昨日は宇野昌磨さんたちトヨタアスリートたちが出演した「トヨタイムズスポーツ」の配信が楽しかったのでその話でも書こうかな~と思っていたのですが…夜に衝撃的な情報が飛び込んできました。
韓国代表チーム2名の選手資格停止処分です。
未成年が関わっているので、イタリア合宿での飲酒問題が判明した時点では全く言及するつもりはなかったのですが…今シーズンのアサインどころかミラノ五輪にも大きく関わって来る事態になってしまいました。
今回はこれまでの状況を整理して、今後の問題点や韓国メディアでの報道について少し考えてみたいと思います。
事件の初報
先々週、私は海外スケオタ(英語圏)の掲示板で韓国メディアの報道情報を初めて目にしました。当初は「イタリア合宿で選手たちが同じ部屋に男女で集まり飲酒をした。未成年のメンバーが含まれていたこともあり処分を検討中」との内容でした。
この時点の私は
「チャ・ジュンファン選手やキム・チェヨン選手、シン・ジア選手は合宿に参加してなかったんなら処分対象外ね。あぁでもこのジュニア選手が参加してたのはちょっと心配だな~」
と思った程度で、さほど気に留めていませんでした。
この時は出場停止処分になるとしてもせいぜい数か月~半年ぐらいなのかなと思ってましたから
韓国メディアの初報を日本のスポーツ紙も報道していました。
まさかの事態判明で3年&1年間の試合出場資格停止処分に
金曜夜、海外スケオタの集う掲示板が大騒ぎになっていました。想像していた以上に厳しい処分が判明したからです。
私が目にした情報は韓国語の記事を英語翻訳したもの。「誤訳や文化の違いから来る誤解なども多いだろうし…」と割り引いた気持ちで読み始めたのですが…あまりに想像を超える内容でした。
しかも成人している女性スケーター2名に対して3年&1年の出場停止処分とは!
日本のスポーツ紙複数も報道していましたが、これほど厳しい処分に至った事情はかなりデリケートな内容です。元の報道の言語&文化を理解できる記者が書いているであろう朝鮮日報日本語版が大元の報道に一番忠実かな?と思いますので、そちらを紹介しておきます。
「セクハラ」という翻訳が適切なのかどうかは私には判断がつきません。この処分により、少なくとも一人はミラノ五輪出場不可。もう一人も五輪プレシーズンに一切試合に出られないとなるとランキングがぐっと下がり、ミラノ出場はかなり厳しくなります。
1年停止処分の選手は再審請求をしているとのことですが、処分が簡単に覆りそうには思えません。この年齢の女子選手に3年の出場停止は事実上の引退勧告とすら言えるのではないでしょうか。
メディアの先走った報道が招いた「個人特定」
韓国在住とおぼしきファンによると、初報は連盟が率先して発表したわけではなく、韓国メディアが処分確定前にすっぱ抜いた形だったようです。
当初の報道内容には関係者の年齢に関する記述があったため、処分対象者が誰か容易に特定できてしまいました。合宿メンバーが誰なのかは報道がある前に合宿中の写真と共に公開されていましたからね。
韓国メディアも、まさかここまでの処分に至るほどの事情があったとは当初は思っていなかったのかもしれません。
ここ数年フィギュアスケート界では性的ハラスメントに関する告発が相次いでいますが、大半は「過去の行為の告発」で、直近の件で若手選手対象にここまでバッサリ処分が下された前例は記憶にありません。無視できない「明確な証拠」が確認できたことが大きかったのではないかと思います。
「実績ある選手だから」と忖度して事をうやむやにしなかったことは支持できます。
ただし「証拠」についての具体的な情報は被害者(未成年)を守る必要があるので公表できません。そのため「性的な行為」というぼんやりしたキーワードのみが出回ってしまい、「これだけの処分を食らうのだから相当悪いことをしたのだろう」と好き勝手に想像を膨らまされてしまう。これは「過剰な罰」になりかねないと思います。ジレンマですね。
今から言ってもどうしようもないことですが、メディアが先走って個人特定可能な情報を流していなければ…と思います。
出す情報をコントロールして「A選手とB選手には合宿中の重大な規則違反が判明したため、こういう資格停止処分を行いました。被害者もいることなので詳細は明かせません」とできればよかったのに。
被害を受けた側の選手が要らぬバッシングを受ける事態にならぬよう、個人情報を守り抜いてほしいです。
ミラノ五輪に与える影響
今回選手資格停止処分を受けた2名は、来季世界フィギュアスケート選手権代表になる可能性があった選手です。うち1名はメダル争いに絡むことも期待されていました。
今季ワールド銀メダルだったキム・チェヨン選手は出場可能とはいえ、残された韓国女子シングル選手たちでミラノ五輪の韓国出場枠「3」を確保するのは厳しいかもしれません。選手層が厚いとはいえ、安定して成績を残せている選手は少ないです。ミラノ五輪で活躍が期待されているシン・ジア選手は来季もまだジュニア年齢なので出られませんし。
何よりこの件は若い選手たちに与える精神的動揺がかなり大きいでしょう。関係者へのバッシングなどもあるだろうし、合宿に参加していたかどうかに関わらず、落ち着いて練習に励める環境を保てるかどうか。
「ミラノ五輪では韓国の団体メダルありうるんじゃ?」と思っていたのですが、これでかなり遠のいてしまった気がします。ライバルが減ったと喜ぶ気持ちは湧いてきません。本当フィギュアスケート界はここ数年この手のスキャンダルがあまりにも多すぎる気が…「純粋にスポーツを楽しみたいだけなのに何てこった」という気分です。
どよ~んとした気分の今日、宇野昌磨さんのメンバーシップ動画の公開があって、少し明るい気持ちになれたのはありがたかったですが、暗い気持ちは完全にはぬぐい切れませんね。
今、静岡でFantasy on Ice(ファンタジーオンアイス)出演中のジュンファン選手にも情報が流れてきているでしょうか?
あの合宿、参加しててもしてなくても皆色々大変なんだろうな…