モントリオールで開催された2024世界フィギュアスケート選手権、競技3日目以降のあれこれを再び書き始める前に、会場での出来事を少し書いておこうと思います。今後感想書いていく中で今から語るアメリカ人(推定)スケオタの話がちょいちょい出て来るかと思うので(苦笑)。
モントリオール観客はポテトやピザを食べながらのんびり熱く観戦
選手の演技中、観客が姿勢を正して真剣に鑑賞する日本とは違って、モントリオール会場の観客は片手にピザやポテトチップ、コーラなどを片手にむしゃむしゃ食べながら演技を観るゆるいスタイル。ちょっぴりカルチャーショックでした(笑)。エンタメ系映画を観るような感覚なんでしょうか?
会場のベルセンターは飲食物持ち込み不可で会場内売店はそこそこ並ばないといけないので、計画立てた準備をしておかないと休憩時間中に食事を取り終えられないって事情もあるんですけどね。
しょっちゅうスマホ鳴らす人がいたり、演技中でも構わず電話に出たりするあたりは北京と同じ(苦笑)。北京の観客もたいがいフリーダムでしたが、演技中にピザをむしゃむしゃ食べてる人は見かけなかったですね。
私は会場近くのホテルに戻って用意してあった食事を温めて食べたり、会場前のベーグル屋さんでさっと軽食を食べたりで演技中に飲み食いせずにすみました。
ベルセンターは座席からのモバイルオーダーができるのは魅力だったんですが、自席の近くの店にしかオーダーできず。選べる品がイマイチ&モバイルオーダーサイトの接続が不安定だったので結局利用せずじまいでした。
北京の時の観客の様子は下記の投稿の前半に書いてあります。
ただ観戦マナーこそ日本とは異なりますが、北京グランプリファイナル観客もモントリオールワールド観客もフィギュアスケートを愛する人たちが集まっており、観客席はスケーター達への愛にあふれていました!
後方席の米国人(推定)女性の熱いスケオタトーク
私の座席はジャッジ側スタンド中段。通し券購入者が多めのゾーンだったので、両隣の人と親しくなったりするかな~と少々期待していたのですが、どちらも英語はそんなに得意じゃない&シャイな方たちでして。必要最低限のコミュニケーションしか取らずじまいでした。まぁ私自身に「親しくなりすぎて始終話しかけられたりしたらイヤだな」って気持ちがあったので、「あまり話しかけてくれるな」オーラが私から出ていたのかもしれません。
しかし私の後方に座っていた米国人(推定)女性が、まぁしゃべるしゃべる。演技後はともかく演技中もしゃべり続けるんで超うるさい。彼女が競技について詳しいことを知って、彼女の隣の客が質問攻めにするもんだから、本当よくしゃべるんですわ。
この人も通し券購入者だったため、私は毎日この米国人女性の話を聞く羽目になりました。別に聞こうと思って耳をそばだててるわけじゃないんですが、めちゃくちゃ聞き取りやすい米国標準英語なもんで耳に入ってきてしまうのです。
それに話してる内容が他愛のない話なら「演技中もしゃべりっぱなしでうるさかった」で片づけられるんですがね…この人筋金入りのスケオタのようで。
「彼女の今シーズンのベストスコアは〇〇点だから、クリーンにまとめればトップに出られるわね」
「すごいわ、シーズンベストを10点近く超えたわ」
「彼女は今季途中でプログラムを変えたのよ、確か新しい曲目は〇〇よ」
「このプログラムは昨シーズンからの継続だけど、〇〇が良くなっているわね」
「彼女は回転不足とられやすいし後半ジャンプ全部怪しかったからこれはかなり点が下がるわね」
などと知識量が半端ないのです。前半グループのスケーターについても情報を詳しく知っているし。
演技終了後は時々「そうね、これならきっと71点ぐらいね」と彼女が予想点数を口走るのですが、毎回プラスマイナス1~2点以内の点数が出る。予想精度はプロ解説者並み。
こうなってくると「うるさい観客のおしゃべりを聞かされている」というより「後方席に座っている米国人リポーターによる実況解説が聞こえている」気分になってきて、初日の夕方あたりからは彼女たちが演技中しゃべり続けてるのも気にならなくなってきました(苦笑)。シーズンベストスコアまできちんと把握できてる選手の数は少ないですから、いろんな豆知識やかなり正確な予測&分析を後ろでつぶやいてくれるのは正直助かりましたしね(笑)。
競技2日目には米国現役スケーターも加わり、おしゃべりヒートアップ
競技2日目、男子SP&ペアフリーの日。彼女の横に座った米国人青年のおかげで、後方席のスケオタトークはさらにヒートアップしました。
ただでさえ同じ米国人同士(推定)とあって話がはずんでいたのですが、この米国人男性がタダモノではなかったんです。その青年はイリヤ・マリニン選手と知人の現役スケーターだと、漏れ聞こえてくる会話からわかりました。
「僕は4回転はまだ跳べないので全米選手権等に出られるレベルではない」らしいのですが、イリヤ・マリニン選手とは共に練習する機会があるらしく。「イリヤは僕はいずれ4回転跳べるよって言ってくれてるから今練習を頑張ってるんだ!」と誇らしげに語っていました。そして「イリヤは素晴らしい才能の持ち主。今彼は5回転サルコウを練習中で、ミラノ五輪ではきっと5回転サルコウを成功させると思うよ」なんて話までしだすもんだから、思いっきり耳をそばだててしまいましたよ。「演技に集中でけんから固有名詞出しまくりの会話はそろそろやめてくれー」と思いつつ(苦笑)。
米国人スケオタ女性もテンション上がってしまって「ええ?じゃあ〇〇選手も知ってる?〇〇コーチとは?スケーターから見てこの選手はどう思う?」などと青年に質問しまくりでしゃべる量が2~3倍に増加。
「この調子で宇野昌磨選手の演技中までしゃべり倒されたらどうしよう」…と思っていたら、米国人青年はマリニン選手のSP演技終了後すぐに退出して戻ってきませんでした。本当にマリニン選手の友人だったのでバックヤードまで会いに行って、ペアフリーは見ずに帰ったんでしょうかね。
おかげで宇野昌磨選手のSP演技は静かな環境で堪能することができました。しゃべりまくりだった米国人スケオタ女性も昌磨くん演技中は演技に見入っていたのか無言を貫いていて助かりました。演技終了後、熱のこもった声で「これはShomaが間違いなく1stを取るわね!」と断言してくれて実際その通りになったので、彼女がその日半日うるさかったことは許しました(笑)。
ちなみにこの方、ペアフリー演技序盤のステップで三浦璃来ちゃんについて「あぁ…彼女はなんてディープエッジなの!」とほれぼれとした様子でつぶやくなど、心の声が終始だだ漏れでした。少々うるさかったけど発言内容に不快感を感じたことは一度もありませんでした。色んな指摘やコメントはうなずけるところが多かったし。
現地で知り合った日本人の方によると、観客の中には演技中に座席で堂々と電話で食事の出前注文をするような現地でも完全にマナー違反の行動をとる困った人もいたそうで。(ほとんどの観客は全選手を暖かく応援する人たちでしたけどね)「事実関係を正しく把握していて、自分の感性ともかけ離れていないスケオタトーク」に徹してしゃべるお客さんで助かったなと思います。
でも日本国内の会場で演技中にあそこまでしゃべり倒す観客が近くにいたら、私を含め誰かが「演技中はもう少し静かにしてもらえないか」とお願いしそう。なのでこれは海外観戦じゃないとありえない体験でしょうね(笑)。
米国人スケオタ達の会話がうるさかった男子SP&ペアフリーの日の感想と、宇野昌磨選手のSP&フリー演技についての私のクソ長い感想はこちらの記事でどうぞ