ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(ミラノ五輪)・フィギュアスケート競技の団体予選初日が終了しました。
そして、2月8日(日)早朝3:45(日本時間)から団体戦予選男子シングルのショートプログラム(SP)が開始。その直後(6:05~6:51)に決勝のアイスダンスフリーダンス(FD)が行われます。
団体戦決勝の見どころ&予測については、予選が終わってから書くつもりでした。しかし、今回の五輪のフィギュアスケート中継の映像は独自路線を行き過ぎており、不満爆発状態。
なので、本記事はミラノ五輪フィギュアスケート中継の映像や得点表示に関する愚痴&要望がメインです。愚痴ばかりで終わるのもなんなので、後半には団体戦今後の展望もまとめています。

極東に住む一ファンがネットで不満をわめいたところで改善されることはないでしょうが、どこかで愚痴らないとやっていられません
特に団体戦アイスダンスRD、選手たちの演技は素晴らしかっただけに、別映像でもう一度放送しなおしてほしいぐらい悲しい仕上がりでした…
イタリア開催の五輪に抱いていた一抹の不安
2024年のグランプリファイナル(GPF)のときも、カメラワークに不満が多すぎてこんな記事を書いたことがあります。

この時は、過去のフィギュアスケート中継での恨みつらみも含め「こういうカメラワークが許せない」というポイント7つを羅列しました。そして、私は記事の最後にこんなことを書いていました。
カメラワークが好みからほど遠いイメージがあるのはイタリア&フランスかなぁ…。独自路線に走られて「おいおい」ってなることが多い気が。
なので次の冬季五輪がミラノなのがちょっと怖いです。まぁオリンピックやワールドになると放送陣営が世界を意識した感じになってくるから大丈夫なことが多いのだけれど、トリノワールドみたいな時もあるしな…
まさかその不安が的中するとは…
アイスダンスRDのカメラワークはとにかく酷かった
最初にお伝えしておくと、カメラワークが酷いと感じたのは団体予選アイスダンスRDだけでした。
何が酷いって、これは「フィギュアスケート競技」だというのに、肝心の足元(フィギュアスケート靴)が映らないカットが多すぎるんです!

演技中、上半身しか映らない時間があんなに長いなんて
それもよりによってアイスダンスで!
コリオスライド(氷上をスライディングする、俗に「ズサー」と呼ばれがちな技)をやってるっぽいのに、上半身しか映ってないからどんな体勢でやってるのかわからないんですよ?ありえないです。
解説の町田樹さんがアイスダンスのルールをかなり勉強しておられて、「これはCS放送か?」と思うくらいにステップで細かい解説を入れてくれました。
(私はルールがわからない他競技でも詳しく解説してもらえるのは楽しいので、細かい技術解説歓迎派です)

でも、「男性のモホーク、女性のチョクトー…」などと言ってもらえたところで、私たち放送視聴者は足元見せてもらえてないんですよ…!
その昔、2010トリノワールド(世界フィギュアスケート選手権)で選手の演技映像中に靴のアップを連発されて怒り倒したことがあります。
でも、今思えば足元が映っていただけマシだったかもしれません。どっちも酷いのは同じですけどね(苦笑)。
全身を使って表現するスポーツなんだから、常に全身が映っているようにしてほしいだけなんですけどね…何でこんな簡単なことをいつまでたってもわかってもらえないんでしょう?
「ミラノ五輪のフィギュアスケート演技映像が全部こんなんだったらどうしよう?」ってかなり焦りましたが、幸いペア・女子シングルのカメラワークはまともでした。スタッフが違ったのか、不満の声で改善されたのかどちらでしょうか。

アイスダンスFDのカメラワークはどうかまともになっていますように
ミラノ五輪仕様の暫定得点表示は超わかりにくい
もう一つ、不満を強く感じたのは暫定得点表示です。
暫定得点表示にエレメンツ(技)名表示がない!
アイスダンスのときに絶句しました。
基礎点とGOE(加点)の点数、そして現在の技術点合計しか表示されません。
エレメンツ(技)名の表示が全くないんです!

RDはみんなミッドラインステップだからまだいいけど、FDのときもこれなの?
私みたいにぼ~っと見てるフィギュアスケートファンだと、これを見てステップシーケンスの種別を把握していたのに困るじゃないですか?って。
(アイスダンスのステップシーケンスは、軌道によってミッドライン、ダイアゴナル、サーキュラーなどに大別されます)
当然男女別の暫定ステップレベル判定も出ないので、「おおお、ついにこの組の男性がレベル4を出したよ!女性も3だぞ!」という興奮が味わえません。
こちらは、ペアの「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組の演技終盤の得点表示。

スピンの得点表示であることは演技を見ていればわかりましたが、これだと暫定レベル4を取れたのかすぐにはわかりません。
基礎点(BASE)表示はされているので、この種別のスピンの各レベルごとの基礎点値を記憶しているファンなら、現在の判定レベルの推測は可能です。
でも、そこまでちゃんと把握してるフィギュアスケートファンって、相当なマニアじゃないでしょうか…

まるで抜き打ちで「スケオタ検定試験」を実施されているかのような得点表示
私は完全に落第です(苦笑)
レベル表示はともかく、エレメンツ名は表記してほしい
演技中に画面に表示されるレベル判定は、「あくまでも暫定」であって演技終了後修正されることはかなり多いです。
ですから、「暫定レベルは敢えて表示しない」というのも一つの考え方だと思います。
私は好きな選手の五輪やワールドでの演技映像に、暫定得点表示で「レベル3」(本当はレベル4判定)とか「✕」(手違いで✕表示が出ただけ)の表示が残ったまま、何度も再放送され続けるのが少々不満で。
再放送するなら修正するなり消してほしいと思っていました。暫定得点表示は、視聴者に与える演技の印象を結構左右しますから。
(「レベル4」表示だったが後で3に訂正、という逆パターンであっても再放送時は修正or消去してほしいです)
緑黄赤のカラー表示において、ISU(国際スケート連盟)が公式動画配信で「レビュー(後でビデオ判定する対象)」がついたエレメンツの表示を「黄」にしていたのを取りやめたのはいいことだと受け止めています。
でもね~エレメンツ名ぐらい載せてほしいです。
そんなに毎回解説者がジャンプコールをするとも限らないだろうし、エッジを見分けられなくて「今のルッツ?フリップ?」ってなった時に表示がないのはストレスがたまりそう。

ジャンプごとの基礎点を暗記すればいい話かもしれませんが、そこまで勉強したくないです
覚えたところで数年で基礎点変わるし(苦笑)
「リアルタイムの軌道表示」は宝の持ち腐れ感あり
シングル競技では、「ジャンプマップ(JUMP MAP)」という画面左下の小画面で「リアルタイムの軌道表示」が出ていたのはおもしろかったですね。

フジテレビが全日本選手権の際などに出して来た「アイスタッツ」を思い出したフィギュアスケートファンは多いのではないでしょうか?
(昨年は無くなって悲しかったです)
ソチ五輪や平昌五輪のときなども、全軌道図&全走行距離表示が新聞で報道されていたこともあります。

テレビ中継だと伝わりにくいスピード感やリンクカバー率の高さが一目瞭然になります
この手の技術を中継に取り入れてくれるのは大歓迎です
ただし、新聞に表示されていた全軌道図は、3~4分間の演技全ての軌道を1枚に記したもの。フジテレビの「アイスタッツ」は演技中ではなく、演技終了後から得点発表の時間帯に、演技での軌道を全部一筆書きで一気に見せてくれるものでした。
だけど、ミラノ五輪公式映像での軌道表示は直近の軌道しか表示してくれません。1か所で回るスピンのときなどにはほとんど消えてしまいます。リンクカバー率や全体の走行距離の感覚はつかみきれません。

坂本花織選手のようにスピードが速い選手なら、線の長さでスピード&移動距離を多少は実感できます。でも、この程度であれば通常のテレビ映像からでも十分実感できると思います。
フジテレビのアイスタッツみたいに、演技終了後に全部まとめて一気に一筆書きで見せてくれる方がありがたいですね。じきに消えてしまう軌道表示なんだったら、画面の端に居座られるのはちょっと邪魔だなと感じました。

将来はアイスダンスのワンフットステップやペアのリフトの移動距離も可視化して見せてほしいです
現地にいたら「この組の移動距離とんでもねー!」って実感できるけど、映像のみだと伝わりにくいのでデータで実感できると嬉しいなと
実際問題、動く物体が二つあると解析が難しいんでしょうけどね
ジャンプの高さ&滞空時間表示など歓迎ポイントも
愚痴ばかりもよくないと思うので、よかったところも記録しておきます。
ジャンプの高さと滞空時間の表示がほぼリアルタイムで出るのはよかったですね。一瞬で消えちゃいますけど、好きな選手のときは後で巻き戻して確認すればいいですし。

ペアのツイストの高さがわかる映像を3D風に表示してくれる技術もワクワクしました。

ペア競技の面白さをよく伝えてくれるので、何だか嬉しかったです
団体戦、これからの展開は?
ここからは、フィギュアスケート競技団体戦の今後の展開についてです。
予選1日目を終えての暫定順位は、このような結果です。
| 暫定順位 | 国名 | ポイント数 |
|---|---|---|
| 1 | アメリカ | 25 |
| 2 | 日本 | 23 |
| 3 | イタリア | 22 |
| 4 | ジョージア | 20 |
| 5 | カナダ | 19 |
| 6 | フランス | 17 |
| 7 | 韓国 | 11 |
| 8 | イギリス | 11 |
| 9 | 中国 | 10 |
| 10 | ポーランド | 6 |
アメリカチーム
アメリカのマディソン・チョック/エヴァン・ベイツ組(アイスダンス)がフランスのロランス・フルニエ・ボードリー/ギヨーム・シゼロン組を抑えて1位をとったのは大きいです。個人戦でも優位に立った感がありますね。
(フルシゼの演技は若干固かったような…?組んだ年数の差が出たでしょうか)
エリー・カム/ダニエル・オシェイ組(ペア)はスロージャンプで転倒がありましたが、彼らに転倒があるのは完璧想定内。カナダ二番手のリア・ペレイラ/トレント・ミショー組には上回られましたが、上位予想だった中国のスイ・ウェンジン/ハン・ツォン組が得意のスロージャンプでまさかの転倒したこともあり、ペア5位。期待された結果は残せたと思います。
アリサ・リウ選手も危なげなく2位。理想通りのスタートと言えるでしょう。
日本チーム
一方、日本の「うたまさ」こと吉田唄菜/森田真沙也組(アイスダンス)も健闘。昨年9月のミラノ五輪代表最終予選で敗れた中国のシーユエ・ワン/シンユゥ・リウ組を上回り、8位に入れました。
「りくりゅう」と坂本花織選手は、期待に応えて両方1位と、日本も理想的なスタートです。
特に「りくりゅう」は「個人戦前にこんな演技しちゃっていいの?」と思う程、いきなりの凄い演技で怖くなるくらいの出来で、パーソナルベスト更新。あのSPは完全保存版ですね。
坂本花織選手も演技前のあの表情を見て、北京五輪の団体戦を思い出したのでやってくれるのではないかと期待していました。期待通り出せるのは凄い!
イタリアVSジョージアの争いも熱い
イタリアとジョージアの選手たちの実力が拮抗しているため、この2か国の争いは熱いです。
アイスダンス:イタリア5位 ジョージア6位
ペア:ジョージア2位 イタリア3位
女子:イタリア3位 ジョージア5位
ここまで拮抗した勝負になると、女子シングルで韓国の若手シン・ジア選手が4位に割って入ったのがジョージアにはちょっと痛いです。
アナスタシヤ・グバノワ選手はいい演技だったんですけど、最後のトリプルルッツで軽微な回転不足「q」を取られたのが響きました。
シン・ジア選手は今季国際試合は精彩を欠いていたんですが、見事な五輪デビューでした。
カナダとフランスも好調
カナダは女子のマデリーン・スキーザス選手が音楽開始時の不備で演技やり直しになるハプニングの末、好演技。
しかし冒頭のトリプルルッツで「q」を取られたこともあって点は伸び切らず。でも、順位的には予想できた範囲に収まっています。
カナダの方が団体戦に力を入れていそうだし、なんとなくカナダ優位かなと思っています。

でも、フランス男子の出来が全く読めないだけにどうなるかは私も予想つきません
2~3位から10位まで、どっちもありえますからね…
思わぬミスが少なかった初日、最後の男子SPは?
団体戦予選で、ファンの想定を超えるミスが出たのは、怪我をしているペアのスイ・ウェンジン/ハン・ツォン組(中国)のみだった気がします。(怪我の影響はやはり大きい…)
怪我を抱えながら出場している選手ではサラ・コンティ/ニッコロ・マチー組(イタリア)は怪我を感じさせないいい演技でした。フリーが持つかどうかはまだ不安がありますが。
ただ、問題は男子SPなんですよね…男子シングルは高難度技ジャンプを多数入れるため、どうしても波乱が起きやすいです。
団体戦では得点待ちをする「キス&クライ」に同国チームのメンバーが集まりますが、明日出場する予定のケヴィン・エイモズ選手(フランス)やダニエル・グラッスル選手(イタリア)の表情が硬かったので心配しています…

心臓に悪い大崩れ展開だけは、勘弁してほしいです
男子SP出場一覧や採点情報はこちら
団体戦のスケジュールや出場メンバー情報は下記記事に随時更新していますが、男子SPメンバーはこちらでも確認できます。

スケジュール、滑走順、順位、採点表等へのリンクが網羅されたページは下記のリンクからどうぞ。
ミラノ五輪2026フィギュアスケート競技リザルト(ISU版)
普段の形式で見慣れている方は、こちらの方が見やすいかと思います。
