「モントリオール滞在記」は少しずつ継続投稿の予定です

モントリオール滞在記<7>競技4日目(午前の男子公式練習&アイスダンスFD)最終練習を見守る朝&会場が揺れた「嵐が丘」

2024WCアイスダンスFD演技開始直前で強い体幹が必要な難ポジションでポーズをとるチョックベイツ

モントリオールワールドの競技最終日、迎えた日の朝は一面の雪でした。

いや~モントリオール行くと決めた時に買ったスノーブーツ履いてきててよかった!

モントリオール会場付近のビル街で雪が降り積もっている光景

細かい雪が降り注ぐその景色は「Timelapse」のPV内で降りしきっていた雪を思い起こさせて、「これは縁起がいい兆し?」とその時は思っていました。

目次

午前の男子シングル公式練習

この日の夜にフリーを控えた男子シングル選手の会場での公式練習は午前10時20分開始。

この頃には同じホテルに宿泊していた昌磨ファンの日本人女性と仲良くなっていまして、降り積もる雪の中、今日の試合に向けた不安&期待を語り合いながら一緒に会場へ向かいました。(競技開始初日の朝食時、二人ともコラントッテの昌磨モデルペンダントをつけていたので距離が縮まるのが早い早いw)

3日間競技観戦続けてきて疲れが出てきたので、朝ホテルでゆっくりしたい気持ちもあったんですが、アダム・シャオ・イム・ファ選手が第1グループにいましたからね。第1グループから練習見ないことには!

しかし午前の練習ということもあって曲かけフルにやってバンバン四回転跳ぶよ!という選手はほとんどおらず、みんな抑えめ。アダムも調子が上がっているようには見えませんでした。宇野昌磨選手も曲かけではジャンプをあまり入れず(入らず?)、途中で演技を中断したりしていましたが、私は「まぁ当日朝だしね」ぐらいにしか思っていませんでした。

2024WC男子フリー当日午前の曲かけ練習をする宇野昌磨選手
男子フリー当日午前の曲かけ練習をする宇野昌磨選手

私が見た現地フリー曲かけ練習では、月曜日夜が一番素晴らしかったです。スピンやつなぎをほぼ省かない、ガチに近い滑りで前半のジャンプはコンビも含め全部危なげなく着氷。ステップ後半からは、私は完全に練習であることを忘れてしまっていました。

公式練習開始初日に会場でフリーの曲かけ練習をする宇野昌磨選手
月曜夜のフリー曲かけ練習時の映像から切り出した画像 終始見惚れていました

「何だかスゴイものを見られちゃうかも…」と思っていたら後半の4Tで派手に転倒。その瞬間ようやく我に返りました。それまでは非現実的な夢の世界を見せてもらってるような感覚でしたね。

アイスダンスFD

男子の公式練習終了後50分後に、アイスダンスのフリーダンスが始まります。

窓から会場が見える飲食店のカウンターのテーブル上に置かれた紅茶の入った紙コップとベーグル
雪で足元が悪いので、お昼はホテルに戻らず会場前のベーグル店にてサクッと完了

前半グループ

小松原美里・尊組が2番目の滑走。RDでは固さが見えましたが、フリーは伸びやかないい演技を見ることができました。これは彼らの最上位行けるんじゃ?という仕上がりを見られて、フリーに進めていて本当に良かったと思いましたね。これまでの最上位・総合18位と健闘しました。

フィンランド代表の折原裕香&ユホ・ピリネン組も16位!

各国のアイスダンス来季枠争いも白熱していた記憶があるのですが、あまり詳しくないので、一喜一憂した流れを今は覚えておらず。あまり喜べる枠配分にはならなかった記憶だけが残っています。

「世界選手権」である以上、枠の制限もある程度は必要だろうけれど「一定の実力ある選手は全部出してくれよー強豪国にいるから今回出られてないけどあの選手もあの選手も見たかったぞー!」とどのカテゴリでも思いますね。

あぁ、印象深かった組を書き忘れてた!韓国のハンナ・リム&イェ・クアン選手

昨春の国別対抗戦で観た時は「え、上手くね?」と驚かされ、2月の四大陸選手権で「え、すごくね?」と思わされ。今大会では内心かなり応援していました。

ナマで観た今季フリー「シェルブールの雨傘」は…やっぱり私すごく好き!

今大会は総合14位となりましたが、まだまだ伸びそうな勝手な予感がしています。五輪は韓国2枠取れちゃったりして?昨年末のナショナルには1組しか出てないみたいだけど。

ハンナ・リム選手の柔軟性とイェ・クアン選手の滑りが好物です。イェ・クアン選手は芸人のみやぞん似ですが滑ってる時はカッコイイw 「気さくなお兄さん」風の様相は、シブタニ兄妹(2016ワールド銀・2018平昌五輪銅)のお兄ちゃん・ひでお(アレックス)さんを思い出します(笑)。

後半グループ

第3グループにフルニエ or ロロニコ、フルニエ・ボードレイ&ニコライ・ソーレンセン選手が登場するので、RDの日同様観客の空気感を少々心配していましたが、この日も大過なく終わってホッとしました。

この日はいい演技で観衆の喝采をちゃんと浴びて、フリーは6位(総合9位)。同じカナダのラジョラガことマルジョリー・ラジョワ&ザカリー・ラガ選手にRD&FD共に上回られてしまったので、本人たち的には若干不本意な結果だったかもしれませんが、宣言通りこれが引退試合になるものと思われます。

観客の空気感を心配していた理由については、こちらに詳細を書いています。

ライラ・フィアー&ルイス・ギブソン

イギリスのライラ・フィアー&ルイス・ギブソン選手の楽しい「ロッキー」プロもこれで見納め。エンタメ精神盛りまくりでシーズン当初から大好きなプロでしたが、現地で順番に観ていくと表彰台組にあと一歩届かないのもそれなりに納得はできるので、割り切って楽しみました。ライラの腹筋が美しすぎる。

この二人、ライラルイスと呼ぶ人とフィアギブと呼ぶ人とに分かれていますが今はどっちが優勢なんですかね?私はフィアギブと呼んでましたが、ギニャファブと時々こんがらかるので最近はライラルイス呼びが増えています(苦笑)。

マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ

続いて登場した現世界王者のチョックベイツことマディソン・チョック&エヴァン・ベイツ選手

「火」&「風」とか、「抽象コンセプトを演じさせたら右に出るものはいない」という地位を確立している彼女たちの今季のテーマは「時間」。いやー本当難解なテーマに挑戦してくるなwという感じでしたね。

2024WCアイスダンスFD演技開始直前で強い体幹が必要な難ポジションでポーズをとるチョックベイツ
体幹が強くないと絶対できないであろう冒頭のポーズ 時計の針なのでしょうか

昨年のさいたまワールドFDではチョックさんの思わぬ転倒がありました。幸い要素部分での転倒ではなかったので最小限の減点ですみ、金メダル獲得に影響はありませんでしたが、今年こそは文句なしの完璧演技で金メダルをーと願っていました。

細かいレベルの取りこぼしはあったようですが、アイスダンスの技に詳しくない私にはわからずじまいw、演技終了後納得した表情を浮かべている二人を見て、ただただホッとしました。貫禄を感じさせる演技ではありましたが、二人から放たれるエネルギーは私は去年の方がより強く感じられた気がします。

「時間」って難解なテーマに挑戦してること自体はすごいと思うのですが、後で滑るパイポーの「嵐が丘」のドラマチックさとは非常に対照的だから、ジャッジはどう判断するだろう?としばし考えてしまいました。

シャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファブリ組

その後はギニャファブ(シャルマル)ことシャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファブリ選手。今季フリーは何とも玄人好みな感じでした。ギニャール選手のエッジがスカートの裾に引っかかって一瞬ヒヤリとさせられたのに(場内観客が一斉に「ひぇっ!」と息を呑むのがわかりました)、その後世界観を元に戻せるところは実力者ならでは。スカートの布地が伸びる素材だったのが幸いしたようですが、引っかけた時に裂けてしまったようです。これが最終試合でよかった。

「いや~上手い」となる洗練の極み、高級料亭の上品なだし汁を頂いたような印象です。NHK杯で会場大盛り上がりだったライラルイスを優勝させたジャッジの気持ちもまぁわからないではないけど…物議は醸しますよね。

(昨季NHK杯はいい演技が多かったのに場外乱闘の方が強く記憶に残ってしまったのは残念。シングル・ペア競技での回転不足連発ジャッジに対してと同じぐらい、NHK杯のアイスダンスの順位付けも英語圏の海外掲示板でめちゃくちゃ批判浴びてました)

パイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組

最終滑走は地元カナダのパイポーことパイパー・ギレス&ポール・ポワリエ選手。もうとんでもない声援でした。

今季フリーダンスは「嵐が丘」もうこれが「ドはまりプロ」で

わっかりやすくドラマチックなストーリーを素晴らしいスケーティングで魅せていくもんだから、会場を巻き込む力が半端ない。それを地元の大声援が後押しする。私も彼女たちの演技が引き起こす感情のうねりに次第に飲み込まれていきます。

演技が完全に終了する直前から場内の盛り上がりが半端なくて。フィニッシュを迎えると、「うぉぉぉ」という地響きと共に場内一斉に立ち上がりました。

2024WCアイスダンスFD演技終了直後のパイポーとスタンディングオベーションで迎える観客席
演技後、場内は見事なまでに総立ち

あまりにも気持ちを持って行かれる演技だったし、会場の盛り上がり半端ないし、「これ、ひょっとして下剋上が起きて彼らが逆転金メダルなんてことになったりするだろうか?」とチョックベイツファンとしては少し不安になりました。今日、会場の観客の心を最終的にさらっていったのは明らかにこの二人だもんなぁって。

滑り終わった二人と同様、私もドキドキしながら採点発表を待ちました。

2024WCアイスダンスFD最終演技終了後、採点結果発表を待つパイポーを映した会場内モニター
採点を待つパイポー組 ベルセンターのモニターは特大サイズでとても見やすかったです


結局フリー1位はパイポーという採点アナウンスに場内大喝采!
総合1位はチョックベイツでワールド2連覇、パイポーは昨年の銅メダルに続き、銀メダルを獲得!

会場はこの結果に納得の様子で、またまた大喝采でした。カナダの人たち、いい試合が見られて本当によかったねって思いましたね。私もスゴい「嵐が丘」が見られて、チョックベイツの2連覇も見られて、他にもたくさんのステキプロが見られて幸せでした。

2024WCアイスダンス表彰式で手を振って観客に応えるチョックベイツ

あぁ、でもまだこの後私にとって最大の正念場の男子フリーが残っているのです…表彰式見ながら「あーこりゃ気力体力持つかな」って思いましたね(苦笑)。

宇野昌磨選手の今大会の演技については下記の記事で語り倒していますが、他の男子シングル選手のフリーについてはまだ書けていないので、後日ぼちぼち書いていきます。

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