東京体育館にて開催中の2025年の世界フィギュアスケート国別対抗戦は、今夜競技の最終日を迎えますす。
私は連日ISUの公式配信をVPN通して観ています。ただし、配信はリアルタイムよりちょっと遅いので、テレビ朝日がナマ放送を始めたらテレビで視聴してます。ナマ放送中なら余計な煽りVTRが入る余地ないし、この試合に関してはリプレイをがっつりチェックしたいとも思わないし。

配信映像が採点までの間ずっと応援席映してくれてるんならそっち見ますけどね (笑)
TELASAの配信映像はISUと同じ映像かな?テレビの映像は若干異なっていましたが。
今夜の競技が始まるまでに、国別前半2日間の感想と、私が国別対抗戦についてこれまで思ってきたこと&今年観て思ったことを書いていきます。
私にとっての「国別対抗戦」
実はあまり好きじゃなかった大会
2009年に創設されたこの大会、実は私はあまり好きな大会ではありませんでした。
好きじゃなかった理由は大きく分けると下記の3つかな。
- 団体戦のように見えて、五輪団体戦とは異なる「シングル偏重ルール」であること
- 「ファン感謝祭」の色彩が強いのに、テレビ放送では「真剣勝負」扱いすることへの違和感
- ワールド⇒アイスショー⇒国別 とハードスケジュールのトップ選手達を気の毒に感じたこと
でも、好きな選手の演技は見届けたいので、何だかんだ言いつつ国別の演技映像はチェックしてきました。
ワールドで悔しい演技だった選手が国別で雪辱を果たすこともあるし、国によってはGPSやワールドでは見られないメンバーが演技することもあるし、何より選手たちが楽しそうにしてる姿が一杯観られるし。
楽しいところもたくさんあるんですよね。
「ハードスケジュールこなしている選手たちが楽しそうに過ごしているのであれば、ネガティブにとらえるのは野暮だよなぁ」と次第に思い始め、もやもやする気持ちは極力無視するようにしてきました。
真剣勝負煽り&シングル偏重ルールには今もちょっぴりモヤモヤ
ただテレビで国別対抗戦を見ると…「日米の金メダル争い煽り」は程ほどにしてほしいと感じますね。
真剣勝負を強調し、「日本が金メダル獲れるかも!?」って煽ることでフィギュアスケートファン以外の視聴者を引き付けようという目的があることは十分理解はできます。
でもファンからしたら、「今大会で日本が金メダル獲る」=「米国選手の大ミスが多発が前提」なだけに、余り煽られると「なんだかなぁ」という気持ちにはなります。

日本が1位取れる可能性は勿論あるんですけどね…
また、来季が五輪シーズンということも手伝って、私が抱く国別対抗戦のシングル偏重ルールへの抵抗感は少々強め。
五輪団体戦と同じ配点ルールで、交代枠も使用したうえでやってくれれば「五輪団体戦の前哨戦」としての見どころが出るのになって考えちゃうんですよ。選手への負担も少しは減るかもしれないし。
(カップル競技で交代枠使いまくられたら選手宿泊費とかが高くつくのかもですが、6か国だけなんだから何とかしてあげて~と思ってしまう)
団体戦っぽく見えて実は違うルールって、カップル競技強い国に対してフェアじゃないよな、開催国に有利なルールってのも居心地悪いよなーって感じちゃうんですよね。というか、今は日本ペアが強くなったから、今の日本チームに有利とは言い切れなくなってきてますよね?
でも、「楽しむ」大会なのでスルー!
ま、「そんなことをグダグダ考えずに選手が楽しんでいる姿を見て、ファンも一緒に楽しむのが国別対抗戦最大の醍醐味」と今は思っているので、今年の国別の配信&放送はちゃんと楽しんでいます。
なので、以下は愚痴は極力封印し、楽しかったことメインに記録していきます。
日本スケ連とISUのインスタ楽しい!
JSF(日本スケート連盟)とISU(国際スケート連盟)のInstagramが、国別対抗戦の舞台裏で楽しむ選手たちの様子を投稿しまくってて超楽しいです。
(その他テレビ朝日スポーツのYoutubeチャンネルもショート動画であれこれ展開中)
フィギュアスケート詳しくない層にも発信している地上波放送と違って、ファンのツボをついてくる感じの企画を連投してくれるのがよいですね。フィギュアスケートファンなら放送よりInstagramの動画見てる方が断然楽しいんじゃないかと思うほどです。」

こういう動画コンテンツ供給が多々ある現役選手たちのファンが羨ましいです!
今のところ個人的には下記の投稿がお気に入りw
競技1日目について
実は私、先日の投稿に書いた内容をちょっぴり後悔しています。

「うたまさRD70点、佐藤駿選手SP100点、鍵山優真選手SP110点超えられたら」って希望を書いてたんですよ。全て夢に終わってしまったので、「夢を言葉にしちゃったのがよくなかったのか…」とか思っちゃって(苦笑)
まさか、楽しそうに滑っていたうたまさ組が最後にリフトミスが出たり、佐藤駿選手が朝に38℃台の発熱してたり、千葉百音選手がダブルアクセルで転倒したりーなんてことは想像の範囲外でした。鍵山優真選手の場合は挑戦構成での結果だから、想像の範疇でしたけど。(成功を期待していましたので残念ではありましたが)
日本選手たちはプレッシャー感じやすい?
一昨年急遽出場となった佐藤駿選手も最初の国別対抗戦ではかなり緊張したようだったし、「国」を背負う形での試合に出るってことは普段の試合よりプレッシャーかかりやすいんでしょうか?
海外の選手はのびのびと楽しんでるように見えるのに、日本選手は楽しみ切れてない感を感じることが多いです。
日本選手だとゴールデンタイムのテレビ放送で華々しく「日本の金メダルを賭けて~」とか煽られてるのわかるから、「母国を背負わされてる感覚」をより強く感じちゃうんでしょうかね。
でも、もしそんなプレッシャーを感じていたのだとしたら、「五輪団体戦の前哨戦」という意味ではすごくいい経験になるのかも?ということでポジティブにとらえておきます。

「ミスをしたからって謝らなくていい」との声かけを積極的にしていた坂本花織選手にはもうベテラン選手の息を超えた「偉大なおかん感」を感じました。彼女も相当疲れているだろうに、自分からキャプテン役を引き受けて。
国別対抗戦は隔年開催ですから、この大会が坂本花織選手にとって最後の国別対抗戦になる可能性が高いですよね。キャプテンに立候補したのはそれもあったのかなって思いました。次の国別は誰が日本キャプテンになるのでしょう。
やはり疲れが見える転戦組の選手達
ワールド⇒SOI⇒国別コースをたどっている選手の演技には、私はいずれも疲労感を感じました。
ジェイソン・ブラウン選手だけは比較的元気でしたけど、その彼もフリーでは珍しくサルコウ抜けてたもんな。アンバー・グレン選手、靴ガムテープぐるぐる巻きだったように見えたけど、そろそろ靴が限界だったりするのでしょうか。(いつぞやの宇野昌磨さんの国別のあれこれを思い出す…)
SOIに出ていないアリサ・リウ選手は比較的元気そうに見えましたが、彼女も世界女王になったとあってメディア対応とかで多忙だったりしたのかな。(米国だとそこまではない?)
アリサ・リウ選手のこの記事楽しかったですw

疲れの中踏ん張ったイリヤ・マリニン選手
昨夜のフリーでは、イリヤ・マリニン選手の2本目のアクセルジャンプがトリプルだった瞬間に、観客の隠しきれないガッカリ感がうっすら透けて見えた感がありましたね(苦笑)。
4回転ルッツ2回跳んだり、後半でトリプルアクセルへのジャンプシークエンス跳んでくれたり物凄い構成なのに、マリニン選手ちょっとお気の毒…皆の期待値インフレし過ぎです(苦笑)。
マリニン選手の後半の4回転ルッツコンビネーションジャンプをジャッジが一時トリプルルッツ判定していたため、解説の町田樹さんが「私4回転ルッツだと申し上げましたが3回転ルッツだったようです」などと訂正し出した時にはビックリしました。
「いやアレは4回転ルッツだったよ!自信もってよまっちー!」って思いました(笑)。
まぁ私も佐藤駿選手などの回転速度が速い選手の演技時は「4回転だった…よね?」と自信がなくなることが多いですけど、プロの解説者でもあそこまで自信を無くすことがあるんですね。
さすがのマリニン選手もハードスケジュールにお疲れの様子で、後半は足が重そうでバックフリップ心配になっちゃいました。無事降りられてよかったです。
トップ選手のノブレス・オブリージュ
今の私は、国別対抗戦は、「強豪国トップ選手の“ノブレス・オブリージュ(高貴な者が果たすべき義務)”」のような大会だと捉えています。
選手たちは試合に参加するだけではなく、練習の合間に開催された子ども達のスケート教室講師役としても働いてくれたりしていて、頭が下がるばかりです。
下記の記事では鍵山優真選手と吉田唄菜選手、ジェイソン・ブラウン選手にしか言及されていませんが、他にも多数のスケーターが講師役で参加してくれてました。

ISUのアカウントに掲載されている動画を見ると、五輪やワールドのメダリストたちがずらり。指導を受けられる子どもたちが羨ましい限りです。
「GPSやワールドに出ていない選手」を観る楽しみ
テレビ放送ではカットされてしまっていますが、フィギュアスケートファンにとっては、国別対抗戦には「珍しい選手」が出て来るのも楽しみの一つです。
「新発見」のよろこび
私は2023年に国別対抗戦を現地観戦したとき、韓国のイム/クァン組の演技に凄く驚きました。「韓国にこんなアイスダンスのカップルがいたのか!うまいじゃないか!」って。
彼らはその年の世界ジュニアで銀メダル獲るなどジュニアでは活躍してたんですけれど、私ジュニアのアイスダンスまでは追ってなかったので全然存在を知らなくて。
今回私がそういう驚きを感じる若手選手はいなかったけれど、北京五輪後引退したモリス・クビテラシビリ選手が出場してくれたのは懐かしかったです。
引退済み選手の「この試合限りの復帰」
シングル選手の少ないジョージアからは、今回男子女子ともに事実上引退済みの選手2名が出場しました。

実際の団体戦とは異なるルールでやるらこういう事態が発生するんですよね。競技用の練習を再開するのは大変だったと思います。

なのにクビテラシビリ選手ときたら、今季からスピンのレベル認定要件に加わった、ヒールでで立つ動きを入れてきてビックリしましたよ!
「引退した選手なのに、現行ルールに対応してちゃんとレベル取りに来てる!」って感動すら覚えました。
※スピンはSPで1つ、フリーでは2つのレベル4獲得!
最初トリプルジャンプのコンビネーションだったから、「さすがにクワドはなしか」と思ってたら、最後のジャンプで4回転トゥループ挑んだし。フリーでも4回転トライしてましたからね。出るからには少しでも点を稼ごうと準備してきたのが見て取れて、敬服しました。
ジョージアから出場した女子シングルのアリーナ・ウルシャゼ選手も同様、競技を離れて長かったのに「国別対抗戦が決まるかもしれないから」と約半年前に練習を再開したそうです。
「国別対抗戦の6か国目は韓国じゃなくてジョージアになるかも?」って日本のスケオタが話題にし始めたのは年明けてからだったように思います。でも、ジョージアのフィギュアスケート関係者はそんな前から国別を意識してたんですね。
りくりゅうのSPは保存版!
りくりゅうこと三浦璃来/木原龍一組のSPは永久保存版でした!
国別あるあるですが、パーソナルベスト更新の瞬間が仮装姿で残ってしまうという(笑)。
私このプロ、「何ならミラノ五輪も継続で!」ってぐらい好き。でも彼らの新プロも見たいしな~まぁこれも選択肢としてはありってことで!
本当この「黒く塗れ!」は彼らの新しい表現分野を開拓した感ありますね。ただただカッコいい。
ちなみに私、昨日はISU公式配信で観てから、テレビ朝日の高橋成美さん解説を視聴しました。
ISU公式配信では、二人のスピンに対して「uncanny(気味が悪い、不気味等の意味)」って言ってましたよ。「気持ち悪いぐらいぴったり揃ってる」とか「超人的」みたいな意味合いで、ある意味最大限の賛辞を頂いておりました。
とにかく楽しんでほしい
今夜が競技最終日。
競技初日女子シングルではジョージアのアナスタシヤ・グバノワ選手が素晴らしいSPを見せてくれました。パーソナルベスト更新までにあと0.02点!ジャンプ壊滅でまさかのSP落ちだったボストンワールドの悪夢を振り払ってくれた感じでした。

こういうのを観ると、「国別対抗戦があってよかった」と思います
今季悔しい想いをした選手、ワールドで思うような演技ができなかったこういう機会が訪れるといいなと期待しています。
でも「いい演技ができたらラッキー」ぐらいの気楽な気持ちで、どんな結果になろうともシーズン最後のお祭り試合をみんな楽しんで終えてほしいですね。