12/5(木)深夜から、2024-25シーズンのISUグランプリファイナル(GPF)がフランス・グルノーブルで始まります。
公式練習情報も入って来ている直前ではありますが、ジュニア&シニアのGPF関連の情報&私なりの見どころポイントをまとめました。ついでに「裏GPF」情報もちょこっとだけ(苦笑)。
ISU公式チャンネルが、シニアのGPFの全出場選手を紹介した動画をI公開しています!
「グランプリファイナル」は今年が25回目
ISUグランプリファイナルは、シーズン前半に開催されるISUグランプリシリーズ大会の成績上位者6名/組が会して競う大会。
1996年2月開催の「ISUチャンピオンシリーズファイナル」が前身で、「ISUグランプリファイナル」との名称になったのは1998-1999シーズンから。コロナで2回開催休止になってるので、「グランプリファイナル」は今回が25回目の大会です。
古くからのライトファンからすると、「何その大会?」と思った頃からもう四半世紀経ったのかーとちょっぴり感慨を覚えます(苦笑)
シニアの試合は女子フリー以外日本時間深夜~早朝の実施
配信を視聴したい場合、VPNサービスを使ってISU公式等の海外配信で見るか(多数の試合を経済的に観たい人向け)、テレビ朝日の配信を購入する(特典映像見たい人&会場音声のみを好む人向け)か、の2択です。
グルノーブルとの時差は8時間日本が進んでいます。シニア競技は女子フリー以外全て深夜~午前5時台と、ライブ視聴にはちょっときつい時間帯ですね。
※シニア競技部分のみ太字表記にしています
日程 | 予定時刻(日本時間) | カテゴリ |
---|---|---|
12/6(金) (木曜深夜~翌朝) | 00:30~01:20 | JrペアSP |
01:40~02:23 | Jr女子SP | |
02:45~03:35 | JrアイスダンスRD | |
03:55~04:46 | ぺアSP | |
05:05~05:49 | 女子SP | |
12/7(土) (金曜深夜~翌朝) | 00:15~00:58 | Jr男子SP |
01:20~02:09 | Jr女子フリー | |
02:30~03:21 | アイスダンスRD | |
03:45~04:45 | ペアフリー | |
05:05~05:49 | 男子SP | |
ペア表彰式 | ||
12/7(土) 夜~深夜 | 21:30~22:23 | 女子フリー |
22:45~23:34 | Jr男子FS | |
23:55~24:50 | JrアイスダンスFD | |
Jrアイスダンス・女子・Jr男子表彰式 | ||
12/8(日) (土曜深夜~翌朝) | 02:20~03:16 | Jrペアフリー |
03:40~04:39 | アイスダンスFD | |
05:00~05:53 | 男子フリー | |
男子・Jrペア・アイスダンス表彰式 | ||
12/8(日)夜 | 22:00~24:00 | エキシビション |
私は女子フリーとJr男子フリー以外のみライブで、他は時間差で配信を視聴するつもりです
テレビ朝日での放送予定
地上波放送予定 おそらく生中継はなし
3日間とも、全国のテレビ朝日系列での地上波放送があります。
ただし競技実施時間中に放送があるのは土曜日のみ。しかも「女子フリーがそろそろ終わり」の時間帯に始まるうえ、男子SPから放送しそうなのでおそらく全て録画でしょう。
日程 | 放送予定時刻 | 放送内容 |
---|---|---|
12/6(金) | 24:15~25:50 | 女子SP/ペアSP[録画] |
12/7(土) | 22:10~24:24 | 男子SP/女子FS/ペアFS[録画] |
12/8(日) | 23:15~25:40 | 男子FS/エキシビション[録画] |
女子フリーのみ競技終了から小一時間前後での「撮って出し」放送ですが、他はいずれも約1日~1日半前後経ってからの放送です。
女子フリー以外は放送まで時間がかなり空くので、結果を知らずに地上波放送を見たい場合、丸一日情報を遮断しないといけないのでなかなか大変そうです。
CSでは全カテゴリ放送あり
大会終了後、CSテレ朝チャンネル2で全カテゴリ放送されます。※スカパー!等の有料契約必要
日程 | 放送予定時刻 | 放送内容 |
---|---|---|
12/23(月) | 7:30~11:30 | <ジュニア>男子SP/女子SP/ペアSP/アイスダンスRD |
12/24(火) | 7:30~13:30 | <ジュニア>男子フリー/女子フリー/ペアフリー/アイスダンスFD |
12/25(水) | 7:30~11:30 | 男子SP/女子SP/ペアSP/アイスダンスRD |
12/26(木) | 7:30~12:00 | 男子フリー/女子フリー/ペアフリー |
12/27(金) | 7:30~10:30 | アイスダンスFD/エキシビション |
私なりの見どころ
男子シングル
イリヤ・マリニン選手の動向
一番気になるのはイリヤ・マリニン選手のジャンプ構成ですね。
彼はGPSでは4回転アクセルは入れていません。昨季はGPFでSPから4回転アクセルを投入してきました。しかし、今季は宇野昌磨選手が出場していません。
去年はフリップを含む4回転2本&高PCSの宇野選手を「追いかける立場」だったマリニン選手ですが、今季SPでは今大会最大のライバル鍵山選手を上回る点数を出せているので、SPには4回転アクセル入れてこないんじゃないかな?と勝手な予想をしています。
鍵山優真選手がSPのジャンプ構成上げそうだったら、入れてきそうですが
怪我とかしてなければフリーでは入れてくるかな~と期待しています。今の採点システム上、例え4回転アクセルで転倒しても後半の超高難度コンボ連発で荒稼ぎされたら他は追いつけませんからね。大きな大会での安全策をよしとするタイプには見えないので、怪我などが無い限りボストンワールドでは入れてきそう。その為にはここで一度試しておきたいのではないかと。
どうもフリーは新衣装を用意しているという噂を聞いています。SPはともかく、あのフリー衣装は彼に凄く良く合ってると思うのでちょっと勿体ない気はします。どんなの持ってくるでしょうね。
鍵山優真選手のフリーの4回転フリップ
昨季のモントリオールワールドであんなに美しく決めていた4回転フリップが、今季GPSではまだ決まっていません。
彼は4回転本数が少なくとも加点が稼げる美しいジャンプを積み重ねれば、十分マリニン選手と競える可能性があります。しかし今の構成だと演技の完成度+マリニン選手のミスの両方が必要なので、ジャンプ1本の大きなミスは優勝を狙うには致命的となります。
今の採点システム上では、4回転3種ではどんなにスケーティングやステップが良くてもマリニン選手のミス待ちになっちゃいますからね…。ミラノ五輪金メダルを目指すには、4回転3種を早く完全にモノにして4種に挑んでほしいところなのですが、無茶のし過ぎは怪我を招きかねません。
今回棄権をしたアダム・シャオ・イム・ファ選手は怪我の影響が大きく出てしまっています。焦って怪我したりすると一歩後退になってしまうので、まずはフリップ入れての構成が安定すればいいなと思います。
佐藤駿選手がどこまでスコア&表現力を伸ばせるか
佐藤駿選手は、GPF初メダルを狙う絶好のチャンス!
これまではGPFメダルを取るには上位選手のミスが必須でしたが、今季は彼の平均的な力を発揮できれば銅メダルに届きます。場合によってはその上もありうるかもしれない。
私は彼は「魅せる部分」に更なるポテンシャルがあると思っているので、世界中のフィギュアスケートファンを「彼、こんな表現力あったっけ?」と驚かせるような深みのある演技を見せてくれたらいいなと思っています。
ケヴィン・エイモズ選手は故郷で実力を発揮できるか&「サプライズ」って?
会場のグルノーブルは、ケヴィン・エイモズ選手の故郷。家族や友人が大勢会場に来るそう。それが支えになるといいなと思います。
しかし!
先日公開された下記のインタビュー記事によるとフィンランド大会に来てくれていた彼氏は今回会場には来られないらしい。
フィンランド大会の時に彼は「ファイナルではささやかなサプライズを用意している」と言っていました。私は「昨季のボレロをエキシとかで復活させたりするんだろうか?」などと想像していたんですが、上記記事によると「ボレロ」はミラノ五輪用プロにするらしいです。だとしたら、何か違う路線のサプライズかな?衣装が派手なものに変わるとか?
出場メンバー6人のうち4回転がトゥループ1種しかないのは彼だけ。フリーの技術点基礎点はダントツに低いけれどSPフリーとも神演技を故郷で見せればメダルを獲れる可能性もあると思っています。
ダニエル・グラッスル選手&ミハイル・シャイドロフ選手の対決
私にとってはこの二人は「高難度ジャンプ偏重タイプ&独特の個性がある選手」として同タイプ似分類されています。今季プロはシャイドロフ選手の方がやや好みですが、私はこの二人がジャッジにどういう評価をされるかがちょっと気になっています。
どちらも回転不足を取られやすい系なので、ジャッジ評価の変遷で大きく左右されそうだなと。ルッツ&フリップのエッジエラーをどこまで厳しく取るジャッジかは、6人の順位にも影響が出てきそう。
エッジコール厳格な審判の影響を受けないのはマリニン選手ぐらいですかね。回転不足はともかく、シニア移行後にエッジエラーが一度もついてないのは男子出場選手中彼だけです。
女子シングル
出場選手6名は、アンバー・グレン選手以外全員日本女子。幻の2021年大阪GPFのロシア女子5名+坂本花織選手の逆パターンです。
優勝候補筆頭の坂本花織選手にアンバー・グレン選手がどこまで迫れるか
通常通りなら坂本花織選手が優勝でしょうが、ライバルがいない状態が続くのは興醒めなので、ここはアンバー・グレン選手に食らいついてもらいたいもの。
とはいえ、本番は来春のボストンワールド。試合時のメンタルコントロールを克服しつつあるアンバー・グレン選手には、「GPFはワールド前の予行演習」ぐらい気軽に考えてもらった方が良さそうな気もします。
もし神演技揃えてアンバー・グレン選手が優勝しちゃったら…
ボストンワールドを控えたアメリカの連盟&ファンの期待がとんでもないことになって、アンバー選手のメンタルが潰されそうでちょっと怖くて。
GPFでは程よく前進してほしいです(身勝手)
メダル争い=日本のワールド代表争い
スコア&順位では千葉百音選手が一歩抜き出ていますが、樋口新葉選手は後半にルッツコンビを入れることを試しているようだし、吉田陽菜選手はフリーでトリプルアクセル再挑戦してくるだろうし、松生理乃選手がついにSPフリーを揃えられるかもしれない。
つまり全員にメダルに手が届く可能性が十分あります。
何よりここで日本人上位2人以内に入っておくと、今期後半のチャンピオンシップ大会の代表選考においては有利。女子シングルは完全に「プレ全日本選手権(特別ゲスト:アンバー選手)」って感じですね。
選手も視聴者も全日本に結構近い恐怖感が味わえそう
GPFの気軽さはいずこへ…(苦笑)
カップル競技
ペアは今季世界王者が欠場に
ペアは今季世界王者のディアナ・ステラート=デデュク&マキシム・デシャン組が欠場(デシャン選手が感染症に罹った為)。第一補欠だったレベッカ・ギラルディ&フィリッポ・アンブロジーニ組が出場となりました。
りくりゅうVSステデシの新旧世界王者対決が一番の見どころだったのでとても残念です。しょうがないですけれど。
NHK杯で優勝したハセボロことミネルバ・ファビエンヌ・ハゼ/ニキータ・ボロディン組がりくりゅうの一番のライバルでしょうか?若手ペアのメテルキナ・ベルラワ/ルカ・ベルラワ組もどこまで食い込めるか。)
サラ・コンティ/ニッコロ・マチー組の演技にはいぶし銀の風格を、エリー・カム/ダニエル・オシェイ組もスロージャンプが全部決まることをそれぞれ期待しています。
GPSでは番狂わせ続きだったアイスダンス
アイスダンスはGPS中、昨季ワールドメダリストたちの演技に思わぬミスが続き、ワールド4位だったライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組が1位ー1位で驚きのトップ通過。
でもメダリスト達の後の最終滑走となるのは、余り嬉しくないかも…本人達も「1-1通過はちょっと衝撃だった」とインタビューで語ってました。
Lilah Fear / Lewis Gibson 🇬🇧 121.19 / 203.22
— Golden Skate (@goldenskate) November 17, 2024
Lewis: “We enjoyed our free dance today. This week was a bit of a fright at the beginning and now we are just glad to be here.”
The next competition is Nationals for them and after that to the final.
Lewis: “We don’t really… pic.twitter.com/LH1F5thdS3
今回の表彰台は、すんなり昨季メダリスト3組ならず少しは変動がありそうな気もしていますが…どうなるでしょうか?
ジュニアグランプリファイナル
同日同会場にて開催されるジュニア版のグランプリファイナルも、フィギュアスケートファンにとっては楽しみ。日本選手は下記の5名&1組が出場します。
12月5日からフランスのグルノーブルで行われるジュニアグランプリファイナルへ出場するメンバーが決まりました
— 公益財団法人日本スケート連盟 Japan Skating Federation (@skatingjapan) October 17, 2024
応援よろしくお願いします✨#高橋星名 #中田璃士 #島田麻央 #中井亜美 #和田薫子 #清水咲衣 #本田ルーカス剛史#ジュニアグランプリ #JGPFigure #JGPFinal #グランプリファイナル pic.twitter.com/MXjyGMCnXT
島田麻央選手は三連覇、中田璃士(りお)選手は二連覇がかかります。
二人とも早くから頭角を現しているうえにシニア移行年齢の引き上げが重なってしまったため、ジュニアの大会で「連覇」が売り文句になるのは何とも不思議な気分。
男子は中田璃士選手がSPで出遅れることなくフリーで4回転入れてクリーンにまとめられるか&高橋星名(せな)選手がどの色のメダルを手にできるかが気になっています。
ジュニアワールド覇者のソ・ミンギュ選手は国内でのゴタゴタがあって心配されていましたが、先週末の韓国の国内大会では調子よさげでしたので、強敵かもしれません。ニュージーランドのヤンハオ・リー選手も気になります。
女子は島田麻央選手に中井亜美選手と和田薫子選手がどこまで迫れるか。和田選手のジュニアらしからぬ滑りがこのメンバーの中ではどう見えるかも気になります。
ペアでも「さえルカ」こと清水咲衣/本田ルーカス剛史組が出場します。今季成績的には5番手ですが、ジュニアのペアだと試合毎の成績変動幅も大きいのでメダルのチャンスもあるか?とちょっと楽しみにしています。
「裏GPF」ことゴールデンスピン杯
実は同時期の12/4~7にクロアチアのザグレブで開催されるチャレンジャーシリーズ大会(GPSよりは格下の国際大会)のゴールデンスピン杯が、「裏GPF」って感じでなかなかのメンバー揃いなんですよね。
特に今季GPS2戦とも欠場したルナ・ヘンドリックス選手が久々に試合に登場する予定だったので楽しみにしていました。今季10月の上海トロフィーには出てたんですけど、その時の演技は私未見でして。
しかし、結句ゴールデンスピン杯も欠場との情報が出てきました…
彼女の欠場は残念ですが、GPSで入賞していた選手たちが他に多数各カテゴリで出場します。
エントリーしている各カテゴリの選手はこちらのISUページで写真入りで確認できます。まだルナ・ヘンドリックス選手等、直近の欠場情報は反映されてないですけどね。
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GPFと同時並行で見るには相当な体力&気力が必要そうなので、私は見た方の評判&採点表を後で楽しむことにします
ゴールデンスピン杯のリザルトページ
※今は去年のリザルトページの複製状態ですが、じきに今年仕様に修正されるかと