスケートクラブに所属するマキシム・ナウモフ選手&ジミー・マー選手に関する最新情報と、ユーロ前半の軽いまとめ&最終日男子フリーの見どころについてまとめました。

目次

米国航空機墜落事故その後

被害に関しての続報等は先日の投稿に追記しています。

ユーロでの動き&米四大陸出場選手の変更

被害状況が明らかになってきたことを受け、欧州選手権(ユーロ)での会場では黙とうが行われました。

欧州フィギュアスケート選手権では、キス&クライで弔意を表している選手たちも見かけました。

マキシム・ナウモフ選手は本日、四大陸選手権の出場辞退を発表。無理もありません。

事故前にアンドリュー・トルガシェフ選手も辞退を発表していたため、第一補欠だったジミー・マー選手&第二補欠だった樋渡知樹選手がカムデン・プルキネン選手と共に四大陸に出場となります。

ボストンクラブ所属のジミー・マー選手は哀しみの中練習を再開

四大陸出場が決まったジミー・マー選手は、シシコワ(シシュコワ)/ナウモフ夫妻など6名もの関係者が犠牲となったボストンスケートクラブの所属です。

過日、練習を再開した彼が米国メディアのインタビューを受けています。(ニュース企画冒頭から再生されるよう設定しています)

英語字幕しか表示できない仕様なので、以下に要約を記します。通訳資格もない素人の意訳&説明なので意味の取り違え等があるかもしれませんので、その点ご容赦ください。
(誤訳ありましたら問い合わせフォームX(Twitter)からご指摘頂けると助かります)

事故後36時間静まり返っていたリンクに、音楽が流れた。ジミー・マー選手が練習を再開していた。

ジミー・マー選手:「今は誰も音楽を聴きたい心境じゃない。でも、これが僕たちがやるべきことだ。彼ら(犠牲者)は僕たちにそうしてほしいと願うだろうと思う」

犠牲になったクラブの人たちは家族のような存在であり、コミュニティの支柱ともいうべき存在だった。ジミー・マー選手はインタビュー内でジーナ・ハン選手の名前を挙げ、NBCは彼女が3年前に取材した受けたインタビュー映像を流す。

映像の中で、10歳の彼女は「少しずつ前進し、絶対にオリンピック選手になりたい!」とニコニコと夢を語っていた。彼女のコーチは「彼女のニックネームはGina Starina、“小さなスター”という意味でした。彼女は目標を内に秘めた“小さなスター”だった」と伝える。彼らは、6人の犠牲者たちの命をどう称えればよいかを今考えてる。

インタビュアー:「あなたの役割はより大きくなったと感じている?」
ジミー・マー選手:「ええ。あの子たちは僕たちが頑張り続けてほしいと思うはずだ。僕たちが諦めるところを見たくないって思うだろう

ボストンスケートクラブは、ボストンで開催される世界フィギュアスケート選手権を前に忙しくなる。関係者が今団結すること支え合うことの大切さを語り、最後にジミー・マー選手が「自分自身が強くあることが他者に影響を与えるだろう」という主旨のことを語ってコーナーは終了。

※訳に保証ができませんので無断引用や転載はお断りします

取材映像では、ボストンスケートクラブのシンクロナイズドスケーティングチームが練習で全員黒衣装を着て滑っていました。「ひょっとして開会式などで披露する追悼プログラムなんだろうか?」と一瞬思ったのですが、そんな準備を始めるにはあまりにも早すぎますよね?

たまたま黒衣装でのプログラムを練習していたのか、みんな黒い衣装を着る気にしかなれなかったのか、早速追悼プログラムの準備を始めたのか、そのあたりは不明です。

しかし、ジミー・マー選手の四大陸出場がこのような形でクローズアップされることになろうとは、全米選手権終了時には全く想像もしていませんでした。

全米選手権時に抱いたジミー・マー選手への想い

私、先日の全米選手権のときはベテランであるカムデン・プルキネン選手とジミー・マー選手に表彰台に乗ってほしいと内心願っておりました。

プルキネン選手はGPSとは見違えた演技でその願いが叶ったものの、ジミー・マー選手はフリーで崩れてしまい総合5位で、ピューターメダル(4位のメダル※全米選手権は4位まで表彰式がある)すら届かず。その結果、プルキネン選手はワールド第1補欠&四大陸代表に選出されましたが、ジミー・マー選手はワールド第3補欠&四大陸第1補欠のみとなりました。

全米選手権男子シングル1~3位の選手たち(中央マリニン、右トルガシェフ、左プルキネン)

昨年逃してしまった四大陸出場。しかし今年の全米はSP3位スタート、「ワールド出場も夢ではないかも?」という状況から一転、総合5位に沈んでしまったジミー・マー選手

全米フリー終了後のやるせない表情の彼を見るのはなんとも辛く、応援していた選手たちの明暗分かれた結果に複雑な心境でした。

しかし、その後トルガシェフ選手が四大陸を辞退したため、ジミー・マー選手が四大陸に繰り上がり出場が確定。トルガシェフ選手はワールドに向けた練習に専念するため?の辞退と思われたので、私素直に「よかったね」と喜んでいたんですよ。その矢先にこんなことになろうとは。

同僚のマキシム・ナウモフ選手は四大陸出場を断念する状況になりました。ジミー・マー選手はおそらく彼のぶんも、クラブのコーチだった彼の御両親のためにも頑張らなくてはーと思っているはず。
いい練習が積めることを祈ります。

欧州フィギュアスケート選手権 男子フリーを前に

余り競技を視聴できなかった競技前半

事故直後だった欧州フィギュアスケート選手権初日、私はどうも演技に集中しきれなかったので、翌日に録画視聴しました。

でもここ数日所用が多くて、演技映像をじっくり見ることができたのは男子SPと女子フリー最終グループのみ。一応他カテゴリの結果は把握していますが、今日のアイスダンスFDは配信ライブで見るつもり。後日気になる演技を録画やアーカイブ動画で見返す予定です。

なので以下は今夜の男子フリーに向けての見どころを男子SPの感想を交えてざっくりと書いていきます。

2025欧州フィギュアスケート選手権リザルト

前半グループ ユーロ常連組がSP落ちするもヴィルタネン先生フリー進出!

波乱が多かった男子SP、前半グループ(第1~4G)でも驚きは多々ありました。

急遽出場が決まったトルコの選手(国内大会優勝してたらしい)がセカンドループ降りてビックリしたり(「<」つきましたが)。クロアチアのヤリ・ケスラー選手やオーストリアのマウリッツオ・ザンドロン選手、ドイツのニキータ・スタロスティン選手など「ユーロおなじみ」の選手たちがことごとくSP落ちになってしまったり。

そんな中でトリプルルッツをミスったフィンランドのヴァルター・ヴィルタネン選手がギリギリ24位でフリー進出を果たしたのはある意味快挙かも。SPでミスを最小限に抑えるのは本当大事ですね。ワールドのミニマムスコアはフリーでTES69.12を出せば超えられる計算ですが…一縷の望みを持って見守ろうと思います。

先生自身、インタビューでミニマムスコアの規定が毎年引き上げられることをちょっぴり愚痴りつつも次の五輪まで現役続けるつもりであることを答えてていてちょっと嬉しかったです。

後半グループの自滅続き

私が「表彰台候補」と思っていた選手たちは軒並みミス

セレフコ兄弟の弟ミハイル・セレフコ選手は最終グループ入りを果たしたけれど、お兄ちゃんのアレクサンドル・セレフコ選手はアクセルがダブルになっちゃって最終グループにギリギリ入れず。

ダニエル・グラッスル選手はジャンプ降りるには降りたものの精彩を欠き、回転不足取られまくって78.15でやや厳しいスタート。

ニコライ・メモラ選手は一見クリーンにまとめた演技でしたけれど、いつものようにルッツ2本とも「!」をとられたうえ、スピン全部レベル3で思いのほか点が伸びず。

ケヴィン・エイモズ選手は冒頭4回転トゥループが2回転に抜けて無得点のうえトリプルアクセル転倒。ああこれは下手したら去年みたいにSP落ち?とビビっていたらなんとか3-3コンビは決めて70.68、フリー進出は果たしました。

マッテオ・リッツオ選手
は「クリーンプロ来る?」と思っていたら得意の後半トリプルアクセルで着氷乱れて85.68だし、ルーカス・ブリッチギー選手は4回転トゥループで着氷乱れて、3-3コンボが3-2になり82.90。

90点超えたのが淡々と着実にプログラムをまとめたニカ・エガーゼ選手しかいないってどういうことよ?って気分になってきました。ウラジーミル・サモイロフ選手スモールメダルかもってマジ?って。

最終滑走アダム・シャオ・イム・ファ選手は足首の調子がまだよくないらしく4回転ルッツは封印。王者らしくプログラムはまとめてくれました。しかし、トゥループとサルコウのみの構成で、着氷もこらえた感じが多かったこともあって2位とは僅差の93.12。

90点台を出したのが2名しかおらず、3~8位が80点台。男子シングルフリーは大逆転もありえます

フリー最終グループに入れなかったブリッチギー選手、グラッスル選手、ヴァシリエフス選手にも表彰台チャンスはある。ーというかやらかしてしまったケヴィン・エイモズ選手ですらフリー完璧演技やったら表彰台に乗れる可能性がゼロではない所が恐ろしい。現実的には難しいでしょうど、何が起きるかわからないバクチ感はありますね。

次回ユーロの枠取り

私前回の投稿ですっかり忘れていた「見どころ」が一つ。

それは、来年のユーロの出場枠取りです。

男子SPで「あれ?リュック・エコノミド選手がいない…」って私今更気づいたんですよね、フランスのユーロ出場枠が2になってたこと。去年のケヴィン・エイモズ選手のSP落ちが原因かー!

そういやエストニアのアルレット・レヴァンディ選手が、ニーナ・ペトロキナ選手の優勝を祝福しに来ていました。(会場にいたのね!)

エストニア初?のユーロ金メダルおめでとう!

彼としてはセレフコ兄弟両方に頑張ってもらって来年のユーロのエストニア出場枠を3にしてほしいところでしょう。

確認したところ、「上位2名の順位ポイントの合計が13ポイント以下」であれば3枠確定

イタリアは大崩れする人が一人くらい出てもまず大丈夫そうだけど、フランス&エストニア勢頑張れ!って感じです。

そろそろご飯食べてアイスダンスFDに備えないといけないのでもう今日はこのへんで~

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