2024年の第93回全日本フィギュアスケート選手権大会(全日本選手権/全日本フィギュア)競技2日目が終わり、男子シングルは順位が確定しました。
表彰台の3人+4位の織田信成選手はそれぞれ目指していた結果を達成できただろうし、彼らを含め多くの選手たちがいい演技を見せてくれました。
しかし、世界選手権や四大陸選手権の代表候補に挙げられていた選手たちが鍵山優真選手と壷井達也選手以外大乱調となり、まさに「大荒れ」の大会。メンタル激しく削られました。今日は電車のトラブルもなく初日よりずっと早く帰宅できたのに、家で上位4人の演技すら帰宅後見返す気力が全く起きないぐらいゲッソリ…
見守るだけの観客でこうなるのですから、実際に試合に出ていた選手たちや関係者の心境はいかほどのものか。そしてこれから代表選考をしなくてはならない連盟関係者の心境もいかほどのものか。
「現地ならでは?」の感想は後半にさくっと記録することにして、まずは今後の代表選考についての想いから書いていくことにします。選手それぞれの演技についてのあれこれは気持ちが落ち着いた後日にまた改めて…
男子シングル代表選考は難航必至
「代表選考どうするの?」のどよめき
友野一希選手の点数が出て全員の最終順位が確定した時、会場内に響いたどよめき。
それは2022大阪全日本で2位島田高志郎選手、3位友野一希選手との順位が確定したときに観客から発せられたどよめきと似ていました。
「これ代表選考どうするの?一番悩みそうな展開になっちゃったよ」って感じ。
素晴らしいフリー演技で優勝した鍵山優真選手は世界選手権出場内定。全日本の結果こそふるいませんでしたが、今季高得点を安定して出し続けグランプリファイナル銅メダルを獲得た佐藤駿選手もほぼ当確でしょう。しかし問題は3枠目です。
12/8時点での代表選考レースの状況は先日発表されています。
2024-25シーズン フィギュアスケート国際競技会 派遣選手選考基準 選考対象選手(JSF公開資料)
派遣選手選考基準には明文化されていない「怪我の状況」
基準に照らし合わせると壷井達也選手か三浦佳生選手が3枠目になる可能性が大きいかもしれません。
しかし今の選考基準に明文化されていない判断材料があります。
それは「派遣大会開催時期の怪我の回復状況」です。
どんなにシーズン前半で好成績を残していようと、重めの怪我を抱えていた状態では本来の実力を発揮することはできません。「派遣大会の開催時に怪我等が重ければ棄権して補欠に代表を譲る」のが前提だから、そんなことは本来選考の時点で考慮する必要はないのかもしれません。
でも選手としては、代表に選ばれれば多少の無理をしてでも出たいと思うでしょう。実際三浦佳生選手は昨日のフリー終了後の取材に対して、今季はこれから休むようなことを発言する一方、世界選手権代表に選ばれれば出るという主旨の発言をしていました。
選ばれれば出たいと思うのは選手の心理からして当然でしょう。でも私はもし彼が代表に選ばれたら強い不安を感じそうです。「連戦になって怪我がますます悪化し肝心の五輪シーズンを棒に振る羽目になりはしないか?」と。
「五輪の枠取り」がかかった世界選手権代表になることの重さ
「3枠目」の候補の中で怪我の不安材料が少ない(ように見える)のは壷井達也選手だけかもしれません。山本草太選手も今は大きな怪我はないのかもしれませんが、怪我の影響の無い状態で昨日のフリー演技だったとしたらワールド代表選出は厳しそう。
しかし大きな国際大会経験がない壷井選手にいきなり五輪代表の枠取りがかかった世界選手権代表は余りにも荷が重すぎる気がします。4回転がサルコウ1種のみ&過去の国際大会成績&PCSの出方からいって、SP落ちのリスクが代表候補選手の中では最も高い。今季凄く安定しているにはいるけれど(フリーの「道化師」かなり好き)、通常ならまずは四大陸代表で経験を積ませてからーという流れになってもおかしくありません。
となるとワールド代表3枠目は他の選考条件からすると三浦選手?となるけれど、明らかに怪我の状況が良くなさげ。しかし他の候補の山本選手&友野選手&島田選手はいずれも決定的な材料に欠ける。
もうね、冬期アジア大会やユニバーシアード、四大陸全部終わるまで待って、3枠目はギリギリに決めたらダメ?って気分になってきましたよ。他の国って結構ギリギリに派遣選手決めてること多いんだから何も年内に全部決めなくてもいいじゃん。ロシアみたいにテストスケートやれとまでは言わないけど、怪我からの回復状況が大きなファクターになっている以上、12月末時点での情報で3月の試合の選手決めちゃうのどうなのよ?って。
私が選考委員だったら3枠目の決定延期を提案しますわ。
…って委員じゃないし専門知識がないただの野次馬ファンのたわごとにすぎませんが。
❄️全日本選手権2024🐙男子❄️
— 【公式】フジテレビスケート (@online_on_ice) December 21, 2024
1位 #鍵山優真 選手✊
FSで205.68をマーク🤩
お父さんも涙の初優勝🏆
2位 #中田璃士 選手⚾️
パーフェクトな4Loで自己ベストを大幅更新😳
3位 #壷井達也 選手🕺
SP14位からの大逆転🔥
卒論と練習のハードな生活を乗り越え掴んだ表彰台👏🥹#figureskate… pic.twitter.com/YlJrQpg8g8
あの独特な空気の中でいい演技を見せた選手たち、みんな本当に素晴らしかった!おめでとう!!!
現地観戦でのあれこれ覚え書き
ここからは気持ちを切り替えて、競技2日目の現地観戦の覚え書き。現地ならでは?なことを中心に箇条書きです。
ちなみに私は昨日1日目はジャッジ側とは反対側のスタンド席だったので、キス&クライは死角で全く見えず。2日目はその代わり宇野昌磨さんが男子フリー後半グループ前にリンク脇で本田武史さん達と一緒に立ちリポート収録するところ&解説席に座っているところは双眼鏡を使うとよ~く見えました。選手入ってきたらそれどころじゃなくなりましたけど、初日と違ってナマの宇野昌磨さんはそれなりに拝見できました(笑)。
今後昌磨さんが解説席に座る機会が増えるならジャッジ側がいいかジャッジの反対側がいいのかは判断に悩むところ。(ジャッジ側ロングサイドになると解説席の昌磨さんは後ろ姿しか見られない)
まぁどのみち現状全日本規模の試合では希望ブロックを選んで買うことはできないので、悩んでも無駄ですが(苦笑)
- アイスダンスはジャッジの反対側だとジャッジに向けたアピールポーズが全部後ろ姿になるからちょいと寂しい。新鮮な角度ではあるけれど。
- 昨日は選手や関係者が目の前の通路を通リ抜けて移動していくことが多い席でした。ちなみに目の前を通った回数が最も多かったのはペアの森口澄士選手でした。「何べん通るねん」ってぐらい通ってました(笑)。
- 私の前方に高橋大輔さん&村元哉中さん&村上佳菜子さんが3人で観客席に座って観戦しておられました。女子二人は途中一時退出されてましたが、高橋大輔さんは全カテゴリ全演技観戦。演技の最中にたびたび視界に入ってしまうので、たまに集中力がそがれてしまいました(苦笑)。まぁほとんどの演技には集中できましたけれどね(笑)。
- 全日本やワールドは観客席に座っている選手たちを見つけるのも現地観戦の楽しみの一つなのですが、近くにビッグな3名がいらした上、宇野昌磨さんが本田武史さんともども解説席にいるのもよく見えるもんだから、他の選手たちを余り見つけられずじまい。
(放送は後日ですが、アイスダンスの時は宮本賢二さんが、ペアのときは高橋成美さんがそれぞれ座っておられました)
- 織田信成選手のフリー演技直後は場内ほぼ総立ち。私もスタオベ致しましたが、高橋大輔さんたち3人もスタオベされておられました。「誰か今の高橋さんにコメント取りに行ってください!」ってマジで思いました。
- ちなみに会場ロビーにトイレに行った際、私と友人は超至近距離で高橋大輔さんとすれ違ったらしいのに、私全く気づかず。彼が一度目の現役時代に織田くんファンだった友人が気づいて、高橋くんファンだった私が気づかないだなんて一生の不覚(笑)。
- 全日本のときには毎回思うことですが、6分間練習の時ファンたちのバナー掲示技術には感心させられます。あの短い間隔で次々に上下を間違えずにてきぱきと出せるのはホント凄い。事前にちゃんと滑走順に並べ替えて待機してるからこそ出来ることですが、あれだけの数の人がそれをやってるんだもんな~スゲー!と素直に思います。
なんだか高橋大輔さん率が高いですね(苦笑)。
一番印象に残ったのはもちろん選手達の演技なんですけど、応援していた選手たちの乱調の衝撃が余りにも大きすぎたので、気持ちをまとめられる心境になるにはまだまだ時間かかりそうです。
落ち込んだ気持ちを回復させるための材料談義
昨日の大会、全然録画を見返していません。良かった演技は後で見ようかと思いますが、とりあえず全部そのままブルーレイに移行かな。良くなかった演技も時間と共に再見したくなる日が来ると思われるので、早まって録画は消去しないようにします。
試合終了後、友人とは「帰宅後何を見て気分をアップさせるか」談義になりました。友人は「昨年の全日本男子フリー」。私は「宇野昌磨さんがジュニア時代に2位に入った2014全日本男子フリー&表彰式」という結論になったのですが…結局帰宅してもまだ見ていません。
FODプレミアムで未視聴の「去年の全日本選手権の時の宇野昌磨さん」の動画を見る手もあったんですけどね。全日本選手権に宇野昌磨さんがいない寂しさを慰めるには最適なコンテンツだろうと思い、敢えて見ずに残していましたが、そういう気分じゃなかったというか。
期待していた選手たちの多くが崩れてしまったことへの衝撃が強すぎて、「宇野昌磨選手不在」を感じる時間が結果的に少なくなってしまいました…
今日が競技最終日。女子フリーも怖いよ~~男子フリーのような展開にならないことを願います。