木下グループ杯2025/日本初のチャレンジャーシリーズ(CS)大会の見どころと放送予定&配信情報<9/5修正追記>

青空の関空アイスアリーナ外観

日本で初めてのISUチャレンジャーシリーズ(CS)大会「木下グループ杯2025」が、9月5日(金)から7日(日)まで大阪の関空アイスアリーナで開催されます。

私は競技の1日目と3日目を現地観戦、2日目はCS放送にて視聴する予定です。
関空アイスアリーナでの試合観戦は、2023年9月のジュニアグランプリシリーズ(JGPS)大阪大会以来です。

今回は「木下グループ杯2025」の放送&配信情報や試合の見どころをまとめました。

9/5 朝 配信情報について修正
9/5 昼 山本草太選手の今朝の公式練習情報追記<13:10報道記事追記>

目次

日本初開催のCS大会・木下グループ杯とは

チャレンジャーシリーズ(CS)大会とは

フィギュアスケートの国際大会は、次のように大きく分類されています。

  • チャンピオンシップ大会
    (オリンピック、世界選手権、欧州選手権、四大陸選手権)
  • GPS(グランプリシリーズ)
  • CS(チャレンジャーシリーズ)
  • IC(International Competitionの略 いわゆる上記以外の国際大会)

大会の格によって、世界ランキングに反映される「ポイント」のランクも異なります。CS大会で8位以内に入れば、GPS大会よりはやや少ないですがポイントが入ります

その他の大会(IC)になると上位5位までしかポイントがつかず、得られるポイントも少なくなります。
世界ランキングを上げたい選手にとって、木下グループ杯で8位以内に入ることは重要です。

また、CS大会での獲得スコアはISUパーソナルベスト(PB)、シーズンベスト(SB)スコアとして認められます。日本選手の場合、大きな大会への派遣選考基準にそのシーズンのPBスコアがありますから、国内開催の国際大会公式記録が残せる大会が増えたことは大歓迎でしょう。

「CS大会」が日本で開催されるというのは、四大陸圏、特にアジアの選手にとっては移動&資金の負担が減らせてありがたいことだろうと思います

木下グループ杯がCS大会認定されるための条件

しかしCS大会として認められるためには、一定数の国から一定の人数の連盟登録選手が参加する必要があります。

CS大会の認定基準

最初の前提として、4カテゴリのうち3種目以上が開催され、最低10の国・地域の参加が必要です。
(公開時、肝心の前提を書き忘れていたのに気づいたので9/4 9時に追記)

さらに各カテゴリごとに下記の基準を満たす必要があります。

参加人数参加国数
男子シングル84
女子シングル84
ペア53
アイスダンス64
ISU Challenger Series in Figure Skating 2025/26 ANNOUNCEMENT より

選手の欠場が多いと基準を満たさず、CS大会からICに格下げになることもありえます。つまり、選手の参加状況によって、もらえるポイントが減ったり、いい記録を出しても公式記録として残らなくなったりします。

日本でのCS大会は初めてとあり、条件を満たせるだけの参加者が集まるのか少し心配していましたが、今のところ実施全カテゴリでCS大会として認められる条件はクリアできそうな状況です

放送&配信

ライブでの放送や配信の情報は以下のとおりです。

CSテレ朝チャンネル2にて全カテゴリ生中継

【CSテレ朝チャンネル2】放送予定

9/5(金)午後3:15~
女子シングルショートプログラム・男子シングルショートプログラム

9/6(土)午後3:00~
アイスダンスリズムダンス・ペアショートプログラム・女子シングルフリースケーティング

9/7(日)ひる12:45~
アイスダンスフリーダンス・ペアフリースケーティング・男子シングルフリースケーティング

CS放送をご覧になるためには、「スカパー!」等を通じ事前の視聴契約(有料)が必要です。

私は「スカパー!セレクト5」を契約しています。
(時々セレクトするチャンネルを変更すれば、これで大抵のフィギュアスケート関連番組の視聴が可能です。JSPORTSがセレクトできないのは難点ですが)

配信は?

ISU公式YouTubeチャンネルでライブ配信があるようです!

⇒ あるという情報が出ていたのですが、どうも誤報だったようなのでいったん削除しますね。<7:45>

<8:15追記>
公開直後から15分の間にご覧になった方がいらしたらすみません。謹んで訂正させていただきます。

ISU公式チャンネルに今朝の時点でまだ配信予定が出てこないので「?」となる
⇒配信ありという記事を出していたメディアが記事訂正したのを知るーという流れでした。

しかしこの規模のCS大会を海外ストリーミングしないとは…海外ファンの嘆きが聞こえるようです。
テレ朝さんも有料ストリーミングすればよかったのに国内CS優先せざるを得ない事情があったのでしょうか…

参加選手の情報と試合のみどころ

参加者情報&リザルトはこちら

参加選手たちは、四大陸(アジア、オーストラリア、南北アメリカ大陸)を中心に、ヨーロッパからも集まりました。

下記の公式サイトで最新の出場者情報を確認できます。

スケート連盟の公式リザルトページ(全カテゴリのエントリーリストや滑走順、採点表などのリンクを集めたページ)は下記からどうぞ。

「木下グループ杯2025」リザルト

注目ポイント

ミラノ五輪代表候補選手が同じ大会に勢ぞろい

なんといっても、ミラノ五輪代表候補選手が揃っていることがフィギュアスケートファン最大の注目ポイントでしょう。

男子シングル:友野一希選手、山本草太選手、壷井達也選手、三浦佳生選手

女子シングル:坂本花織選手、樋口新葉選手、千葉百音選手、渡辺倫果選手、吉田陽菜選手、青木祐奈選手、三宅咲綺選手、山下真瑚選手(女子は混戦状態で候補を絞りづらいです…)

ここの成績で代表が決まるわけでは勿論ありませんが、これだけの数の候補選手がここまで揃う機会は全日本まではなかなかありません。国際大会ジャッジの評価(GOEのつきかたや、どの位のPCSがつけられるか等)も注目ポイントになりそうです。

韓国も男子シングルに3名、女子シングルに2名を送り込んできています。韓国の選手たちにとっても、この大会は日本選手と同様に、五輪代表選考の参考となる今季最初の試合として注目されます。

シーズン序盤の調整段階の試合ではあるのですが、この二か国の選手たちについては、見守る側にも若干の緊張感があります

トップクラス選手たちの仕上がり具合&新プロは?

坂本花織選手や「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組など、世界のトップクラス選手たちの仕上がり具合にも注目です。

特に「りくりゅう」のフリー「グラディエーター」は、今回が初披露。上り調子の若手ペア・「メテベル」ことアナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ組(ジョージア)とここでいきなり対決します。

この大会で今季プロを初披露するトップクラス選手は他にもいるので、楽しみは多いです。

個人的にはチャ・ジュンファン選手の新プロが気になっています

SPもフリーも定番曲を選択しているのがちょっぴり不満ではあるのですが、SNSで見かけた練習風景のかけらは魅力的でした

ミラノ五輪代表最終予選を控える選手たちの仕上がり状況は?

9月19~21日に北京で開催される五輪代表最終予選に参加するアイスダンスの「うたまさ」こと吉田唄菜/森田真沙也組と、ペアの「ゆなすみ」こと「長岡柚奈/森口澄士組」の仕上がり具合も注目です。

どちらも早めに調子を上げていくことで、ミラノ五輪個人戦出場資格を獲得したいところですからね。

彼らにとっての大一番を前によい調整の機会になることを願います。

こちらは有料記事ですが、彼らの試合に賭ける想いがよくわかる良記事でした

今後の国際大会出場につなげるスコアを出したい若手にも注目

中村俊介選手や垣内珀琉(はる)選手は、シニア国際大会初出場。今年のシニア国際大会出場の機会は今のところこの大会のみのようです。

国際大会出場経験が少ない山下真瑚選手や、国際大会出場経験がない三宅咲綺選手ここで良いPBスコアを残して今後の試合派遣につなげたいところです。

個人的な注目ポイント

日系人選手大集合?

日本開催となれば、日本と韓国の選手が大半を占めるだろうことは予想済みでしたが、北米圏からも日系人選手が大集合しているのがちょっと楽しいです。特にシングル競技は東アジア人率超高い!

アレクサ・ラキッチ選手(カナダ)やブレイディー・テネル選手(米国)などの非アジア人系が「少数派」になっているのが、なんだか不思議な感じです(笑)

ジミー・マー選手(米国)

昔から結構好きなジミー・マー選手(米国)の演技を初めてナマで観られるのが嬉しいです。

下記はチャンピオンシップ大会初メダルとなった四大陸選手権後のジミー・マー選手。
航空機墜落事故で同じクラブのコーチや後輩を失ってからまもない時期の試合でした。

彼ももう現役終盤だろうし、一度ナマで観たいなと思っていたので、NHK杯出場が決まったのはちょっと嬉しかったんです。まさかその前にもう1回見られるチャンスがあるなんてね(笑)。

米国男子の五輪代表争いも熾烈なので、早めにいい結果を出しておきたいところでしょうがどうなるか?(米国男子は他にも応援している選手がいるので、誰を応援したらいいのか複雑なの心境なのは日本選手と同じです)

ソニア・ヒルマー選手(米国)

そして女子にはソニア・ヒルマー選手(米国)の名前を発見して、私大喜び(笑)。

しかし、木下グループ杯のチケットは余りにも競争率が高かったので、私は女子シングルメインの土曜日のチケット購入を見送っていました。当初は競技終了予定時刻が22時半でしたし、遠征でない身には表彰式もろくに見ずに帰る羽目になるだろうと思いまして。

しかし、チケット売り切れ後に米国からソニア・ヒルマー選手が出場することを知って、「しまったー日本でヒルマー選手の演技が観られるなんてまたとない機会だったのにSPしか見られないじゃん!」と結構ショック。

しかもその後スケジュールが変更になり、競技終了予定時刻が約2時間早まるという追い打ちまでくらい。

20時半までに終わるんだったら表彰式まで見られたじゃん!

それなら土曜も現地観戦したかったよー!!!
…と嘆いてもチケットはもうありません…

変な遠慮せずにチケット取っちゃえばよかったかな

ヒルマー選手はセルフコレオで衣装も自作なんですよね。ジャンプが逆回転で跳べたり唯一無二なスケーターです。

※下記は今季SP 埋め込みが表示されない場合はリロードまたはこちら

彼女の滑りを日本で見られる機会なんてそうそうないと思うので、ナマで観られる機会を大切に味わうことにいたします。

カップル競技

アイスダンスはなかなかアイスダンスに出場するハンナ・イム / イェ・クアン組(韓国)とマリー=ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック 組(カナダ)は、どちらも私好みの演技をするので楽しみにしています。

特に「マリロマ」ことローリオ/ルギャック組は今年も面白いリフトや個性的なプログラムやるのかな?と期待しております。

彼らの過去のユニークなプログラムについては下記に参考動画つきで書いています。面白い演技ができる組なのに、カナダのアイスダンス層が厚すぎて昨季は四大陸選手権にも出られなかったのがもったいなかったです。

実は、カナダのスケート連盟は木下グループ杯にアイスダンスチームを3組派遣しています。

噂によると、この試合の結果でグランプリシリーズ(GPS)カナダ大会(スケカナ)の空き枠に、どの組を出すかを決めるらしいです。

実はカナダのアイスダンス3組の「スケカナ出場枠争い」も見どころだったりします。

気になる出場選手たちの最新情報

選手たちは既に現地入りして公式練習を行っていますし、滑走順抽選も実施されました。
多くが有料記事ではありますが、各選手の情報が続々とメディアで流れています。

三浦佳生選手のフリーは「ラストサムライ」に変更

先日のアイスショー「Friends on Ice」で、今季用に作っていたプロ3つすべてを披露した三浦佳生選手

その時「今季フリーをどっちにするのか悩んでるのか?」と思ったのですが、やはりそうだったらしく。その後フリーを「ラストサムライ」に変更しました。

毎日新聞の下記の記事(有料)は、変更までの過程を詳しく語っていて読み応えがありました。

怪我で例年より調整が遅れている中でアイスショーと試合出場が連続することを心配していたファンもいましたが、「プログラムをどちらにするかで悩んでいた時に他のトップスケーター達に相談できる場としてあのショーを生かせていたのなら、出演も悪い選択ではなかったのでは?」と思いましたね。

山本草太選手に欠場の可能性?

そこでこんな心配なニュースも出てきました。

これは心配過ぎます。右腰の問題もありますが、肩の亜脱臼にもまた悩まされている様子。今季序盤調子よさげだったから良くなっていたのかと思っていたら。出る出ないは最終的には本人の決断となると思いますが、無理はしないでほしいと思います。

<9/5 11:15追記>
山本草太選手、今朝の公式練習には参加してSP曲かけをしていたそうです。ただしジャンプはスルー。

<13:10追記>
曲かけ後最後の方で4回転トゥループを一度降りたという記事もありました。おそらく出場するのでしょうね。

「無事これ名馬」も真理だけど、やはり全力での代表争いが見たい…

ミラノ五輪代表候補選手は昨季友野一希選手が股関節周りを傷め、山本草太選手が肩の亜脱臼に悩み、三浦佳生選手が太腿の古傷で調整が遅れました。そんな中で一歩リードしたかに思えた佐藤駿選手が転倒で骨挫傷になり、今度はまた山本草太選手が…という状況。

まさに最後に勝つのは「無事これ名馬」状態になりそう。

他の代表候補である鍵山優真選手や壷井達也選手も過去には深刻な怪我を体験しています。ギリギリのところまで肉体を追い詰めるアスリートに怪我は付き物だし、過去に五輪代表争いをした選手たちもそれぞれ程度の差こそあれ全員が怪我との闘いをしていました。

でも、見守る側としては「『無事これ名馬』な代表争い」よりも、「全員が実力を発揮できたうえでの代表争い」を見たいと思うのが人情です

幸いまだシーズン序盤。怪我でスタートが出遅れた選手がいたとしても、グランプリシリーズ(GPS)を切り抜けることができれば、最後の勝負は全日本。選手たちが少しでも良い状態で全日本に臨めるように祈りたいです。

「今季は緊張感MAXな試合が多そうだから、CS大会ぐらいはのんびり楽しみたいな」と思ってたんですけど、なんだか力が入ってきちゃいました…今からこんなに緊張してちゃいけませんね。もっと楽しまなきゃ!

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