全日本フィギュア2025後に発表された五輪・世界選手権・四大陸代表まとめと、選考に感じた違和感

2025全日本選手権終了直後、夜の代々木第一体育館

東京代々木第一体育館で開催されていた「全日本フィギュアスケート選手権2025(第94回全日本フィギュアスケート選手権大会/全日本)、競技全日程が終了しました。

競技最終日は、りくりゅうこと三浦璃来/木原龍一組の三浦選手が肩の怪我を理由に欠場となりましたが、ゆなすみこと長岡柚奈/森口澄士組が見事なフリーを見せました。アイスダンスの表彰台争いも見ごたえがあり、女子では「会心の出来」と呼べる演技を披露する選手が相次ぎ、場内は非常に盛り上がりました。

今日はMOI(メダリスト・オン・アイス)を見ずに東京で友人と会食したあとに帰宅する予定です。あまりにも濃かった観戦の記憶を消化して文章化するには少し時間が欲しいので、今回は昨夜発表されたミラノ五輪・世界フィギュアスケート選手権(ワールド)・四大陸選手権・世界ジュニア選手権(ジュニアワールド)の代表派遣選手についてのみ記します。

試合が終わったときは、「これで今回の各種大会の派遣選手選考には波乱はなさそう」と思っていたのですが…

昨日はフィギュアスケートファンの友人と深夜まで「なんで?」とチャットが延々続きました。

2025/26 フィギュアスケート国際競技会派遣選手団
(2025/12/21日本スケート連盟発表)

目次

派遣選手一覧

まずは、各大会ごとの派遣選手一覧を、日本スケート連盟が発表した資料に基づき記載します。(敬称略)

第25回オリンピック冬季競技⼤会(2026/ミラノ・コルティナ)

開催期間(開催地):2026/2/6 〜 2026/2/22 (イタリア ミラノ・コルティナダンペッツォ)

<男⼦>
鍵⼭ 優真
佐藤 駿
三浦 佳⽣

補⽋ 友野 ⼀希
補⽋ ⼭本 草太
補⽋ 壷井 達也

<⼥⼦>
坂本 花織
中井 亜美
千葉 百⾳

補⽋ 渡辺 倫果
補⽋ ⻘⽊ 祐奈

<ペア>
⻑岡 柚奈
森⼝ 澄⼠

三浦 璃来
⽊原 ⿓⼀

<アイスダンス>
吉⽥ 唄菜
森⽥ 真沙也

ISU 世界フィギュアスケート選⼿権⼤会 2026

開催期間(開催地):2026/3/24 〜 2026/3/29 (チェコ プラハ)

<男⼦>
鍵⼭ 優真
佐藤 駿
三浦 佳⽣

補⽋ 友野 ⼀希
補⽋ ⼭本 草太
補⽋ 吉岡 希

<⼥⼦>
坂本 花織
中井 亜美
千葉 百⾳

補⽋ 渡辺 倫果
補⽋ ⻘⽊ 祐奈

<ペア>
⻑岡 柚奈
森⼝ 澄⼠

三浦 璃来
⽊原 ⿓⼀

<アイスダンス>
吉⽥ 唄菜
森⽥ 真沙也

ISU 四⼤陸フィギュアスケート選⼿権⼤会 2026

開催期間(開催地):2026/1/21 〜 2026/1/25 (中国 北京)

<男⼦>
三浦 佳⽣
友野 ⼀希
⼭本 草太

補⽋ 吉岡 希
補⽋ 壷井 達也

<⼥⼦>
千葉 百⾳
中井 亜美
⻘⽊ 祐奈

補⽋ 渡辺 倫果
補⽋ 樋⼝ 新葉
補⽋ 三宅 咲綺

<ペア>
⻑岡 柚奈
森⼝ 澄⼠

<アイスダンス>
吉⽥ 唄菜
森⽥ 真沙也

ISU 世界ジュニアフィギュアスケート選⼿権⼤会 2026

開催期間(開催地):2026/3/3 〜 2026/3/8 (エストニア タリン)

<男⼦>
中⽥ 璃⼠
⻄野 太翔
蛯原 ⼤弥

補⽋ ⾼橋 星名
補⽋ 森 遼⼈

<⼥⼦>
島⽥ ⿇央
岡 万佑⼦
岡⽥ 芽依

補⽋ ⾦沢 純⽲
補⽋ 髙⽊ 謠

<ジュニアアイスダンス>

⼭下 珂歩
永⽥ 裕⼈

補⽋
柴⼭ 歩
⽊村 智貴
※CTES取得を条件とする
(筆者注:CTESとは主要国際大会出場条件に必要な最低技術点=ミニマムスコアをさす)

派遣選手発表についての印象

ここからは派遣選手一覧を見ての私の個人的な印象と推論です。

五輪・ワールドについては補欠も含み全日本の結果を鑑みれば、全く予想通り。驚きはありませんでした。

驚いたのは四大陸選手権の派遣選手ですね。

四大陸選手権選考への驚き

予想通りだった男子・アイスダンス

男子については、三浦・友野・山本、または友野・山本・吉岡の組み合わせになるかなと思っていました。(壷井達也選手は競技終了直後に引退表明があったため、予想から除外。引退表明にもかかわらずワールド補欠に入っていたことに逆に驚きました)

欧州圏のトップクラス選手は軒並み欧州選手権に出場し、ワールドランキングを上げてきます。今季前半不調だったことでランキングを思うように上げられなかった三浦佳生選手としては、ランキングが下がって五輪SPで前半グループの滑走になってしまうリスクを避けたいのだろうと推測しました。

アイスダンスは現状派遣条件をクリアしているのがうたまさこと吉田唄菜/森田真沙也組しかいませんし、こんな貴重な国際大会出場をスキップするはずがありません。彼らは五輪団体戦だけを目標にすればいいので四大陸⇒五輪団体戦のタイトな日程であろうと派遣は予想通り。

ペア・世界ジュニアもほぼ予想範囲内

ペアと世界ジュニアの派遣選手もほぼ予想通りでした。

ペアについては、今回三浦璃来選手の負傷があったこと&ゆなすみが長岡柚奈選手の直前の足の負傷があったにもかかわらず見事なフリーを見せたことで、ゆなすみの団体戦フリー出場の可能性が高まっていました。なので「ひょっとして団体戦に集中させるってこともある?」という可能性を捨てきれなかった程度です。

四大陸選手権は五輪に日程が近いので、時差調整が大変になる北米の五輪出場予定選手の多くはスキップするでしょう。今季の四大陸はゆなすみが、いい色のメダルを獲る絶好のチャンス。五輪前に「チャンピオンシップのメダリスト」の箔をつけておくのは彼らにとってはメリットが大きいです。もし五輪団体戦に出場することになったとしても、四大陸には出場する可能性が高いと思っています。

全くの予想外だった女子

女子については、三浦佳生選手と同様の理由で中井亜美選手も四大陸に出てワールドランキングを上げて五輪SP後半グループ入りを確実にしたいかもしれない。だから私は全日本終了後には「女子の四大陸は中井・青木・渡辺で決まりだよね?」と思っていました。

ただ中井亜美選手は団体戦出場になった場合、日程的にはタイト。可能性は薄いと思うけれど、もし彼女が四大陸出場しなければ、3枠目に樋口・三宅両選手のどちらかが入る可能性もあるかも?とすら思っていました。(樋口新葉選手が四大陸出場を希望するかどうかが読めなかったので)

千葉百音選手はワールドランキング2位で四大陸優勝経験もあるので、四大陸出場のメリットが大きい方ではありません。私個人としては、現在の国際情勢を考えると、北京開催の大会に五輪代表選手を派遣する判断には少なからず驚きがありました。

この選考の意図は?

この発表を受け、私は選考の意図をあれこれと推測しました。

ひょっとして、五輪団体戦女子は坂本花織選手一人でSP&フリーを滑る予定なのか?とは思いましたね。(団体戦から個人戦までの日程が近い男子&ペアで「交代枠」を使うと、女子では「交代枠」を使えなくなる)私は女子一人になるなら五輪未経験&中堅の千葉百音選手が選出されるかと思っていたのですけれど

五輪団体戦のメンバーは、戦略上直前まで表には出さないのが普通です。なので、攪乱する意味もあってこの人選なのだろうか?

ーいやそれにしても千葉百音選手をここに入れる意図が今一つよくわからない。

日本と北京は時差も少ないから、連戦のリスクは北米勢に比べれば少ないです。なので試合勘を保つため・経験値を上げるために派遣するのは理解できます。でも、今の政情で五輪代表選手を中国開催の国際大会に送ることに見合うメリットだろうか?とも思います。(卓球の世界選手権の話を耳にすると不安もあります)

今回の代表選考はスッキリ納得できそうと思っていたのに…

何よりGPF・全日本とトリプルアクセル3本ずつ全部降りて、完璧ではないにせよほぼプログラムをまとめ切った渡辺倫果選手がこのままだと四大陸選手権にすら派遣がないというのは、納得しきれないファンも多いのではないでしょうか

全日本フリーで神演技を見せた青木祐奈選手より順位は下回りましたが、その差は僅か0.48点。GPF出場も勝ち取り国際大会の平均スコアも高いのに。

渡辺倫果選手は他の派遣選手が辞退をすれば、いずれかの試合に出られる可能性はあります。でも、誰かの辞退を積極的に期待するのもさすがに…

正直言って私はこの選考にはスッキリしない気持ちが残りました。北京五輪代表選考時のように、ファン間に不必要な悪感情が生まれてしまわないか心配すらしています。

五輪&ワールドの代表選考については良くも悪くもスッキリ決まった感があるので、北京五輪代表選考後のファン間の紛糾を思えば大きな騒ぎにはならないかもしれません。でも、試合終了直後は「今回の代表派遣は全部比較的スッキリ決まりそうだね」と思っていただけに、かなりの驚きでした。

ちょっと気持ちを落ち着けるまで時間がかかりそうです。代表に選ばれた選手たちには、選ばれなかった選手達のぶんまで活躍してほしいと思います。

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