現地観戦したグランプリシリーズ第5戦フィンランド大会(フィンランディア杯)、今回は最終日のペアフリー&アイスダンスFDの記録です。
ペアでもっとも強烈な記憶は、結成2年目のゆなすみがフリー3位を獲ったこと!
アイスダンスFDでは、私が釘付けになってしまった、とある男性ふたりの背中。もう気になっちゃって気になっちゃって。
特にポール・ポワリエ選手の方は「何故あんな…」と理解に苦しんでいたけれど、幸か不幸か途中でそれを完全に忘れる事態が起きました。
ペアフリー
ゆなすみ(長岡柚奈/森口澄士組)
3連戦だった「ゆなすみ」こと長岡柚奈(ゆな)/森口澄士(すみただ)組。SPではミスが出てしまい、とても悔しそうにしていましたから、3週連続の連戦とはいえ「フリーはやってくれるんじゃないか?」と期待していました。
私が撮った演技中の写真だとフリーの出来が伝わらないので、ここはプロの写真投稿を紹介しておきます。
彼らの強みを生かしたトリプルループ~ダブルアクセル~ダブルアクセルの3連続ジャンプ。NHK杯ではミスが出て何とかリカバリしたところ、今回は予定通り決まりました。そこからリズムに乗った感じがありましたね。
昨年NHK杯で見た時から思っていましたが、二人ともスケーティングが気持ちいい。特にリフト中の森口選手の足下には惚れ惚れします。減速せず、むしろ伸びていく感じすらあるのが爽快!
着氷が乱れてしまったスロージャンプが今後の課題でしょうか。それでも転倒せずに終えられたのは大きかったですね。スローがパキッと決まるようになると更に上に行けそう。
日本のファンだけでなく、地元の観客からも暖かい声援を受けていました。笑顔で演技終えられてよかった!
フリー得点は自己最高の120.05!
仮にNHK杯のSPとフィンランド大会のフリーを合わせると総スコア180.37となり、グランプリシリーズ表彰台も夢ではなくなります。
SPフリー両方をまとめることが一番難しいとはいえ、フリーは小ミス複数ありましたし、ツイストはまだダブル。
伸びしろ一杯で今後には期待しかない!
何よりも驚いたのは、後続の格上ペアのうち、ゆなすみのフリースコアを超えたのが今大会の金&銀メダルの2組だけだったことです。チャンハウ組やギラアン組などのスコアが発表されるたびに「…フリーの得点、ゆなすみの方が上だ!」って驚いていました。
最終的にフリー3位が確定し、SPから順位を二つ上げ総合6位!
GPS大会に「スモールメダル」は存在しませんが、今回のゆなすみにはスモールメダル的な何かwを上げたい!
凄い勢いで急成長する二人だから、今季ワールド出場時にどこまで伸びているかがめちゃくちゃ楽しみです。
ディアナ・ステラート=デデュク&マキシム・デシャン組
昨季世界王者のディアナ・ステラート=デデュク&マキシム・デシャン組は、「貫禄の演技」でしたね。多少のミスはあっても、他のペアとは格が違う感じ。
サイドバイサイドジャンプがダブルになりましたが、6分間でもダブルサルコウだったし、自信たっぷり?に降りてたんで、計画的ダブルだったのではと思います。
観客からの花冠プレゼント
この大会では、カップル競技の大ファンとおぼしき中高年白人女性がお気に入りの組の演技になるとキス&クライの近くの席に移動し、衣装に合わせたお手製の花冠を手渡していました。
スロージャンプでのミスなどはありましたが、フリー131.55で余裕の優勝。
スケカナ出場時より仕上げてきていましたが、正直言って、彼女たちは昨季フリーが「ハマりプロ」だったぶん、今はまだ若干の物足りなさを感じます。「最終ゴールはミラノ五輪だから今季はボチボチ行こう」的な印象も受けます。
進化形を見たかったのに、マキシム・デシャン選手がインフル?か何かの感染症になりGPF欠場が確定したのはちょっと残念です。
World champion pairs team Deanna Stellato-Dudek & Maxime Dechamps have unfortunately withdrawn from this week's #GPFinal due to Max recovering from an illness.
— Skate Canada / Patinage Canada (@SkateCanada) December 2, 2024
They will be greatly missed in competition, and we wish him a speedy recovery 🙏 pic.twitter.com/De9jiBs63t
アイスダンスFD
アイスダンスでも何組かが衣装に合わせた花冠を貰っていました。
アイスダンサー達が貰った花冠シリーズ
例えば情熱的なタンゴメドレーを演じたユーリア・トゥルッキラ/ マティアス・ヴェルスルイス組。
ドレスに合わせた赤ベースの花冠を貰ってました。
ディズニーアニメの有名悪役美女「クルエラ」の世界を演じたハンナ・イム / イェ・クアン組にはこんな感じの花冠。
Hannah Lim / Ye Quan 🇰🇷 106.36 / 175.36
— Golden Skate (@goldenskate) November 17, 2024
Hannah: “It was very fun today, the crowd was really engaged again.”
On their Cruella Free Dance:
Ye: “The idea actually came from Marie-France’s daughter. She said: ‘mom, noone yet skated to Cruella!’ We are really happy that she then… pic.twitter.com/z08S1hZaBY
アメリカのエミリア・ジンガス / ヴァディム・コレスニク組も貰っていました。
Emilea Zingas / Vadym Kolesnik 🇺🇸 116.76 / 189.48
— Golden Skate (@goldenskate) November 17, 2024
Emilea: “I was so nervous at this competition, we had big goals and I worked so hard on improving over the summer so yesterday’s Rhythm Dance was really a disappointment. We are happy though that we could finish this competition… pic.twitter.com/PFeUxcECeM
エミリア・ジンガス選手は上記の演技後のインタビューで花冠への思い入れを熱く語ってました。
いつも他の人が花冠をつけているのを見て、私も欲しかったんです。やっと自分の花冠が手に入りました。とてもきれいです。絶対に家に持って帰ります
しかし、「コーラスライン」を演じた折原裕香/ユホ・ピルネン組は…
花冠ではなくてお手製ハットを貰っていました(笑)。
Yuka Orihara / Juho Pirinen 🇫🇮 111.08 / 183.64
— Golden Skate (@goldenskate) November 17, 2024
Yuka: “We really enjoyed skating today.”
Juho: “I didn’t feel tired, sometimes that happens in a big arena at big competitions but this time we were able to keep it up all the way until the end.”
Their goals are to be top 10 at… pic.twitter.com/1NJSP9ZjAv
あくまで「お気に入り組用」なので、出場選手全てに渡してるわけじゃないんですよね。他人の好みの基準はよくわからないから「こっちは好みじゃないのか~」などと考えながら見てました。
気になる背中の男たち
アイスダンスFD競技中、気になる背中の男性が二人いました。
コーチ&振付師のロマン・アグノエル氏
一人は、ハンナ・イム / イェ・クアン組の演技待機中に気づきました。
最初はダークスーツ姿に真っ白なスニーカー合わせてるのに目を奪われたのですが、立ち姿の美しさがただ者ではない。アレは誰?
イム/クァン組が練習しているのはモントリオールの有名クラブ「IAM」。となるとたぶんロマン・アグノエルコーチ(兼振付師)?私はアイスダンスには疎いので名前と顔が一致しません。というか顔見えないしw
彼のたたずまいが気にかかったまま二人の演技を見始めたら…
彼、ステファン・ランビエールコーチばりに感情移入しちゃう系の方でした!知らなかった!!
スケーター達の動きに合わせてぐいんぐいん動くので、つい視線が吸い寄せられちゃうw
イム/クァン組の二人には申し訳ないんだけど、私は彼の動きにかなり気を取られてしまいました(苦笑)。
私はアイスダンスの競技中に私はコーチを見ようとしたことがなかったので、今まで全く気づかなかったです。
こんな情熱的なコーチがいらしたのね~
「IAM」で練習しているアイスダンスチームは多数。ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン組の時にも勿論現れました。またこの立ち姿。
ふたりが演技をスタートしても…
視界に彼が入ると、そのノリノリな様子をつい見てしまうw
今後アイスダンスを現地で見る時に彼がいたら、リンクサイドを見てしまう習慣がつきそうです。
私野跡からはほぼ後ろ姿しか見えませんでしたが、得点発表の時の場内モニターでは顔がはっきり確認できました。
ポール・ポワリエ選手の「穴」
パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組のポール・ポワリエ選手のFD衣装が衝撃的だということはスケカナの時に書きました。
フィンランド大会の私なりの見どころを事前にまとめた投稿内でもこう書いていました。
一番の楽しみはパイポーことパイパー・ギレス/ポール・ポワリエ組のフリー衣装をナマで見るインパクトかもしれません。(ポール・ポワリエ選手のあの背中を見て吹かずにいられたら、それだけ演技が凄いということかと)
そう、この衣装は一見正統派風の衣装なんです。
Gilles/Poirier dazzle Halifax, tangoing to their fifth Skate Canada International crown! 🏆✨ The World silver medalists brought the house down with breathtaking performances, capturing the audience and closing out the event with style and grace. 💃🕺 Canada’s favorite duo truly… pic.twitter.com/hRo6OrGQHT
— ISU Figure Skating (@ISU_Figure) October 27, 2024
抑えていた席が選手入口を見下ろせる位置だったせいで、あの衣装を背後からナマで見るインパクトはとんでもなかったです。
私が知る範囲では、今のところどこも「何でこのデザイン?」という質問に対する満足な回答を得られていません。どういう主張&理由でこうしたのか、シーズン終わるまでには知りたいです。
美しい滑りに見惚れていても…
ポール・ポワリエ選手の背中が目に入ると、どうしても「!」となってしまう(苦笑)。
しかし、背中の穴に目が徐々に慣れてきた後半、彼らはシンクロナイズドツイズルで接触!まさかの転倒をしてしまいました。
私も動転しちゃって、その後は完全に背中のことは忘れましたね。
あの転倒が無かったとしても彼らの演技のパワーで最終的には忘れさせていてくれたかもしれませんが…
現地体験でこの衣装に対する免疫がついたと思うので、次はこのプログラムを変な動揺無しに見られるのではないかと期待しています。
二人ともキス&クライでは花冠かぶって明るく振る舞ってはいたけれど、少し動揺が残っているのが見てとれました。FDはまさかの4位。RDのリードがあったため総合2位で、グランプリファイナル進出は問題無く決めました。
大会後に新RD衣装をあげたinstagramの投稿の文面もちょっと沈んだ感じでした。
グランプリファイナルでは会心の演技での勝負を見たいところです。
最後の楽しいおまけ:バービー&ケンのGPF用新衣装!
2024GPSフィンランド大会の現地観戦記録はこれにて終了です。次はGPFですね。
上記のリンクはるためにパイパー・ギレス選手のInstagramのぞいたら、GPF用の新衣装が投稿されてました!
次はこの衣装らしいです!