宇野昌磨さんプロデュースアイスショー「Ice Brave(アイスブレイブ/アイス・ブレイブ)」、愛知公演&福岡公演での高揚感がようやく少し落ち着いてきて、各プログラムの感想を書き残せる心境になってきました。
(先週末の「Dreams on Ice(DOI)」や今週末の「氷艶2025 鏡紋の夜叉」は、「Ice Brave」新潟公演が終わって感情が落ち着いてからCS録画視聴の予定です。今の私の脳内は、「まぜると危険」w)
今回はショーで披露されたプログラムを順に一つずつ、会場内エピソードなども時折交えながら、感じたことをじっくり振り返りました。長くなるので前・中・後編に3分割します。セットリストを知りたくない方は鑑賞後にご覧ください。
基本、自分が将来このアイスショーを振り返るための記録です。せっかくなのでご覧になった方&行きたかったけれど事情があってご覧になれなかった方とショーの記憶を分かち合えればと思います。
各演目がいつのプログラムだったかや、振付師&使用楽曲情報等については下記の記事でまとめていますので、こちらでは省略しています。

開場前のBGM
開演前の場内には、宇野昌磨さんが選手時代に使用したプログラムの音楽がずっと流れていました。
「オーボエ協奏曲」、「トゥーランドット」、「ボレロ」等々。実際使用していた音源とは異なるものもありましたが、本編でやらなかった曲も少しは味わえました。まさにOverture(序曲)。宇野昌磨さんファンならば聴いてるだけでワクワクしてきたことでしょう。
しかしながら、福岡公演で「トゥーランドット」が場内に流れていた際、前に座っていた若い女性客が「トゥーランドットやるよね?」「そりゃあ絶対やるでしょ!」と会話していたのが聞こえてきまして…
「『トゥーランドット』無いんやで…私も初演の時ビックリしたけど」と内心思いましたが、もちろん黙っていました
彼女たちは終了直後は満足気な様子で、「トゥーランドット」が無かったことへの不満は言ってなかったですけどね(笑)
場内にはスモークが立ち込めています。開演時間が近づくと、スケーター入退場口から「がんばるぞー!おー!」というような掛け声が聞こえてきました。(正確に何と言っていたのかまでは聞き取れず)
会場に期待感が満ち、場内音楽の音量が少しずつボリュームアップし、照明が落ちます。観客席に光り輝くペンライトの群れがとても綺麗で、初演時はざわめきがあがった程でした。
いよいよスタートです!
クール&ワイルドな幕開け
グレート・スピリット
前奏の音楽が流れる中、多くの観客はひたすらスケーター出入り口に注目。
…だって、絶対あそこから宇野昌磨さんが「Great Spirit」の曲に合わせてドビューン!って飛び出してきますからね!

そしたらキター!!!!!
私エキシ版のグレスピの出だしで昌磨さんが飛び出して来るの大好きなんですよ!
全てのエキシビションやショーで毎回そうやって出てきたわけじゃないですが、競技版はそれが一切できないのが私は不満でしたw。 ルール上試合の演技開始前は、リンク上で一旦静止しないといけないからしょうがないんですけどね(苦笑)。
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私は幸い「グレート・スピリット」のショー版は複数回ナマで見ています。でも何度見てもいいものはいい。この曲を選びこの振り付けをしてくれたシェイ=リーン・ボーンさんには本当感謝。
宇野昌磨さんはラテンもバロック音楽も似合うけど、エレクトロニックなビートも合う。樋口美穂子先生も昌磨さんにジュニア時代からビートの効いたエレクトロスウィングをやらせていましたし、見る目のある人の選曲は一味違うなと感心します。
昌磨さんが一人でひとしきりグレスピで踊りまくった後、本郷理華さん&本田真凜さんの2人の女性スケーターが出てきて中央で踊り、続いて他の男性スケーター達が登場してグループ演技に変わります。ここからがまた気持ちいいんですよね。
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「Ice Brave」での宇野昌磨さんは、シャイな印象が強かった以前の彼を思うと考えられないぐらいに観客に挑戦的な視線を送って煽り倒してくれます。
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でも、煽るのはショートサイドがどうしても多めになります。グループでのスケーティングは昌磨さんを先頭にしてショートサイド目指して進んでいくことが多いですからね。
しかし、グレスピの後半では昌磨さんを先頭にメンバーが隊列を組んでリンクを斜めに進んできてロングサイド中央に迫って来るところがあります。
あれ、ロングサイドで正面から見たらめちゃくちゃかっこよかったです!皆が昌磨さんのように腰を落として左右の肩を上下に揺らしながら迫って来るんですよ!
全方面に見どころがあるよう意識した振付がされてるんだなと感心したポイントでした。おかげで演技中はあっちのサイドで歓声があがり、こっちのサイドで歓声があがり…と、いきなりボルテージ上がりまくり(笑)。
カム・トゥゲザー
観客をパワーで圧倒した「グレート・スピリット」完結後にステファン・ランビエールさんがさりげなく退場すると、「Come Together」のあのイントロがスタート!
スタートの片手腕立て伏せみたいなポーズの時、異なるポーズをしている人もいましたが、全員同じにせずとも統一感は感じられました。
こちらも宇野昌磨さん自身の動きは元の振り付けの多くを残しているので、ワニの口広げるみたいなあの特徴的な上半身の動きなどが存分に堪能できます。

一般的なアイスショーでの出番の多いプロはせいぜい1~2個
ファンとしてはああもうこの2プロ見られただけでも満足だわ~という気分に早々に到達(笑)
まだ始まったばっかりなのにw
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このプログラムが大好きな私、目がつい彼にフォーカス固定されてしまうため、6回も見ているのに未だにこのプログラムの全体像をつかみ切れていません(苦笑)。新潟公演でスタンド席に座る時は頑張って全体像を脳に焼き付けようと思っています。
冒頭2曲は昌磨さん一人でも十分パワフルなプログラム。しかし、6~7名が一斉に滑ることによって厚みが出ます。
超絶上手いギタリストのギターソロ曲が、ギター・ベース・ドラム・パーカッション・キーボード等を加えたフルバンドバージョンになった感じですかね。何ならホーンセクションもいるよ!ってぐらい(笑)。
もちろんメインギタリストが一番目立つアレンジになっていますが、他のメンバーたちの腕もいい。ソロ演奏にはソロの良さがあるけれど、フルバンドの迫力は凄いです。
MCタイム(1)
ここでショー初の「MCタイム」が始まります。
いったん退場して、BGMが流れる中観客の拍手がしばらく続いた中、マイクを持った宇野昌磨さんがひとり再登場。完全に息が上がっていて、「だよね~あんな激しい2プロ滑った後で喋るのきついわw」とちょっと気の毒に(笑)。
そこからライブのように、スケーターの名前をコールして紹介。一人ずつリンクに出てきて一芸披露して一列に並んでいきます。この順番は単純に日本男子を年齢順、日本女子を年齢順、最後にステファン・ランビエールさんだったのかな?
ステファン・ランビエールさんはここで側転を披露。愛知公演の時、隣のいたステファンファンの方が、めちゃくちゃ驚いておられました。6公演とも全部側転を披露し、踊りまくってましたよ。メンバーの中で一番テンション高いんじゃないかというくらい(笑)。本当盛り上げ上手。
観客へのメッセージを伝えた後、次の演目へ移ります。

その時に「次、お願いします!」って紹介した昌磨さん自身がリンクに残るのには、毎回ちょっと受けています(笑)
音響さんや照明さんに言っているのだと思えばおかしくはないですがw
でも初演のときはステファン・ランビエールさんも一緒に残るのが見えて、「えええ、もうここで師弟コラボ来ちゃうの!?」って心の盛り上がりが再びピーク値に達しました。
レジェンズ
両手を頭上に上げたポーズを見て「こ、これは『レジェンズ』!」と、超あがりました。
私が宇野昌磨選手に完全にはまったのはシニアデビューシーズン。最初に癖になったのがこのプログラムでしたからね。滑り出しの右足トントンがナマで見られるとは!
エスニック要素混じりで電子音のビートが響く中で響き渡るハーモニカの音色。何とも不思議なジャンルの音楽にいともたやすく合わせ、難しいステップでリンクを駆け抜けていく少年の姿といったら、当時は鮮烈でした。
昌磨さんが「あのステップ超難しい。よくあんなのやってたと思う」みたいな話をしていたのはYouTubeでの友野一希選手との会話だったかな?と思って対談動画を聴き直してみましたが、違いました。
(動画で「あんなノリのダンス今絶対できない」と言ってたのは「Bad Boy Good Man」でした。「レジェンズ」のステップの難しさを語ってたのはNowVoiceでだったかもしれません)
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可能ならばこのプログラムは一度はショートサイドorスタンド観覧しておきたいです。ロング中央前方だと二人が両サイドでジャンプ跳ばれても「宇野昌磨VSステファン・ランビエール、どっちを見る!?」の究極の選択をとっさに迫られますw
初演時の私は二人が開始ポーズをとった時点で脳のネジがすっ飛んでしまってたんですが、さすがに6回見ると二人の演技の全体像がつかめてきました。
クールな音楽に合わせてストリートで思うがまま踊る少年&大人の魅力漂わせつつ踊る男性。(私はこのプログラム時の昌磨さんは少年に見えました)
しかし互いの存在に気が付き、少年が「ほら、俺を見なよ。もっとうまく踊れるよ」と年長の男性を煽ります。そして同じステップを二人で踏む。

私は3公演目ぐらいからは「ブレイキン」の競技を観ているような感覚で見るようになりました。ブレイキンは同じ踊りを同時にしませんけど、踊る前の煽り合いを想起させるという意味で。
愛知公演後のインタビューでは、二人がとも「あちらが上手いから負けたくない」的な発言をしていたようです。その軽いバチバチ感がこのプログラムで存分に味わえます。
でも、「マウントしようとしてオラついた感じ」より、「同じくらい踊れる相手に出会えて嬉しそうな印象」が上回っているように見えるんですよね。ふたりのキャラのなせるわざか、互いへのリスペクトが透けて見えるからかはわかりません。
あのステップをあの二人が揃って踏んでいく爽快感!
カップル競技のような滑りの同調性はありませんが、二人の滑りには個性&それぞれの良さがあります。互いを意識して高め合う空気感が伝わって来るあの流れ、本当にたまりません。

師弟コラボを「レジェンズ」でやるーと予想できたファンがいたでしょうか?
いい意味でファンの予想を裏切ったステキなプレゼントでした
おしゃれなお芝居パート
ラ・ヴィ・アン・ローズ
MCタイムを挟んでいるとはいえ、激しいプログラムを3連続で滑りまくった昌磨さんがようやく退場。場内には「ラ・ヴィ・アン・ローズ」のメロディーが流れ始めます。
この曲はなんとなく本郷理華さんが誰かと組んで演じるのかなと予想していました。その予想は当たったのですが、こんなキュートな恋物語風演出になるとは全くの予想外でしたね。
中野耀司さんがバラを持って登場し、演技中に観客にバラを渡していました。
昌磨さんファンの中には、「観客に恥ずかし気にバラを渡していたジュニア時代の昌磨くん」を思い出した人も多いのではないでしょうか?

私は2014MOIエキシビション版「ドンファン」を真っ先に思い出しました
「高校生時代の昌磨くん」はその時だけ氷上の魔法が解け、「一刻も早く渡してしまいたい…」と言う感じで照れくさそうにバラを渡してそそくさとリンクに戻っていましたw。
でも「Ice Brave」での中野耀司さんはお客さん達や本郷理華さんに余裕の笑顔を振りまきながら何度もバラを渡していました。大人の余裕ですね(笑)。
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若い二人がダンスをしようとしてもかみ合わず…と言うところを芝居風味で見せていくところがチャーミングでした。でも滑りは気持ちよくて。中野耀司さん&本郷理華さんはストーリーを語る滑りが本当に上手い。
二人は師弟コラボが制圧した会場の空気をバラ色に塗り替えてしまいました。私が想像していた大人な雰囲気の「ラ・ヴィ・アン・ローズ」ではなかったけど、予想と違うものを見せて貰えた喜びが味わえました。
タイム・アフター・タイム
で、ここからですよ!
ステファン・ランビエールさんがレストランのメートル(フロアマネージャー)的な衣装で、ギャルソン役?の櫛田一樹さんと唐川常人さんを従えて小道具(テーブル&椅子)と共に登場するのです。

なんて贅沢なステファンの使い方!
ーって初演の時はうなりました
「ラ・ヴィ・アン・ローズ」で恋が成就したカップルがレストランを訪れ、そこで働く人たちと踊って戯れる楽しい時間。
全員揃って踊るところが冒頭に少しあるんですが、まぁステファンさんが目を引くのなんのって。ちょっとした動きの微妙なタメが生み出す華が凄いんですよね。
他のスケーター達も皆うまいのに、些細な動き一つでも際立つ何かがある。さすがだなと思いました。
このプロでは日本男子3名が一人ずつ技を見せ、その後揃って見せる滑りは何とも楽しげ。私の視線は当然そちらが中心になります。でも、リンク中央のテーブル付近でステファンさん&本郷理華さんが見せる小芝居もいい雰囲気なんですよね。
「ああ目がもうひとセットあれば」と思いました。
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宇野昌磨さんの元のエキシビションプロは、終始クールな雰囲気で全然異なる振付でしたが、私の好きな振付(電車の車輪みたいに腕を回すところ)を3人でやってくれてたのが嬉しかったです。
最後に本郷理華さんをみんなでリフトするところは華やかでしたね~本郷さんは大柄で映えるし、あの黄色いスカートはとてもキュートでした。
ラテンの魅力を堪能
タンゲーラ
氷上には唐川常人さんだけが残り、何のナンバーが来るのかな…?と思ったら「タンゲーラ」でした。
Numberのトークショーで流れた男女3名の練習映像で私は「絶対これ『タンゲーラ』でしょ!」って確信していましたから、「あの振付が来るのね!」とワクワクしましたね。

冒頭の唐川常人さんのソロでまず魅せてから、背中シースルーの黒衣装にチェンジした宇野昌磨さんが途中で加わります。私、初演時昌磨さんが入ってきた出入り口に近い席に座ってまして、早々に衣装のディテールが見えたもんだから「おおお」となってしまいましたよ。
いや~あの衣装は本当に肩甲骨など背中の動きが良く見えて素晴らしいです。「天国の階段」や「ボレロ」も宇野昌磨選手の柔軟な背中の動きをよく見せるべく考えられた秀逸なデザインだと思っていましたが、「何だこうすればもっと見えたんじゃん!」って思いました(笑)。
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続いて真紅の衣装の本田真凜さんが登場。
男性陣を翻弄する魔性の女…にしてはまだ可愛い感じが若干残りますが、いつも以上に大人の魅力を発散しています。短時間でしたが、「男女セットでタンゴを滑る宇野昌磨さんを見てみたい」という夢が叶いました。

2019年国別対抗戦(WTT)エキシビションで紀平梨花選手と組んでタンゴを踊ったことはあります
でも、曲が「だんご三兄弟」でしたからね(苦笑)
女性が男二人を手玉にとったフィニッシュポーズの段階で、次は「天国の階段」が来るーと悟った私はスパニッシュギターがかき鳴らされるのを待ち構えていました。
天国への階段
「天国の階段」は本田真凜さんソロプログラムだろうと思っていたので、リンクに唐川常人さん&宇野昌磨さんが残っていたのが嬉しかったです。
二人はメインの本田真凜さんを引き立てる役割の振付でしたが、女性が落としたショールを拾い、所定の位置に落とし去っていくところ等に競技プロでの振付が入ってまして「くーっ!!!」ってなりました。
私は競技プロの「天国への階段」が大好きだったので、この曲に合わせて滑っている宇野昌磨さんがちょっと見られるだけでも十分嬉しいのです。
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男性陣が退場したら後は本田真凜さんの独壇場。長いドレスの裾を翻しながらリズムに乗っていきます。
「妖艶な大人の女性」というより、「悪女風に振舞ってみるものの、性根の愛らしさが隠し切れない若い娘」という雰囲気。でも、これはこれで今の彼女だからこそ出せる味わいだと思い楽しみました。
18~19歳の宇野昌磨選手だから出せた「ロコ」の輝きみたいな感じ?これもおそらく「期間限定の魅力」だろうと思います。
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もし男性スケーターがこの曲を演じていたら、私は「『天国への階段』のステップは宇野昌磨さんで見たい」という願望が強烈に邪魔をしてしまって、素直に鑑賞できなかったかもしれません。
「女性がフラメンコ風に踊る」という元のプログラムから異なるものの曲調を尊重した演出&振付は、ショーを素直に楽しむ手助けになったんじゃないかと思います。
ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード
会場を沸かせた本田真凜さんが退場した直後、、昌磨さんがひとりリンクイン。
「…これはひょっとして、もうここでアレが来るのか!?」と身構えました。
「アレ」とは、宇野昌磨ファンには熱狂的支持者が多い「ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード」。私もその支持者の一人です。
しかしあれから9年が経ち、目の前に立っている男性は、あの頃の「昌磨くん」ではありません。あの時と違う「ロコ」を見せてくれるのだろうという確信が滑る前からありました。
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ジャンプ構成こそ変わっていますが、ジャンプのタイミングやステップなどの振付は元のプログラムにかなり忠実でした。スピン姿勢等細かいところは変わってはいましたけど、「ロコ」でした。
(ラストのスピン構成だけは元の通りで見たかったけど、それでも不満ではないです!アップライトの方が高速で盛り上がりますしね)
このプログラムの独特の空気感は、エロスと狂気が混じる2曲の曲調や振付に、高難度ジャンプを一つずつしとめていくあの緊張感が生み出したものだと私は思っています。
試合でのあの緊張感は、ショーでは味わえません。
あの頃の「ロコ」を見ることはもうできない。
サイズの小さいショーリンクでは高難度ジャンプをバンバン入れられないし、何より今のブレードはアイスダンス用。後半にコンビネーションジャンプを畳みかけて「緊張のピークを連打すること」はできません。
それでも、リンクには別の種類の緊張感がありました。大人の男性の魅力を発散する演技の中に、独特の緊迫感が感じられるのです。
演技中、競技プロでやっていた印象的なポージングもしていましたが、一つ一つの動きがあの頃より洗練され、凄みが増していたように思います。
10代の「ロコ」には若干の粗削り感があってそこが魅力でもあったのですが、より鍛錬された美を見せて貰えたというかなんというか。

彼が「あの時以上の演技はできない」と思ってこのプログラムを長く滑ってこなかった理由も、今になってこれを滑ることを自分に許した理由も、どちらも理解できた気がします
このプログラムの魅力を表現する力が自分には無いのが残念です。言語に落とし込めるような演技じゃないんですよね、「考える」より「感じる」べきプログラムなんだろうと思います。
今日のところはここまで。残りの演目はまた改めて。
「Ice Brave」セットリスト
プログラム名&演じた人、各プロの使用シーズン&種別を入れたセットリスト最終版を参考までに載せておきます。
No. | プログラム名 | 演じた人 | 使用シーズン&種別 |
---|---|---|---|
1 | グレート・スピリット | 宇野昌磨ソロ⇒全員 | 2018-19エキシ ⇒2019-21SP |
2 | カム・トゥゲザー | ステファン以外全員 | 2023-24エキシ |
MCタイム | |||
3 | レジェンズ | ステファン&宇野昌磨 | 2015-16SP |
4 | ラ・ヴィ・アン・ローズ | 本郷理華&中野耀司 | 2016&2019エキシ |
5 | タイム・アフター・タイム | 本郷理華&中野耀司&ステファン&櫛田一樹 | 2018-19エキシ |
6 | タンゲーラ | 唐川常人&宇野昌磨&本田真凜 | 2012-13SP(ジュニア) |
7 | 天国への階段 | 唐川常人&宇野昌磨&本田真凜(後半ソロ) | 2018-19SP |
8 | ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード | 宇野昌磨ソロ | 2016-17フリー |
9 | グラビティ | ステファン・ランビエールソロ | 2022-23SP |
10 | 「四季」より「冬」 | 本郷理華&本田真凜 | 2017-18SP |
11 | ナルコ | 宇野昌磨&唐川常人&中野耀司&櫛田一樹 | 新プロ |
MCタイム | |||
12 | マイケル・ジャクソンメドレー | 櫛田一樹&中野耀司&唐川常人 | 2021-22エキシ |
13 | リバーダンス | 本郷理華 | 2009-10フリー(ノービス) |
14 | タイムラプス/鏡の中の鏡 | ステファン・ランビエールソロ | 2023-24フリー |
15 | ワイルド・サイド | 宇野昌磨&本田真凜 | 新プロ |
16 | ダンシング・オン・マイ・オウン | 中野耀司&本郷理華&櫛田一樹 | 2019-21フリー |
17 | ボレロ IV | 全員⇒最後のステップは宇野昌磨ソロ | 2021ー22フリー |
18 | シー・ユー・アゲイン | 全員 | 2016-エキシ |
最後の挨拶⇒周回(グレート・スピリット) |

