GPS中国大会(中国杯)初日 ファイナルを賭けた勝負は僅か数点差の大混戦/男子SPは4回転祭り

GPS中国大会のロゴ

今日からグランプリシリーズ最終戦・中国大会(中国杯/COC/カップオブチャイナ)が始まりました。

去年の中国杯と同じ会場なので、宇野昌磨さんファンとしては「去年この大会に出てた時はまだ現役だったのにな」「草太くんと友野くんと一緒に出てたエキシビション、今思えば夢のような瞬間だったな」とほんのりブルーな気持ちになります。

しかし、試合自体は多くのスケーターにファイナル進出がかかる大事な大会。演技を観ていけばそんなブルーな気持ちも消えていきました。

初日の流れだけをまとめてみます。(ペアは全部観られてないので触れていません)

グランプリシリーズ中国大会(中国杯)リザルト

目次

アイスダンスRD

アイスダンスRDは順当にシャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ組がトップでスタートしました。

2位はマージョリー・ラジョイ/ザカリー・ラガ組クリスティーナ・カレイラ/アンソニー・ポノマレンコ組が3位となりました。この二組の点差は2.31FDの仕上がりでは順位は変わる可能性があります。

初戦3位組のユーリア・トゥルキラ/マティアス/ヴェルスルイス組とオリビア・スマート/ティム・ディークは2位とは3.73、5.57点の差。可能性はありますが、3位組が2位になれたとしても、初戦2位チームの二組とのスコア勝負になりますからファイナルへの道は少々遠のいたかもしれません。

大きなトラブルが無い限り、表彰台がこのまま初戦2位組3組で1位&2位を取ったらファイナル進出確定となりそうです。このままラジョラガ組が逃げ切るか、カレポノ組が逆転するか?

女子SP

女子はミスをする選手が非常に少ない好試合でした。さすがGPS最終戦です。

1~5位の点差がわずか1.78! 

https://results.isu.org/results/season2425/gpchn2024/CAT002RS.htm より抜粋

そして、ファイナル進出可能性を残している6名全員が後半グループに入りました1位と6位の差も3.15点しか開いていません。とんでもない接戦です。

SP上位3名 

千葉百音選手の演技は良かったですね~。このドナ・サマーも見慣れてきて、ずっと気になってた「優等生が無理して弾けてる感」が薄れてきました。シーズン終盤には余裕で観客を煽れるようになってるといいな(笑)。解説のマークさんも言ってたけど、ダブルアクセルの着氷後の流れで円を描くとこは私を初め大勢のフィギュアスケートファンの好物でしょう。

アンバー・グレン選手のトリプルアクセル、私めっちゃキレイに決まった!と思ったんですけど…あれにqついたのが理解出来ないです。ISU公式解説のマークさんも今季一番の出来ってコメントしてたのにな。今日のジャッジは厳しいのか緩いのかよくわかりませんでした(苦笑)。

これまでのアンバー・グレン選手ならコンビネーションでお手つきしてしまったら最後のトリプルループは転倒か抜けになっていたでしょう。そこをしっかり決めてくるあたり「今季のアンバーは違う」とやはり思わせてくれました。千葉百音選手とは0.02点差の2位!

住吉りをん選手はダブルアクセルの準備に入ったところで氷に引っかかった感じ?でぐらついて一瞬ヒヤッとするもジャンプはノーミス。3Lz-3Tのセカンド回転不足取られるかな?と心配したけれど70点を超えて正直ビックリしました。シーズンベストです。

SP4~6位


キム・チェヨン選手は相変わらず淡々と滑り淡々と技を決めていきますね。イ・ヘイン選手の選手資格停止処分が早く解かれる流れにはなってきているとはいえ、現状ミラノ五輪の韓国女子出場枠確保はチェヨン選手の肩にかかってるので、頑張りすぎ無い程度に頑張って結果を出してほしいです。

渡辺倫果選手の「月光」の世界観にハマりきった感はチェヨン選手とは好対照でした。(チェヨン選手のメカニックな感じはあれはあれで個性としてアリだと思ってますが)いずれトリプルアクセルにする想定でダブルアクセルを入れるためか、アンバー・グレン選手の直後の滑走だったこともあって少々あっさりし過ぎに見えてしまうのはちょっと損だったように思います。

でもフリーではトリプルアクセル入れるつもりなんですよね?吉と出るか凶と出るかはわかりませんが、シーズン後半戦を考えるとここで挑戦しておきたいところでしょう。


上位3名はスピンステップをレベル4で揃えている中。住吉りをん選手以外は全員どこかでエッジエラーや回転不足を取られてるんですが、4~6位の3名はステップのレベルが3なんですよね。僅かな点差をわけたのはステップのレベルかもしれません。

でもこの二人は順位的には4~5位ですが、首位との差は1点台。十分優勝も狙えるスコアです。良い演技だったけれど、スピンでのレベルを取りこぼし&加点が伸びきらずで67点台だったキミー・レポンド選手も首位とは3.15差ですから、優勝してファイナルへーという夢は残っています。

ファイナル進出を争っていた6名は全員引き分けに近い常態で誰一人脱落者なし。
女子のファイナル進出争いは完全にフリー勝負になりました。

アンバー・グレン選手が崩れるところは見たくないので、何とか表彰台にとどまって欲しい。
でも他の選手にも頑張って欲しい微妙な心境です。

男子SP

ダイウェイ・ダイ選手が4-3を!!!

カナダのウェスリー・チュウ選手の欠場の情報にはどんよりしましたが(カナダ男子、本当に本当にやばい…)、第一滑走の演技で気分はいきなりめちゃくちゃ上がりましたよ!

ダイウェイ・ダイ選手があんな美麗な4Tー3T跳んでくるなんて!!!

4回転跳んでるとこ見たこと一度もなかったんだけど!?トリプルアクセルまでの選手じゃなかったの???

しかも、もんの凄い幅のでっかいコンビネーションジャンプ!!!

そしてすんごい幅で跳ぶのを期待していたトリプルアクセルは去年ほどの幅ではなかった(苦笑)。なんとジャンプまとめた(「<」1個ついたけど)ボーヤン・ジン選手と0.7点差の7位スタート!去年11位だったのに!

SPのパーソナルベスト一挙17点も更新だそうで。4回転なくても好きな選手が質のいい4回転手に入れるのってすごく嬉しいです。四大陸が急に楽しみになったよ!

前半グループ選手が4回転を決めまくるレアな大会(ただし抜け1名)

そして、それ以外の選手たちも皆4回転を次々に降りていくじゃないですか!?私の知らない間にアジア中堅選手たちの実力が底上げされている!

そんな流れの中で登場してきたデニス・ヴァシリエフス選手。今季はシーズン初めから仕上がりがいいから今大会では意外と上位行くんじゃないかと思ってたら…

そうか調子がいいとSPから4回転サルコウ入れようとしてきちゃうのか(苦笑)

すっぽ抜けて大きな失点になってしまいました。まぁ国内争いの無い彼はGPSは調整&挑戦の機会ですからね。
SPから入れてこようと思うなんて、きっとかなり調子良かったんでしょうね。ちょっと残念でした。

後半グループは4回転ルッツだらけw

後半グループの4回転ラッシュは更に凄まじかったです。6人中4回転ルッツ持ちが4人もいる。その他の二人もトゥループとサルコウの2種持ち&ループ持ちですからね。

下記で佐藤駿選手&シャイドロフ選手&アダム・シャオ・イム・ファ選手の4回転ルッツが見られます。

ニコライ・メモラ選手はコンビのセカンドがダブルになったり回転不足&エッジエラーで得点こそ伸びませんでしたが、演技はまとめてきました。

ミハイル・シャイドロフ選手は冒頭にしれっと4Lz-3T跳んで後半の4Tもクソ難しい入りでしれっと跳んであっさり終わりました(笑)。スピンとステップがもっと良くなればな~でもこのしれっと感はだんだん癖になってきました

ニカ・エガーゼ選手は4Lzこそありませんが、サルコウとトゥループを「あの軸で何故降りれるw」の連続でこなし、マッテオ・リッツオ選手はNHK杯に引き続き4Lo降りてなかなかイイ演技。4Loはまたも「<」ついちゃって残念でしたけどね。

佐藤駿選手のSP100点超え、ついに来た?

佐藤駿選手の今日の演技はすごく良かった!

「こ、これはやっとSP100点超え来るのでは?」と思ってたら・・・ステップの暫定レベル評価がレベル2判定。

「ああ、レベル2なら微妙に届かないかも…」と思ったら98.75、やっぱりほんの少し届かなかった。キス&クライで喜ぶ顔見たかったんですけどね。

しかもタイムバイオレーション減点が1点あったという。それがなければ99.75?それはそれで余計悔しいか(苦笑)。ステップのレベルがせめて3取れてれば100超えてたのか~~~

まぁでも彼がSP100点超えるのは時間の問題だと思います。今季本当に安定していますよね。スケアメでは多少は崩れましたけど、崩れてもあの程度まで。今季の彼は本当に強くなったなと思います。

乱調気味のアダム・シャオ・イム・ファ選手

アダム・シャオ・イム・ファ選手はフランス大会のSPではなく、ニース杯で披露してた方のSPを披露。私は滑り出しからなんとなく危うい雰囲気を感じていました…。

冒頭の4Lz-3Tはまぁよく降りたなって荒い着氷でしたが次の4回転トゥループは耐えきれず転倒。後はなんとかまとめた感じで精細は欠いていた印象でした。3位には入ったけど、この調子が明日も継続するとちょっとマズイかも。まぁそれでも表彰台には入ってきそうではありますが、彼は本当に読めません。

演技後のインタビューでは笑顔を見せてるから大丈夫かな?

シャイドロフ選手が好調っぽいので佐藤駿選手&シャイドロフ選手がこのままアダム・シャオ・イム・ファ選手を抑えるーなんてこともありうるなと思ったりもしています。

でもフリーでまくってくるのが常態化してるからそんな簡単にはやられないかな?いずれにせよ、佐藤駿選手はGPS優勝する絶好のチャンスじゃないでしょうか?

4回転ジャンプ祭りになった中国大会男子SP、4回転の回転不足をくらった選手はいても、抜けはデニス・ヴァシリエフス選手ひとり、転倒はアダム・シャオ・イムファ選手だけでした。

高PCSを出せる選手が少なかったので超高得点続き、という感じではなかったですが、高難度ジャンプ好きにはかなり見応えのある試合だったんじゃないでしょうか?デニス・ヴァシリエフス選手の抜けは手痛かったけど、自爆大会ムードが薄いだけで本当充実感ありました。

どのカテゴリも二日目の試合が楽しみです。

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