ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(ミラノ五輪)2026フィギュアスケート・ペア競技には史上初めて日本から2組の選手が出場します。
一組は、世界選手権で二度優勝している「りくりゅう」こと三浦璃来(りく)/木原龍一組。
もう一組が、若手急成長株の「ゆなすみ」こと長岡柚奈(ゆな)/森口澄士(すみただ)組です。
「ゆなすみ」は今回の五輪出場を機に大きく注目されつつありますが、フィギュアスケートファンの多くは彼らの成長を熱く見守ってきました。私もその一人です。
「ふたりがミラノ五輪にたどり着くまでの歩み」を知ってもらいたいと思い、今回は彼らの3シーズンを振り返る情報をまとめました。
長岡柚奈/森口澄士の結成はいつ?|2022-2023シーズンのスタート
二人はどちらも最初はシングル競技の選手でした。
森口澄士選手は、2020-2021シーズンは櫛田育良(いくら)選手、新型コロナ流行期を挟んで2022-2023シーズンは村上遥奈(はるな)選手と組んでいました。ただし、当時は男女ともにシングル競技も継続。
長岡柚奈選手とペアを結成したのは、2023-2024シーズン。結成を機に二人ともペアに専念し、その年の年末にはNHK杯に初出場しています。


この時の演技はまだ初々しかったです
でも、「長岡柚奈選手はペア初心者なのに、半年でここまでいけるのか」という驚きもありました
ペア転向のきっかけは?|日本スケート連盟トライアウト秘話
ちなみに長岡柚奈選手がペアを始めたきっかけは、日本スケート連盟が定期的に開いている「トライアウト」と呼ばれる体験会。
下記のJSportの対談記事では、当時のエピソードがたっぷり読めます。
(2年前の古い記事のためか写真は見えなくなっていますが、文章は読めます)
「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組のコーチであるブルーノ・マルコットさんがこのトライアウトで「ペアに向いてるよ。森口君とペアを!」と勧めたようです。

「高く持ち上げられたり、放り投げられたり、振り回されたり」を楽しめる素質がないと、ペア選手にはなれないのがよくわかります(笑)
2024-2025シーズン急成長|NHK杯で「ミニマムスコア」獲得
結成2シーズン目にあたる昨シーズン(2024-2025)の急成長ぶりはすさまじいものでした。
グランプリシリーズ(GPS)のNHK杯とフィンランド大会での活躍は、目を見張るものがありました。
NHK杯で世界選手権の「ミニマムスコア」を獲得
2024年NHK杯では、世界フィギュアスケート選手権(ワールド/世界選手権)出場に必要な最低技術点「ミニマムスコア」を獲得しました。
2024NHK杯の観戦記はこちら 「ミニマムスコア獲得」を喜ぶ当時の空気感を知りたい方はどうぞ

初年度はこのスコアを満たすことができず、ワールドに出られなかったんですよね。
でも、「ペア歴が浅い者同士が結成1年目でミニマムスコア獲得にあと一歩まで行っていた」ってこと自体、とんでもないことだったんですけれどね。
GPSフィンランド大会ではフリー3位!
NHK杯の活躍などもあってワールドランキングが上がり、二人は翌週のGPSフィンランド大会に急遽出場が決まります。
その大会では、なんとフリー3位の大活躍。
私はその演技を会場で観戦しており、現地写真も交えてこちらの記事に記録しています

四大陸選手権で入賞し、海外スケオタの話題に
その後、2月上旬のアジア大会では銅メダルを獲得し、同月開催の四大陸選手権でも好演技を見せ、7位入賞。海外のフィギュアスケートファンたちから熱い注目を浴びました。
※下記記事からはその時の海外の反応だけでなく、フリー演技動画も視聴できます

2025世界選手権|トリプルツイスト挑戦も、逃した五輪枠
ここまでものすごいスピードで成長してきた「ゆなすみ」。
私は、このままミラノ五輪代表枠も獲得できるものと思っていました。
「ワールドSP通過」がミラノ五輪代表枠の獲得条件
「ゆなすみ」はボストン開催の世界選手権でフリーに進出すれば、ミラノ五輪ペアの出場枠を獲得できる状況でした。より高みを目指した彼らは、世界選手権に新しい技を投入します。
実は、四大陸選手権までは、彼らの「ツイスト(男性が女性を高く投げ上げ、頭上で回転してから受け止める技」は2回転の「ダブルツイスト」でした。しかし、世界選手権では「トリプルツイスト」に挑戦することにしたのです。
「トリプルツイスト」初挑戦も、届かなかった五輪出場枠
現地の公式練習で見たトリプルツイストは、どれも成功はしていました。
しかし肝心のショートプログラム(SP)本番では、その技で痛いミスが出てしまいます。
このときのペアの公式練習やSPの観戦記はこちら(ゆなすみの項目がすぐ開きます)

結局、フリー進出はならず。五輪出場枠は獲得できませんでした。
当時の詳細は下記をどうぞ。このときのSP演技動画をあえて埋め込みましたが、今見ると感慨深いです

試合後に長岡柚奈選手がペア競技引退を考え、「ゆなすみ解散の危機」に一時陥ったことは、その後各紙が報道しています。
でも、この経験が二人を強くしたのだと思います。
ミラノ五輪代表最終予選会|代表枠を掴んだ北京の戦い
ふたりは翌年9月の「ミラノ五輪代表最終予選会」に出場することになりました。
この予選会がミラノ五輪に出場するための最後のチャンス。上位に入れば、枠が獲得できます。
直前に出場した木下グループ杯(CS大会)で初めて見た今季フリープログラムは、素晴らしい仕上がり。「これは行ける!」と思いました。

その2週間後に、中国・北京で開催されたミラノ五輪最終予選会。

この試合、どれだけドキドキしながら見守ったことか!
彼らがこの大会で代表枠を掴むまでの詳細は下記の記事で熱く語っております。代表枠獲得が決定した瞬間の彼らの涙は忘れ難いです。

とんでもないプレッシャーと闘ったこの大会。
これを経て、「ゆなすみ」はさらに大きく成長した気がします。
五輪代表確定後の進化|GPS連続4位と四大陸銅メダル
その後も彼らの躍進は続きます。
GPS大会では2大会連続4位
今シーズンのNHK杯、フィンランド大会はどちらも4位。GPS表彰台にあと一歩のところまで成長しました。

こうして過去記事を整理してみて初めて気づいたのですが、私は今季の「ゆなすみ」関連記事で「大躍進」という言葉を2回も使っていました(笑)


全日本選手権ではSP・フリーとも好演技
全日本選手権では見事な演技!
スピンなどに課題はまだありますが、保存版です。
先月の四大陸選手権では銅メダル獲得
今年1月の四大陸選手権では、ついに銅メダルを獲得。チャンピオンシップ大会初メダルです!
当時の観戦記はこちら アイスショー鑑賞の合間にホテルでドキドキしながら見守りました

SPの点数が良かったことから、一時は「金メダルも狙えるのでは?」という期待すらありました。さすがに若さが出たのかフリーではミスが出てしまい、結果は銅メダル。
五輪という大舞台では、いつも通りの演技を出し切ること自体が最大の挑戦です。
彼らは海外のフィギュアスケートファンから「4年後のアルプス五輪のメダル候補」との評判の選手です。五輪の場で貴重な体験を積んで、さらなる成長に繋げてくれるといいなと思っています。

今回は「ゆなすみ」の歴史を伝える記事なので彼らのことばかり熱く語ってきましたが、私はもちろん「りくりゅう」も熱烈応援しております!
二組ともいい演技ができますように


