「Ice Brave」愛知公演感想【1】 Another Levelへ進化したショー前半の見どころ

モリコロパーク南側からのリンクを緑に光るアイスブレイブペンライト越しに撮影した写真

「Ice Brave -A TURNING SEASON-(アイスブレイブ-ア・ターニング・シーズン-)」愛知公演4公演すべてを鑑賞してから、もう4日が経ちました。

8/8(土)から始まる東京公演を前に、全プログラムの感想をまとめたいと思っていたのですが…一つ一つ書いていたら全然先へ進まないんですよね。

「こんな調子で全プロについて書いていたら東京公演始まっちゃうw」と思ったので、まずはショー前半で特に語りたくなった部分を取り上げることにしました。

今回は下記の3項目を、愛知公演でのエピソードとメディアの写真を交えて順に綴っていきます。

  • オープニング「Another Level」
  • 宇野昌磨ソロ「ダンシング・オン・マイ・オウン」
  • 「ナルコ」~MCタイム~「Ready or Not」
目次

セットリスト全20演目のおさらい

演目の順番を確認しながら読みたい方のために、最初に全20演目のセットリストを掲載しておきます。

使用曲の参考音源や公式発表状況については、別記事で詳しくまとめています。

スクロールできます
No.プログラム名演じた人(敬称略)メモ
1Another Level宇野昌磨ソロ⇒男子勢⇒女子勢新プロ
2カム・トゥゲザー中野耀司&佐藤由基以外の全員Ice Braveより継続だがメンバー変更あり
MCタイム宇野昌磨MC
3It Takes Two(ミュージカル「ヘアスプレー」より)中野耀司・佐藤由基新プロ
4Cinema Italiano(ミュージカル「NINE」より)中野耀司・唐川常人・櫛田一樹・佐藤由基⇒途中から本郷理華登場新プロ
5バッド・ボーイ、グッド・マン中野耀司・櫛田一樹・佐藤由基Ice Brave2より継続
6四季宇野昌磨&本田真凜今季FDのショー版
7ザナルカンドにて(「ファイナルファンタジーX」より)吉野晃平&唐川常人新プロ
8ダンシング・オン・マイ・オウン宇野昌磨ソロ音源は旧競技プロながら振付は一新
9Alone(feat.Lauren Evans)櫛田一樹&佐藤由基新プロ
10リバーダンス本郷理華ソロIce Brave初演より継続
11ナルコ男子全員Ice Brave初演より継続だがメンバー追加
MCタイム男子全員
12Ready or Not宇野昌磨以外の男子全員新プロ
13Kiss the Rain本田真凜ソロ新プロ
14ブエノスアイレス午前零時唐川常人⇒宇野昌磨登場⇒男子全員Ice Brave2より継続だが後半のメンバー構成変更
15Feeling Good宇野昌磨ソロ⇒吉野晃平&櫛田一樹&佐藤由基新プロ
16Stand By Me本郷理華ソロ⇒途中で吉野晃平登場新プロ
17Sunny Days中野耀司ソロ⇒唐川常人ソロ⇒終盤は二人で新プロ
18ポエタ宇野昌磨&本田真凜今季RDのショー版
19ボレロ IV宇野昌磨以外の男子全員⇒本郷理華登場⇒宇野昌磨&本田真凜登場Ice Brave初演より継続だが登場順や振付変更あり
20Hero全員新プロ
MCタイム
フィナーレ&周回
※吉野晃平さんの「吉」は、本来は上の横画が長い字体ですが、文字化け防止のため本記事では「吉」で表記しています

クールな新オープニング「Another Level」

ここからは、「Ice Brave -A TURNING SEASON-」のショー前半のうち、3つの項目に絞って感想を綴っていきます。まずは、オープニングから。

静かな緊張感から始まる、クールな新演出

「Ice Brave(アイスブレイブ/アイス・ブレイブ)」の過去公演を見た人なら、オープニングではお馴染みの「グレート・スピリット」で宇野昌磨さんが一人飛び出してくるのを期待していた人もいるかもしれません。

しかし今回は、いきなり激しく始まる「グレスピ」とは打って変わり、静かな緊張感の中からじわじわとボルテージを上げていくスタイルに変わりました。

宇野昌磨さん一人が登場し、まずはリンクの隅にたたずみますが、その姿はまだはっきりとはわかりません。
赤い薄明かりの中をゆっくり移動し、リンク中央で静止します。

すると、曲に合わせてスポットライトが彼に一瞬集中。

その瞬間、彼の銀色のジャケットがまばゆいばかりに輝くんですよ!
そして、氷が砕け散るように見える照明演出。

この瞬間が、めちゃくちゃクール!

あそこだけ何度も繰り返して味わいたいくらいです

「氷上で美しく静止できる力」

宇野昌磨さんのシングル現役生活終盤には、彼の「氷上で美しいポーズを長く保持できる力」には何度も惚れ惚れとさせられていました。

今回のオープニング前半では、2022-23シーズンのエキシビションプログラム「パダム、パダム」のスローで力強い動きをちょっと思い出しました

本来はバランスをとって立つことすら難しい氷上で、印象的な立ち姿のまま微動せず圧倒する空気感を醸し出せるのは、強靭な体幹があってこそだと思います

オープニング曲の前半、他のスケーター達が出て来て周囲で踊り始めても、彼は彫像のように佇みゆっくりとしか動きません。周囲のスケーターとの対比が際立ち、「この場を支配している」という空気を生み出します。

「Another Level」を目指し、進むパワー

使用曲は、アメリカのオルタナティブ・ロックプロジェクト「Oh The Larceny」の「Another Level(Joep Sporck Remix)」です。“A TURNING SEASON”=変わりゆく時期 というこのショーのサブタイトルを強く意識した選曲だと思います。

中盤からだんだん曲調が激しくなるにつれ、全スケーターの動きが激しくなっていきます。

揃ってリンクのあらゆる方向をかき分けていくように前進していく振り付けは、まさに「Another Level」=別次元を目指して突き進む一団のようでした。

節目となる時期を迎え、今より高いレベルを目指して自らを押し上げて行く。そんな若者たちのパワーを存分に浴びられるプログラムです。

「Ice Brave」公式アカウントが公開している愛知公演の見どころを見事にまとめ上げたダイジェスト映像には、オープニングのかけらも数カット入っています!

宇野昌磨、新境地のソロ「ダンシング・オン・マイ・オウン」

続いては、宇野昌磨さんのソロ演技「ダンシング・オン・マイ・オウン」についてです。

過去の競技プロ用曲だが、演技は完全に別モノ

これは宇野昌磨選手がコロナ禍を挟み2019-20、2020-21の2シーズンにわたり滑っていたフリープログラム。

原曲はアップテンポですが、しっとり歌い上げたカラム・スコット版「ダンシング・オン・マイ・オウンを使用。このプログラム用に書き上げられたオリジナルのピアノ曲Your Last Kiss(カール・ヒューゴー作)との組み合わせも印象的です。

新型コロナで世界選手権が中止になったシーズン、その直前のCS大会チャレンジカップで見せた演技がこちらです。

しかし、今回のショーで披露した「ダンシング・オン・マイ・オウン」は、この競技プロと同じ音源を使用していても、全く異なる振り付けの別モノ

新プロは12曲と言われていますが、これを入れて新プロ13曲とカウントしていいと思います。

「四季」を終えた数分後、まさかの客席からの登場

過去の「Ice Brave」でもグループナンバーとして新たな振付がされていましたが、メインで滑っていたのは中野耀司さんでした。

そのため初演時、この曲が流れ始めて会場隅の観客席前の通路に立ち尽くす男性にスポットライトが当てられたとき、「耀司くん?…じゃないな、あれは誰?」となりました。

だって、ショー版とはいえアイスダンス競技用FD「四季」を終えてからたった1プロ挟んだだけですよ?

5分も経ってないのに、まさかその1演目の間に着替えを終え、もうソロで登場するなんて、普通思いませんよ

初演時私が座っていた席は彼のスタート位置からかなり遠かったので、滑り始めるまであれが昌磨さんだとは確信が持てませんでした。

滑り出したら、個性的な滑りで一発でわかりましたけどね…。

今思うと観客席にたたずむ振り付けは、あの間に呼吸を整えるためのものかもしれません(苦笑)

現地ではそんなことは思いもつかないほど、あの世界観に引き込まれていましたが、「四季」衣装からあのカジュアル衣装への着替えは、どう考えても時間ギリギリだと思います。

それとも一見カジュアル衣装に見えて早着替えできるような工夫がしてあるんでしょうか?

まさかのトリプルアクセル投入

演技序盤、昌磨さんが私のいる方向にアクセルの助走に入ってきたので「おお~アクセル来るよ!」と待ち構えていたら、なんとトリプルアクセルに挑んできました。このときは本当にビックリしました。

開幕前夜に公開されたリハーサル動画でトリプルアクセル跳んでるっぽかったから、「これはフィナーレで絶対跳んできそうだな」と予想してはいましたよ?

でも、まさか演技中にトリプルアクセルを入れて来るとは!

ブレードだけでなく靴までアイスダンス仕様に変えたっていうのに、高難度ジャンプをプログラム中に入れて来るなんて思わないじゃないですか?

それにしつこいですけど、ついさっきまでFD滑ってた人ですよ!?

下記の写真はその後披露した、赤布を手にしたまま跳んだダブルアクセル

初演は激しい転倒も、最終公演では着氷

しかし、初演のときは氷に叩きつけられるような激しい転倒。凄い音が聞こえて、観客の多くから思わず悲鳴のような声が上がりました。

片想いの心情を歌った曲なので、激しい転倒は「痛めつけられた心」の表現にも見えましたが、あまりにも痛そうだったので、心配の方が大きかったですね。

翌日の土曜午前公演ではこの部分のジャンプで彼にしては珍しく回転が抜けてしまい、夕方公演ではやや着氷が乱れました。そして日曜の愛知千秋楽で、ようやく降りることができました。

全公演を観たおかげで激しい転倒から始まったトリプルアクセルが徐々にプログラムにはまっていく流れを全部見ることができたのは、まるで、全4話の連続ドラマを見届けたかのような気分になりました。愛知最終公演で降りられたときはグッときましたね。

東京公演では、このドラマにどんな続編が待っているでしょう?

でも東京公演は1日2公演が3日間もあるタフなスケジュールなので、くれぐれも無茶はしないでほしいです

想い人は決して自分を振り返らない…痛切な想いの表現

この曲は、想い人が路上で恋人と幸せそうにキスをする姿を、遠くから見つめている人物の心情を歌っています。相手が決して自分を振り返ってはくれないことを知りつつも、自分の恋心を止めることができない、そんな辛い想いです。

昌磨さんの過去の演技は失恋風なときもあれば、想い人の幸せを願う風のときもあれば、色んなバージョンがありました。「Ice Brave」で演じた中野耀司さんバージョンは、「過去の恋を忘れようとはしているけど、想いを振り切れていない男」という印象でした。

今回昌磨さんが披露したのは、過去一痛切な「ダンシング・オン・マイ・オウン」だったと思います。

赤いスカーフをスピン中に胸元から出してからの布を使った演出。振り付けてくれた吉野晃平さんありがとうという気持ちになります。まるでハートから血を流しながら滑っているかのような感情表現に見えました。

また、シングル競技引退後のアイスショーでは、観客受けが良いアップライト姿勢のスピンを多用していただけに、元の競技プログラムに近い変形スピンが観られたのは私には感涙ものでした。

宇野昌磨さんは、スピンでさまざまな情感を表現できる稀有なスケーターのひとりだと思っています!

この演技は是非とも映像記録に残しておいて、いつか何らかの形で公開してほしいです

この演技の映像が日の目を見ないのは、もったいなさ過ぎます…

中盤の熱狂「ナルコ」~MCタイム~「Ready or Not」

4名⇒6名に増えた「ナルコ」

「Ice Brave」の象徴的なプログラムだと思えるBlasterjaxx & Timmy Trumpetの「ナルコ(Narco)」は、今回もほぼ確実に残るだろうと思っていました。

ただ、セットリストのどこに入るのかは予想できませんでした。冒頭や終盤に持ってくることもありそうだな、と。

そして、今回はきっと人数が増えるだろうなとも思っていました。

だって「絶対みんなやりたそうなプロだよね」ってずっと思っていたんですもん(笑)

「Ice Brave」初演からやっていた「マイケル・ジャクソンメドレー」は、開催を重ねるごとに参加メンバーが増えて行って、新横浜Special Editionのときにはついに全員参加になりましたからね~
(次にソロ演技を控えていたステファン・ランビエールさんのみ不参加)

今回は、男子6名での披露です。全員揃ってのダブルアクセル、4人でやるときよりも位置取りの難しさがアップしたと思うのですが、助走、跳び上がり、着氷、いずれも見事なシンクロ!最高に気持ちがよかったです。

宇野昌磨さんだけは、曲が最高に盛り上がるポイントでもう一度ジャンプを跳びます。

「千秋楽ではあそこでトリプルアクセル跳んでたよ」という方もいましたが、私は目の前で見られた衝撃で、記憶が定かではありません。せっかく目撃できた映像記憶がすっとんじゃうくらい、千秋楽公演でのあの瞬間の熱気は凄かったです。

MCタイム

初演のときに私がひそかにツボにはまっていたのは、次のMCタイムの準備作業でした。

これまではステファン・ランビエールさんか吉野晃平さん&佐藤由基さんが水とおしぼりを持ってきてくれていたのですが、今回は持ってきてくれる人がいません。激しい演目が終わったばかりでゼーゼー言いながら、自分たちで取りに行くんですよね。

昌磨さんもほとんどの回で自力でマイクを取りに行っていました。

バックステージにいる女性陣2名は、おそらく次の演目に向け準備中で表には出られないのでしょう

準備が終わっていたとしても、次の演目の衣装がバレちゃいますしね

初回は「どうしよう喋ることを考えてなかった…」と本気で焦る佐藤由基さんが印象的でした。後半の公演では「ひつまぶしが好きで2回も食べちゃった話」などをしっかり用意してきていましたが。

吉野晃平さんからは、「彼が初めてスポットライトを浴びて滑ったのは、この会場だった」という話も出ました。彼は去年の「Ice Brave」愛知公演時はまだメンバーに加わっていなかったので、今回初出のエピソードです。

帰宅後に調べてみましたが、確かに2008年の「THE ICE(ザ・アイス)2008」にキッズスケーターとして出演し、「情熱大陸」で滑っていました!

中野耀司さんは観客へのアンケートのような呼びかけを何度もしていました。「初めてIce Braveに来た人!」と声をかけたときに想像以上に手が上がっていたのは嬉しかったですね。お客さんへのツッコミが温かいから、事務的な聞き方にならないのが彼のいいところです。

唐川常人さんは相変わらず突然スイッチが入ったように弾ける、おなじみのスタイルで楽しませてくれます。「今回は昌磨くんの過去プロ曲じゃないから昌磨くんの力を借りられず、自分たちで何とかしないといけないと思った」など、真剣に語ってくれたときも良かったですけれど。

櫛田一樹さん
は、もはやマイクを持っただけで「くっしー!」のコールが上がります。愛知千秋楽では観客席にいた山本草太選手を「僕の同期が来ています!」と紹介していました。

ちなみに私は思い切りのぞき込まない限り山本草太さんの姿が見えない席位置だったため、「これで堂々と彼を見られる!」と助かりました(笑)

その後昌磨さんが「フィギュアスケート現役の山本草太選手」と紹介し直していたあたりに、ベテランMCの貫禄を感じました

昌磨さんは次のナンバーには参加しないため、MCタイム終了後は全員のおしぼりや水を受け取って籠を持ったまま退場していく、働き者な座長さんの姿を見せていました。

Ready or Not|聞き覚えのある「アガる曲」

その後、宇野昌磨さん以外の男子全員で演じたアップテンポナンバーは、力強いロックやシネマティックなサウンドを特徴とするアーティスト・WAR*HALLの「Ready or Not」

過去の「Ice Brave」では、マイケル・ジャクソンのメドレーが入っていたところに、マイケルパワーに対抗できるくらいドラマチックな曲を持ってきました。度々繰り返される「Ready or Not(覚悟はいいか!)」は印象的困難な闘いに挑む決意を歌った曲です。

私この曲に「なんか聞き覚えがあるな」と思ったので、帰宅後に調べてみたんですが…これ、アメリカの超人気YouTuberグループ「Dude Perfect(デュード・パーフェクト)」の動画でも使われていた曲なんですね!

下記のおふざけバスケットボール挑戦動画では、全編「Ready or Not」が使われていました。

キャッチーで覚えやすい曲なので、これからショーを観に行かれる方は「ナルコ」と「Ready or Not」は一度聴いてから行くと、より楽しめるかも?

ショー後半の見どころは、次の記事で

書くのはショー前半の一部のプログラムのみに絞ったというのに、もう7千字超え…暑苦しく語り過ぎました(苦笑)。

後半の「しょまりん」のRD「ポエタ」と、クライマックスの「ボレロ IV」、フィナーレの「Hero」については、別記事で振り返ることにします。

見どころも、語りたいことも多すぎます!

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モリコロパーク南側からのリンクを緑に光るアイスブレイブペンライト越しに撮影した写真

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