明日5月14日(火)14時から、トヨタイムズスポーツのライブ配信で、宇野昌磨選手の引退報告があります。
トヨタイムズ配信用企画で宇野選手と一緒にUNOをやったこともある、キャスターの森田京之介さんが司会。この情報を知って安心感&嬉しさを感じたーと投稿したのですが…本音を言うと「それでもこの会見がちょっと怖い」です。
今の心境は複雑なので、「怖い」と感じる理由をつづることで今の気持ちを整理してみました。
前半はメディアに対する心配、後半は今の悲しい気持ちを素直に吐き出しています。今の気持ちにおつきあいして頂ける方がいらっしゃれば嬉しいです。
記者から不快な質問が飛んでこないか
真っ先に感じる不安はコレ。
フィギュアスケートという競技のことをろくに知らない記者さんが混じらないだろうか?質疑応答の際に、彼の引退会見なのに別の人を主軸にした話題に持って行くための誘導質問をしたり、ゴシップネタ狙いのゲスな質問をしたりしないか?とかね。
今の宇野昌磨さんはどんな変な質問が来たところでうまく返せるだろうから、そこは全く心配していません。
ただ、引退会見の場ぐらいは、大勢のファンが不快に感じるような質問が彼に投げられるのは見たくないんです。見事な返しをして株を上げる機会になるかもしれないけど、そんな機会はなくてもいい。
引退会見は門出を祝う場であって不祥事の釈明記者会見等とは違うんだから、質疑応答タイムではあまり好き勝手させないでほしいですね。現役時代の想い出話や引退を決意させた理由について掘り下げたり、今後の展開について具体的に聞いたり、「彼自身のキャリア」のみに話をとどめてほしいと願います。
トヨタイムズは「自社情報をメディア任せにせず、自主的に発信する」ために設けたメディアですから、流れをうまく持って行って頂けるよう期待しています。
採点論争が始まったり発言が曲解されたりしないか
引退理由の説明や質疑応答内で現状の採点ルールやシステムに触れた場合、その発言が変に曲解されて内外に広まらないかーもちょっとだけ心配です。
先日東スポが紹介していた宇野昌磨選手引退詳報で取り上げられていた元記事原文を機械翻訳で読んだのが、そんな心配のきっかけです。
Самый честный уход из фигурного катания: козыри Шомы Уно здесь больше не работают
(ロシアのスポーツメディアに掲載された宇野選手引退関連記事)
<記事の概要>
「彼は次の五輪団体の代表にもなれて団体メダルを獲れただろう」「現代男子スケート史上最高の選手の一人」「全く異なるジャンルのプログラムを膨大に演じてきた」などと賞賛したのち、「彼の残したものは常に点数やタイトルよりも豊かなものだった」と締められている、とても嬉しい記事ではあります
そして、賛辞の合間には日本の連盟やISUアワード、現状の採点制度への痛烈な批判があふれています
筆者は、PCS(演技構成点)がTES(技術点)に事実上連動してしまっていることなど、現採点システムについて私とよく似た不満を持っている様子。
「ISUが来季からジャンプの数を減らしてTESとPCSの不均衡を是正しようとしたところでその程度の改正じゃ焼け石に水だし、もうSHOMAはいなくなってしまった(Google翻訳の意訳)」と嘆き、「SHOMAの引退は、採点制度の不完全性に対する新たな攻撃となる(Google翻訳の意訳)」って書いてるんですよね。
引退の報に絡めて現状の採点システムについて嘆く海外ファンの声はいくつか目にしました。私自身も宇野昌磨選手の演技をきっかけに「採点システム論争が起きてほしかった派」で、この時の投稿の中でもそう書いています。
…でもね、私は宇野昌磨選手の「伝説の演技」をきっかけに論争になってほしかったんですよ。引退で起きてほしかったわけじゃない。
私は今のTES(技術点)偏重採点傾向は何とかしてほしいと思ってはいるけれど、宇野昌磨選手の引退と絡めて論争してほしくない。今はただ彼の功績をたたえてほしいんです。(我ながらずいぶん身勝手なヤツだなーとは思うけど)
議論に発展するならまだいいんだけど、日本だと昨季のNHK杯後のように「採点批判」と受け取って報道するメディアが出ないか?との危惧もちょびっとあります。万一「採点が不満で辞めた」みたいな短絡的な片づけられ方をされたら怒り狂いそう…って、会見やる前からこんな心配してたら鬼が笑いそうですね(苦笑)。
昌磨さんが語る言葉には不安は感じないんですけど、メディアの理解力&報じ方に不安があるということです。
明日の夕方には
「あんな心配する必要なかったね~すごく暖かい、いい引退報告会見だったじゃない!」
ーとファン同士で語り合えているといいな
最大の不安は「彼の選手生活が終わる」という事実と直面すること
でも、もし「いい引退報告会見」が実現したとしても、残る不安があります。
それは、「彼の選手生活が本当に終わる」という事実に直面すること。
この夏も例年通りアイスショーが目白押しだし、色んなイベントもあったりでまだ実感が薄い。でも、会見で引退理由を説明する彼を見たら「引退」への実感がいやおうなしに迫ってくるでしょう。
私は、ヒリヒリする緊張感の中で彼の練習や本番の演技を見ることが何より好きでした。
でも彼の現役としての試合はもうない、試合演技は過去の映像でしかもう見られないんだーという事実をつきつけられてしまうのが、とにかく怖い。
今もね、過去演技を見返すのがちょっと辛いんですよね
ワクワクして何度も見返していた演技を見ようとしても「ああ、これからはもう新しい試合の演技は見られないんだな…」という寂寥感がドバーッって来ちゃう
「コレ見たらアレも見て…」って演技動画を渡り歩ける状態に戻るのにはもう少し時間が必要そう
今の素直な心境を叫ぶ
できることならタイムスリップして彼のノービス時代に戻り、彼が出ていた試合をもう一度リアルタイムで全部体験したい。行けるものなら全部現地で観たい。
でも現実ではそんなことは不可能。
だったら、今から過去に彼が出ていた試合をまるごと全部視聴しなおしたい。
結果は全部知ってるからハラハラドキドキはできないし、中には再見するのがちょっと辛い試合もあるかもしれない。それでも当時観ていなかった試合、観ていたけど記憶が薄れている試合、結果がよかった試合も悪かった試合も全部をイチから再体験したい。
私が仕事と育児で忙しい時期と彼の才能が花開く時代が重なっていたことが、とてつもなく悲しい
やっと試合に出向けるようになったというのに、彼の競技生活は終わってしまいました
あと10年早く私が生まれてたら、ロンバルディア杯とかチャレンジカップとかにも行けたかな。全日本ジュニア観に行って初めて試合でトリプルアクセル着氷した時に会場観客と一緒に歓喜の歓声を上げたかったな。2019年フランス大会で拍手と声援を送りたかったな。
あるいはあと10年遅く昌磨さんが生まれてたら…今彼は16歳のジュニア。今ならジュニアグランプリシリーズから試合観に行っちゃうのにな。
それでも2017名古屋GPF(SPのみ)、2022全日本、2023さいたまワールド、2023NHK杯、2023北京GPF、2024モントリオールワールドを現地で観ることができたのは十分幸運でした。
コロナのせいで2021大阪GPFがここに入れられないのが悔しいですけどね。「現役終盤にギリギリ間に合った」ことを今は感謝すべきでしょう。
宇野昌磨選手の活躍をリアルタイムで見守り、見届けることができたことを光栄に思います
こんなブルーな気持ちを吹き飛ばすような、新しいチャレンジが発表されるといいなぁ