木下グループ杯2025 現地観戦記<3日目>アイスダンスFD&ペアFS/ゆなすみ大躍進とりくりゅう新フリー

青空の下の関空アイスアリーナ外観

今年初めて開催された「チャレンジャーシリーズ日本大会(以下CS大会と略)木下グループ杯2025」。競技最終日の9/7(日)は関空アイスアリーナで現地観戦してきました。

記憶の新しいうちにとっとと鑑賞リポートを書こうと思っていたのですが、競技翌日・月曜午前にスマホにトラブルが発生。連日の寒暖差攻撃が、もともとバッテリー劣化気味だったスマホにとどめを刺してしまったのか、翌日の昼前に急に電源が落ち再起動すら不可能に。

バッテリー交換&修理試みてもらうも復活せず、昨日はその後新機種&付属品の手配に駆けずり回っていました。現代にスマホなしでの外出がどれだけ不便かを痛感しましたよ。(街中の時計や公衆電話がこんなに少なくなっているとは…)

幸い旦那が最近機種変更したばかりだったので、旦那の古いスマホを借りて今はしのいでおります。(Wi-Fi環境無いと使えないけど無いよりはマシ)

ーということで、今回は3日目に実施された競技のうち、アイスダンスとペアフリーを振り返ります。

男子フリーは別記事で後日まとめますが、約10分間だけ見ることができた男子シングル公式練習についてはこちらに書き残しました。

「木下グループ杯2025」リザルト

目次

男子フリー最終グループ公式練習

競技3日目の開始時刻は12:45ですが、男子フリー最終グループの公式練習はスケジュール表によると11:25~12:00。「11:45の開場直後に入れば公式練習ちょこっと見られるかも?」ということでこの日は早く現地入りしました。

会場に着いたのは11時半過ぎでしたが、既に会場前には行列がぐるっと折り返していました。この入手困難チケットをゲットしたような観客たちなら、そりゃあ10分ちょっとしか練習見られなくても来ますよね(笑)。

入り口前にはキッチンカーも既に待機済み。

金曜日は2台だったキッチンカー、ホットサンドのお店が増えて3台に!

その後、11:45きっかりに開場。私が入れたのは友野一希選手のフリーの曲かけ練習がそろそろ終わろうという時間帯でした。

でも、チャ・ジュンファン選手の新フリープログラム(の曲かけ練習)を一足早く観られたのは、お得感ありました。今季フリーは「ムーランルージュ」メドレーであること&使用曲名も知ってはいたけれど、どういうバージョンのどの部分を使うのかは早く知りたかったですし。

でも、新衣装にジャンプ構成、今日の調子など気になるチェックポイントが多すぎて、脳内情報処理がなかなか追いつかず(苦笑)。周囲にいる他選手たちも気になりますしね。

体調が気がかりだった山本草太選手が4回転を跳んでいるのを見て落ち着けたのもよかったです。曲かけ終了後の時間帯に友野一希選手が片足でループを描く練習を左右両方でじっくりやっていたのも見ることができて、たった10分程度とはいえ満足感高かったです。(許されるものなら、もっとたくさん見たいけどw)

アイスダンスFD

12:45に競技開始。アイスダンス出場は8組なので、4組ずつのグループ2つに分かれました。

「うたまさ」こと吉田唄菜/森田真沙也組

「うたまさ」の今季フリーダンス(FD)は「トゥーランドット」。

本人たちも言うとおり、RDの時に比べたらのびのびと動いている印象を受けました。シーズン初戦ながらFDは98.25点で6位(FD自己ベストは昨季四大陸の103.27)。今大会、アイスダンスでポイントが付くのは6位までなのでギリギリポイントも入って、たぶんワールドランキングが上がりました(試合前のランキングをチェックしてなかったので「たぶん」をつけてます)

しかし今回の総合点は161.06。北京五輪代表最終予選で個人戦出場枠を勝ち取るには、正直言って170は欲しかったところです。彼ら自身もRD後のインタビューで答えていたとおり、目標値はRD70点、FD110点ですからね。

ボストンワールドの会場でのうたまさはもっとスピード感があった気がしたので、シーズン序盤から新プロを滑りこなすのは大変なのかもしれません。五輪代表最終予選まであと2週間の調整がうまくいきますように。

マリー=ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック 組(カナダ)

国内での代表争いが激しい国の選手はプロの仕上がりも早いですね。優勝は「マリロマ」ことマリー=ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック 組(カナダ)でした。彼らは今季グランプリシリーズ(GPS)は初戦フランス大会1試合のみのエントリーでしたが、これでスケートカナダの空き枠に追加でエントリーされそうです。

衣装を見たときは「シェヘラザード?」と思ったのですが、「クレオパトラ」でした。

2023年NHK杯で見たFDは、ティム・バートンの映画「コープスブライド」。「花嫁の死体が墓場から蘇る」ところからスタートしました。あの印象的な動きが取り入れられていて。「今回はクレオパトラになって棺から蘇るのか?」と思いました(笑)

演技半ばでは男性の肩の上で女性が直立不動で横たわるかのように見えるコレオリフトも入っていました。(ここは言葉では伝えにくいので、下記の動画でチェックしてください)

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スケーティングに関しては五輪メダリストクラスまでにはあと一歩及ばないものの、こういう独創的な技を魅せてくれるカップルも私は結構好きです。

しかしFD後半はビートの効いた曲に合わせてクレオパトラが屈強な男と踊りまくるという謎の展開で、欧州選手権風の香りが…。独創的にもほどがあるのでは?とちょっぴり思いました(笑)。物議醸さなきゃいいですが大丈夫かな?

その他のカップル

2位・3位はアイスダンスの層がむちゃくちゃ厚いアメリカの組が占めました。「ジンコレ」ことエミリアジンガス/ヴァディム・コレスニクのシックな黒衣装の「ロミオとジュリエット」、「ネセマル」ことリア・ネセット/アルテム・マルケロフ組の初々しい「ナポレオン」も堪能致しました。

わずかな差で表彰台を逃してしまいましたが、私はやっぱりハンナ・イム / イェ・クアン組(韓国)好きだな~って思いました。イェ・クアン選手はRDもFDも制服っぽいテイストで攻めてきましたね。ストーリー性のあるドラマチックなプロが似合う組だなと思います。

下記のInstagram投稿は、彼らのRDの衣装。

3枚目に大阪・ミナミで同門のアリシア・ファブリ/ポール・エイヤー組と4人で「グリコ」のポーズを撮っている写真があります!同門同士で一緒に観光に出向いていたようです。

出場選手たちの素顔をJSFのInstagramでチェック!

今大会では、日本スケート連盟(JSF)のInstagramが海外選手のショートインタビュー動画を結構紹介してくれていて、アイスダンス上位3組はいずれもスマホのお気に入り写真を見せてくれていました。

もちろん日本人選手たちもリラックスした雰囲気でお気に入り写真披露してくれていますので、興味のある人はチェックしてみると楽しいかと。米国の樋渡知樹選手や遠藤五空選手があんなに日本語をしゃべっているところ、私初めて見た気がします。

日本勢も海外勢も、みんな大阪滞在を楽しんでいる様子でした

ペアフリー

「ゆなすみ」こと長岡柚奈/森口澄士組

積み重なってきた「ゆなすみ」への思い入れ

「木下グループ杯2025」で何が一番印象に残ったか?と尋ねられたら、私は「ゆなすみの大躍進」と答えるでしょう。

はじまりは2022全日本。私、「はるすみ」ペア時代の森口澄士選手の演技に感銘を受けまして。

あの年の森口澄士選手は本当凄かった。コンディションの難しい氷だったのか、男子シングルが大荒れになった大会だったのに、ペア&シングル掛け持ちだった彼が両カテゴリの演技全てで素晴らしい仕上がりで。

私はあの時の彼のシングルSP演技(Queenの曲)が特にお気に入りで、今も録画をたまに見返します。壷井達也選手に中野コーチが「スミタダが来るぞー!」って発破かけてたら、「本当に来ちゃった」大会でした。4回転なしでしたが、いい滑り&質の高い大きなジャンプがモノを言って総合7位ですからね。

翌シーズンに「ゆなすみ」に組み替えてからは2023NHK杯でのグランプリシリーズ(GPS)デビュー⇒2024GPSフィンランド大会でのフリー3位の活躍⇒2025ボストンワールドでの悔しいSP落ち、それぞれ現地で目撃してきました。

今回、会場でゆなすみ演技時に思った以上にドキドキ&ワクワクする自分に気づきまして…

彼らへの思い入れがかなり育っていたことを自覚しました

フリー使用曲は「Tree of Life」から

フリーの曲は2015ミラノ万博で披露されていた光と噴水のショー「Tree of Life」の曲を複数使用しています。

最後の曲は坂本花織選手の「ピアノレッスン」&先日の「アイスブレイブ」での宇野昌磨さん&本田真凜さんのアイスダンスに使われていた「Wild Side」だったことを現地で知りました。

「あの曲だ~」とは思いましたけど、ゆなすみの進化っぷりへのワクワク感が強かったためか既存演技の脳内映像にはさほど邪魔されず。

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この衣装、現地で見ると何とも複雑な色合いでとてもステキでしたね。森に溶け込むような落ち着いた色合いのようでありながら、華やかさがあって。

こんな複雑な色合いを着こなせる長岡柚奈選手すごい。

二人の進化

6分間練習の時から進化は見てとれました。ツイストやスロージャンプの精度が昨季より上がっているし、何よりも二人の間の空気感がいい緊張感と自信に満ちていて

フリーでは1本目のスロージャンプで惜しくも転倒してしまったけど、私には一つや二つのミスをきっかけに大崩れするような兆しは見えなかったです。

五輪代表最終予選に向けて

9/19~21開催の五輪代表最終予選でのゆなすみの演技時、私はたぶんめちゃくちゃ緊張しそうです。
※CSのテレ朝チャンネル2で全競技生中継/ISU公式チャンネルでの配信有無は現時点(9/9)では不明

でも、この試合を先に見ることができたおかげで緊張度は何割かは確実に減ったんじゃないかな?

大技が多いペアのシーズン序盤の試合とあってはミスは避けきれないでしょうが、「今の彼らなら万一複数回ミスが出てしまったとしても他でカバーして勝ち残れるのでは?」と期待を持ちながら観られそうな気がしてきました

でもやっぱり五輪シーズンの全日本並みにはドキドキしちゃうかも…

「メテベル」ことアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ組

「メテベル」のSPはモダンで攻めた「ボレロ」でしたが、フリーは抒情的なピアノ曲から壮大なボーカル曲へと移行していく王道路線プロでした。

彼らはミス&レベル取りこぼしが少ないのが強み。国内での代表争いも激しくない&シーズン序盤だというのにサイドバイサイドのトリプルトゥループでちょっと着地が乱れた程度でまとめてくるというこの仕上がりっぷり!いや~スゲーと思いました。

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「りくりゅう」のフリーはまだ仕上がったばかりだし、「これひょっとしてメテベルが優勝コースもありうるかな?」などと思いながら見ておりました。

結局3連続ジャンプで軽度の回転不足(q)をとられたのが少し響いて、思ったほど点は伸びなかった印象でしたが、ジャンプについてはきっと今後改善してくることでしょう。

「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組

新フリー「グラディエーター」初披露

最後に登場したのはりくりゅう

五輪シーズンの新フリー「グラディエーター」の衣装は公式練習の時点で報道済みだったので、残念ながら現地での驚きはなし。でも、三浦璃来選手の衣装まで闘士っぽいのが気に入りましたね!

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驚きのフィニッシュポーズ

私が現地で一番驚いたのは、フィニッシュポーズでした。

まさか木原龍一選手が三浦璃来選手を両手で高く掲げるとは思ってもいなかったので、一緒に観ていた友人ともども現地で「うぉーっ!」ってなりました

初見だからこそ味わえる驚嘆の気持ちですね

でも、フリー最後の最後であのポーズをやるのは、本当にきつそうでした。演技終了後、四つん這いになってなかなか立ち上がれない木原龍一選手を見て「また喘息だろうか?」と凄く心配しましたもん。

CS放送で録画見たら唇の色が完全に紫でした。まぁそこまで体力を出し切って演技できるというのも一つの実力でしょうが、見る側はハラハラしちゃいますね。

最後にあれだけハードな動きが連発されることがわかった以上、今後の試合は毎回フィニッシュでドキドキしちゃいそう…もちろんミラノ五輪でも。

でも、ミラノ五輪のフリーで良い演技をしてこのフィニッシュを迎えたら、一般層の間でめちゃくちゃ評判を呼びそうだなって思いましたよ

是非そういう未来が来てほしい!

五輪シーズンは壮大な「闘うプロ」で挑む

「りくりゅう」が昨季クール系プロを揃えてきたのは、五輪フリーで二人の得意路線の「多幸感溢れるプロ」で攻める為だとばかり思っていた私

しかし、今季に入って二人が出す新フリーのヒントはどうみても「グラディエーター」っぽくて

それ、二人が気に入っているけどコーチ陣に「君らにはあの曲合わないって」って却下されてたんじゃなかったっけ?

って正式に曲名が発表されるまではずっと半信半疑でした(苦笑)

でも二度の世界王者になった今の二人ならこういう壮大なスケールの曲も合いますよね?三浦璃来選手も男前っぷり増しててファイター系似合うようになってるし。

何より後半あれほどパワーを使う振り付けなら、明るい系プロをやるのはきっと大変だったでしょう。

どんなにキツくても笑顔を作らないといけない明るい曲より、切ない系の曲がやりやすい。苦しそうにしていても曲を表現しているかのように見えるし…」みたいなことを冗談まじりで語っていたのは男子シングル現役時代の高橋大輔選手だったかな…?かなりうろ覚えですが(苦笑)

スケーティングの良さが相変わらず際立っていた二人。フリーはこれから滑り込んでいけばますますよくなりそうでワクワク感を感じました

日本ペアが複数台乗りした初の国際大会表彰式

ペアの表彰台3組とも、まずは良いスタートが切れました。

何よりりくりゅうとゆなすみが揃って国際大会の表彰式に出ていることに感激しましたね。この試合が全日本じゃない証拠に、脇にメテベルいますし!(笑)

この後行われた男子フリーとその表彰式、会場内で観戦していた選手たちの様子などは、また改めて~

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青空の下の関空アイスアリーナ外観

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