本来ならば、昨年末全日本フィギュアスケート選手権3日目を振り返る順番なのですが…
男子フリーの振り返りにパワーをかなり要したので、今回は軽い内容に逃避したくなりました(苦笑)。
全日本アイスダンス・ペア・女子フリーの振り返りは次回改めて書きます。
今回は、フィギュアスケートを題材にした人気コミック「メダリスト」のアニメ放送が始まったのを機に、「フィギュアスケート漫画」についてまとめてみました。
前半が過去の著名フィギュアスケート漫画作品の振り返り、後半が「メダリスト」話です。
ちなみに「メダリスト」はアニメ放送開始前、年始に既刊11巻を一気読みしました(笑)。
Amazon Kindle(電子書籍)は2024年1月16日まで期間限定キャンペーン期間中!
期間内に対象書籍を「まとめ買い」するとポイントが最大12%分ついてお得です。
私はついこれに乗せられて「メダリスト」全巻電子版を一気買いしてしまいました。
「8千円台だったら全日本のスタンドS席チケットぐらいか~」って、つい(苦笑)。
フィギュアスケート漫画・黎明期の作品たち
1960~70年代の高度経済成長期は、「スポ根(スポーツ根性もの)」が流行した時期。
少女漫画界ではフィギュアスケートを題材にした作品が多く描かれていました。
上原きみこさんの「青春白書」、ひだのぶこさんの「ブルーインパルス」や「銀色のフラッシュ」、田中雅子さんの「虹色のトレース」あたりがフィギュアスケート漫画の走りかな?と思います。竹宮惠子さんの「ロンド・カプリチォーソ」も有名ですね。
でも残念ながら私はいずれも読んだことがありません。
「この時代の作品はほとんど絶版だしな~」と思いつつ念のため…と調べてビックリ!
上記のうち「青春白書」「ブルーインパルス」以外は電子書籍化されていました。
「銀色のフラッシュ」は3巻までなら無料で読めるので(追記:Kindle Unlimited登録者のみ)、この後読んじゃおうかと思っています。
ひだのぶこ(著)「銀色のフラッシュ」Kindle版全8巻2904円
田中雅子(著)「虹色のトレース」Kindle版全3巻2000円
竹宮惠子(著)「ロンド・カプリチォーソ」Kindle版全2巻880円
ひだのぶこさんの「氷上の恋人たち」もKindleで読めるようです。
往年のフィギュアスケート漫画を読んでみたいひとはどうぞ。
時代を築いた槇村さとる作品
私が初めて出会ったフィギュアスケート漫画は槇村さとるさんの作品でした。
「愛のアランフェス」
「伊藤みどりさんが活躍していた時代のフィギュアスケートファンの多くが読んだのでは?」と思う有名コミック・「愛のアランフェス」(Kindle全7巻3080円)。とにかく私の周囲の少女たちには大人気でした。私もマーガレットコミックス全7巻買ってもらって、何度も繰り返し読みました。
このコミックをきっかけにフィギュアスケートを観始めた人も多かったように思います。
私の場合、NHK杯エキシビションで伊藤みどりさん(小学生時)の演技を見たのが1980年11月。愛のアランフェス7巻が出たのが1980年11月30日。
連載を毎週追いかけていた記憶はないし、当時週刊マーガレットは購読していなかったので、おそらく「伊藤みどりさんを知ってフィギュアスケート熱が高まっていた時期に、完結したばかりのこの作品を一気読みした」のだろうと思います。
今読み返すと、もはや「歴史」
結構長く手元に置いていたんですが、何度かの引っ越しを重ねた中でコミックは手放してしまいました。Amazon等で試し読みができますので、気になる方はチラ読みしてください。今読むと時代感が凄いです(苦笑)。
釧路で生まれ育った主人公・森山亜希美はフィギュアスケーターだった父親の指導は受けていたが無名の存在。しかしとある国際大会エキシビションに乱入して演技を披露。3回転ジャンプを下りて「3回転跳べる女子がいるなんて!」と大騒ぎになり、一躍注目選手にーというのが話の始まりです。
しかもこの主人公、父と共に天然リンク(湖)で練習してたので、リンクで滑ったのがこれが初めてだったーっていう漫画のようなエピソード。(というか漫画だw)
「女子が3回転1本跳んだけで大騒ぎ」ってのが何よりも時代を感じます。確かにこの頃は女子シングルはダブルジャンプが主流でした。伊藤みどりさんがアクセル以外の全種トリプル跳んだ時点で既に大騒ぎになったくらいだし。
そして主人公が飛び入りした大会が「日ソ対抗フィギュアスケートエキジビション大会」なんですよ。若い世代には「日ソ」って何じゃそりゃ…?なのでは(苦笑)。主人公の亜希美は途中からペアに転向するんですが、ペアの本場「ソヴィエト連邦」に修行に行ったりします。
この時代のコミックをほぼリアルタイムで読んでたってことは、私も「歴史体験を語れるおばあさん枠」に入りつつあるのねという恐ろしい事実に直面します(苦笑)。
当時の高揚感&不満
当時の私はフィギュアスケートを描いた漫画が読めるってだけで大満足。
「んなアホな」って無茶な設定は多々ありましたが、当時のスポ根系コミック&アニメは荒唐無稽な設定だらけ。「愛のアランフェス」程度の設定なんて、他作品に比べたら「かなりリアル寄り」と思われるレベルでした(苦笑)。
個人的には主人公にはシングル競技を極めてほしかったので、途中で唐突にペアに転向してしまったのは残念でした。ペア転向以降は恋愛漫画の色彩が濃くなっちゃって、芯が強そうに見えていた主人公が、男性に依存していく感じになってきたのが子どもながらガッカリで。恋愛ばなしは好きな年ごろでしたから、それはそれで楽しくは読みましたけどね。
「白のファルーカ」
槇原さとるさんはその後1987~89 年にはアイスダンススケーターを主人公にした「白のファルーカ」(全8巻)」を連載。
これも楽しみに読んでいました。今読み返すと、「オリジナルセットパターンダンス」をやってた頃だから、この時代は私もアイスダンス結構見てたはず。
でもこれも途中から主人公&恋人の親子関係の確執がどうのこうのメロドラマ的展開が主流になって、これまた若干不満に(苦笑)。大半の読者からはそういう展開が求められてたんでしょうし実際人気を博していました。
「モーメント 永遠の一瞬」
その後槇原さとるさんは、2014~24年に再びフィギュアスケーターを主人公にした「モーメント 永遠の一瞬(全20巻)」を連載。
「槇村さとるさんが久しぶりにフィギュアスケートコミック連載開始」ってことで噂は伝わってきましたが、当時は仕事&育児が超忙しくて読む時間全く取れず。
この作品では主人公が最後までシングル競技を続けているので、リアルタイムで読んでたらはまったかもしれません。
数十年前は、「少女漫画にフィギュアスケートを出すと、どんな魅力的なスケーターもペアやアイスダンスに転向しちゃう」という印象が私には根付いてました。「カップル競技に転向させるとパートナーとの恋愛や三角関係等を描きやすいから」って編集部の差し金でもあったのか?と疑うぐらい(苦笑)。
いざ組んだらスケートよりも恋愛話に重心が移ってしまう感があって…。私、恋愛漫画は好きだけど、フィギュアスケート漫画に恋愛話が幅を利かせてくんのイヤなんですよね。ちょっと入る分はいいんですけど。
「才能がそこまであるんならシングル極めるやろ普通!」
「ペアやアイスダンスにそんな簡単に転向できるわきゃないのに、恋愛にうつつぬかしてる場合かー!」と思ってた私は、メイン購読者層の嗜好からはかなり外れていたのでしょう(苦笑)。
ちなみに1990年代半ばには女子シングルを続ける選手の漫画として赤石路代さん著の「ワン・モア・ジャンプ」が既に出ていました。残念ながらこちらも私は未読です。この作品、1995年に講談社漫画賞取ってるんですけど、さすがに「ちゃお」はもう読んでなかった(苦笑)。
「モーメント 永遠の一瞬(全20巻)」大人買いで9150円って、ちょっと惹かれるものはあります(笑)。アイスショーより安いってのはでかいですよね(苦笑)
槇村さとるさんがフィギュアスケートを取り上げた作品は、他にもコーチ目線で描いた作品などもあります。数が多くてとても全部は紹介しきれません。
その他の名作
川原泉(著)「銀のロマンティック…わはは」
川原泉さんの「銀のロマンティック…わはは」は、ある程度の年齢層以上には記憶に残っている作品かと思います。でも、もう中古市場でしか入手できないのですね、ビックリ。
スピードスケート選手だった男性が怪我で競技を断念、フィギュアスケートに転向。元バレリーナの女性とペアを目指すというお話。短期連載で、1冊にまとまっています。
フィギュアスケートを題材にしたコミックってスポ根系か恋愛ドロドロ系かに二分されるものなのに、そのどちらにも行かなかった「謎の感動系コメディ漫画」です。「泣ける」との絶賛も多い作品ですが、とぼけた雰囲気で展開していくので「感動スポ根」を期待して読むと驚かれると思います(苦笑)。
私は作者の川原泉さんが当時大好きで、初期の単行本は全部集めていました。
この作品も好きで単行本も持ってましたが、私はハマり切れず。10~20年ぐらい前に手放してしまいました。他の単行本はまだ残してるんですけどね。
私は当時の川原泉さんには「シュールで笑える作品」を求めてたので、うっすらとはいえ「感動もの」の色彩が加わったこの作品には微妙な抵抗感があったんです。
フィギュアスケートの知識もちょっと邪魔したかな~。
サイドバイサイドの4回転ルッツ習得の過程は、今なら笑って読めると思うんですけど…連載中は血気盛んなティーンエージャーだったので「ペアスケーターが4回転ルッツなんて荒唐無稽すぎる」と冷めてしまって。昭和スポ根漫画スタイルの作品だったなら笑ってスルー出来たんですけどね。好きな方は「え~あそこが一番面白いのにw」と思われるでしょう。
今思うと、ああいうほんわりシュールな作風でフィギュアスケートを真面目に描いた作品って画期的だったと思うので、やはり名作だと思います。
書いている間に「せっかく単行本持ってたのに手放すんじゃなかったな」と後悔してきたので、中古書店から再度取り寄せました(苦笑)。
小川彌生(著)「銀盤騎士」
「銀のロマンティック…わはは」に近い要素がある作品として、唯一頭に浮かんできたのは小川彌生さんの「銀盤騎士」(全11巻6050円)です。
この作品の主となるスケーターは超イケメンの男子シングル選手。しかし中身は東北の純朴&超内気なオタク青年。基本「ヘタレ」な彼は、試合前に幼なじみの女の子にお気に入りアニメのおまじないをしてもらうのが大切なルーティン。だから試合には彼女をいつも連れて行きたいのだけれど、彼女も出版社勤務で忙しくて大変で…というロマンティックコメディ風スケート漫画です。
2012~17年までコミック雑誌「Kiss」に連載されていたのをリアルタイムで読んでいました。ギャグ部分と真面目な競技部分のバランスが好みで、昭和のスポ根路線を完全に脱した漫画が出てきたな~って当時思ってましたね。ひたすらカッコいいだけの男性キャラではなく、ヘタレで可愛い所を併せ持つキャラというのも好みでした(笑)。
小川彌生(著)「キス&ネバークライ(Kiss & Never Cry)」
作者の小川彌生さんはこの作品の前に「キス&ネバークライ(Kiss & Never Cry)」(全11巻)」6050円って女子シングルスケーターを主人公にした作品を2006年から5年余り連載していました。
おそらく世間的にはこちらの作品の方が有名なんじゃないかな?主人公は怪我でアイスダンスに転向した女性です。
こちらは「白のファルーカ」のような、登場人物間の過去の確執やら謎の事件やらが出てきて、スケート以外の人間ドラマ要素多め。ちょっと重めの展開がしんどくて私は「銀盤騎士」のほんわかギャグ系が好みでした。(それでも連載を楽しみに読んでましたけどね)
ドラマティックな人間ドラマが好きな方なら、「銀盤騎士」より「キス&ネバークライ」の方がおすすめです。
私が追い切れてない名作たち
その他では、さいとうちほさん(著)「アイスフォレスト」(2007~12)や、おそらく少年漫画誌では初めて連載されたフィギュアスケート漫画・鈴木央さん(著)「ブリザードアクセル」(2005~2007)なども当時話題を呼んでましたが、私は未読です。
フィギュアスケート漫画は挙げ始めたらキリがないぐらいたくさんあります。名作と言われる作品すら制覇してないのに、とても全部は追いきれません(苦笑)。
昨年少年ジャンプでの連載が終了してしまった逸茂エルクさん(著)「ツーオンアイス」(全4巻2050円)は、連載開始の数話は読みました。「完結したら読もう」と思っていたら、思いのほか早く連載が終わってしまい、何だか読むタイミングを失ってしまっています。ミラノ五輪まで長期連載になってほしかったけど、少年ジャンプは激戦区ですからね…。
そういや「ユーリ!!! ON ICE」の話はないのか?と思われる方がいるかもしれません。アレはTVアニメオリジナル作品なので原作マンガは存在しないんですよね。あのアニメをきっかけにフィギュアスケートを好きになった方も結構おられるようですし、魅力ある作品なのだろうと思いますが、私は未見です。
宇野昌磨さんファン界隈では「宇野昌磨さんとステファン・ランビエールコーチのような関係を先取りしてい描いている!」と何度も話題になりました。(アニメに描かれていた設定・出来事が後で実際に実現)なので関心がないわけじゃないんですけどね。
数分ぐらいなら見たことはあるんですけど「チャンスがあればちゃんと見よう」と思いながらそのまんまになっています。
「メダリスト」の勢い
ようやく、今勢いのある「メダリスト」の話です。正月早々全巻一気読みして気持ちが良かった!
「メダリスト」の主人公は、ずっとフィギュアスケートが好きだったのに事情があって正式に習うことができずにいた小学5年生の少女。そしてダブル主人公と言うべき存在として、20代の男性コーチがいます。
彼はシングルの選手になりたかったがコーチにつくことができず、アイスダンスに転向して何とか全日本選手権出場を果たしました。しかし引退後フィギュアスケートでは食べていくことができずにいるーという設定です。その彼がふとしたことから少女のコーチをすることになり、二人三脚でフィギュアスケートに打ち込むことになります。
現在、アニメは1話から無料視聴可能!
アニメのオープニングタイトル曲は米津玄師さんが手がけているんですが、何とコミック原作のファンで自分から「曲作らせてくれ」って売り込んだという話(!)。
2月のライブに娘と行くんですけど、この曲やるかな?ヒット曲多すぎるからな…
既に2回目まで放送されていますが、配信を行っているので今からでも1話から無料視聴可能です。
FODやAmazon Prime Video、AbemaTV、Netflix、dアニメストア、Lemino等々数々のメディアで視聴できます。ブルーレイ販売予定があるので一定期間で公開終了すると思いますので、無料視聴したい場合はお早めに。
アニメを配信しているメディア情報詳細は下記をご参照ください。
私がおすすめできるポイント
フィギュアスケートに励む少女の視点だけでなく、その成長を見守るコーチや親の視点も描かれているので、私のようなおばちゃん世代にも読みやすかったです。
子育て中の方や、若い子を育成指導する仕事等に就いている方にはおすすめかと。
誰が誰を恋い慕っているとか性格の悪いライバルキャラに罠を仕掛けられたり、誰かが悲劇の死を遂げたり、主人公たちには実は過去の確執が…みたいな恋愛系or陰謀系のドロドロした話が今のところ出てきていないのも気に入っています。せいぜい陰でねちねち噂話する母親たちがちらっと出てくるぐらいかな。
「スケートが上手くなっていく喜び」&「その過程での様々な壁をどうクリアしていくか」にフォーカスされているのが、一番気に入っているポイントですね。
人間関係ドロドロ系もそれはそれで極めてくれてたら面白いんですけど(社交ダンス界を描いた名香智子さんの「PARTNER」とかドロドロだけど大好きでしたしw)、私は題材がフィギュアスケートの場合はフィギュアスケートそのものにウェイト置いてほしいって思っちゃうようです。
バッジテストのことは知っていても、実際初級の課題にどんなものが出て、どんな風にテストをしているのかとかまでは知らなかったので、選手達全員が通ってきたであろう過程を知れたのも興味深かったですね。
「ああこれは大須スケートリンクね」「ここは邦和」ってわかるのもスケオタの密かな楽しみです。
1月22日に最新刊12巻を読むの既に楽しみにしています。
期間限定キャンペーンはお得です
AmazonのKindle(電子図書)版は、1月19日まで1~3巻は無料で読めるようですので、気軽に読んでみるのもいいかと思います。私は無料で3巻読んで面白かったので、全巻一気買いしました。
前述の通り、Amazon Kindle(電子書籍)は2024年1月16日まで期間限定キャンペーン期間中なので、期間内に対象書籍を「まとめ買い」するとポイントが最大12%分ついてお得です。その他のコミックも1/16までにまとめ買いしておくとポイントが増えるので他の時期よりも実質お安く入手できます。
気軽な話題を書こうと思った割に、あれこれ調べてたら昔の漫画もかなり電子化されてることがわかって、むしろ宿題が増えてしまった感(苦笑)。
この作品面白かったですよね~って気軽に書き散らすだけのつもりだったのにw