1/8から全米フィギュアスケート選手権2026(全米/全米選手権)のシニア競技が始まり、翌日はプリンスアイスワールド(PIW東京公演)日帰り鑑賞に出かけ、そしてその翌日には全米のペアと女子フリーに加えて、カナダフィギュアスケート選手権2026(カナダナショナル/全加/全カナダ選手権)、そしてインカレ(7級)まで始まりました。
通常ならばPIW鑑賞翌日は自分が撮影した写真を整理しつつ、SNSで他の観客の皆さんがあげているスケーター写真や情報探しを楽しんでいる頃。しかし、そんな時間はちょっとしか取れず。インカレも、FOD(フジテレビオンデマンド)でのリアルタイム視聴は諦めました。
※「インカレフィギュア2026」をご覧になりたい方はこちらをご参照ください

全米とカナダナショナルについては、リプレイ部分は飛ばし見してあらかた追いつきましたが、実はまだ全米男子SPの録画を観終わっていません。スコアはチェック済なので演技録画を観るのはもうフリー終わった後かな…
※全米&カナダナショナルの放送&配信情報についてはこちらをご参照ください

PIWに関してはセットリストも含めてメディアの動画や記事もまとめたいなと思ってはいますが、その作業をやり始めたら全米&カナダナショナルを追う時間が無くなってしまう。ーーでも、このせわしなくも濃くて楽しい週末の記録も残しておきたい。
ということで、今回は「途中経過報告」の形式で、全米&PIW&カナダナショナルのこれまでの経過をざっとまとめました。
※以下、本日までの競技結果ネタバレしておりますので、まだ知りたくない方はご注意ください
全米選手権シニア競技前半2日間
五輪代表争いの緊張感が一気に噴き出した、全米シニア競技前半2日間の振り返りです。
2026全米フィギュアスケート選手権リザルト(シニアのみ)
衝撃的な展開があったペア
全米ペアは、五輪代表候補が試練に直面する、想像以上に波乱の展開となりました。
「チャンハウ」SPのまさかのスロー失敗から…
五輪代表候補「チャンハウ」に起きた、SPのアクシデントから話を始めます。
「チャンハウ」ことエミリー・チャン/スペンサー・アキラ・ハウ組のSPでは、サイドバイサイドのジャンプがダブルになるミスがありましたが、これはまだ想定内でした。問題はその後のスロージャンプ。足が引っかかってエミリー・チャン選手がまさかの転倒でスロージャンプの体勢に入れなかったのです。

「えええ、スロージャンプ無しになっちゃう?」と真っ青になりました。
タイミングが合わずリフトがあげられず…というミスはたまに見ますが、スロージャンプでこういうミスを見たのは初めてかも?
彼らはその直後になんとかタイミングを作ってスロー投入。しかし、転倒になってしまいました。
でも、あの短い時間で、阿吽の呼吸で「もう一度行くぞ!」と互いに決めてスロージャンプに再度入れただけでも凄いと思います。
二人はその後の演技で踏ん張って点を稼ぎましたが失点は大きく、SPの得点は59.29と、五輪代表候補がまさかのSP8位スタート。エミリー・チャン選手は演技後の囲み取材で「悪夢」と表現していましたが、観ている側にとっても悪夢でした。
Emily Chan and Spencer Akira Howe partially redeemed themselves in the free skate at US Nationals 🇺🇸 after Wednesday’s terrible short program. They gave a valiant effort with their tender interpretation of “Unchained Melody” from the musical “Ghost.” The 2023 US silver medalists… pic.twitter.com/rDjMum8p0y
— Golden Skate (@goldenskate) January 9, 2026
トップのアリサ・エフィモア/ミーシャ・ミトロファノフ組は75.31点、2~4位の組はいずれも67点台。五輪代表を争うライバルたちと7点以上の差はかなりのハンデ。ただ、大技の多いペアはフリーで波乱が起きることもあります。
フリーでは、五輪代表候補がまさかの第1グループでの演技となりました。エミリー・チャン選手のジャンプの不調は変わらずでしたが、中盤から演技がどんどん良くなっていき、最終的には今季シーズンベストスコア123.58を超える127.23(国内参考記録)を出しました。
「人事を尽くして天命を待つ」とはまさにこのこと。
ミスはありつつダニーさんの笑顔で締めた「エリダニ」
心に残ったのは、「エリダニ」ことエリー・カム/ダニエル(ダニー)・オシェイ組がフリー演技後に見せた姿でした。
彼らのフリー演技も、サイドバイサイドのジャンプとスロージャンプでミスが出てヒヤヒヤさせられました。
演技終了直後、ジャンプミスが続いたことで自分を責めるような悲しい表情をしたエミリー・チャン選手に向けたダニー・オシェイ選手の笑顔がとにかく最高でした。「ボストンワールド直前、実は骨折してたみたいです事件」から応援に熱が入った選手なのですが、あの男前っぷりを見てますます好きな選手になりました。

ジャンプ以外の部分がとにかく上手いペアなので、「五輪代表が確実になりそうな2位にはきっと入れるはず…」とは思いましたが、順位が2位で最終確定するまでは不安で仕方なかったです。彼らのミラノ五輪代表はこれでほぼ確定でしょう。
「エフィミト」優勝も、どうなる五輪代表?
「優勝したのに五輪代表選考には届かないかもしれない」という残念な事態になろうとしています。
SPブッチギリトップだった「エフィミト」ことアリサ・エフィモア/ミーシャ・ミトロファノフ組は、フリーではジャンプミスが続いて思ったほど得点は伸ばせませんでした。それでもSP・フリー共に1位で総合207.71にて優勝。「エリダニ」2位、ケイティ・マクベス/ダニエル・パークマン組が3位。
そしてSP2位だった「シンナギ」ことオードリー・シン/バラージ・ナギー組にリフトでの手痛いミスなどが出たこともあって、SP8位だった「チャンハウ」が総合4位に上がりました。
Results after the pairs free:
— U.S. Figure Skating (@USFigureSkating) January 10, 2026
🥇 Alisa Efimova and Misha Mitrofanov, 207.71 (132.40 FS)
🥈 Ellie Kam and Danny O'Shea, 197.12 (129.99 FS)
🥉 Katie McBeath and Daniil Parkman, 187.45 (120.64 FS)
🏅Emily Chan and Spencer Howe, 186.52 (127.23 FS) pic.twitter.com/OwXoHZpton
「シンナギ」は1.42点差で5位。9月のミラノ五輪代表最終予選に続き、全米でもミスが出てしまったのは代表選考上は痛手かもしれません。ペアとしての試合経験の少なさが出てしまったように思います。
もう数日でミラノ五輪代表が決定するというのに、今もアリサ・エフィモア選手の五輪米国代表になる資格はまだ認められていないようなので、トランプ大統領による特例などが出ない限りもう厳しそうです。そして3位の組も五輪の米国代表資格を持っていません。
となると、「エリダニ」の他のもう一組は全米4位の「チャンハウ」と全米5位の「シンナギ」のどちらかになりそうです。二組の今季の結果は似通っていますが「全米」重視なら「チャンハウ」でしょうが…果たしてどうなるでしょうか。
女子シングルはSPもフリーも最高!
女子シングルは、ミスの少なさと完成度の高さが際立つ、記憶に残る大会となりました。
SP最終グループもたいがいノーミス演技が続いて「スゲー」と思ったのですが、フリーまでまさかそんな展開になるとは。
フリー最終グループ、第1滑走のスター・アンドリュース選手はジャンプの転倒こそ1回ありましたが良い演技でしたし、そこからの展開といったらまぁ。あまりにもいい演技が続きすぎるので、「アンバーが緊張してしまったらどうしよう」と心配になりましたよ。
最終滑走のアンバー・グレン選手はトリプルアクセルもSP・フリーともに降り、最後のトリプルループは回転足りなかったけど転倒せずにこらえました!SPに続き歓喜のキス&クライは見ていて幸せになれます。
総合優勝はアンバー・グレン選手。2位はレディー・ガガのプログラムを作り直して挑んだアリサ・リウ選手、3位はクリーンな演技で「ニューシネマパラダイス」をまとめたイザボー・レヴィト選手。4位のブレイディ・テネル選手、5位のサラ・エヴァーハード選手の演技も素晴らしかった。女子は男子に比べてミスは少ないとはいえ、ここまで素晴らしい演技が連続する試合はそんなにありません。
全米選手権には4位に与えられる「ピューターメダル」があって、表彰式にも出られるのが本当に良かったなと思いました。
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アンバー・グレン選手の談話で渡辺倫果選手のエピソードが出てきていたのも微笑ましかったです。

全米の合間に行ったプリンスアイスワールド(PIW)東京公演
全米選手権開催中に足を運んだPIW東京公演は、濃密な時間でした。
ミュージカルをテーマにした3年間の集大成
ミュージカルをテーマのショーを続けてきたこの3年間。今季の公演は「集大成」とあって、過去2年に演じた演目+新演目が見られて大満足でした。
ミュージカル好きとしてはあれもこれもと書きたいことが多いし、高橋大輔さんや渡辺倫果選手などのゲストスケーター達についてもあれこれ書きたくなるのですが…今日は宇野昌磨さんのことだけ先に書き残しておきます。
「宇野昌磨さんのソロ演目はMJ?」からのまさかの展開(笑)
私にとってPIW最大のサプライズは、宇野昌磨さんのソロ演目でした。
オープニングにまさかのMJエキシ衣裳で登場!
今回は「Ice Brave2」公演の隙間での出演なので、私はおそらく先月のPIW愛知公演で演じた「The Spectre」を演じるだろうと思っていました。
しかし、オープニングに登場した昌磨さんは2021-22の北京五輪シーズンのエキシビションプログラム「マイケル・ジャクソンメドレー」の衣装で現れたではないですか!?

えええ!?「Ice Brave2」では男性スケーターと一緒に4人で進化系の「MJメドレー」を見せてくれていたけど、今回はソロで元のエキシビションバージョンをやってくれるの?私実はあのプロ結構好きなんだけどマジ!?とそりゃあもう内心盛り上がりましたよ。
個人プロ披露時もMJ衣装!しかし流れて来た曲は…
「いやでも、個人プロ披露の時は別衣装で現れるってこともよくあるしな」と期待し過ぎないように自分に言い聞かせていた私。
しかし、ショー内個人プロのトリとして氷上に現れた昌磨さんはやはりあのMJエキシ衣裳!おおおお!と思っていたら…流れて来た曲は、馴染みのある「グラビティ(Gravity)」。


私、「グラビティ」は何度見ても飽きないって、「Ice Brave2」の鑑賞記にも書いていたくらいお気に入りのプログラムなんですが、余りの意外さに脳内でずっこけましたよ(笑)
MJというボールを受け止めようと構えていたところに、全然別の方角からボールが飛んできて「?」ってなった感じ。
まぁ10秒ぐらいで立ち直って「グラビティ」の世界に没入しましたけどね
その後フィナーレでのPIWチームの衣装が赤&黒で統一されていたのを見て、「なるほど、フィナーレの衣装の色調に合わせようと思って赤黒系のMJ衣装にしたわけか。まぁグラビティの曲調にも合うしな…」などとあの衣装を選択した意図を自分なりに解釈しておりました。

しかも本人はあれを「グラビティ」衣装だと思っていたというおまけつき
その後自宅に帰る車内で見たSNSで知った情報が更に衝撃的でした。
ミート&グリートでファンが「何でMJ衣装に?」と尋ねた時に、昌磨さんは「え?何でMJ?」となぜか話がかみ合わない。よくよく聞いてみたら彼はあの衣装をグラビティの衣装だと思っていたという事実が判明(笑)。
まぁあのシーズン、「グラビティ」をアイスショーで初披露したときはスーツ姿。試合では黒のバイピングが施されたワインレッド&黒パンツ衣装。全日本選手権の公式練習では紺白のスーツ風衣装を用意したものの、結局エキシビション用に用意していた黒ベースに赤が少し入った衣装(過去エキシ「タイム・アフター・タイム」に着用していたもので、MJエキシ衣裳に若干似ている)を着たりしていたので、本人もちょっと覚えづらかったのかもしれません。
…と弁護しようかと思ったのですが、やはりちょっと無理がありますね(笑)。
何とも彼らしい逸話がまた新たに生まれたなって思いました。
全米女子CS放送中に進行していたカナダナショナル男子SP
この二日間で印象的だったもう一つのできごとは、1/10のカナダナショナル男子SPです。
私は全米選手権の放送に集中したかったので、カナダナショナルは全米の放送終了後にスケートカナダ公式チャンネルのアーカイブにて視聴しました。
復帰後の演技が注目されていたキーガン・メッシング選手は、以前見た今季の試合時よりは調子を上げていて、4回転トゥループ―ダブルトゥループのコンビネーションジャンプも降りていました。相変わらずのスケーティングには見惚れましたが、ジャンプの着氷は堪え着氷が多く、スピンのレベル取りに苦戦。
99.60という高得点でSP首位発進したスティーブン・ゴゴレフ選手は完全覚醒した感のある演技。「もうあなたが五輪代表でいいです!」と言いたくなるぐらい素晴らしい内容でした。国際大会でこれができたら、100点出しちゃっていいんじゃないかと思うくらいでしたね。
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Men's short program results (sr) / Résultats programme court masculine (sr) ⤵️
— Skate Canada / Patinage Canada (@SkateCanada) January 10, 2026
1⃣ – Stephen Gogolev | ON
2⃣ – Wesley Chiu | BC/YT
3⃣ – Aleksa Rakic | BC/YT pic.twitter.com/DYpYqpKX8c
続くロマン・サドフスキー選手は「いつものロマン君」という感じで、ポテンシャルを完全には発揮できませんでした。大崩れが減ったのは進化かもしれませんが、点数は81.79。ここで力を出し切れなかったのは、せつないです。今季調子がよくなかったウェスリー・チウ選手89.14やアレクサ・ラキッチ選手83.60に続いての4位発進です。
男子フリーは十数点差はひっくり返ることも多いですが、今のカナダ男子の構成だとここからの大逆転はちょっと厳しそう。フリーを前に五輪代表はスティーブン・ゴゴレフ選手が濃厚になった感があります。代表争いが熾烈な女子シングルはこれからなので、そちらに注目でしょうか…。
その他、全米での細かいできごと
その他、これまでに書き切れなかった細かい出来事も書き残しておこうかと思います。
全米の楽しみ ソニア・ヒルマー選手
今年の全米選手権でも、女子シングルのソニア・ヒルマー選手の演技が光っていました。
逆回転スピンとか、つま先立ちを入れたシットスピンとか色々面白い技を入れ込んでくるソニア・ヒルマー選手ですが、今回米国スケート連盟のInstagramではあのユニークな3連続ジャンプの映像をアップしていました。最後のジャンプでワンフットでターンして回転の方向を変えてのダブルサルコウがとても面白い!
ちなみにこれをやったところで特別なボーナス点は無くてただのダブルサルコウの点数しか入らないんですよね…ボーナス点を上げたくなります。
ソニア・ヒルマー選手を初めてナマで観ることができた、昨年9月の「木下グループ杯」は嬉しかったです。彼女が気になる方はこちらの記事もどうぞ。

男子にも今年初出場?の楽しみにしていた選手がいるんですよね~まだ観られていないのが残念です。
試合中の思わぬ中断ハプニング
今大会では、運営面でも珍しいハプニングがいくつか発生しました。
回線がつながらず中継が始まらない
全米アイスダンスRDは中継開始からハプニング続き。現地回線がつながらず、最初の二組の演技がJSPORTSでは放送されませんでした。(その日の再放送でも最初の二組の映像はなしのまま)
音源問題で演技中断
やっと回線がつながったと思ったら、最初に見られる三組目の演技で、何故か途中で選手たちが演技を中断。審判団の方に何やら話をしに行ったではないですか?
どうも音源に何か問題があったらしく、審判団にかけあった上で演技を途中から再開したものの、かけ直した音源もまた間違っていて(苦笑)。再度音響担当者に確認しにいくという一幕がありました。結局曲の何がどう間違っていたのかよくわからないままでしたが、中断による減点はついていなかったので運営側の不手際だったんでしょうか?

演技の途中からいきなりノリノリに踊り出さないといけないので、大変そうだと思って見ていました
怪我以外の理由で途中で止めるパターンは初めて見た気がします
「氷上の穴」でも中断
全米ペアフリーでも、一時中断がありました。
オリヴィア・フロレス/ルーク・ワン組が演技開始前、リンク中央に大きな穴が開いているのを見つけて、審判団に報告。競技を中断して整氷係がバケツを持って現れて穴を埋めるーという出来事が発生しました。
ジャンプなどで出来た穴に引っかかって転倒してしまう選手を見たことは何度もありますが、演技前に「大きな穴が開いている」と指摘して埋めさせた事例は私は初めて見た気がします。
アクロバティックな技が多いペアは、大きな穴は命に関わりかねませんから正しい判断だったのではないでしょうか?タイムリーに今日こんな記事を読んだだけに本当にそう思います。

ツイスト投げた後に男性が穴にはまって転倒しちゃうと、こういう惨事になるわけですね…。
「オフレコスポーツ」って、高橋成美さんが出た過去2回の放送分はTVerで視聴したんですが(面白かったですw)、この番組の新年スペシャルに再び出演されていたんですね。後日視聴しようかと思います。
※リンク先のTVer見逃し配信は1月17日(土)3:00 終了予定です
短く書き留めておくつもりが、あれこれ書いていたら思ったより長くなりました。でもこれでも書き残しておきたいことのごく一部だけしか書けていません。しかし明日明後日もまだ競技は続きます。
1/11(日)は、全米はアイスダンスFDと男子フリー、カナダナショナルは今アイスダンスRD、その後男子フリー⇒女子SP⇒ペアフリーです。さすがにこれ以上深夜~早朝のライブ視聴は諦めて、寝ることにいたします。ではまた。

