ミラノ五輪で金メダルを獲得し、日本フィギュア界を牽引してきた「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組が、2026年4月17日に現役引退を発表しました。
ある程度予想していたこととはいえ、やはり寂しさは残ります。
今回は、二人が引退に至るまでの背景やこれまでの歩みを振り返りながら、今後の活動やアイスショーで二人の演技を見られる可能性について考えていきます。
4/17(金)、園遊会の朝に二人のSNSアカウントで引退を発表
引退報告は、ふたりのSNSアカウントで同じ文章が同時に公表されました。
「やっぱり来てしまったか」と思いました。
「きっと引退だろうな」との覚悟が決まるまで
「4年後も8年後も目指したい」と語っていた北京五輪
北京五輪のときは、「次の次の五輪まで続けたい」と語っていたふたり。

三浦璃来選手は「ここが最終地点ではない」「次もあるし、その次もある」と話し、木原龍一選手は「4年後も8年後も目指したいです」と言い切っていました。
※Numberのサブスク契約している方は、「8年後までやりたい」という当時の話を下記でたっぷり読めます

トップ選手として君臨した4年間の陰にあった、怪我と病との闘い
北京五輪後は、トップ選手の引退とロシアの競技不参加により一気にトップ選手に定着した二人。世界フィギュアスケート選手権の成績は2位→1位→2位→1位と、トップ選手として4年間ペア競技に君臨しました。
二人がトップ選手に駆け上がっていく過程を過去演技動画と共に振り返りたい方はこちらの記事をどうぞ

でもその華やかな経歴の裏には、三浦璃来選手の肩の脱臼→木原龍一選手の腰椎分離症と喘息→五輪直前の三浦璃来選手の肩の脱臼と、苦難の連続がありました。
「りくりゅう」は私がフィギュアスケートに求める「疾走感」を体現していて大好きなペア。出来るだけ長く現役を続けてほしいという気持ちはありましたが、「ミラノ五輪後も現役を望むのは酷かもな…」という想いがここ数年募っていました。
そのうえミラノ五輪後は、彼らが拠点としていたオークビルからブルーノ・マルコットコーチが離れることが決定。二人が現役続行を決断したとしても、今後の拠点はどうなるのかが不透明な状態になりました。現役続行するとしたら、三浦璃来選手の肩も手術が必要になるかもしれません。
金メダル効果でペア競技振興に繋がりそうな仕事の依頼が増えている状況も踏まえると、おそらく「引退」なんだろうなと思っていました。
引退後の出演ラッシュ|テレビ・CM・バラエティ出演
桃鉄、Google、入社式、園遊会、バラエティ番組出演…止まらない供給
ミラノ五輪終了後は、「りくりゅう」関連のコンテンツがテレビやネットに溢れかえっています。ラジオの出演もありましたし、徹子の部屋の出演も記憶に新しいです。

ミラノ五輪の各国実況やバックヤード映像を追いかける一方で、桃太郎電鉄のCMやGoogle関連のCM、木下グループ入社式、さらには引退発表当日の園遊会出席やSnow Manのバラエティ番組「それスノ」出演まで、露出は一気に広がりました。

※「それスノ」はTVerでオンライン見逃し視聴可能です。

いずれもざっとチェックはしていますが、ラジオ出演など追いきれてないものもあります。
メイキング動画なども含めて各メディアから一斉に大量供給されるので、とても全部は視聴できなくて嬉しい悲鳴状態!
以前はりくりゅうをメインで取り上げた番組はCS放送のカナダ旅番組ぐらいだったのに、隔世の感すらあります。私はりくりゅうの「夫婦漫才風トーク」も大好きなので、こうしたコンテンツの数々も今後時間をかけてじっくり追うつもりです。
その一方で募る「新しい競技プロがもう見られない寂しさ」
ただ、彼らの楽しいコンテンツが大量供給される事態になったこと自体は喜ばしいのですが、正直に言うと、もっとも見たいのは競技の演技です。「彼らの競技用新プロはもう見られないんだな」と思うと、寂しさがこみ上げます。
まぁ私は2022さいたまワールドで初優勝の瞬間にも、2023モントリオールワールドで競技復帰まもないのに銀メダルを獲得できた瞬間にも、2025ボストンワールドで2度目の優勝の瞬間もナマで見ることができました。
ラストシーズンは木下グループ杯で「グラディエーター」の初披露の瞬間も、名古屋グランプリファイナル優勝も間近で見られました。

最後に二人の試合をナマで見たのは、2025全日本選手権のSPでした。6分間練習で三浦璃来選手が肩を脱臼したことに全く気付かなかったため、演技後の涙を見て「?」となったのを昨日のことのように思い出します。
「こんなにいっぱい素晴らしい試合を見せてもらえたんだから、もう満足しろよ」って自分で自分に言い聞かせています。
何よりミラノ五輪のフリー演技はこれ以上ない素晴らしい締めくくりでした。
彼らとしても今後あれ以上のものを求め続ける競技人生はきついでしょう。もちろん、目標を切り替えて続けるという選択肢もあったかもしれません。でももし続けることが苦しいのであれば、無理に続けてほしいとまでは思えない。あれほどのものを見せてもらえたのだから、ミラノ五輪を最後に引退すると言う決断は素直に祝福できます。
今後二人のペア演技はいつまで見られるのか?
引退後も、「滑っている二人をできるだけ長く見たいな」いう想いは強いです。
せめてフルサイズのリンクで開催されるアイスショーがあれば…
「アイスショーなどで二人の演技をまだまだ観られるでしょう?」と言う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私はペア競技は広いリンクがあってこそ技の迫力をフルに堪能できると思っています。彼らの演技にどれ程スピードと迫力があるのかを知っていると、狭いリンクで行われるアイスショーの演技では正直物足りなさがあります。競技ではできないジャイアントスイングなどの派手な技が見られるのは楽しいので、プラスの側面もありますけどね。

フルサイズリンクのアイスショーをどこかで企画してくれないかなぁ。
間近でスケーターを見るのも楽しいですが、フルサイズリンクを駆け抜ける姿をショーでも見たいというファンもいるんじゃないかと思うのですが…
ペアスケーターの引退後のキャリア
ここからは、観客の視点からふたりの今後を少し考えてみたいと思います。
ショーに長く出続けるペアスケーターは少ない?
大抵のペアスケーターは、アイスショーで活躍したとしても引退後数年以内。長く表舞台で滑り続けるプロのペアスケーターは、他カテゴリと比べると少ない印象があります。
長くショーで滑り続けていたペアスケーターというと、私はカナダのジェイミー・サレー/デヴィッド・ペルティエ組くらいしか思いつきません。(調べたところ、離婚してからの約2年間も含め、引退後約10年間一緒に滑っていたようです)
ロシアのエカテリーナ・ゴルデーワ/セルゲイ・グリンコフ組はグリンコフさんはショーに長く出ていた方ですが、途中で現役復帰を挟んでいますし。もし、2度目の引退後わずか2年でセルゲイ・グリンコフさんが心臓発作で急逝していなければ、もっと長くショーで活躍していたかもしれませんが。
(余談ですが、エカテリーナ・ゴルデーワさんの再婚相手はデヴィッド・ペルティエさんです)
ショーに出続けるペアスケーターが少ない理由
アイスショーに出続けるペアスケーターが比較的少ない理由を考えてみました。
- 怪我のリスクが段違い
スロー・リフト・ツイストなど、ショーであっても危険度が高い技が求められがちなため、年齢を重ねると継続が難しい
- ギャラ問題
ペアは「2人セット」でギャラ等のコストが高くなりがちなため、興行主が呼ぶハードルが上がる - 「2人セット」が引退後も継続とは限らない
引退後も片方がパートナーを組み替えて現役続行したり、結婚や離婚・転居などを理由にパートナー関係を解消したりすることも多く、引退後「2人セット」を続けるとは限らない
- 指導者ニーズが大きいため、コーチへの転身が早い
ペアは競技人口が少ないため、引退後はコーチとして「教える側」に回ることを望まれがち
「りくりゅう」の二人は現役時代から指導者としての将来について何度も言及しています。
アイスショーにたくさん出てくれるのもあと何年もないかも?と一応の覚悟はしておいた方がいいかもしれません。

想像以上に長く出てくれれば、それはそれでラッキーだと言うことで!
りくりゅうの今後のアイスショー予定
ミラノ五輪で初めてりくりゅうの魅力を認識した人たちには、ぜひ二人の演技の魅力をナマで味わってほしいです。そのためにも、今年はできるだけアイスショーに出演してほしいですね。
先日の「スターズ・オン・アイス」に引き続き、今出演が予定されているアイスショーは、5/1(金)&5/2(土)に兵庫県尼崎市で開催予定の「ブルーム・オン・アイス2026」です。

まだチケットは購入可能です。今後のりくりゅうの出演数は読めないため、気になる方は早めに動いた方が後悔は少ないと思います。
「りくりゅう」の未来に祝福を
スターズ・オン・アイスの前に一度オークビルに戻っていた二人。今後は再度引退報告にカナダに向かうのでしょうか?今後どこでコーチ修行をするのかによっては、長らく拠点を置いていたオークビルの家も引き払うかもしれません。
今後どのようなセカンドキャリアの道を彼らが辿っていくかはわかりませんが、日本のペア競技振興につながることをやってくれることは間違いないでしょう。

二人の未来が充実したものになることを心から願っています。
改めて「引退おめでとうございます」と二人の門出を祝福したいです!

