最推し選手が引退したら、自分の「熱」はどうなるのか? ~伊藤みどりさん等 引退時の記憶~

最推し選手の引退後を考察する記事のアイキャッチ画像

宇野昌磨さん引退表明後、「もう同じ熱量でフィギュアスケートを見られなくなるかも?」と自問している昌磨ファンさんをWEB上でちょくちょく見かけます。実は私も、同様の不安を感じています。

そこで、かつて「熱烈応援していた選手」が引退した時、「私の競技に対する熱」がどう変化していったかを振り返り、「私自身が今後どう変わるか」に想いをめぐらせてみました。

目次

応援の「熱」はフィギュアスケート全体を楽しむエネルギー源

私は宇野昌磨選手だけを応援してきたわけではありません。全カテゴリに好きな選手が多数います。だから2026年の「ミラノ・コルティナ五輪」までは、今まで通り試合を観続けるだろうと思います。

ただ、「昌磨さんと同時期に活躍していたスケーター達が引退した後」は、正直どうなるか自分でもわかりません。

というのも、宇野昌磨選手に対して年々増え続けていた「熱」が、他の選手を応援するエネルギー源になっていたーと思うからです

これまでは彼が出てない試合やショーも楽しく観ていました。しかし彼の試合がもう見られなくなり、新たなエネルギーが補給できなくなった後も試合を楽しみ続けられるのか?という不安がぬぐえません。

昌磨さんは、大きな「真珠」だった

過去の「引退」の喪失感を埋めてくれたのは、「昌磨くん」だった

「熱心に応援していたスケーター」が引退するのは、これが初めてではありません。「引退」を嘆いたスケーターは過去に何人もいます。

でも彼らが引退したころは、既に「昌磨くん」が頭角を現し始めていました。彼の成長を楽しむことが、その喪失感を埋めてくれたんです。

喪失感埋めるレベル」は早々に超えちゃって、その後存在感増し過ぎて「えらいこっちゃ!」になりましたけどね(苦笑)

「応援し続けた年数」が育てたもの


宇野昌磨選手の引退で受けた衝撃は、他スケーターの引退と比べかなり大きいです。最大の違いは、「応援し続けてきた年数」です。

私はジュニアの試合は熱心に追いかけないタイプです。また、プロフィールにも書いていますが、「オリンピックだけちゃんと見て、世界選手権は結果を確認するだけ」という時期が約10年間ありました。

だから「私が過去に大好きだった選手」はほぼ全員、「思い入れが強かった現役時代の年数」が10年に満たないんですよね。

昌磨さんはノービス(小3~6)の頃から存在を知っており、約15年かけて「応援熱」が上昇、「好きのピーク値」が毎年更新されていった唯一の選手。熱&思い入れの蓄積量が半端ないのです。

だからこそ今、過去最大級の喪失感に襲われているわけです。

「しょうま君」をノービス時代から熱心に追い続けてきた人の喪失感はきっととんでもないはず。

長年応援してきたぶん、心を慰める想い出の数はたくさんあるとは言えますが…

「熱意」と「思い入れ」 高まり方の違い

「熱意」の大きさには、応援してきた時間は全く関係ありません。「熱意」はいきなり過去最高値に達することもあります。

私が数年しか応援できなかった選手の中にも「忘れられないスケーター」は何人もいて、その想い出はどれも大切です。熱意の総量を比べるのは野暮なこと。

でも、応援してきた年数が長ければ長いほど「思い入れ」が深まるのは否めません。

応援の日々は、「思い入れ」という名の天然真珠を育てます。

「昌磨くん」という貝は、真珠を育てた年数が過去イチ長かった。そのうえ私の「熱意」は年々上がり続け…気付けば、私の「熱意」&「思い入れ」は過去最大級になっていました。

「これほど大きな真珠が再び育つことがあるのだろうか?」と不安になるほどに。

「思い入れ」が深かった伊藤みどりさん引退後、自分はどう変化したか

「私の思い入れ」が過去最も深かったのは、伊藤みどりさんです。

ノービス時代に存在を知り、1回目の引退まで応援熱が蓄積される一方だった点が、まず同じ

そして、数々の世界選手権&二度のオリンピックを見て大盛り上がりした一方でルールや採点にイライラさせられたり、骨折やワールド試合直前の公式練習で負った怪我を心配したり、メディア取材の酷さに同情したり…良かった時も悪かった時もずっと見守ってきたーという点も似ています。

私のフィギュアスケート熱が一時衰えた最大の要因は、「みどりちゃんがいなくなった」ことだと思います。

みどりさん現役時代も、他に好きなスケーター達が多数いました。当時の私はかなり激務でしたが、頑張って時間を作って試合を見続けていました。みどりさん引退後も佐藤有香さんやフィリップ・キャンデロロさん、エルヴィス・ストイコさん等を追いかけて長野五輪の頃までは試合を見ていたんです。

(ステップが大好きだった佐藤有香さん幕張ワールド優勝や、個性のかたまりのキャンデロロさん五輪連続銅メダルは嬉しかった!)

でも、彼らの引退後、新しい試合に対する興味が急速にしぼんでいいくのを感じました。

私にとっての「みどり世代の終焉」ーという感じでしたね。

長野五輪以降に活躍した選手に魅力がなかったわけではありません。(ヤグ&プルいましたし)

ただ、「新しいスケーター達に目を向けるのに必要なエネルギー」を私は使い果たしてしまったのです。

※その後荒川静香さんのワールド優勝をきっかけに徐々に関心が戻り、今に至っています

伊藤みどりさん引退時と違うこと

ただ、みどりさん引退時と今回とでは、状況がかなり違います。みどりさん引退後のようなことにならないのでは?という期待は持てるかもしれません。

  • 好きなスケーターの数が昔より多い
  • 日本人選手が強い
  • 自分の生活に余裕がある
  • 家で多数の試合を見られる環境が整っている
  • 好きなスケーターの素晴らしい演技」を見られる機会が今後も多そう

好きなスケーターの数が昔より多い

何といっても、好きなスケーターの数が桁違いに多いです。友野一希選手など、私自身の思い入れが「大きな真珠」に成長している選手たちについては引退まで確実に見届けるでしょう。

それに、今「イイな」と思っている若手が更に進化を見せ、私の熱意が過去最高値を更新して「完落ち」する日が来ないとも言い切れません

日本人選手が強い

メダルの有無で好きになるわけじゃないので「強い=熱意が生まれる」ではないのですが、「メダル争いに絡める選手が昔に比べて多い」というのは競技への関心を持続させるのには役立つと思います。

私がオリンピック以外の試合に再び興味を持てたのは、「久しぶりに日本人がワールド優勝したこと」がきっかけでしたからね。

自分の生活に余裕がある

多忙な中観戦を続けるのには多大な「エネルギー」が必要でした。激務の職場を離れ、子ども達が成長した今なら多少エネルギーが落ちたところで観続けられそう。

時間と金の余裕ができたことで現地観戦の機会が増えているので、新しく応援できるスケーターを見つけやすいかもしれません。

家で多数の試合を見られる環境が整っている

今は配信で色んな試合を見ることができます。将来親の介護等で現地に行けなくなっても、観たい気持ちさえあれば視聴はできそう。

好きなスケーターの素晴らしい演技」を見られる機会が今後も多そう

みどりさん引退時は「世界プロフィギュア選手権など、プロスケーターによる国際競技会が複数開催されていました。伊藤みどりさんや佐藤有香さんが出て優勝していた記憶があります。

とはいえ当時の私には「プロの競技会」は緊張感が薄い「現役競技会のレベルダウン版」に見えてしまい、関心が持てませんでした。「これならエンターテインメントに振り切ったショーの方がまだいい」と思ったのを覚えています。

でも、みどりさんが出ていた「プリンスアイスワールド」のショーは私の住む地域ではめったに上演がないし、「プロの国際競技会」も、2000年代に軒並み終了。(ソルトレーク五輪採点スキャンダル以降の北米フィギュアスケート人気低下は痛かった…)

みどりさんは最初の引退から4年後に現役復帰しましたが、私には「不本意な復帰」に思え、心からの応援はできずじまい。(1シーズンで再度引退)

結局、当時の私には「引退後のみどりさんの演技」を楽しく観られる機会がほとんどありませんでした

今、プロが出られる大きな国際競技会はJapan Openだけですが、新しい演出スタイルのショーが増えてきています。私はショーでの昌磨さんの演技から大きなエネルギーをもらえるかもしれません。

それが競技を見続ける意欲につながるかは未知数ですが、私の中の「フィギュアスケート熱」を保ってくれる可能性はあるかも?と思っています。

「こんなに心酔できる選手は、もう二度と現れない」のか?

みどりさん引退時、私は「こんなに心酔できる選手は、もう二度と現れないんじゃないか」と思っていました。

「みどりさんのようだ」と思えるスケーターは、確かに現れなかった。
でも、みどりさんを別の形で超えて来た宇野昌磨選手に出会えました。

だから、「いつかまた、これほど応援できる人に出会えたらいいな」ぐらいの期待は持っておこうかなと思います。

余談ですが…

昌磨さん引退後に世界各国で「昌磨さんファンでなかった人たち」から引退を嘆く声が多数上がっていたのは、「メダルを狙える力があるのに五輪前に引退するから」だろうと当初思っていました。

でも、自分の感情をこうやって深堀りしていくと…

たとえ『熱意』を持って彼を応援したことがなくても、長らく第一線で活躍していた昌磨さんに対し知らず知らずのうちに『思い入れ』が育っていた人もいたんだろうなーとも思い始めました。

これだけ長く一線で試合に出続けた選手はそうそういなかったですもんね。

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