ワールドユニバーシティゲームズ2025&カナダナショナル&PIW長崎公演 あれこれ

白っぽい氷の結晶画像に記事のタイトル文字が載っている

今月のフィギュアスケート関連の試合は、ユーロ(欧州選手権)を除けばユニバーシアード(ワールドユニバーシティゲームズ2025)やインターハイ、各国のナショナルなどがある程度。一息ついた感じの日々を送れています。

この週末はプリンスアイスワールド(PIW)長崎公演もありました。遠征しちゃおうかとちょっと悩んで一度検索はしてみたんだけど、日帰り鑑賞には若干厳しかったので断念。

PIW長崎公演は観客がSNSに挙げてくれている演技終了後のミート&グリートの写真等を見せてもらうぐらいですが、それなりに楽しんでいます。フィギュアスケートを初めて見た人の感想は新鮮で楽しいですね。

ユニバーシアード(ワールドユニバーシティゲームズ)とカナダナショナルは無料で配信視聴できたので、視聴できた男子シングルのみ軽く記録を残しておきます。どちらもアーカイブで試合映像を無料で今も見られるのでリンク等も貼っています。

目次

ユニバーシアード(ワールドユニバーシティゲームズ2025)

冬季ワールドユニバーシティゲームズとは

「ユニバーシアード」は1960年から2年おきに開催されている「学生のためのオリンピック」的な大会です。(前身の大会は1923年開催)

2023年大会から正式名称が「ワールドユニバーシティゲームズ」に変更になったんですが覚えにくくないですか?この名称。なので私は未だにユニバーシアードって呼び続けてます(苦笑)。

開催年の1月1日に17歳以上28歳未満で、大学&大学院在籍中or開催前年に卒業した人に出場資格があります。

山本草太選手は中京大卒業済みだけど、去年卒業だからOKなんですね

昔からのこの大会はスケート連盟の中での位置づけがよくわからない大会です。国内外の有名選手でも出る人と全然出ない人に二分されます。

ISU公認大会ではないのでランキングのポイントは入らないしスコアも非公認。でも、大会記録が残るれっきとした「試合」だから調整にはうってつけ。各種冬競技の学生アスリートたちが集まる世界規模スポーツイベントの面白さもありますしね。

ちなみに宇野昌磨さんは一度も出ていません。師匠のステファン・ランビエールさんも出てません。高橋大輔さんや三原舞依さんは2回出てて2回優勝しています。同じ大学でも出てる人と出てない人に分かれてるので、本当個人の希望なんでしょうね。

よほど無茶なスケジュールになってない限り、応援してる選手が出てると素直に楽しいですよね。比較的気楽に見守れるけど、大きな大会ではあるから表彰台に登れたら素直に嬉しいし。

ということで、昨日は男子シングルがいい時間帯だったこともありライブで視聴しました。

ワールドユニバーシティゲームズ2025リザルト

ワールドユニバーシティゲームズ2025採点表

女子は時間深すぎ&今朝のカナダナショナル男子も見たかったので未見です。後でゆっくり見る予定。

元ロシアでカザフスタンに国籍変更したサモデルキナ選手メダルが3位に入ったので、日本女子表彰台独占は実現せず。住吉りをん選手が優勝、千葉百音選手が僅差の2位。吉田陽菜選手は4位

住吉りをん選手は4回転トゥループ、吉田陽菜選手はトリプルアクセルを入れてきたあたり、「挑戦」できるところがこの大会の面白いところですね。

男子シングルSP

演技動画情報

ワールドユニバーシティゲームス2025男子シングルSP公式動画

1:52:50あたりからダニエル・グラッスル選手→鍵山優真選手→チャ・ジュンファン選手という、ワールドのような流れがあります。(グラッスル選手の直前はステファン・ランビエールコーチが指導しているイタリア選手の出番なのでキス&クライにステファンコーチがいます)

山本草太選手は4:08:47~、佐藤駿選手4:33:29~あたりからです。

演技内容

鍵山優真選手は超クリーンにまとめて106.82、笑っちゃうような綺麗なジャッジスコアでした。

ただサルコウとトゥループ構成だと、どんなに美しい演技を極めたとしてももうこれ以上の点は望めなさそうだとも思いました。

今後マリニン選手と競っていくにはSPに4回転フリップかルッツの投入は必要になってくるでしょうし、本人もジャンプ構成を上げることを考えていると思います。「今大会でSPにフリップ投入してくるかな?」ってちょっぴり期待してたんですけどね。クリーンSPが見られてラッキーだったと思うことにします。

山本草太選手はサルコウ抜け&スピン等で取りこぼしが複数出てしまって少しもったいなかったです。佐藤駿選手はルッツではなくフリップ投入でクリーンにまとめました。もっと点くれー!って気分。明治大学のぬいぐるみ「めいじろう」を握り締めてるキス&クライが印象的でしたね。

理解不能な一部ジャッジの採点

SPの採点表を真面目に見ると「はぁ??」ってなるところが散見されました。

ミハイル・シャイドロフ選手のPCSに8.0~8.5点台つけてるジャッジが、チャ・ジュンファン選手のPCSに6.5~7.0つけてるのには驚きましたわ。

「はあああああ?」ってなりますよね?

サルコウ転倒&ステップのレベル取りこぼし以外特に悪いところなかったのに。

二人のスコアが逆ならともかく…って一瞬思ったけど、シャイドロフ選手に6点台でも低すぎますよね。

チャ・ジュンファン選手は6.5~9.0までPCS評価がバラけてて、PCS40.16。PCS39.09のミハイル・シャイドロフ選手と1.07点しかPCSの点差がありません。私、このジャッジとは絶対意見が合わない(苦笑)。

最高点と最低点はカットされるから実際の得点には直接反映されてないけど、「そういう問題じゃないだろ」と言いたくなります。「このジャッジ、ジャッジミーティングで罵倒されまくればいいのに」とか思っちゃいましたよ。

この大会は出場選手の実力幅が大きいから、PCSのつけ方が難しいのは理解できます。でもそれにしてもねぇ。真面目に採点表見るとイライラしてくるのであまり真剣にチェックしないようにしました。

男子シングルフリー

演技動画情報

ワールドユニバーシティゲームス2025男子シングルフリー公式動画

まるでワールド後半グループ?かのような最終グループの6分間練習は3:10:15あたりから。演技は3:16:25あたりから始まります。山本草太選手→チャ・ジュンファン選手→ミハイル・シャイドロフ選手→ダニエル・グラッスル選手→佐藤駿選手→鍵山優真選手の順です。

表彰式は4:09:45あたりからです。国歌ではなくてブラームスの『大学祝典序曲』なる曲が流れるのが面白いです。

最終グループ前半4人の演技内容

鍵山優真選手フリーに4回転ルッツを入れ込んだ「挑戦構成」にしてくるとは前情報で知っていましたが、山本草太選手が4回転フリップ入れてくるとは知らなかったので、冒頭がトリプルループじゃなかったことに素直に驚きました。

両足着氷になり、「<」アンダーローテーション取られましたがフリップ下りることができました。後半4回転トゥループも着氷。挑戦構成のためかジャンプ精度は今一つで得点こそ伸びませんでしたが、試合で投入するとどうなるか試すことができました。三浦佳生選手の棄権で回ってきたチャンスを生かした感じですね。

高揚感残ったまま次のチャ・ジュンファン選手観てたらジャンプノーミスのままで行っちゃってビックリ!怪我とつきあいつつもワールドに向けだいぶ調子を上げてきているようで、「うわーユニバーシアードでこんないい演技しちゃっていいの?」ってつい思っちゃいました。彼の実力からいってまだ上げてくるでしょうけれど。

ミハイル・シャイドロフ選手はフリー構成を少しだけ落としてて「?」と思ったら、実況が「足を痛めてカザフスタンのナショナルを棄権した。leg cramps(足の痙攣)を抱えた中でこれだけの演技やって立派」という内容のことを話していてビックリ。調べてみたら確かに先月のカザフスタンナショナル出場してなかったです。

男子シングルのミラノ五輪メダル争いは「いかに高難度ジャンプを入れ込んだ構成にするか」よりも、「いかに怪我せずに高難度構成入れられる体を保てるか」にあるかも…って思っちゃいましたね。

続くダニエル・グラッスル選手はジャンプの時に壁に接触しそうになってヒヤリとした時以外はジャンプが安定した様子。所作も洗練されてきて、こうなるとこのプログラムの雑な曲編集が本当にもったいない…。

冒頭の4回転ルッツに「q」がつき、ルッツ二つとも「!」(アテンション)がついたけど、もともとジャンプ加点が多いタイプではなくてそれなりに点が残り、フリー182.22。総合で280.56。

最後の二人 佐藤駿選手&鍵山優真選手

佐藤駿選手は冒頭4回転フリップできてSP同様綺麗に下りたので一安心(SPと違って「!」マークはつきました)。…と思ったのもつかの間、次の4回転ルッツがダウングレードの転倒。

ルッツの転倒は想定範囲内でしたが、後単独の4回転トゥループと後半のトリプルアクセルでも転倒してしまったのはビックリ。彼のジャンプがここまで乱れるのは珍しいと実況にも言われていました。

でもジャンプ乱れた割には気力は最後まで保ててる印象で、全日本の時に感じたほどの悲痛さは私は感じなかったですね。ワールド前にはまだアジア大会もあるし、徐々に戻していければいいなぁ。

鍵山優真選手はSPでグラッスル選手に13点差をつけていましたから173.7あれば優勝できる計算です。4回転ルッツ入れてくると聞いていたので、どこに入れるのかなと思ったら3本目でした。フリップ⇒サルコウ⇒ルッツで、トゥループのコンビネーションを後半に入れる4回転4本構成。

冒頭4回転フリップがキレイに決まったのでこれまた安心してたら、サルコウが回転が少し足らず転倒。続く4回転ルッツはシングルにすっぽ抜け。やっぱり新しい4回転試合で入れるのって難しいんだなと改めて思いました。

練習では綺麗に跳べていても関係ない。それも試合で何度か試さないことには、試合で使える武器にはならない。鍵山選手もアジア大会でまた挑戦できるので、次こそは!ですね。

カナダナショナル

各国のナショナルは程ほどにしか追ってない私ですが、カナダナショナルは誰でも無料で配信をナマorアーカイブで見られるので毎年ちょこっと見ています。

特に今年は男子シングルが欠場の嵐過ぎて、逆に気になる状態でした。

今月に入ってから、メダル候補のスティーブン・ゴゴレフ選手、ウェスリー・チウ選手が連続で欠場発表。もうメダル獲ってワールドに行ける(ミニマムスコア持ってる)選手がロマン・サドフスキー選手とアレクサ・ラキッチ選手しか残っていない

去年のカナダナショナル男子シングルは結構なレベルの大自爆大会で、トリプルアクセルが跳べないジュニアのアンソニー・パラディ選手が3位に入って話題になりました。

そのアンソニー・パラディ選手が試合前に既に「表彰台ほぼ確実」と言われる状況になる始末ですよ…
ってアンソニー・パラディ選手は不安定だったジャンプが今季だいぶ改善されて、フリーにはトリプルアクセル挑戦できるレベルに成長してきてはいるんですけどね。

2025カナダナショナル リザルト

男子シングルSP

こちらがそのカナダナショナル男子シングルSPの動画です。
解説は元男子シングルの4回転ジャンパー&四大陸王者・ケヴィン・レイノルズさんです。

1:59:30あたりからアンソニー・パラディ選手⇒アレクサ・ラキッチ選手⇒ロマン・サドフスキー選手と続きます。

しかしラキッチ選手はこの後フリーを棄権

出場選手の中でワールドに行ける資格を持った選手はロマン・サドフスキー選手ただ一人になってしまいます(!)。

余談ですが、宇野昌磨さんファンは、最終3位に入ったディヴィッド・リー選手(1:28:02ごろ~)も要チェック。昌磨さんのラヴェンダー衣装を思い起こさせる衣装です。でも髪型はネイサン風の多毛系。(曲は「ラヴェンダーの咲く庭で」ではありません)

男子シングルフリー

こちらがフリーの動画。2:39:54あたりからがアンソニー・パラディ選手、続いてロマン・サドフスキー選手が滑ります。

会場はアンソニー・パラディ選手のホームだそうで。会場の応援も熱がこもっているし(もともと“個性つよつよ”なので国内外の人気の高い選手ですが)、本人もホームでの大会ということで気合がめちゃくちゃ入っていたようです。

残念ながらトリプルアクセルへの挑戦はシングルすっぽ抜けでした。でもそれ以外のジャンプを転倒なしでまとめたのは去年までのジャンプの不安定さを思うと大きな進歩!

国内の非公認スコアとはいえ総合225.56点を出せたので(トリプルアクセルなしで!)、本当なら四大陸選手権に送ってあげてほしいところ。しかしシニア大会のミニマムスコアを持ってない(取れる大会に出してもらえてない)ので出せません。

そしてロマン・サドフスキー選手は4回転3本構成に挑戦!

後半に入れた4回転で転倒こそしましたが、それ以外はまとめてきて堂々とした優勝でした。これならワールド代表は彼で確定?それとも四大陸選手権で最終決定かな?

四大陸はたぶん彼の他に2名を派遣できるはずですが、ゴゴレフ選手・チウ選手・ラキッチ選手からどうやって選ぶんだろう…カナダの連盟の人も大変だなと同情します。

PIW長崎公演

この二つの試合の合間に、プリンスアイスワールド長崎公演の情報もSNSで追いかけていました。

宇野昌磨さんは現役ラストシーズンのSP「エブエブ」を演じた模様。長崎の新しい会場、なかなかの急こう配でスタンド上方でも見やすそうな会場でしたね。

流れてくるミート&グリートの写真がにこやかな表情でポーズを取ってるのがたくさんあって、「プロスケーターになったのね」としみじみと思いました(笑)。

プリンスアイスワールド、昨季は滋賀公演があったのですが今季は関西・中国・東海地方での公演は無し。一回はナマで観たいと思っているので東京(東伏見)の公演は1日だけ行く予定にしています。その時は何のプロが見られるかな?

1/19 20:45追加 無事全公演終了したようですね>

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